自分で空き家の管理をする方法!これを見て難しいと感じたら早期売却を!
相続などで親が住んでいた実家を所有することになった場合、空き家としてそのまま放置するわけにはいかなくなっています。家は、誰も住まない空き家状態の方が劣化が早く進むようになり、適切な維持管理が実施されていないと、建物が老朽化したり、庭の草木が繁殖してさまざまな問題を引き起こすことになるのです。
少子高齢化による人口減少が指摘されている日本では、全国的に空き家の増加が問題視されており、地域の景観や衛生、安全に悪影響を与えないようにするため、所有者に対して適切な維持管理を義務付けるようになっているのです。実際に、これ以上の放置空き屋の増加を防ぐため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が2014年11月に成立し、2015年から全面施行されています。また、2023年12月からは改正空家特措法が施行され、所有者に対する空き家の管理責任がより厳格化されています。適切な空き家の管理が実行されていない場合、自治体から管理不全空家や特定空家に指定され、固定資産税の税額が最大6倍にまで跳ね上がる措置がとられたり、最悪の場合、最大50万円以下の過料と言った罰則まで用意されているのです。
それでは、実際に相続などで空き家を所有することになった場合、どのような管理が求められるのでしょうか?また、どの程度の頻度で管理のために足を運べば良いのでしょう?今まで、空き家を所有した経験がないという方の場合、適切な維持管理と言われても、正しい管理方法が分からず、空き家の劣化を招いてしまう可能性があります。そこでこの記事では、法で求められるようになった「空き家の管理」について、どのような手順で行えば良いのかについて解説していきます。なお、記事内でご紹介した内容の維持管理作業について、「自分では難しい」と感じた場合の対処についても解説します。

基本的な空き家の管理手順をご紹介
空き家の管理については、物件の状態などによって必要な作業が変わるため、全ての空き家に対して正しい維持管理マニュアルを作ることは難しいです。ただ、どのような空き家であっても、最低限必要と考えられる作業があるので、ここでは空き家の所有者が物件に足を運び、管理作業を進めていくときの流れにしてご紹介していきます。
なお、空き家の管理のため、物件まで足を運ぶ際には、現地のゴミ出しの曜日などをきちんと確認しておきましょう。現地でゴミが出せなければ、管理時に発生したゴミを自宅に持ち帰らなければならなくなる、もしくは空き家の敷地内にゴミを放置して帰ることで不法投棄を誘引してしまうなどの問題が発生するからです。
なお、空き家の管理のため、実際の物件に足を運ぶ際の服装や持ち物については、以下のような状態が推奨されています。
- 季節に関係なく、服装は長袖長ズボン
- 軍手や上履きを用意する
- ほうきや雑巾、火ばさみなどの掃除用品を準備
- 庭がある場合、害虫の駆除剤や忌諱剤を用意
- 寒冷地の物件なら不凍液を用意
空き家の管理に足を運ぶ際には、季節に関係なく、動きやすい長袖長ズボンを心がけてください。夏場の作業になると「暑くて作業にならないのでは?」と考えるかもしれませんが、夏場は蜂やマダニ、蚊などの害虫被害が考えられるため、可能な限り素肌は出さないようにした方が良いのです。
掃除用品に関しては、空き家側で保管しておけば便利ですが、害虫・害獣の忌諱剤や駆除剤は、その都度、ホームセンターなどで購入していきましょう。それでは以下で、実際に空家の管理を進める時の手順について解説していきます。
STEP1 施錠状態の確認
空き家の管理のため、物件に到着した時、最初に実施しなければならない作業が「きちんと施錠された状態か?」を確認することです。これは、玄関などの出入り口は当然として、家全体の窓の施錠状態も確認していきましょう。
万一、前回施錠して帰ったはずであるのに、出入口や窓の施錠がなされていなかった…と言う状況なら、物件内に人が侵入して空き巣被害などを受けている可能性があります。玄関の施錠状態を確認し、閉めていたはずの鍵が開いている…と言う場合、物件内に人がいる可能性があるため、そのまま立ち入るのではなく、近隣住人や友人、警察に相談して、一人で物件の中に踏み込まないようにしましょう。
また、物件内に入り、窓の施錠状態を確認して回った後、何らかの異変を感じた時には、空き家の管理作業を行うのではなく、すぐに警察に相談した方が良いです。空き巣などの被害に遭っていた場合、物件内の掃除を進めてしまうと、その証拠まで消し去ってしまうことになります。室内の様子について、前回と変わったところが見られるという場合は、まずは警察に相談し、現場を見てもらってから管理業務を進めるかどうかの相談をした方が良いです。
施錠状態に何の異変もなかった場合には、次のステップに進みます。
STEP2 室内の窓を全て開け、換気を実行
物件の施錠状態をチェックし、安全が確認できたら、室内の管理作業に進みます。物件内に入る際には、ホコリなどが溜まっている可能性があるので、軍手や上履きを装着します。
そして、室内に入り、全ての部屋の窓を開放して、しっかりと換気を行いましょう。物件内の窓はもちろん、風通しを良くするためにも、室内ドアも開放状態にして、空気がしっかりと入れ替わるようにするのがコツです。
空き家は、普段人の出入りが無くなるため、空気が流動することなく、ホコリや湿気がこもってしまいます。その結果、カビの繁殖に適した環境になり、建物の劣化を進めてしまう可能性があるのです。したがって、管理のために空き家に足を運んだ際は、最初の作業として窓を開放して換気を実行するということを心がけてください。
なお、物件内にタンスなどの収納家具が残っている場合、収納家具の扉やクローゼット・押し入れの扉なども開放して、内部の湿気を逃がしてあげましょう。
STEP3 建物外の清掃と点検
室内の換気を行っている間に、建物外の清掃や点検を進めると良いです。長期間閉め切った状態に置かれる空き家の換気は、しっかりと空気を入れ替えるためにも、しばらく窓を開放した状態を維持し続ける必要があります。
したがって、室内の換気を行っている間は、その他の管理作業を進めていくと良いです。建物外の点検や管理は、以下のような作業を実施していくと良いです。
■ポストの確認とチラシの処分
空き家状態であっても、ポストの投函口を塞いでいない場合、広告やチラシが投函され続けます。したがって、建物外にポストが設置されているお宅の場合、ポストに投函されたチラシの処分が必要です。
ポストに大量のチラシが溜まっているという状態は、その家が「空き家状態である」と言うことを対外的に知らせるサインになります。この場合、室内に残された家財の盗難を目的に空き巣に入られたり、不審者の住処として使われてしまう可能性があるのです。さらに最悪の場合、イタズラ目的でポストのチラシなどに放火され、火災に発展する恐れまであるのです。
空き家の管理に足を運んだ際には、必ずポストをカラの状態にするため、チラシなどを処分しましょう。なお、管理の度にチラシでポストがいっぱいになっている…と言う状況なら、投函口を塞いでおくというのも有効です。「チラシお断り」のシールを貼るという方法もありますが、ほとんどの場合、無視されるので投函できないようにする方が良いです。
■物件周辺のゴミ拾い
次は、建物周りのゴミ拾いを実施しましょう。空き家状態になると、通行人がタバコの吸い殻を捨てたり、空き缶などのゴミを投げ込んだりするので、そういったゴミを全て拾って処分しましょう。なお、近隣住民との良好な関係を維持することを考えると、敷地内だけでなく、物件周辺のゴミも一緒に拾ってあげると良いです。
不法投棄されたゴミについては、「なぜ自分が掃除しないといけないのか?」と不満に感じる方が多いです。しかし、敷地内に捨てられたゴミについては、土地の所有者が処分しないといけないと法律で定められているのです。
なお、不法投棄は犯罪なので、処分に困るような大きなゴミが捨てられていた時には、自治体や警察に相談しましょう。ゴミが廃棄されている状態を写真に収め、それを持って相談すると、パトロールの強化や看板の設置と言った対策を行ってもらえる場合があります。
■草刈りなど、お庭の管理
草木が植えられているようなお庭がある物件の場合、ゴミ拾いと並行して草刈りなどの庭の手入れを実施していきましょう。
特に夏場になると、草木が一気に成長して、近隣住民にもさまざまな悪影響を与えてしまう可能性があるのです。庭の草木が繁殖している状態を放置してしまうと、人に危害を加える可能性がある害虫が発生する可能性が出てきます。また、野良猫などの小動物の住処になってしまうと、鳴き声による騒音問題や糞尿による悪臭問題を引き起こす可能性もあるのです。この他、草木が繁殖している場所にタバコをポイ捨てされ、それにより火災が発生するといったリスクも生じてしまいます。
庭があるお宅の場合、成長しすぎた庭木を剪定する、雑草を抜いたり刈ったりして大繁殖を防ぐなど、きちんと手入れを行わなければいけません。敷地内で雑草や庭木が伸び放題になっている状態を放置すると、自治体から管理不全空家に指定されるリスクが高くなるので、しっかりと手入れを行いましょう。なお、庭の面積が大きい物件の場合、この部分の管理だけでも専門業者に依頼することを検討すると良いです。
■建物の外装や外構部分の点検
管理不全空家に指定される条件の一つとして、建物の老朽化が放置されているという要件があります。具体的には、外壁の剥離や窓ガラスの破損、屋根材が落下しそうな状況になっているといった劣化が放置されている場合、このまま放置されると「特定空家に至る」と考えられ、自治体から管理不全空家に指定されるのです。
つまり、このような事態を防ぐためには、建物の外装部分や外構設備について、目に見えるような劣化症状が出ていないのかをチェックすることが大切なのです。外壁は、塗装剥がれやひび割れなどが生じていないか、雨樋が外れていないか、屋根材がしっかりと固定されているのかなど、目視できる部分についてしっかりと確認していきましょう。その際、何か異変を感じた時には、専門業者に相談して点検やメンテナンスを実施しなければいけません。
なお、敷地境界などにブロック塀が設置されているというお宅の場合、塀の状態もしっかりと確認しなければいけません。ブロック塀にひび割れなどの劣化が見られる場合、地震時に倒れてしまい、通行人に怪我をさせてしまうなどの恐れがあります。
■水道メーターの確認
屋外部分のチェックやお手入れを実施する時には、水道メーターの確認も行っておきましょう。水道メーターを確認すれば、目に見えない水道管の破損状態などをチェックすることができるのです。
空き家状態であれば、普段水道を使っていないわけなので、メーターは動いていないはずです。万一、前回のチェック時と比較して、大きくメーターが動いていた…と言う場合、水道管の破損によって漏水が起きている可能性が考えられるのです。メーターが大きく動いている、動き続けているという状況なら、水道管の破損が考えられるので水道会社に点検を依頼しましょう。
なお、メーターが動き続けているわけではないけれど、前回チェックした時と比較すると「水道が使われた形跡がある」と言う状況は、不審者に家の中に侵入されている、近隣住人にあなたの家の水道を利用されているという可能性が考えられます。この場合、警察に相談する、防犯カメラなどを設置して証拠をつかむなど、何らかの対策が必要でしょう。
STEP4 建物内の清掃や点検
次は建物内の清掃や点検についてです。換気によって空気の入れ替えができたとしても、室内にはほこりなどが溜まっているはずなので、きちんと掃除していきましょう。また、掃除と並行して、室内の劣化状況なども確認していき、必要であれば専門業者に点検やメンテナンスを依頼しなくてはいけません。
室内の清掃と点検については、以下のような作業があります。
■室内の清掃
人が住んでいない物件内は、ホコリの蓄積や小動物のフンなどによって汚れている可能性があります。したがって、掃除用具を使って家中の清掃を進めていきましょう。小まめに掃除しておけば、極端に汚れることが無くなるため、清掃も短時間で終わらせることができます。
掃除機やフロアワイパーを使って床を掃除する、家財の上にたまったほこりを払うなど、基本的な掃除で十分です。なお、家電製品について、コンセントに繋いだ状態で置いている場合、プラグ周りのホコリはしっかりと落としてください。この部分にほこりが蓄積すると、漏電により発火し、火災に繋がる恐れがあります。可能であれば、コンセントは抜いた状態にしておく方が安全です。
■水道周りのお手入れ
掃除に並行して、水道周りのお手入れも実行しましょう。水道周りのお手入れは単純で、蛇口を開けて通水するだけで構いません。
空き家状態になって、水を流さない期間が長期化すると、水道管の中にサビが発生する可能性があります。また、トイレやキッチンの排水溝について、封水が乾燥でなくなってしまうと、下水のニオイが上がってきてしまうので、水を流すことで封水を確保することも大切なのです。なお、築年数が浅い物件の場合、水道管にサビなどが発生しないポリエチレンが採用されています。そのため、長期間通水されなくてもサビなどは発生しにくいです。しかし、2000年以前に建てられた物件の場合、金属の配管が使用されているケースが多いので、小まめな通水が必要です。
なお、冬場は気温が極端に下がるような寒冷地にある物件の場合、冬場は「水抜き」作業も必要です。寒冷地の場合、水道管の中に水があることで、それが凍結し、配管が破損してしまうことがあるのです。特に、空き家の場合、管内の水が長時間流動しないことで凍結被害が発生しやすくなります。水抜き作業は、以下の手順で実施すると良いです。
- ①水抜き栓を閉める
- ②家中の水道の蛇口をあけ、水道管内に残っている水を排出する
- ③トイレは不凍液をいれて便器内の凍結を防止
- ④屋外の散水栓も蛇口を開けて水抜きする
- ⑤水が出なくなったら、空けた蛇口を全て閉める
水抜きは上記の手順で出来ます。管理作業が終わって、空き家を後にする前に、水抜きを実行すると良いです。当然、冬場以外は、凍結の心配がないので水抜きまでは不要です。
■壁、床、天井の状態を確認する
外装の劣化状況の確認と同じく、室内の劣化状態も確認していきましょう。雨漏りやシロアリ被害の兆候が見られる場合、早期に対策を進めないと、一気に家がダメになってしまう可能性があります。したがって、室内の点検は、以下のような内容について慎重にチェックしていきましょう。
●雨漏りの有無をチェックするポイント
- 特定の部屋だけカビのニオイがしないか
- 天井や壁のクロスにカビや水シミができていないか
- クロスの剥がれやふくらみが生じている場所がないか
- 特定の部屋だけ湿気が高い(クロスが湿っているなど)
上記のような異変が生じている場合、雨漏りが発生している可能性が高いです。早急に修理業者に連絡し、点検に入ってもらいましょう。
●シロアリの有無をチェックするポイント
- 室内を移動した時、特定の床がギシギシと音が鳴る
- 柱の周りにフンが落ちている
- 床が沈んでいる、歪んでいる
- 柱などを叩いた時、空洞音がする
シロアリを放置すると、家を構成する木材がどんどん食害されていき、建物の耐久性などが落ちてしまいます。したがって、前回の点検時になかった異変を感じた時には、専門業者に点検してもらいましょう。
■建具の不具合もチェック
室内の劣化状況を点検していくときには、ドアや窓と言った建具の状態もチェックしておくと良いです。それぞれ、開閉してみて、ガタつきや引っ掛かりなどを感じないかチェックすると良いです。
例えば、建具を開閉しようとしたとき、スムーズに動かなくなっているというケースでは、蝶番などの部品の劣化以外にも、建物のそのものが傾いている可能性があるのです。建物の傾きは、最悪の場合、地震時に建物が倒壊してしまうなど、深刻な被害に発展する可能性があります。また、物件の資産価値も急激に低下する要因になるので、早期に対処できるよう、慎重に確認するのがおすすめです。
STEP5 戸締りして管理作業終了
室内の清掃や劣化状況の点検、通水などが終われば、空き家の管理作業は終了です。換気のために開放した全ての窓を閉め、きちんと施錠をしておきましょう。
家中の戸締りが完了すれば、玄関から出て、しっかりと施錠して帰ればOKです。戸締りを忘れてしまうと、空き巣被害や不審者に住み着かれてしまうなどの問題に発展するので、鍵の閉め忘れに注意してください。
※帰る前に水道メーターの数値を記録しておきましょう。
空き家管理に関する懸念点
ここまでの解説で、空き家を良好な状態で保つために実行しなければならない管理作業の内容が分かっていただけたと思います。具体的な作業の内容を確認してみると、想像以上に手間がかかる作業なのだなと、頭を抱えてしまったという方も多いのではないでしょうか。
この空き家の管理については、適切に実行していこうと思うと、物件所有者の負担は想像以上に大きいと言えます。そこでここでは、空き家の管理に関する懸念点について、代表的なポイントをご紹介します。
空き家の管理は月1~数回と、それなりの頻度で実行しなくてはならない
上で紹介した空き家の管理の流れは、あくまでも一度の空き家管理作業の流れを分かりやすくご紹介しただけです。庭付き一戸建ての大きな住宅になると、数人で行ったとしても1日仕事になるなど、かなりの手間がかかる作業と言えるのです。
そして、この空き家の管理作業については、「年に1回の大掃除」のような頻度ではなく、月に1回~数回など、それなりの頻度で実施しなくてはならないのです。実際に、国土交通省が公表した「令和6年空き家所有者実態調査」によると、空き家の管理頻度については、以下の通り「月に1回~数回」実施しているという管理者が最も多いという割合になっているのです。
引用:国土交通省資料
所有している空き家が管理者が住んでいる場所の近くにある場合でも、上記の作業を月に1~数回行うのはかなりの負担になるはずです。そしてさらに、遠方に住んでいるという物件所有者の場合、管理のために時間とお金をかけて空き家まで足を運ばなければならないのです。
同調査内では、「管理をする上での課題」として、「管理の作業が大変(約32%)」を指摘する方が最も多く、空き家所有者にとってこの管理作業がどれほど負担になっているのかがよくわかる結果となっています。
管理のためにコストもかかる
空き家を管理する上での課題としては、他にも「管理費用の負担が大きい」と言うことを指摘する方が2割を超えています。実は、空き家を所有する限り、定期的な清掃や点検のために、それなりのコストがかかってしまうのです。ちなみに、点検の結果、修繕が必要になれば、それとは別にさらなる費用が掛かってしまうことになります。
空き家の管理コストについて、国土交通省が公表した「令和6年空き家所有者実態調査」内のデータもご紹介します。
引用:国土交通省資料
上記の通り、空き家の管理にかかる年間コストについては、「10~20 万円未満」と回答した方が最も多いという結果になっています。さらに、年間5万円以上で区分すると、約半数の空き家がこの部分に入るなど、所有しているだけで毎年それなりの費用が出て行ってしまうことになるのです。
なお、空き家を所有するためのコストについては、これ以外にも、固定資産税などの税金や老朽化部分の修繕にかかる費用など、さまざまなコストがかかります。遠方に住んでいれば、空き家に足を運ぶだけで交通費がそれなりにかかるため、年間費用で考えると数十万円単位の費用が出て行ってしまうのです。
つまり、利用や活用を特に考えていない空き家の場合、意味なく所有を続けるのではなく、できるだけ早く手放すということを検討したほうが良いという時代になっているのです。次項では、空き家を早期に手放すための対策についても解説します。
空き家を早期に手放したいならホームステージングがおすすめ
空き家を所有する限り、管理の手間から逃れることはできません。記事内でご紹介した通り、少子高齢化による人口減少が進む日本では、これ以上放置空き家を増加させいため、空き家の所有者に対して良好な状態を保ち続けるための維持管理を法で義務付けているのです。そのため、物件所有者がどれだけ負担に感じていたとしても、管理作業を実施しなくてはならないのです。
管理の手間を無くしたいというのであれば、物件そのものを売却するのが最も手っ取り早いと言えます。しかし、空き家の売却では、以下のようなことが要因となり、売却活動に苦戦するケースも少なくありません。
- 汚れの蓄積によって内覧の印象が悪くなる
親が住んでいた実家を相続し、その物件の売却を考えた時には、売りに出す前の掃除に困る方が多いです。長年、親が住んでいた実家の場合、水回りやクロスの汚れなどが目立つため、そのままの状態で売りに出したとしても、内覧時の印象が悪くなることでなかなか成約できない…という状況に陥りやすいです。そのため、市場に出す前に、家中の掃除や片付けをしなくてはならないのですが、相続人が遠方に住んでいる場合、この掃除が大きな負担になります。 - 物件内に大量の荷物が残っている
相続した実家の売却では、家の中に大量の荷物が残っていて、それが売却活動の障壁になるというケースも多いです。衣服や生活雑貨、大型家具や家電が配置されたままの状態であるため、そのままの状態では内覧時の印象が悪く、買い手がつきにくくなるのです。物件を売りに出すためには、家の中に残っている不用品を事前に処分して、空室状態にする必要があるのですが、この片付けに時間と費用がかかります。 - 建物の劣化や損傷
築年数が経過した不動産の場合、劣化や損傷が原因で買い手が見つからないという状況に陥るケースも珍しくありません。また、古い家屋の場合、間取りなどが現代人の生活に合わなくなっているケースもあり、事前に大幅なリフォームを実施しなくては、買い手を見つけられないという状況に陥ることもあります。老朽化が目立つ物件は、値下げ要求を受ける場合も多くなるため、希望通りの条件で買い手を見つけることがなかなか難しいです。
空き家の売却では、上記のような事が要因となり、売却活動に苦戦する可能性があります。そうはいっても、物件所有者が遠方に住んでいる場合、家の中の片付けや掃除、修繕やリフォームの手配なども容易に進めることができないという問題が立ちはだかります。その結果、物件を売りに出すことがなかなかできず、管理の手間とコストだけが嵩んでしまうという残念な状況に陥ってしまうことがあるのです。
このような悩みを抱えた場合、売却準備の段階でホームステージングを導入するのがおすすめです。昨今の不動産業界では、中古住宅の売却や賃貸の空室対策として、ホームステージングが注目されているのですが、実は一般的には「売却が困難」とされている空き家の売却に非常に有効な対策となるのです。
空き家の売却にホームステージングが有効な理由
ホームステージングは、不動産をより魅力的に見せる空間演出のことを指していて、内覧に足を運んだ購入希望者が物件を見た際に「ここに住んでみたい」と思わせることで早期かつ高値での売却を促進できるとされています。
具体的には、以下の画像のように、売却や賃貸を予定している物件に、家具やインテリア、照明などを配置して、新築のモデルルームのような空間を作り出す方法となります。購入希望者が内覧をしたときには、購入後のそこでの生活を具体的にイメージできるようになるため、購買意欲を刺激して、早期かつ高値での売却が実現しやすくなるのです。
■ホームステージング前

■ホームステージング後

画像の通り、ホームステージング前後の物件を見比べると、その印象は大きく違ってくるはずです。これにより、空き家特有の「古さ」や「暗さ」と言ったネガティブなイメージを払しょくすることができます。
さらに、ホームステージングが日本国内で普及するにつれ、家具などを配置する空室ホームステージング以外にも、内覧者に良い印象を与えるためのさまざまな業務を請け負ってもらえるようになっているのです。例えば、2024年に実施されたホームステージングでは、以下のグラフの通り、空室ホームステージング以外の作業もかなり実施されています。
上のグラフから分かるように、2024年に実施されたホームステージングでは、基本となる空室ホームステージング以外にも、ハウスクリーニングやリフォーム、不用品の回収・処分、老朽化部分の修繕など、空き家の売却で必要となる対策が実施されているケースが非常に多いのです。
ホームステージングを実施すれば、広告に掲載する物件画像の質も高まるため、多くの方に注目される物件となり、早期の売却に近づくことができるはずです。
まとめ
今回は、空き家を所有することになった方が実施しなければならない管理作業について解説しました。記事内では、実際に空き家の管理を実施する時の流れについてご紹介しているので、空き家を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ただ、空き家を所有している方で、将来的にもその物件を利用も活用もする予定がないという方であれば、早期の売却を検討するのも一つの選択肢だと思います。少子高齢化による人口減少で、全国的に放置空き家が増加しており、地域の景観や衛生、そこで暮らす方の安全に悪影響を与えるようになっています。そのため、国はこれ以上、放置空き家を増加させないことを目的に、空家特措法を制定し、所有者に対して空き家の管理を強く求めるようになっているのです。空き家の管理が適切に実行できなければ、固定資産税の税額が上がる、最悪の場合は罰則が科せられるなど、厳しい対処がなされるようになっています。
また、家の価値は築年数が大きく影響するため、将来的に売却する可能性があるのであれば、「すぐに」売却に動いた方が高値で売れる可能性があるのです。離れた場所に住んでいて、空き家の売却準備に手が付けられない…と言う場合、ホームステージング業者に相談し、早期売却のための対策を実施してもらうのがおすすめです。
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