家を高く売りたくてもやってはいけないNG行動をご紹介!
不動産の売却を目指す時には、誰でも「できるだけ高く買ってくれる人を探したい!」と考えるはずです。そして、少しでも有利な条件での成約を目指すために、売却活動を始める前にさまざまな対策に打って出るのです。
しかし、一般の方が「不動産を高く売るために有効な方法なのではないか?」と考える対策の中には、売却活動を逆に困難にする行動も存在するのです。そもそも、不動産を売却するための対策はさまざまありますが、売りに出す物件については、それぞれ立地や建物の状態、周辺環境など、異なる条件と特徴を持っているため、全ての物件に対して売却活動を有利に進められるような対策というのは意外に少ないのです。ある物件に対しては非常に効果を発揮するものの、その他の物件に対しては逆効果を発揮するという対策も珍しくないので、不動産の高値売却を目指す時には「本当に効果的な対策が何か?」を慎重に検討しなくてはいけないのです。
そこでこの記事では、これから自宅や相続した不動産を売りに出そうと考えている方に向け、「できるだけ高く売りたい!」と考えたとしても、事前準備としてやってはいけないとされているNG行動をご紹介していきます。記事内では、不動産業界でNG行動とされている対策を実施した時、どのような失敗に繋がってしまうのかについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

NG行動① 相場を無視した高すぎる価格で売りに出す
不動産売却におけるNG行動の代表例が、周辺相場を無視した高すぎる売り出し価格を設定して、物件を市場に出すという行為です。
冒頭でもご紹介した通り、不動産を売りに出そうとしている売主の意向としては、「できるだけ高い価格で買い手を見つけたい!」というものがあります。特に、相続した不動産の売却などではなく、住み替えのために現在の住まいを売りに出すというケースでは、より良い住み替え先を入手するためにも、高く売りたいという意向が強く出てしまうものなのです。不動産の売却金は、住み替え先を購入するための資金となるため、高く売れた方がグレードの高い新居が入手しやすくなるためです。
不動産の売買は、その他の商品と比較しても、非常に大きなお金が動く取り引きとなります。築10年程度の状態の良い物件であれば、数千万円単位のお金が動くことになります。したがって、買い手側は、売却時に「値下げしてほしい!」という交渉に出るのが一般的とされています。不動産の売却では、売主が設定した売り出し価格そのままの状態で、成約できる可能性は少なく、最後の一押しとして一定の金額を値引きしてあげることで、売買を成立させるといったケースが多いのです。
この不動産市場の常識については、多くの売主が理解しています。そのため、「自分が希望する価格で成約するためには、値引きを想定して高い金額を設定しておかなければならない!」と考える人が多いです。実際に、仲介を依頼する不動産会社からも、多少割高な価格設定をしておき、交渉で値段を下げることで買主側に「お得感」を持たせる方がスムーズに売れるとアドバイスをもらうことも多いと思います。
こう聞くと、「高い売り出し価格は間違った行動ではないのではないか?」と感じるかもしれません。しかし、市場相場を大きく超えるような「高すぎる売り出し価格」の設定は、売却活動を困難にする原因になるのです。高い価格を設定すれば、値下げの際にも「インパクトのある金額を減額できる」ということから、より成約しやすくなると考えるかもしれません。しかし、高すぎる売り出し価格の設定は、購入希望者との価格交渉の段階まで進むことができなくなる可能性の方が高いため、成約が遠のいてしまうのです。また、不動産市場における物件の立場もどんどん悪くなっていき、時間が経過すればするほど売れにくい状況に陥る可能性もあります。
高すぎる価格設定で起こる問題
物件の売り出し価格については、「値下げ交渉を想定して多少上乗せする」という行動は問題ありません。しかし、市場相場を無視した「高すぎる」売り出し価格の設定は、物件広告の段階で購入候補から外されてしまい、物件の内容を詳しく見てもらう事すらできなくなる…という事態に発展する可能性が高くなります。そしてその後、売却活動が長期化していくと、何度も値下げせざるを得ない状況となり、結果として物件そのものが不審に思われて買い手がつかなくなる…と言った結果に繋がる可能性があるのです。
高すぎる価格設定をした場合の最悪の流れは、以下の通りです。
- STEP1 物件広告の段階で敬遠される
多くの方が利用する不動産ポータルサイトは、買い手側が希望する価格で物件情報を絞り込むことができます。つまり、高すぎる価格設定をしている場合、自宅よりもグレードが高い物件がライバルとなるのです。この場合、条件の良い物件と比較され「価格の割に魅力が少ない」などと思われ、広告が閲覧されても問い合わせや内覧予約にはつながりにくくなります。 - STEP2 売却期間が長期化して広告順位が下がる
不動産ポータルサイトは、新着物件の情報が上位に掲載され、売れ残っている物件情報の順位がどんどん下落していくという仕組みになっています。つまり、STEP1で売れなかった物件は、広告そのものの順位が下がってしまうため、顧客の目に触れる機会が少なくなり、売れにくくなるのです。 - STEP3 長期掲載、高頻度な値下げで不信感を持たれる
不動産ポータルサイトに掲載して、長期間売れ残っている物件は、「みんなが避けているということは問題があるのかな?」などと物件そのものの状態などが疑われる可能性があります。また、売れないという理由で何度も値下げしていると、これも「何か物件に問題があるのではないか?」と疑われる原因になります。また、「待っていればもっと安くなるのでは?」と足元を見られる可能性もあるでしょう。つまり、最初に高すぎる価格を設定し、売れ残ったから相場周辺の価格に戻したとしても、物件そのものが不審に思われてしまうことから、相場通りの価格でも売れにくくなる可能性があるのです。
このように、最初の売り出し価格を「高すぎる価格」に設定してしまうと、長期間売れ残ってしまうことで、余計に売れにくくなるという悪循環に陥る可能性があるのです。大切な不動産を売却するわけなので、「できるだけ高く売りたい!」と思うのは当然です。しかし、売買では「相手側がどう感じるのか?」が非常に重要になるので、購入を控えられるような状況を作り出すのは損につながると考え、慎重に価格設定を行いましょう。
NG行動② 「高い査定を付けた」という理由だけで不動産会社を選ぶ
こちらも、売主の「できるだけ高く売りたい」という考えによって陥ってしまいがちな失敗です。不動産の売却を考えた時には、仲介を依頼する不動産会社を探す必要があります。そして、仲介業者探しでは、複数の不動産会社に相談して、査定を依頼することで、最終的な仲介会社を決めるという流れになるのです。
この際、「できるだけ高く売りたい!」と考えている方であれば、より高い査定額を提示してくれた不動産会社に仲介を依頼したいと考えるはずです。不動産会社の物件査定は、会社ごとに重視するポイントが異なる、得意な不動産の種類が異なるといった理由から、提示される査定額に格差が生じてしまうのが一般的です。そのため、複数の不動産会社から提示された異なる金額の査定額を見た時には、最も高い金額を提示した会社に仲介を依頼したくなるものなのです。
しかし、この考えが失敗に繋がる可能性があるのです。そもそも、不動産会社が提示する「査定額」というものは、そのまま成約できる金額を示しているわけではありません。不動産会社も、査定額について「その価格で売れる」ということを保証しているわけではありません。それでは、なぜ仲介を依頼する不動産会社を「査定額の高さ」だけで選んではいけないのでしょうか?
以下で、「高い査定額」のみで不動産会社を選んだ時に考えられる、最悪の事態についてもご紹介します。
高い査定額だけで不動産会社を選んだ場合に起こる問題
仲介を担う不動産会社は、物件が売れて成約に至った時に「仲介手数料」と呼ばれる報酬を手にすることで利益を出しています。つまり、不動産会社側は、売主から仲介を依頼してもらわなければ、その先にある利益を手にする可能性が無くなってしまうのです。
そのため、悪質な不動産会社の中には、「この価格では買い手がつかないだろう…」ということを理解していても、自社に仲介を依頼してもらうために、買い手がつかないような「高い査定額」を提示するのです。先程紹介した通り、この査定額というのは、「この価格で売れますよ!」ということを保証する金額ではありません。つまり、仲介を依頼され、物件を売りに出した後、長期間売れ残った時に、何らかの理由をつけて値下げに導けば良いわけです。そして、値下げした状態で買い手が見つかれば、不動産会社側は仲介手数料を手にすることができるため、利益が確保できるというカラクリになるのです。
しかし売主にとっては、結果的に「高すぎる売り出し価格で市場に出す」という状況の陥ってしまうことで、上述した「NG行動①」の状態に意図せずなってしまう可能性があるのです。この状況になると、不動産の売却期間がどんどん伸びて行ってしまい、想定していた住み替えスケジュールが崩れてしまう、最終的に相場よりも安い価格まで値下げをせざるを得なくなる…と言った事態に陥る可能性があります。さらに、高すぎる査定額を提示する不動産会社の中には、最終的に「自社での物件買取」をたくらんでいる場合があり、この状況になると、市場相場の5~8割程度と、非常に安い価格で売却することになるのです。
もちろん、高い査定額を付けてくれる不動産会社が全て悪いというわけではありませんが、査定額については、以下のようなことを確認して「査定の根拠」をきちんと示してもらうようにしましょう。
- なぜその価格になったのか、査定の根拠を示してもらう
- 査定の根拠となった成約事例を見してもらう
- 提示した価格で売りに出した時、想定している売却期間を聞く
- 広告や販売活動の方法
- 価格を見直す時の考え方
仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際には、「査定額が高い」という単純な理由だけに注目するのではなく、査定の根拠や販売の計画などもきちんと提示してもらい、総合的に比較することが大切です。
NG行動③ 売りに出す前に高額なリフォームを実施する
相続した実家の売却など、築年数がある程度経過している古い家の売却を考えた時には、そのままの状態では売れない可能性を考え「事前にリフォームして売りに出した方が良いのではないか?」と考える人が多いです。
確かに、あちこちに劣化症状が見られるような老朽化が目立つ物件と、清潔で使いやすい見た目になっている物件では、後者の方が購入希望者に好印象を与えられる可能性が高いです。しかし、不動産の売却では、物件を売りに出す前に売主主導で大規模なリフォームを実施するという行動は「おすすめできない」とされているのです。
もちろん、専門業者に依頼してハウスクリーニングを実施することで清潔感を取り戻すや、安全性や見た目の問題を改善するための軽微な修繕であれば、売却活動に好影響を与える可能性があります。しかし、数百万円単位のお金がかかるような大規模リフォームは、スムーズな売却活動を目指す際には不要とされているのです。
事前の大規模リフォームが不要とされている理由
そもそも、リフォーム工事については、購入者が後から実行することも可能です。物件を売りに出す前に、売主主導で工事を行ってしまうと、購入後の選択肢が少なくなるうえ、売主にとっても支払った費用を元に戻すことができなくなるのです。
そして、中古住宅市場における、リフォームの必要性については、買い手側が「不要」と考えているというデータが多いため、事前の大規模リフォームは行わない方が良いとされているのです。中古住宅の購入を検討している方の多くは、「購入後に、自分たちの希望に合わせてリフォームしたい」という要望を持っています。そのため、事前にリフォームが実施された物件について、希望とズレた内容の工事が実施されていた場合には、購入候補から外してしまう訳です。つまり、「良かれ」と思って実施したリフォーム工事が、買い手側から「この物件は買わない」と判断されてしまう理由になる可能性があるのです。
さらに、多額の費用をかけてリフォーム工事を実施したとしても、支払った費用を売却金額に上乗せすることは非常に難しいです。不動産の価格は、市場相場というものが存在しているため、リフォームの有無に関係なく、売却可能な上限金額はある程度決まってしまっているのです。そのため、事前に大金をかけてリフォームを実施した場合、物件が売れたとしても、リフォーム分の費用で赤字になってしまう可能性があるわけです。
不動産の売却において、事前のリフォームや解体を検討した時には、プロである不動産会社に相談し、その必要性のアドバイスを必ず受けるようにしましょう。事前の大規模リフォームは、ほとんどの場合、売主にとってメリットのない行為になってしまうため、とめられると思います。
関連:マンション売却のためのリフォームは不要!売却を成功させたいならホームステージングがおすすめ!
NG行動④ 物件の瑕疵を隠す
中古住宅の売却では、物件に何らかの瑕疵が存在するケースの方が多いです。ただ、瑕疵の中には「そのまま伝えると売れなくなるのではないか?」と心配になってしまうような致命的な問題も存在します。例えば、以下のような瑕疵が存在する物件は、買主に伝えない方が良いのではないか…と考える人がいます。
- 雨漏りや漏水
- シロアリ被害
- 給排水管の不具合
- 建具(窓やドア、床)の不具合
- 地中埋設物の存在
- 住む人に精神的な抵抗感や嫌悪感を与える事故や事件が過去に存在する(心理的な瑕疵)
上記のような不具合や問題については、そのままその事実を伝えると、値下げ交渉の材料となる、最悪の場合、買ってもらえなくなると不安に感じるはずです。そのため、売主側が物件に存在する瑕疵を把握しているにも関わらず、その事実を伝えずに契約させようとするケースがあるのです。しかし、このような行動は、引き渡し後に致命的なトラブルに繋がる可能性があるので、絶対にやめましょう。
瑕疵を隠した状態で売却した時に起こる事
不動産を貸したり売ったりする際には、相手の判断に重要な影響を及ぼす事柄については、事前に伝えなければならないという義務が設けられています。物件に何らかの瑕疵が存在することを把握していながら、故意にその事実を隠した状態で契約させた場合、売主や不動産会社は契約不適合責任が問われることになります。契約不適合責任とは、引き渡された物件が種類、品質、数量に関して、契約内容に適合しない場合に売主が負う責任であり、買主側から以下のようなことを求められる可能性があります。
- 追完請求:壊れている場所を直す、足りない部分を補うよう求める
- 代金減額請求:修理などにかかる費用分の代金減額を請求される
- 損害賠償請求:不具合によって受けた損害をお金で補償してもらう
- 契約解除: 契約の目的を達成できない場合に契約を白紙に戻す
このように、契約不適合責任を指摘された場合、最悪の場合、契約を白紙に戻される可能性まであるのです。
中古住宅の売却は、不具合があるからと言って、売れないわけでもなく、事前に修理してから売りに出す必要があるわけでもありません。大切なのは、分かっている範囲で良いので、物件の状態や存在している不具合などについて、正確に伝えたうえで、それを価格や契約条件に適切に反映させることです。物件に何らかの問題があったとしても、それを隠すのではなく、顧客に正直に説明してどうするのかを相談をするという対応を行う方が、購入者の安心感に繋がるため、スムーズな成約に近づけるはずです。
不動産を高く売りたいならホームステージングがおすすめ
ここまでの解説で、自宅や相続した不動産の売却を考えた時、「できるだけ高く売りたい」と思っても実施すべきではない対策もあるのだということが分かっていただけたと思います。相場を無視した高値で売り出す、事前にリフォームを実施するといった対策は、売却活動が逆に難しくなり、買い手がなかなか見つからなくなることで「安い価格で手放すことになる…」と言った悪循環に陥る可能性があるのです。
それでは、不動産の売却で、「できるだけ高く、かつ早く売りたい!」と考えた時には、どのような対策を実施すれば良いのでしょうか?実は、昨今の不動産市場では、ホームステージングの実施が最も費用対効果が高いのではないかと言われるようになっているのです。
ホームステージングは、下の画像のように物件内に家具やインテリア、照明や植物を配置することで、部屋を魅力的に見せる空間演出のことです。

物件のターゲット層が好む空間にコーディネートすることで、購入希望者が内覧に来た時には、入居後の生活イメージを具体的に想像させることができるようになるため、購買意欲を高めることができるとされているのです。居住中の物件の場合、使い古した既存家具をお洒落なレンタル家具に置き換えてもらうことで、空間演出をしたり、不要な荷物を回収、処分してもらうことで、空間をスッキリと見せられるようにするといった対策を施してもらうこともできます。この他にも、ハウスクリーニングや消臭作業など、物件の清潔感を取り戻すための対策を同時に実施してもらうことができ、内覧者の印象を悪くする要因を取り除いてもらうことができるのです。
このホームステージングは、専門業者に依頼したとしても、15~30万円程度が費用相場と言われています。もちろん、対策を実施する部屋の数や作業内容などによって費用は上下するものの、大規模なリフォームを実施することと比較すると、圧倒的安価に物件の印象を良くすることができ、スムーズかつ高値での成約を目指すことができるようになるのです。
ホームステージングを採用するメリットについて
不動産の売却準備として、ホームステージングを導入した場合には、以下のようなメリットが得られます。
■内覧時の第一印象を向上させる
不動産の売却では、購入希望者が物件情報を見た時や内覧した時の第一印象が非常に重要です。
ホームステージングを実施すれば、生活感のある部屋を新築のモデルルームのように演出することができ、明るく清潔で魅力的な空間を作り出すことができるようになります。散らかった状態や汚れた状態の部屋よりも、整った部屋の方が内覧者に好印象を持ってもらいやすくなり、購買意欲は高くなるはずです。
ホームステージングの実施は、この第一印象の部分を大幅に向上させることができる点が大きなメリットになります。
■物件の可能性を視覚的に提示することができる
空室状態の物件や、家具の配置が適切でない物件の場合、内覧に来た購入希望者は、その空間でどのように生活できるのか、また家具をどう配置すれば良いのか、想像しにくくなり、購入して良いのかの判断が下せなくなります。
ホームステージングは、プロのホームステージャーが、家具やインテリア、照明などを適切に配置することで、その部屋での快適な暮らしを具体的にイメージさせることができるようになります。物件を内見した時、そこでの家族の生活や家事動線が具体的にイメージできるようになれば、購入の判断がしやすくなるため、早期の成約が期待できます。
■欠点や問題をカバーできる
ホームステージングは、物件に存在する欠点や問題点を目立たなくさせるという効果も期待できます。
ホームステージングを専門とする会社には、プロのホームステージャーが在籍しています。そのため、その物件が最も売れやすくなるよう、戦略的に家具の配置や照明、インテリアを利用することにより、部屋の狭さや古さと言った潜在的な欠点から注意をそらしてくれるのです。さらに、内覧者の視線を部屋が持つ良い面や特徴部分に注目させることができるようになるため、物件に対する印象がより良くなるという効果が期待できます。
物件の印象が良くなれば、早期の売却や高値売却に繋がる可能性が高くなります。
■ライバル物件との差別化ができる
ホームステージングは、物件広告や内覧時において、競合するライバル物件との差別化が実現するという点も大きなメリットです。特に、マンションの売却では、このメリットが非常に効果的に働きます。
中古不動産市場には、数多くの物件情報が出ています。特にマンションの売却の場合、同じ建物内で複数の物件が売りに出ているということも珍しくないでしょう。この場合、ホームステージングが実施された物件は、未実施の物件と比較すると、写真写りが良くなるうえ、内見時の印象も鮮明に残りやすくなります。
そのため、問合せの段階から競合物件との差別化ができ、購入希望者の母数を増やすことができるため、早期売却の可能性が高くなるといえるのです。
■早期売却や高値売却に効果を発揮している
ホームステージングの実施は、早期の売却や高値での売却が実現できるという点が最大のメリットです。この点については、日本ホームステージング協会が毎年実施している、実態調査により、その効果のほどがデータとして確認できるようになっています。
2024年度に実施されたホームステージングについて「ホームステージング実施前との比較・成約までの期間」という質問の回答においては、以下のような結果が出ています。
- 大幅に短縮した(1カ月以上):18.6%
- 少し短縮した(1週間~1カ月未満):51.3%
- ほとんど変わらない:21.2%
- 逆に長くなった:1.8%
- 不明:7.1%
このように、ホームステージングの実施により「成約までの期間が短くなった」という回答が約7割に達しているのです。また、ホームステージングの本場であるアメリカで実施された調査では、以下のような効果があったと指摘されています。
- ステージングされた住宅の85%は、掲載価格より5~23%高い価格で売却されました。
- 売主側の不動産業者の22%は、ステージングされた住宅はステージングされていない住宅に比べて売却価格が1~5%上昇したと報告しています。
- ステージングされた住宅は、ステージングされていない住宅に比べて、市場に出ている時間が73%短くなります。
- 住宅購入者の81%は、ステージングされた住宅によって住宅の売却が容易になったと述べています。
- 住宅不動産業者の50%によると、市場に出ている住宅にステージングを施すと、平均して売却価格が1~10%上昇します。
このように、欧米でも、ホームステージングは早期売却や高値売却に有効に働くというデータが揃っています。
参照:ホームステージング白書2024年
参照:アメリカでの調査
まとめ
今回は、不動産の売却において、一般の方の間では「有効なのではないか?」と考えられているものの、実際には安易に採用すべきではない対策について解説しました。
記事内でご紹介した通り、「できるだけ高く売りたい!」と考えたとしても、売り出し価格を高くする、事前に高額なリフォームを実施するといった対策は、結果を伴う可能性が低いためおすすめできません。リフォームなどに関しては、購入後に「自分の好みに合わせてリフォームしたい」と考えている方が非常に多くなっているため、事前に売主主導で手を加えてしまうと、買い手側のニーズとズレが生じて売れにくくなる可能性があるのです。ただ、目に見える劣化や損傷については、そのままの状態で売りに出すのではなく、事前に修繕したほうが良い可能性もあるので、「どこまで直せば良いのか?」はプロの不動産会社に相談してみると良いでしょう。
なお、不動産の早期売却や高値売却を目指す場合、ホームステージングと呼ばれる販促手法の採用が非常に効果的とされているので、これからマイホームの売却や相続した実家を売りに出すという方は、導入を検討してみると良いでしょう。