2025.11.27

家の売却は内覧なしでも可能?売却を成功させるためのポイント

家の売却は、購入希望者が不動産検索サイトなどで好みの物件を探し、内覧に足を運んで実物を確認したうえで、購入するかどうかを判断するという流れになるのが一般的です。この中でも、「内覧」の工程に関しては、実際の物件に足を運び、自分の目で家の良し悪しを確認することができるため、購入するかどうかを左右する非常に重要なポイントになるとされています。実際に、不動産の売却についてネットで検索してみると、「内覧の準備や対応が非常に重要になる!」という情報を見かける機会が非常に多いはずです。

ただ、売主側から見ると、この内覧の対応は大きな負担になります。家を売却するための内覧については、当日の顧客対応だけでなく、内覧に向けた清掃や整理整頓、希望者とのスケジュール調整など、さまざまなことをしなければいけません。日常生活や販売活動と並行しながら、内覧の準備や対応をするということは、皆さんが考えている以上に売主側の負担になることがあるのです。

そのため、家の売却を考えている方の中には、「忙しくて内覧の準備ができないのではないか…」「内覧なしで家を売ることはできないのだろうか?」という悩みを抱える方も多いとされています。内覧にきちんと対応したとしても、購入してもらえるという確約はありませんし、お仕事が忙しい人や、見知らぬ人を家に迎えることに抵抗があるという方にとっては、内覧対応に不安を感じることもあるのです。
そこでこの記事では、家の売却について、内覧なしでも売却することは可能なのか、また内覧をせずに家の売却を成功させるためのポイントなどについて解説します。

内覧なしでも家は売れる?内覧の目的や内覧を無くす場合のメリット

冒頭でご紹介しているように、一般的な家を売却する際の流れで考えると、内覧はほとんどのケースで行われていると考えられます。家の購入は、一生に一度の買い物と言われるように、大きなお金が動く取り引きとなるため、写真だけで良し悪しを判断するのではなく、実物を確認したうえで購入の可否を決めたいと考えるのが普通の感覚だと考えられているからです。

ただ、さまざまな技術が進化している昨今では、家の売却は内覧なしでも可能な時代になっていると言われています。ここではまず、そもそも内覧とは何を目的に実施されているのか、また内覧なしで売却活動を実施する際のメリットについて解説します。

内覧の目的について

まずは、購入希望者が内覧に足を運ぶ目的から簡単にご紹介します。一般的に、家の売買前に実施する内覧は、以下のような事が目的とされています。

  • 瑕疵や不具合の発見
    建具の開閉はスムーズにできるのか、写真などで確認できない部分に問題が生じていないかなどを最終確認し、修繕の必要がある部分に関しての対応などについて交渉する。
  • 住宅設備の確認
    設置されている設備の種類や状態を確認する。入居後にそのまま使い続けられるのか、早期に交換が必要なのかが判断できるため、購入後の修繕コストなども計算できます。
  • 物件の実際の雰囲気を確かめる
    写真だけでは分からない、部屋の広さや日当たり、風通し、収納力などを確認し、自分たちの希望に合致しているのか最終判断をする。
  • 周辺環境の確認
    周辺施設の充実度や、騒音・日照・眺望など、物件の周辺環境を直接自分の目で確認する。

家の購入前に実施する内覧は、上記のようなポイントを確認することで、物件の全体像を把握し、自分たちの希望条件と比較して、購入することのメリットとデメリットを冷静に判断するということが目的になります。内覧は購入希望者の重要な判断材料となるため、基本的には内覧の実施を希望されると考えておいた方が良いでしょう。

内覧なしで家を売却する際のメリット

内覧は、上記の通り、購入希望者にとっては、家の良し悪しを確認し、購入するかどうかを決める際の重要な判断材料となります。ただ、売主側の視点で考えると、想像以上に大きな負担になってしまうのです。

例えば、住みながらの売却では、内覧のたびに日程調整や事前準備が必要になるため、日常生活においても室内が散らからないように神経を使いながらの生活を強いられてしまうのです。また、家の売却活動中は、「いつでも内覧に対応できるようにする」という目的で、休日も可能な限り在宅していることを求められるという話を耳にすることは多いと思います。そのため、売却活動が長期化した場合には、内覧準備や対応が大きなストレス源となってしまい、家族の関係を壊してしまう…などといった問題に発展することもあるとされているのです。

したがって、家の売却を考えている方の中に、「内覧なしで売却できないかな?」と考えてしまう人が出る訳です。これについては、先ほども紹介したように、内覧なしでも売却を成功させることは可能です。もちろん、内覧対応があった方がスムーズな売却につながるケースが多いと思いますが、内覧なしでの売却は以下のようなメリットが得られると考えられるのです。

  • 日程調整や掃除、整理整頓など、内覧の事前準備が不要になる
  • 急な内覧依頼に対応しなくて済むので、休日は自由に過ごせる
  • 見知らぬ人を自宅にあげないで済む

内覧準備や内覧対応は、売主にとって時間的、精神的な負担になってしまうケースが多いです。つまり、内覧を実施せずに家を売却するという方法は、そういった負担を軽減することができるようになるという点が大きなメリットになると言えるでしょう。

家の売却で「内覧なし」を選ぶ場合の注意点

前項でご紹介したように、家の売却については、内覧を実施するのが一般的ではあるものの、内覧なしで売却を実現することも不可能ではないという状況になっています。内覧なしで家を売却する具体的な対策については後述しますが、さまざまな技術が発展している昨今では、他の方法で家の状態や魅力を伝えることができるようになっているのです。

ただ、購入希望者側の意識のことを考えると「内覧はしたい!」と考えている方が多いと想定できますし、売主側の都合で「内覧なし」を選択した場合、以下のような問題が生じる可能性があるので、その点は注意が必要です。ここでは、内覧なしで家の売却活動を進める際の注意点をご紹介します。

購入希望者が見つかりにくくなる

一つ目の注意点は、内覧できない物件になると、購入希望者側から敬遠されてしまう可能性が生じるという点です。

先程紹介したように、家の購入を検討している方の多くは、内覧を実施することで日当たりの良さや騒音問題の有無、住宅設備や建物の状態などを確認したいと考えています。家を売却する際には、インターネット上の不動産検索サイトなどに物件写真を掲載することで、建物の状態や導入している設備、眺望などを確認してもらうことができます。

しかし、日当たりや騒音の有無、周辺にニオイの問題がないのか、窓やドアの開閉がスムーズかといったポイントについては、実際の物件に足を運んでみないと分からない部分も多いため、そこが気になり購入候補から外してしまうという方が多くなるのです。

内覧を実施しないと言う選択の場合、購入検討者が確認したいポイントを確認できなくなることを意味するため、物件情報の時点で購入候補から外されてしまう可能性がどうしても高くなります。

売却価格が安くなる可能性がある

内覧なしの物件は、購入希望者側から見ると「実物を確認できないため、リスクが高い物件」という判断をされてしまう可能性が高くなります。そのため、スムーズな売却を希望している場合、売り出し価格を相場よりも下げる必要があるとされている点も注意しましょう。

これは、同じような条件の類似物件と比較された時、「内覧なし」という条件のせいで選ばれなくなる可能性があるからです。例えば、立地条件や価格帯、導入設備などの条件が似通った物件が2つあるとします。そして、片方の物件は「内覧可能」で、もう片方は「内覧なし」とされている場合、多くの方は内覧可能な物件を購入候補に入れるはずです。

つまり、内覧なしで購入候補に入れてもらえるようにするためには、他の部分で「内覧はできないけどメリットがある」と思わせなければならないため、売り出し価格を相場よりも下げて興味を引く必要が生じるのです。市場相場よりも価格を下げれば、ライバルとなる物件よりも立地条件やグレードで勝ることができるようになるので、買い手を見つけられる可能性が出てくるのです。

売却までに時間がかかる可能性がある

3つ目の注意点は、売却までに時間がかかりやすいという点です。上述しているように、内覧なしの売り物件は、内覧可能な物件と比較すると、購入を検討する方が少なくなる可能性が高いです。当然、購入を検討してくれる方の数が少なくなれば、売却までに時間がかかってしまうでしょう。

特に、以下のような物件について、「内覧は受け付けない」という方式で売却活動を進めた場合、買い手を見つけるのに苦労をする可能性が高くなります。

  • 築年数が経過した古い物件
  • 相場通りの価格で売り出している物件
  • 立地条件が悪い物件
  • 設備の入れ替えや大規模な修繕が必要と考えられる物件

上記のような物件は、内覧してもらうことで物件の良さを伝え、購入してもらうという方法が望ましいです。例えば、築年数が経過した古い物件が内覧を受け付けていないという対応をした場合、「見せられないような状態なのではないか?」などと、必要以上に不信感を与えてしまう可能性が高くなります。他にも、大規模修繕や設備の入れ替えが必要な物件については、実物を確認しないと「購入後にいくらぐらいリフォーム費用がかかるのか?」を想定できないため、「リスクが高すぎる!」と判断され、買い手が付かない可能性が高くなるのです。

家の売却における内覧は、物件の状態や魅力を的確に伝えるための場所となるため、「スムーズに売却を完了させる」ということを考えた場合には、内覧対応は可能な限りした方が良いと言えます。

内覧なしで家を売るための方法について

それでは、内覧なしで家の売却を成功させるためにはどうすれば良いのかについても解説していきましょう。上述しているように、購入検討者側の意識としては、基本的に「内覧はしたい」という要望を持っています。そのため、スムーズな売却を実現するためには、可能な限り内覧には対応したほうが良いのです。

ただ、仕事の関係などでどうしても内覧対応が難しいという方もいるかと思うので、ここでは、内覧なしで家を売却するための主な方法について解説します。

不動産買取を活用する

一つ目の方法は、そこに住むことを想定している人に売るのではなく、購入した物件を再販することを想定している不動産会社に買い取ってもらうという方法です。「家を売却する」と聞くと、多くの方は不動産会社に自宅を買ってくれる人を探してもらうという方法をイメージすると思います。これは「仲介」と呼ばれる方法となるのですが、この場合は、購入した家に自分で住むことを想定しているため、細部まで確認したうえで購入するかどうかを決めるため、内覧の実施を求める方が多くなるのです。

しかし、不動産会社に家の売却を相談する際には、仲介以外にも「買取」と呼ばれる取り引きが存在します。これは、家の購入を考えている一般消費者を探してもらうという方法ではなく、不動産会社に直接家を買い取ってもらうという手法なので、内覧は不要です。そもそも、不動産会社側は、購入した物件に住むことは想定しておらず、購入後にリフォームなどを実施して再販もしくは賃貸として活用することを想定しています。そのため、現状の物件の状態に関しては、さほど関係なく、物件の査定価格に納得してもらえればそのまま買取を実行するという流れになるのです。

一般的な不動産買取の流れは、以下のような感じになります。

  • STEP1 買取に対応している不動産会社に相談をする
  • STEP2 物件の査定を依頼し、価値を測ってもらう
  • STEP3 買取価格の交渉を行う
  • STEP4 価格に納得できれば売買契約を結ぶ
  • STEP5 売却代金の決済、物件の引き渡しを行う

不動産買取は、不動産会社に直接家を売却するという方法なので、上記の通り、一般消費者向けの内覧は不要になります。買取査定のため、1回は訪問査定をしてもらう必要があるのですが、これは仲介で家の売却を進める際も、売り出し価格を決定するために必要な作業となるため、負担が増えるわけでもありません。

不動産買取の場合、購入した物件の修繕やリフォームに関しても、買取業者側が実施するため、売主側の負担は極限まで少なくなると言っても良いでしょう。買取査定価格に納得ができれば、数日以内に入金をしてもらうことも可能など、家の売却にかかる時間が大幅に短くなります。

注意が必要なのは、不動産買取の場合、売却価格が一般的な仲介価格相場と比較すると安くなる傾向にあるという点です。不動産買取業者は、買取後に物件の修繕、リフォームを実施することを想定しているため、それにかかる費用が差し引かれてしまうためです。「内覧なしでとにかく早く売りたい!」と考えているのであれば、不動産買取という方法はおすすめできますが、「できるだけ高く売りたい!」という要望を持っている方は少し注意が必要でしょう。

「オンライン内覧」を活用する

二つ目の方法としては、オンライン内覧やweb内覧と呼ばれる方法の活用です。

オンライン内覧やweb内覧は、コロナ禍に人との接触を減らすことが求められた時、不動産業界で積極的に利用された方法です。分かりやすく言うと、購入希望者が実際の物件に足を運ばなくても、インターネットを介して室内の様子を確認できるようにするというサービスを指しています。スマートフォンやパソコンを介して、物件内部を目で確認することができるようになるため、状態や雰囲気を伝えやすくなり、購入につなげられる可能性が高くなります。

なお、オンライン内覧にも、以下の二つの方法があります。

  • ビデオ通話を利用したオンライン内覧
    不動産会社の担当者や売主がビデオ通話アプリを使って購入検討者とつながり、リアルタイムで室内の様子を配信することで、物件の案内をする方法となります。この方法であれば、購入検討者と直接コミュニケーションがとれるようになるために、顧客の要望にしたがって物件内を案内することができるようになります。直接物件に足を運ぶ方式と比較すると、両者の手間が大幅に省けるうえ、物件内の気になる部分を細部まで確認させることができるという点がメリットになります。
  • 動画内覧(動画ツアー)
    事前に物件内の様子を撮影し、動画共有サイトなどにアクセスしてもらうことで、購入検討者に内覧してもらうという方法です。リアルタイムで対応する必要がないため、売主は内覧対応のために時間調整などをする必要がなくなります。顧客側に関しても、時間帯などを気にせずいつでも内覧体験ができるという手軽さがメリットになります。ただ、あらかじめ撮影した部分しか確認してもらうことができないため、顧客が「見たい」と思うような部分の撮影ができていない場合、購入に繋がらない可能性があります。動画内覧の場合は、部屋の雰囲気を正確に伝えるためにも、昼間と夜間の様子を撮影するなど、複数シーンの動画を用意するなどの工夫が必要になります。

オンライン内覧は、インターネットを介して顧客と繋がるため、内覧の準備や対応の手間を省くことができます。特に、動画内覧の場合は、撮影時に物件内を綺麗にしておけば問題なく、撮影後は成約できるまで普通の生活を続けることができ、売却活動中の負担が大幅に軽減できます。

内覧なしで家の売却をスムーズに進めるためのコツ

それでは最後に、内覧なしで家の売却を進めたいと考えている方に向け、スムーズに売却活動を進めていくためにおさえておきたいポイントをいくつかご紹介します。なお、多少売却価格が安くなったとしても「とにかく早く売りたい」という要望がある方の場合は、仲介ではなく不動産買取に出すのがおすすめです。先程紹介したように、不動産買取の場合、購入後に物件に存在する問題点を修繕することが前提となる取り引きのため、そもそも「内覧がない」という工程が当たり前なのです。

しかし、内覧はなしでも「なるべく高く売りたい」という希望があるのであれば、オンライン内覧の採用など、販売戦略に工夫を施す必要があります。ここでは、内覧なしでもできるだけ良い条件で買ってくれる人を探すためのポイントをいくつかご紹介します。

物件情報はできるだけ細かく丁寧に掲載する

内覧対応をしない場合、購入検討者は、インターネット上の物件情報などを見て、物件の良し悪しを確認するしかありません。その際、物件広告として掲載されている情報が少なければ「購入しても大丈夫なのか?」「自分の要望に合う物件なのか?」を判断することができないため、購入候補から外れてしまう可能性が高くなるのです。

したがって、内覧なしで家の売却を進める際には、物件の魅力はもちろん、注意点などについても細部まで情報を掲載してあげるようにしましょう。間取りや設備の情報は当然として、収納スペースの広さやコンセントの位置、日当たり情報など、内覧時に多くの方が確認する情報をできるだけ掲載するようにしましょう。

細かな情報まで丁寧に伝えることができれば、購入希望者の不安を減らすことができ、購入決定への後押しになるはずです。

写真や動画を充実させる

物件の良し悪しを伝えるための情報としては、やはり視覚的に訴えられる画像や動画を充実させることが大切です。テキスト情報をしっかりと掲載することも大切なのですが、目で見て確認できる画像や動画は、情報量が多くなるのからです。

内覧を実施しない売却方法では、動画を利用した内覧や物件の状態を伝えるための画像情報の充実が購入を大きく左右することになるのです。したがって、清潔感や開放感、明るさなどがしっかりと感じられる画像や動画を用意することで、購入検討者が入居後の生活イメージを具体的に描きやすくなる工夫を施すと良いです。

なお、家の売却のための画像を用意する際には、ホームステージングを活用することで、より物件の魅力が伝わりやすくなります。ホームステージングは、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで、新築のモデルルームのような素敵な空間を作り出すという方法です。基本的には、購入希望者が内覧した時に「ここに住んでみたい」と思わせられるような空間にコーディネートするという方法なのですが、物件の魅力が最大限伝わるような画像や動画を用意するための方法としても非常に有効とされています。

なお、ホームステージングにも、バーチャルホームステージングとリアルホームステージングという2種類の方法があるので、どのような活用が可能か、以下で簡単にご紹介します。

  • バーチャルホームステージング
    バーチャルホームステージングは、VR技術やCG技術を使用して、物件内部の画像に家具などを配置するという方法です。物件内の写真を用意すれば、CGで制作した家具やインテリアを配置し、モデルルームのような素敵な空間の室内画像を用意してもらうことができます。また、バーチャルホームステージングであれば、テイストの異なる複数の物件画像を用意することができますし、汚れやキズなどを綺麗に消してもらうことができます。そのため、趣味の異なる幅広い層の方に物件の魅力を伝えることができるうえ、リフォーム後のイメージなども正確に伝えることができるようになります。
  • リアルホームステージング
    こちらは、実際の物件の中に家具やインテリアなどを配置するという方法です。プロのホームステージャーが、対策を施す物件のターゲット層を絞り込み、その人たちが最も気に入るような部屋にコーディネートしてもらうことができます。そのため、物件の魅力をより伝えられるような写真を用意できるうえ、オンライン内覧の際には入居後の生活を具体的にイメージさせることができるようになり、購入を強く後押しすることができると期待できます。なお、ホームステージングは、家具などを配置するだけでなく、室内の整理整頓や不用品の回収、ハウスクリーニングなど、「家の売却を手助けしてくれる対策」全般を請け負ってもらうことができます。そのため、家の売却準備にかかる手間を大幅に削減することができるという点も大きなメリットになるでしょう。

ホームステージングは、家を売れる状態までコーディネートしてもらうという対策になります。ステージング実施後に、物件写真を撮影すれば、より魅力的が伝えられるようになることから、スムーズな売却が期待できるようになるのです。

なお、バーチャルホームステージングについては、虚偽の広告にならないよう、過度な加工をしないという点に注意が必要です。上でも紹介しているように、バーチャルホームステージングは、傷や汚れなどを消すことも可能なのですが、CG加工で画像を作っているということを適切に伝えていない場合、顧客側が「綺麗な物件なのだ!」と勘違いしてしまう可能性があります。この場合、購入後に「物件情報に掲載された写真とは全く異なる状態じゃないか!」とクレームに繋がる恐れがあるのです。したがって、加工技術で傷や汚れを消す場合は、本来の状態も同時に掲載したうえで、加工画像には「生成画像である」ことや「リフォーム後のイメージ画像である」という注意書きをいれなければいけません。

内覧なしで家の売却を実施する場合には、顧客側が実物を確認できないわけなので、不信感を与えないような情報開示が何よりも重要になり、正直で丁寧な情報開示が後のトラブルを防止してくれます。

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まとめ

今回は、家の売却を検討した時、「内覧なし」で売却活動を進めても、買い手を見つけることができるのかにについて解説しました。

記事内でご紹介しているように、スムーズに買い手を見つけたいと考えているのであれば、内覧依頼には可能な限り対応するのがおすすめです。家の売買は、数千万円単位など、非常に大きなお金が動く取り引きとなるため、実物を確認できないなら「購入できない」と判断する方の方が多いはずです。

ただ、インターネットが広く普及し、スマホやパソコンなど、それに付属する機器が進化した現在では、現地に足を運んでもらわなくても家の状態を確認してもらうことは不可能ではない時代になっています。例えば、テレビ通話を繋げば、顧客が見たいと言っている部分の動画をリアルタイムで送ることができますし、事前に物件内の動画ツアーを用意しておくことで、家を細部まで確認させることも可能なのです。

もちろん、オンライン内覧を実施する際も、購入希望者が「ここに住んでみたい」と思うような空間を作っておく必要があるので、早期の売却や高値売却を目指す場合、ホームステージングの実施などがおすすめです。