空き家の売却は事前の片付けが必要?片付けと高値売却を両立するならホームステージング
昨今の日本では、少子高齢化などが原因となる人口減少によって、全国的に空き家が増加していることが問題視されています。そして、空き家の増加に比例して、自分が住むわけではない空き家の売却に悩む方も増えているのです。
例えば、核家族化が進む日本では、親が住む実家とは遠く離れた場所に生活の拠点を作り、実家を相続することになった際にその取扱いに困ってしまうという話を耳にする機会が増えていると思います。既に別の場所に自宅を購入しているという方の場合、親が住んでいた実家を相続したとしても、自分たち家族が住むわけにはいかないため、空き家として残ってしまうのです。全国的に空き家が増加している現在では、所有者に対して空き家の管理が厳格に求められるようになっているため、自分たちが住まない空き家を所有したままにするという行為は、大きなリスクになるとみなされるようになっているのです。一昔前までは、家は単なる居住空間を超えた「大きな大切な資産」とみなされていましたが、家が余っているとされる昨今では、大きな負担となる側面が強くなっているのです。
そのため、相続などで空き家を所有することになった時には、資産価値が下がらないうちに早く売却したいと考える人が増えています。しかし、直前まで誰かが住んでいた物件の場合、家の中には多くの荷物が残っているため、早期にかつ高値で売却するためには「事前の片付けが必要なのか?」という点に疑問を感じる方が多いようです。
そこでこの記事では、空き家の売却を考えた時、あらかじめ家の中の片付けが必要になるのか、また実際に片付けする方法や注意点などについて解説します。記事内では、空き家の片付けと早期かつ高値売却を両立させるために有効なホームステージングについてもご紹介します。

空き家の売却は事前の片付けが必要?
それではまず、空き家の売却を考えた時、家の中に残っている荷物などについて「事前に片付けておく必要があるのか?」という疑問にお答えしていきます。
この点について結論から言ってしまいますが、スムーズな売却を目指すのであれば、売りに出す前に片付けを行っておくのがおすすめと言えます。家の売却については、建物の状態が重要になることは間違いないのですが、売却を進めていくときの流れを考えてみると、その必要性が分かると思います。
そこでここでは、空き家売却において、事前の片付けが必要と考えられる主な理由をご紹介します。
①内覧時の印象を良くする
空き家の売却で事前の片付けが必要と考えられる一つ目の理由は、内覧時のことを考えると、家の中の荷物を片付けておいた方が購入希望者の印象をアップできるからというものです。
相続した家を売却する際、前居住者が使用していた家具や家電、生活用品などを片付けず、そのままの状態にしておくと、内覧した時には「部屋が狭く見える」「生活感が残ってしまう」「散らかっている(汚れている)」など、どうしても悪印象が残ってしまう可能性があります。また、残置物が多い状態だと、日の光を取り込みにくくなるため、物件広告用の写真を撮影する際には、明るい印象を与えられるような画像を残すことが難しくなるのです。
その結果として、物件広告の段階でも内覧に足を運んでもらった時でも、購入希望者に物件の魅力が伝わりにくくなり、購入を控えられてしまう、もしくは値下げ交渉の材料にされてしまうといったデメリットが生じるのです。その逆に、事前に家の中に残った荷物を運び出し、スッキリと広々とした空間を作れば、物件本来が持つ魅力度が伝わりやすくなり、スムーズな成約の可能性が高くなると言えます。
この他、家の中の不要な荷物が少なくなれば、家のクリーニングも行いやすくなり、綺麗な状態で内覧を受け付けることができるようになるでしょう。また、修繕が必要と考えられる場所も見つけやすくなるため、売却後のトラブルを防止できる可能性が高くなります。このように、空き家売却において、事前の片付けは、購入希望者の印象アップによるスムーズな売却や売却後のリスク低減に役立つのです。
②査定価格の上昇が期待できる
二つ目の理由は、空き家を売りに出す前に片付けを実施しておくことで、不動産会社の査定価格が上がる可能性があるからです。不動産会社の査定を担当する方は、家の中に荷物が残っていたとしても、頭の中で「空にした状態」をイメージできるため査定には大きな影響を与えないという話を耳にすることがあると思います。しかし、家の中に荷物が多く残っていて散らかっているという状況や明らかに汚れているという物件の場合、どうしても売却価格が下がってしまうので、査定価格も低くつけられてしまう可能性があるのです。
これは、不動産会社が査定を実施する際、不用品の処分にかかる費用を査定額から差し引くことが主な要因です。残置物が多く存在する物件を査定する場合、売れたとしても入居前に不用品を処分しなくてはいけません。そのため、あらかじめその部分の費用を差し引いた状態で査定額を提示されるケースが多くなるのです。
つまり、物件の査定額を可能な限り高くしてもらいたいと考えるなら、事前に家の中を片付けたうえで売却活動を始めるのが望ましいです。不用品が多く残っている場合、内覧者は購入後のそこでの生活もイメージしにくくなりますし、スムーズに交渉が進まなくなる恐れもあるでしょう。そのため、空き家の早期かつ高値での売却を目指しているという方の場合は、事前に不要な荷物を運び出し処分しておく方が良いとされているのです。空き家状態にしておけば、下で紹介する「ホームステージング」など、販促のための対策も施しやすくなりますし、購入希望者の間口を広げられる可能性があるため、スムーズな売却活動が期待できます。
なお、売却を検討している空き家が遠方にあり、残置物の整理や処分のための時間が十分に取れないという場合、荷物を一旦トランクルームなどに預け、売却活動と並行しながら空き時間で荷物の整理・処分をしていくと良いでしょう。専門業者に処分を依頼する場合、残しておきたい荷物と処分する荷物の整理などが難しくなる可能性があります。
③隠れた傷や汚れを見つけられる
3つ目は、上で少し触れたように、片付けの過程で家具などによって隠されていた劣化に気付けるという理由です。家の中に、大量の荷物が残っている場合、壁や床の状態を正確につかむことができなくなる可能性があります。致命的な問題に気付かずに家の売却を進めた場合、購入者がそこでの生活を初めてから問題が発覚し、「隠ぺいしていたのではないか!」と大きなトラブルに発展する可能性が残ってしまうのです。
空き家の売却は、多くの場合、築年数が経過した古い家の場合が多いです。そのため、目では見えにくい箇所に大きな問題が発生している可能性がどうしてもあるのです。事前に荷物の片付けを実施する場合には、片付けの過程で大型家具などに隠されていた傷や汚れ、不具合などを把握することができるようになります。
そのため、売却後のトラブルを防止するためどのような修繕やリフォームが必要なのか判断しやすくなり、適切な修繕計画が立てられるようになる可能性があるのです。家の状態や修繕費用が事前にわかれば、不動産買取に出した方が良いという選択肢も見えてきますし、将来的なトラブルを未然に防止できる可能性が高くなるでしょう。
この他、事前の荷物の片付けは、引き渡しがスムーズに進むという点もおすすめできるポイントになるでしょう。残置物が無く、必要な修繕がきちんと行われていれば、買い手が見つかった後の引き渡しが円滑に進むようになります。
家の中の荷物を片付ける方法について
前項でご紹介した通り、空き家の売却を検討した時には、事前に家の中を片付けておくということが大切です。家の売却の流れを考えた時には、購入希望者に実際の物件の状態を見てもらう「内覧」という工程が必ずあります。その際、家の中に残置物が大量にあると、本来の物件の魅力が伝わりにくくなり、売れ残ってしまう…という状況に陥る可能性があるのです。
それでは、空き家の売却に向け、家の中を片付けなければならないとなった際、どのような方法で片付けを進めていけば良いのでしょうか?ここでは、家の中を片付ける主な方法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
所有者自らが片付ける
一つ目の方法は、空き家の所有者が、自ら家の中を片付けていくという方法です。空き家の中に残っている荷物は、さまざまな種類のものがありますが、自治体のゴミ回収や粗大ごみ回収、ゴミ処理場への持ち込み、買取業者の利用など、不要物を処分する方法はいくらでも存在するのです。売却対象となっている空き家の近くに住んでいるという方の場合、作業のために時間をかけることもできますし、片付けにかかる費用を大幅に削減できます。
所有者自らが片付けるという方法のメリット、デメリットは、以下のような感じです。
■自分で片付ける場合のメリット
空き家の売却で、事前の荷物の片付けを所有者自らが実行するという場合、以下のようなメリットが得られます。
- 荷物の片付けや不用品処分にかかる費用を削減できる
- 必要な物と不要な物をじっくりと見極められる
- プライバシーを守れる
家の中に残る荷物を自分で片付けると言う選択の最大のメリットは、片づけ作業や不用品の処分に係る費用を大幅に削減することができるという点です。不用品の処分に関しては、下で紹介する専門業者に依頼するという方法もありますが、この場合、ゴミを処分するために数十万円単位の費用がかかってしまいます。荷物の量や種類によっては、100万円を超える費用がかかる場合も珍しくないとされています。
一方、自治体のゴミ回収サービスや粗大ごみ回収、処分場への持ち込みなどを利用して自分で処分するという方法は、人件費がそもそもかかりません。また、行政によるゴミ回収は、処分費用も大幅抑えることができ、荷物の量が多い場合でも数万円単位のコストで片付けを完了させることができるかもしれません。
その他、親が住んでいた実家を相続したというケースでは、残しておきたい荷物も多いはずなので、時間をかけて荷物の整理と分別が可能になるという点も大きなメリットになると思います。
■自分で片付ける場合のデメリット
次は、所有者自らが片付けをする場合のデメリットについてです。デメリット面については、ある程度想像できると思いますが、以下にご紹介しておきます。
- 片付けのために時間と労力がかかる
- 片付けに時間がかかることで売却活動に入るのが遅れる
- ゴミの回収日や分別方法など、自分でルールを調べなければならない
自分で荷物の片付けをするという場合の最大のデメリットは、片付けが完了するまでに時間と労力がかなりかかってしまうという点です。家の大きさや荷物の量によっては、数カ月たっても家の中が片付かず、売りに出すことができない…と言った事態になることも珍しくないでしょう。
自分で片付けを実施する場合は、自治体が指定する収集場所まで大量の不用品を運ばなければいけません。また、処分場に持ち込む場合でも、車に重たい荷物を載せなければならないため、かなりの労力がかかってしまいます。特に、大型の家具や家電になると、家族総出で運ばなければならなくなるため、家の片付けが完了するまでは休日が全て潰れてしまうことになるかもしれません。さらに、自治体やリサイクルショップの場合、引き取りを拒否されてしまうような不用品があり、処分に困ってしまうという事態も珍しくないのです。
売却を予定している空き家の近くに住んでいる方であれば、時間をかければいずれ片付けは完了すると思います。しかし、遠方に住んでいる方の場合、片付けのために多額の交通費がかかってしまうことになりますし、現実的な方法ではないと言えるかもしれません。
特に、家の売却スケジュールに余裕がないという方は、「いつ家の中が片付くか分からない…」という状況になってしまうため、自分で片付けるという方法は、メリットよりもデメリットの方が大きいと言えるかもしれません。
専門業者に片付けを依頼する
空き家の売却における事前の片付けについては、不用品回収業者や遺品整理業者などの専門業者に依頼するという方法もあります。
これらの業者は、部屋の片づけ作業をメインに行っているため、不用品の回収や簡単な掃除まで実行してくれます。特に、遺品整理業者の場合は、相続に関わる知識も豊富に持っているため、実家を相続したという方にとっては非常に心強い存在になるかもしれません。
ただ、専門業者に片付けを依頼するという方法にも、メリット、デメリットの両面があるので以下でご紹介します。
■専門業者に片付けを依頼する場合のメリット
不用品回収業者や遺品整理業者など、家の片付けを専門とする業者に作業を依頼する場合のメリットは以下の通りです。
- 短時間で片付けが完了する
- 作業はすべて業者が行ってくれるため、手間や労力がかからない
- 遠方に住んでいても、家の中を片付けられる
専門業者に片付けに依頼するという方法は、短時間で家の中の片付けが完了する点が最大のメリットになります。荷物の量が多い場合、1日で作業が完了しない場合もありますが、それでも数日から1週間程度あれば、家の中の荷物を全て運び出してもらうことができます。さらに、不用品回収業者などは、ゴミの処分もまとめて請け負ってくれるため、物品ごとにの廃棄方法に悩むなどといったこともありません。行政の回収サービスでは引き取りが不可とされているような物も回収してもらうことができますし、作業も全て業者側が行ってくれるため、依頼者は何の手間もかけずに家の片付けが完了します。
遺品整理業者の場合、遺品の整理や供養なども行ってもらえるサービスもありますし、費用をかけてでもスピーディーに片づけをしたいという方は、専門業者への依頼がおすすめです。なお、最近では、離れた場所に住んでいても、片づけ作業を依頼できる業者が増えています。作業時には、インターネットカメラを繋いで常時確認できるようにしたり、作業前に残しておいてほしいものをカメラを通して指定できたりするので、遠隔地にいても安心して作業を依頼できる環境が整っています。
■専門業者に片付けを依頼する場合のデメリット
次は、片づけ作業を専門業者に依頼する場合のデメリットです。
- 多額のコストがかかる
- 不法投棄の不安が残る
- 不要物と残したい物の分別が自分でできない
専門業者に片付けを依頼する場合の最大のデメリットは、コストがかかる点です。家の片付けは、いうなれば「ゴミを捨てる」という作業です。大変な作業であることは理解できても、ゴミを処分するために数十万円以上の費用を支払わなければならない点は、大きなデメリットと言えるでしょう。また、不用品回収業界には、いわゆる「ぼったくり」を行う悪質な業者もいて、作業完了後に法外な費用を請求されてしまうリスクがある点も注意が必要です。
さらに、不用品回収業者の中には、利益を優先する業者も多く、回収した不用品を適切な方法で処分せずに、不法投棄や転売してしまう場合があるのです。不法投棄されてしまうと、元の所有者のもとに連絡が入り対応を要求されてしまう場合がありますし、フリマアプリなどで転売されたときには個人情報が流出してしまうリスクが生じます。
したがって、不用品回収業者など、専門業者に依頼して家の片付けを行うという場合は、本当に信頼できる業者なのかをきちんと見極めなければならないと考えてください。
空き家売却のための片付けポイント
それでは次に、空き家売却を検討して、家の中の片付けを実行する場合の注意点についても解説します。空き家内の荷物を片付けるというケースは、自宅にある不用品を処分する場合とは異なる点に注意する必要があります。
以下のような点に注意しながら、片付け方法などを検討しましょう。
ポイント① スケジュールをきちんと立てる
空き家の売却を目的とした片付けの場合、スケジュールをきちんとたて、それに沿って作業を進めていくということが非常に重要です。というのも、空き家の片付けは、「家の中がすっきり片付く」と言うことがゴールなのではなく、その後の家の売却が本来の目的だからです。
片付けに時間がかかればかかるほど、家の売却活動を始めるのが遅れてしまうことになり、それだけ家の維持管理にコストがかかる、家の資産価値が落ちるといった問題が生じてしまうのです。
特に、片付けを自分で実施するという方の場合、自治体のゴミ回収方法やゴミ出しの曜日などをきちんと調べておかなければいけません。自治体のゴミ回収サービスは、ゴミの種類によって回収日が決まっているため、それを逃してしまうとスケジュールにズレが生じてしまいます。また、ゴミの持ち込み処分や粗大ごみ回収については、事前の予約が必要になるケースが多いため、予約方法や空き枠を確認しておかないと時間をとったのに処分できなかった…など、最悪の事態を招く恐れがあります。
空き家の売却を目的とした片付けの場合、「いつまでに家を売りたい」というゴールを決め、それに向けた片付けのスケジュールを立てていくと良いです。売却を急いでいるという方の場合は、自分での片付けは諦め、専門業者に相談したほうが良いかもしれません。
ポイント② 残置物の分類を事前に行う
二つ目のポイントは、作業に入る前に、残置物の分類を行っておくというものです。あらかじめ、残置物の分類ができていれば、家の片付けもスムーズに進むと思います。
残置物にも、「処分する物」と「残す物」「売却できる物」など、いくつかの種類に分類することができるはずです。貴金属や骨とう品、美術品など、金銭的な価値があるものは、捨てるのではなく買取業者に買い取ってもらった方が片付けにかかる費用を抑えることができます。
また、相続した実家を売却するケースでは、思い出の品として残しておきたい物や重要書類などが家の中にあるはずなので、事前にそれらを分けておかないと間違って捨ててしまう可能性が出てくるのです。
したがって、家の中の片付けを考えた時には、事前に残置物を分類するということから始めましょう。そうすると、作業を始めてからの迷いがなくなるため、スムーズに片づけ作業が進むようになると思います。
ポイント③ 親族との話し合いを事前に行う
相続した実家の売却では、何も考えずに家の中にある物を処分してしまうと、後から親族同士で相続トラブルが発生してしまう可能性があります。
不用品だと思って捨てたものが、親族にとっては価値のある物でトラブルになった…という失敗は珍しくありません。また、何の相談もなしに家の中を片付けた場合、「金銭的価値がある物を隠したのでは?」と言った疑いをもたれてしまう可能性もあるでしょう。
したがって、実家の片付けが原因で親族との関係が悪化しないよう、片付けを始める前によく話し合い、残すものや片付けのスケジュールなどを取り決めておきましょう。専門業者を利用して不用品を処分する場合、他の親族にも立ち会ってもらうという方法が安心かもしれません。
空き家の売却を前提とした片付けならホームステージングがおすすめ
ここまでの解説で、実家を相続した時など、空き家の売却を検討した時に家の中の片付けがなぜ必要なのかが分かっていただけたと思います。家の売却活動を進めていけば、いずれ購入希望者に内覧してもらう必要があり、その時の印象を高めるためには、事前に家の中を片付けたうえで家を売りに出した方が、スムーズに交渉が進むと考えられるのです。
もちろん、売却活動に並行して家の片付けを進めるという方法でも悪くはないのですが、内覧希望はいつ入ってくるか分かりませんし、準備が完了していない状況で内覧を受け付けなければならなくなる可能性が残ってしまいます。そのため、空き家の売却を考えた時、家の中に大量の残置物が残っているという状況なら、事前に片付けておいた方が良いと考えておきましょう。
なお、空き家の売却については、実家を相続することになった際に発生する問題と考えられます。冒頭でご紹介した通り、昨今では、核家族化が進んでいて、実家を相続する段階では既に別の場所に自分たち家族の拠点を作っているという方が多くなっているのです。そのため、実家を相続したとしても、その取扱いに困ってしまい、早期の売却を希望するという方が増えているのです。そして、このような相続した実家を売却するというケースでは、家の中の片付けについてもホームステージング業者に依頼するのがおすすめです。ホームステージングは、もともとアメリカで誕生した販促手法で、売却を予定している物件に対して、室内を家具やインテリア、照明や植物などでコーディネートすることにより、内覧者の印象を良くして早期かつ高値での売却を目指す方法とされています。
しかし、このホームステージングは、日本に輸入されて以降、日本の社会情勢に合わせた進化が施されているのです。ここでは、空き家の売却でなぜホームステージングが有効なのかについて解説します。
ホームステージングが空き家の売却に有効な理由
ホームステージングは、「室内を家具やインテリアでコーディネートし、内覧時の印象を良くする方法」「内覧者にここに住んでみたいと思わせる空間を作る方法」などと紹介されることが多いです。実際に、アメリカなど、欧米で採用されているホームステージングについては、内覧時の印象を良くするため、家具などを配置することで魅力的な空間を作り、早期かつ高値での売却を目指すという目的で実施されています。
しかし、2000年以降に日本に入ってきたこのホームステージングは、日本の社会情勢に合わせるよう、さまざまな点に工夫が施されるようになっているのです。実際に、日本ホームステージング協会が公表している、ホームステージングのガイドラインでは、日本に入ってきたホームステージングの変化について、以下のように解説されています。
日本独自のホームステージングとは
日本には、米国で広まったホームステージングでは直面しないような、高齢化、人口減少、空き家の増加などの原因による住環境の悪化から起こるさまざまな問題が表面化しています。それぞれの問題に合わせて、片づけ、整理収納を行うことが要求されます。一例をあげれば、遺品整理では、依頼者の状況や気持ちに寄り添い、希望に合わせて、仕分けしながら最適なサポートをしていかなければなりません。また、片づけの際に発生する廃棄については、廃棄物処理法をはじめ関連する法令を遵守しなければなりません。このように、日本の住宅事情やライフスタイルに合わせた日本独自のホームステージングが必要なのです。
引用:ホームステージングガイドライン
上記の通り、日本におけるホームステージングは、高齢化や人口減少、空き家の増加などを起因とした住宅周りのさまざまな問題に対応するため、片付けや整理整頓、不用品の廃棄に遺品整理など、売却者が求めるサポートができるようなサービスになるよう、独自の進化を遂げているのです。実際に、日本ホームステージング協会が認定している、ホームステージングに関する資格(ホームステージャー資格)の取得を検討した時には、単に室内をお洒落にコーディネートできる空間デザインの学習だけでなく、片付けや掃除、福祉や遺品整理などが学習要領の中に含められているのです。
そして、実際のお客様からのホームステージングの依頼についても、以下のグラフの通り、片付けや不用品回収などの相談が多くなっているのです。
■実施しているサービス(2024年度)
引用:ホームステージング白書2024年
上図の通り、日本で実施されているホームステージングに関しては、単に室内に家具などを配置するだけでなく、掃除や片付け、不用品の処分やリフォームなど、築年数が経過している空き家の売却で求められる作業が非常に多いのです。
つまり、実家を相続した方が、家の中を片付けたうえで売りに出したいと考えた時には、ホームステージング業者に相談すれば、必要な作業をまとめて依頼することができるという意味なのです。各業者に個別に相談する場合、時間も手間もかかりますが、ホームステージング会社が全ての作業の窓口になってくれれば、家の売却活動の手間を大幅に削減することができるようになるはずです。その上、内覧時の印象が良くなるよう、室内のコーディネートまで依頼することができるため、早期かつ高値での売却が期待できるはずです。
まとめ
今回は、空き家の売却で必要になりがちな、家の中の片付けについて解説しました。
記事内でご紹介した通り、実家を相続し、空き家状態になった物件を売却しようと考えた時には、事前に家の中の片付けが必要になると考えた方が良いです。家の売却の流れを考えると、購入希望者が実際に足を運び、物件の中を確認するという内覧が必ず行われるため、家の中に大量の荷物が残っている状態というのは、物件の印象を悪くしてしまう要因となるのです。
そして、空き家の売却に関わる片付けについては、ホームステージング業者に相談するのがおすすめです。アメリカで誕生したホームステージングは、日本に輸入されて以降、日本の社会情勢に合わせるように進化しており、まさに相続した実家の売却で多くの方が困ってしまう部分の対策を施してもらえるのです。ホームステージングは、単に室内をお洒落にコーディネートできるだけでなく、物件の特性に合わせて必要な作業を依頼できるという点が大きな特徴です。