不動産売却のチラシ規制と魅力的な広告チラシにするための工夫
不動産の売却活動を進めていくとき、重要な役割を担ってくれるのが広告チラシです。昨今の不動産市場では、物件探しの場として、インターネット上の不動産ポータルサイトが利用されるようになっているため、広告チラシの存在意義に疑問を感じているという方も多いかもしれません。しかし、実際に自宅の売却活動を進める際には、折り込みチラシやポスティングチラシの効果はバカにできないのだということを実感する方が非常に多いです。
中古住宅の売却を仲介する不動産会社も、顧客から不動産の売却を依頼された場合、インターネット広告への物件情報の掲載以外にも、各種チラシの作成・配布を必ず行っているのです。つまり、現在でも、広告チラシを使った集客というのは確かな効果が認められていて、スムーズな売却を希望する場合には、物件の魅力をより効果的にアピールできるようなチラシを作成してもらう必要があるのです。
ただ、不動産売却のためのチラシ作成には、皆さんが知らないような厳しい広告規制が設けられています。そのため、その他の商品をアピールするためのチラシと比較すると、表現の自由度が低くなってしまい、不動産会社が作成したチラシを見て「もっと効果的なアピールができるのではないか?」と不満に感じてしまうケースも少なくないのです。
そこでこの記事では、不動産売却のために作成される広告チラシについて、どのような規制が設けられているのか、またより効果的なチラシにするためのポイントなどについて解説します。

不動産売却で利用される主な広告
それではまず、不動産売却のために利用される主な広告の種類について簡単にご紹介していきます。冒頭でもご紹介していますが、昨今の不動産市場では、インターネット上の不動産ポータルサイトの存在感が高まっています。ほとんどの方がスマートホンを所有するようになった昨今では、いつでも・どこでも探し物ができるようになっていて、物件探しもスマホを使って不動産ポータルサイトやアプリにアクセスするという方法が主流となっているのです。
ただ、不動産チラシなど、その他の広告手法が一切採用されなくなったのかというとそうではなく、不動産ポータルサイトにはない効果が現在でも認められていて、積極的に使用されています。ここでは、不動産売却のための主な広告の種類を大まかに分けて紹介します。
インターネット広告
一つ目は、不動産ポータルサイトなど、インターネット上に掲載される物件広告です。スマホの普及率が高くなった現在では、「SUUMO(スーモ)」や「HOME’S(ライフルホームズ)」などの不動産ポータルサイトを利用して部屋探し、家探しをする方が増えていて、なんとその割合は60%を超えているというデータまで公表されています。
インターネット上の広告サイトを利用するメリットは、周辺地域に住む人だけでなく、全国の人に物件を売りに出しているということを周知することができるという点です。広告チラシを使った集客は、新聞折込やポスティングと言ったアナログな手法を採用するしかないため、情報の拡散力という面ではどうしても限定的となってしまいます。インターネット上の広告は、物件が売れるまで掲載し続けることができ、顧客側が勝手に自分の物件情報にアクセスしてきてくれるという仕組みになっているため、アナログなチラシのデメリット面を補ってくれるという効果が得られるのです。
インターネット広告が広く普及した現在でも、チラシを使った広告が採用されている理由は、両者がそれぞれのデメリットを補い合い、両方の広告を採用することで、より高い広告効果が期待できるからです。特に、インターネット広告は、掲載できる情報がチラシよりも多く、物件が持つアピールポイントを余すことなく顧客に伝えることができるという点がメリットになります。チラシの場合、たくさんの物件写真を掲載したくても、紙面という限界があるため大量の写真を掲載することはできません。しかしインターネット広告の場合、大量の物件写真を掲載することができ、物件が持つ魅力を効果的に伝えることができるようになるのです。
ただ、多くの方がインターネットで物件探しを行うようになっていることから、物件を売りに出す際には、全ての物件が同じ場所に広告を掲載します。そのため、単体の広告として手に届くチラシと異なり、ライバルとなる競合物件の情報が非常に多いというデメリットが存在するのです。買主側は、ポータルサイトの絞り込み機能を使って物件情報を絞り込んだうえ、そこで初めて真剣に検討を始めます。つまり、売主側からすると、絞り込み機能を使われても、しっかりと生き残るような広告にできないと、顧客の目に触れる機会すらなくなることになるのです。インターネット広告は、仲介を担う不動産会社が積極的に物件をプッシュできないため、どうしても受け身の広告になってしまいます。そのため、自分の物件広告を買主側が「なぜ選ばなかったのか?」が分かりにくく、より効果的な広告にするために必要な対策が分かりにくい点もデメリットです。
チラシによる広告
二つ目の手法は、チラシを配布することにより、家を売りに出していることを知らせるという方法です。ちなみに、不動産チラシの配布方法にも、いくつかの種類が存在します。
- ポスティングチラシ
配布エリアを定め、各住居の郵便ポストに不動産チラシを投函するという広告手法です。 - 折込チラシ
新聞やフリーペーパーなどの媒体に挟み込んで配布される広告チラシです。
ポスティングチラシや折り込みチラシは、「物件周辺の〇〇市内に配布する」「ファミリーマンションなど、特定の場所のみ配布する」といったように、ターゲットを絞った無駄のない宣伝が可能であることがメリットです。
インターネット広告と比較すると、アナログな広告手法となりますが、対象エリアを決めて売却物件の存在を周知できます。そもそも、中古住宅は、全国の人を対象とするのではなく、近隣に住む方を対象とした方が、スムーズな成約を期待しやすいです。転勤などの理由が無ければ、生活圏を大きく変えるという人は少ないため、遠方の方よりも周辺エリアに住む人が顧客対象になるのです。
中古住宅の売買については、住み替えなどを検討して積極的に物件探しをしている人だけが顧客対象になるわけではありません。「通勤手段や子供の学校を変えたくないけど今の家に不満がある」「親の介護のために近所に家を探している」など、現在の住居に何らかの不満を感じていて、潜在的に住み替えを検討しているという層の方もそれなりに多いのです。この場合、インターネットなどで意識的に物件探しをしていないというケースが多く、たままた手に取ったチラシを見て、初めて中古住宅の購入を本気で検討し始めるというケースが考えられるのです。そのため、このような層の顧客に対しては、インターネット上の受け身の広告ではなく。積極的に物件売却をアピールできるチラシの配布が効果的になるのです。特に、近隣に住む方を対象としているため、チラシを手に取る方は、周辺の住環境を気に入っている、相場感を知っているなど、成約までのハードルは遠方の方よりも低くなります。相場通りで特に高くない売り出し価格を設定していれば、住環境に対する不安がない分、無理な値引き交渉などを受けることもなく、そのままの価格で即決してもらえるなど、売主にとっては「良客」が多いと考えられるのです。
注意が必要なのは、インターネット広告と違って、広告の周知できる範囲が限定されるという点です。当然、物件情報は、チラシを配布したエリアにしか届かないため、配布エリアの設定を間違ってしまうと、何の広告効果も得られなかったとなるケースも少なくありません。チラシ広告は、その情報を必要とする人以外にとっては単なるゴミでしかないため、タイミングが悪ければ捨てられてそれで終わりとなってしまいます。つまり、継続的な広告効果が期待できないため、周知効果を高めるためには何度もチラシを配布しなくてはならず、コストがかかり費用対効果が悪化します。
その他の不動産広告について
不動産売却に関わる広告は、上記以外にもあります。例えば、以下のような広告手法が存在します。
- 新聞の紙面広告
- 住宅情報誌への掲載
- 地域のフリーペーパーへの広告掲載
- 電車の吊広告
- 看板広告
- ダイレクトメール など
不動産広告には、上記のような方法が採用されるケースも多いです。ただ、広告規模が大きくなるため、個人の売主が使用するのではなく、新築分譲マンションや一団の建売新築住宅の販売などで採用されています。個人が売主となる中古住宅の売却は、インターネットの不動産ポータルサイトやポスティングチラシがメインになると考えておきましょう。
不動産チラシに掲載される情報と広告規制について
それでは次に、不動産売却のための広告チラシについて、どのような情報を掲載するのか、また広告規制とは「何が規制されているのか?」について解説していきます。
不動産売却の広告チラシは、基本的な内容について、表示方法が決まっています。また、不動産はその他の商品と比較すると、非常に高額であることや工業製品のような規格品ではなく個別商品であるという点から顧客の優良誤認を防止するための広告規制が設けられているのです。
売主としては、より物件の魅力が伝わるような広告にしたいと考えるかもしれませんが、広告としてやってはいけないことがあるので注意が必要です。ここでは、不動産売却の広告チラシについて、基本的な掲載内容と規制の内容について解説します。
不動産広告に掲載する内容について
不動産広告の基本的内容は、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」により、物件種別ごとに表示すべき項目や基準が定められています。ここでは、主な表示項目と表示方法について解説します。
- 取引形態
取引形態は、広告を提示している不動産会社の立場を表しています。売主、媒介(仲介)、代理と言った表現がなされ、不動産会社が仲介を依頼されて広告を出す場合には「媒介(仲介)」と表示されます。 - 物件所在地
簡単に言うと物件の住所です。町名や番地まで正確に記載することが原則です。都市部においては、地番と住居表示が異なることが多いのですが、不動産売却の広告では「地番」による所在地の表示が原則です。 - 交通利便性と徒歩所要時間
最寄り駅(またはバス停)の名称と所要時間を記載します。所要時間は、徒歩による道路距離「80m=徒歩1分」で計算し、端数が出た場合は、切り上げ表示が原則です。例えば、85mの場合は「徒歩2分」という表示になります。ちなみに、道路距離は、対象施設までの直線距離ではなく、実際の道のりの距離となります。また、マンションなどの共同住宅の場合、自宅玄関ではなく、対象施設から最も近い敷地の出入り口までの距離で計算します。 - 価格(賃貸の場合は賃料等)
価格は、1戸当たりの価格を表示するのですが、消費税も含む総額で表示することになっています。なお、個人がマイホームを売る場合、建物の消費税は非課税です。事業者(個人事業主も含む)が建物付きの不動産を売却する場合に関しては、消費税を含む総額を表示します。 - 面積(土地・建物)
壁芯面積や登記簿面積など、計測基準を明記します。なお、面積の表示は「畳」ではなく、メートル表示がルールです。 - 物件の形質(間取り)
この部分は、居室数とリビング・ダイニング・キッチンなどのアルファベット表記を組み合わせて表示します。いわゆる「2DK」や「3LDK」と言った表記がこれにあたります。ちなみに、「DK」はダイニング・キッチンのことを指していて、台所と食堂の機能が1室に併存している部屋です。また「LDK」は、リビング・ダイニング・キッチンのことで、台所、食堂に加えて居間の機能も1室に併存している部屋となります。DKとLDK以外に居室が何室あるのかを示す形となります。DKとLDKの区分については、部屋の広さ(畳数)によって表記のルールが定められています。「キッチンのある部屋以外の居室が1部屋の場合」、キッチンのある部屋が4.5畳以上の場合はDK、キッチンのある部屋が8畳以上の場合はLDKとなります。また、「キッチンのある部屋以外の居室が2部屋以上の場合」、キッチンのある部屋が6畳以上の場合はDK、キッチンのある部屋が10畳以上の場合はLDKとなります。 - 築年月
建物の完成年月を表示します。ちなみに、築1年未満の物件の場合、「新築」と表記したくなります。しかし、新築と表記できるかどうかもルールがあり、「建築後1年未満であって、かつ、一度も居住の用に供されていない物件」しか新築を名乗れません。つまり、築1年未満であっても、誰かが住んだことがある物件は、中古住宅という扱いになります。
不動産広告は、消費者が正確に物件の比較検討ができるよう、チラシなどの広告に掲載する基本情報の内容が決められています。また、掲載方法についてもルールが定められているので、漏れなく表示しなくてはならないという点に注意しましょう。
不動産チラシの広告規制について
不動産は、個人が購入する商品の中では、最も金額が高い商品であり、また工業製品のような規格品ではなく個別商品であることから、購入者側が優良誤認するような広告が規制されます。誤った認識で不動産を購入した時には、買主側の被害金額が大きくなってしまいますし、個別商品であるためそれぞれの品質の判断が難しいことから、実際よりも優良だという誤解を生まないようにしなくてはならないのです。
不動産を売却するためのチラシに関しては、仲介を依頼した不動産会社が、何も言わなくても無料で用意してくれるのが一般的です。これは、不動産会社側は、チラシを配布することで、そこから問い合わせが入り成約まで至ることができれば、仲介手数料を得ることができるためです。また、不動産会社は、チラシに掲載した物件以外にも多くの不動産を取り扱っているため、チラシに掲載した物件が売れなくても、その顧客を他の物件に誘導することができるなど、有力な顧客を獲得できる可能性があるため、チラシによる広告を無料で行っているのです。
ただ、不動産会社が作成する広告については、全てにおいて「不動産の表示に関する公正競争規約」の規制の受けてしまいます。上で紹介したチラシに掲載する内容のルールもこれにあたりますが、それ以外にも、以下のような誤解を招く表現を利用することが禁止されているのです。ここでは、不動産広告の規制についても少し詳しくご紹介します。
■不動産チラシは書いてはいけないことが決まっている
ポスティングチラシなど、不動産売却のための広告では、書いてはいけないことが決められています。以下のような用語は、表示内容を裏付ける合理的な根拠がある場合を除き、その使用が禁止されています。
- ①最上級を意味する用語(「最高」「最高級」など)
- ②著しく安いという印象を与える用語(「格安」「掘出し物」「土地値」など)
- ③全く欠けることがないこと、または、全く手落ちがないことを意味する用語(「完全」「完ぺき」「絶対」など)
- ④競争事業者の供給するもの、または、競争事業者より優位に立つことを意味する用語(「日本一」「抜群」「当社だけ」)
- ⑤一定の基準により選別されたことを意味する用語(「特選」「厳選」など)
- ⑥著しく人気が高く、売行きがよいことを意味する用語(「完売」など)
物件の良さをアピールしたいと思っても、上記のような用語を使うことができないのです。例えば、売主が「日本一住みやすい家」と感じていたとしても、配布するチラシにそのような誇張表現を使うことはできません。ちなみに、①番と②番に関しては、表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合は使用が認められます。
■不動産チラシは書かなければいけないことも決まっている
利用の制限、欠陥のある物件については、特定事項としてチラシに記載しなければならないと定められている内容があります。以下の、特定事項に該当する16の事項は、すべての広告媒体に明⽰しなければならないと定められています。
- ①市街化調整区域内に所在する⼟地
- ②道路に適法に接していない⼟地
- ③条例による敷地形態制限に適合しない⼟地
- ④30%以上の路地状部分を含む⼟地
- ⑤セットバックを必要とする⼟地
- ⑥古家が存在する⼟地
- ⑦沼沢地、湿原または泥炭地
- ⑧⾼圧線下の⼟地
- ⑨地下に地上権が設定されている⼟地
- ⑩30%以上の傾斜地を含む⼟地
- ⑪著しい不整形地
- ⑫がけ上、がけ下にある⼟地
- ⑬都市計画道路等の区域内の⼟地
- ⑭建築⼯事を相当期間中断した新築物件
- ⑮建築条件付⼟地の条件等の内容
- ⑯国⼟利⽤計画法の適⽤がある物件
不動産売却のための広告チラシは、売主に不利になるような情報はできるだけ掲載したくない…と考える方が多いです。しかし、顧客の優良誤認を避けるためにも、不利な情報もきちんと掲載しなければならないという規制が設けられています。売主としてはもどかしく感じると思いますが、消費者保護のため、厳しい規制があるということは理解しておきましょう。
不動産広告の効果を高めてくれるホームステージング!実施の際は優良誤認に注意
ここまでは、不動産売却における重要な広告手法であるチラシ広告について、効果的なチラシを作るためにおさえておかなければならないポイントをご紹介してきました。記事内でご紹介した通り、不動産の売却は、その他の商品の売買と比較すると、非常に大きなお金が動く取り引きとなるため、集客のための広告にも厳格なルールが設けられているのです。
不動産の広告は、表現への制限が厳しく決められているため、どうしてもそっけない印象のチラシに感じてしまうという方が多いと思います。そこで、より効果的な不動産チラシにするために注目されているのがホームステージングの導入なのです。
不動産チラシを見た時、その第一印象を決めるポイントになるのは、やはり魅力的な物件写真が掲載されているかどうかです。先程から紹介しているように、不動産売却に関する広告については、記載しなければならない内容やその逆に記載してはいけない内容が厳しく定められています。そのため、どれも似たような内容の広告になってしまい、顧客側の物件選びの要素として、写真などの視覚的な要素が以前よりも重要視されるようになっているのです。
実際に、不動産情報サイト事業者連絡協議会が行った「不動産情報サイト利用者意識アンケート」のデータを確認してみると、不動産会社を選ぶポイントとして、約7割の方が「写真が多い」ということをポイントにあげているという状況になっているのです。
つまり、不動産広告の効果を高めるためには、顧客の目を引くような写真を用意して、それを広告に掲載するということが非常に重要なのです。
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ホームステージングの導入で魅力的な写真が用意できる
ホームステージングは、売却や賃貸を予定している物件に対し、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで新築のモデルルームのような空間を作り出す演出手法とされています。この対策は、主に内覧に足を運んでもらった際、購入希望者が入居後の自分たちの生活を具体的にイメージしやすくなることから、早期かつ高値での成約を後押しできると、内覧対策として非常に有効だと注目されているのです。
しかし、家具などを配置して顧客が魅力的に感じる空間を作り出せば、その状態を撮影することで広告に掲載する物件写真としても利用することができるようになります。ホームステージング前後の写真を見比べてみると、この対策が広告の段階でどれほどの効果を発揮するのかが一目瞭然です。


上記のように、家具などが何も配置されていない物件写真は、どうしても殺風景に見えてしまい、物件の魅力度が伝わりにくいです。これが、ホームステージングを実施することで、そこでの生活が画像からもイメージできるようになり、内覧に足を運んでみたいを感じるような広告とすることができるのです。実際に、ホームステージングの採用により、物件広告の反響率について、以下のように大きな効果が発揮されているということがよくわかるデータもあります。
■ホームステージング実施前との比較「広告閲覧数」
- 大幅に増えた:20.4%
- 少し増えた:57.4%
■ホームステージング実施前との比較「問い合わせ数」
- 大幅に増えた:16.7%
- 少し増えた:61.1%
■ホームステージング実施前との比較「内覧者数」
- 大幅に増えた:11.3%
- 少し増えた:67.9%
このように、ホームステージング実施後の物件画像を採用した広告は、実施前と比較すると反響率が圧倒的に高くなったという結果が出ています。
バーチャルホームステージングは、優良誤認に注意
ホームステージングは、室内に実物の家具を配置していくという方法以外に、VR技術とCG技術を活用したバーチャルホームステージングと呼ばれる手法があります。バーチャルホームステージングは、物件写真を用意することで、パソコン上で対策を施した物件画像を用意できる方法です。通常のリアル型ホームステージングと比較すると、対策にかかる費用を抑えられる、短期間で画像を用意できるという点が大きなメリットになります。
しかし、バーチャルホームステージングを採用する場合は、上で紹介したような「優良誤認を招く広告」にならないように注意しなくてはならないのです。バーチャルホームステージングは、簡単に言うと画像の加工技術であり、パソコン上で全ての作業が実施されることから、作業者が不動産に関する知識を持たず、知らないうちに禁止行為が施されていた…というケースが後を絶たないのです。実際に、バーチャルホームステージングなどの利用に関しては、首都圏不動産公正取引協議会などからも注意喚起がなされています。
不動産広告にバーチャルホームステージングを実施した物件画像を掲載する際には、以下のような失敗をしないように注意しましょう。
- 物理的に搬入不可能な家具を設置する
部屋の入り口や廊下の幅、エレベーターの大きさを考えると、物理的に搬入出来ないような大型家具を配置する。 - 部屋の広さを誤認させる
実際には6畳しかない部屋に、特大のキングサイズベッドや大きなL字ソファを配置して、広い部屋のように見せる。 - 存在しない設備を付加する
実際にはない暖炉やシーリングファンを合成し、設備があると誤認させる。 - 部屋の欠陥や傷を隠す
壁や床のシミ、大きな傷を加工によって消す、CG家具を配置することで隠すといった行為は、物件の価値を実際より良く見せる行為に当たります。 - 窓から見える景色を変える
窓から、実際には見えない美しい景色を合成して、景観が良い物件のように見せるのもNGです。 - 実物とは明らかに異なる素材や質感を演出する
本来は、古いクッションフロアが採用されている部屋なのに、高級感のあるリアルなフローリングに変更する。など
上記のような加工は、消費者に誤認を与えるような表現として誇大広告とみなされます。売主としては、早く売りたいという気持ちがあるかもしれませんが、これらの行為は禁止事項となるので、絶対にやってはいけません。また、バーチャルホームステージングで作成した画像を広告として利用する場合は、CGであること、または実物と異なる旨の明記が必須です。
まとめ
今回は、不動産を売却するための広告手法の一つである、不動産チラシの基本情報について解説しました。
記事内でご紹介した通り、不動産チラシを作成する際には、さまざまな規制や制限に注意しなくてはならないのです。広告チラシに掲載しなくてはならない基本的な内容も決められていますし、その逆に使ってはいけない表現なども厳しく制限されています。したがって、広告チラシを見た顧客が、「この物件に内覧に行ってみようかな?」と思わせるチラシにするには、物件の魅力を視覚的に伝えることができる物件写真の質が非常に重要になると考えてください。
特に中古住宅の売却では、住みながら売却活動が進められるケースが多いため、顧客にインパクトを与えられるような美しい物件写真とすることが難しいです。使い古された家具が移り込む、長年蓄積した汚れや傷のせいで、どうしても古く見えるなど、広告に掲載したいとか決して思えないような写真の仕上がりになってしまうケースも少なくありません。現在、家の売却を考えていて、広告チラシの質の低さに悩んでいるという方は、ホームステージングの導入を検討してみてはいかがでしょう。