賃貸の内見依頼が少ない!内見数を増やして空室を素早く埋める対策とは?
賃貸経営を進める上では、空室が生じてしまうと、収支計画に支障が出てしまうため、適切な空室対策を実施して素早く次の入居者を獲得するという流れを作ることが非常に重要です。空室が長期化すると、賃貸経営そのものを圧迫する要因となるため、物件オーナーにとっては最も避けるべき事態と言えるからです。
しかし、少子高齢化による人口減少が指摘されている昨今では、住宅が供給過多の状況にあると言われていて、一見すると「すぐに次の入居者が決まってもおかしくない!」と思えるような条件の良い物件でも、入居者獲得競争に苦戦してしまうケースが増えていると言われているのです。特に、不動産投資が相続税対策として有効に働くという情報が出回っていることもあり、多くの賃貸経営者が空室対策に頭を悩まされている状況の最中、現在でも新たな賃貸物件が続々と新築されていて、ライバル物件の数が増えてさらに空室リスクが高くなるという悪循環を生んでいます。
この記事を読んでいただいている賃貸物件オーナーや管理を手掛ける管理会社の担当者様も、安定的な賃貸運営を進めるための、良い空室対策のアイデアを常に探しているという方が多いはずです。そこでこの記事では、空室がなかなか埋まらないという状況を引き起こしている昨今の日本状況や、内見希望を増加させることで空室を埋めるための対策などについて解説していきたいと思います。特に、賃貸物件の管理を手掛ける不動産会社様にとっては、自社の収益アップにつなげるためにも、時代に合わせた空室対策のアイデアを持ち合わせておくことが重要になりますし、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸の空室が埋まりにくくなった現代ならではの理由
賃貸物件の空室対策の重要性については、今に始まったことではありません。賃貸経営は、物件を借りてもらうことで収益をあげていくという仕組みなので、古くから「空室が生じたらすぐに埋める」ための空室対策は重要視されていました。しかし、昨今の日本を取り巻く状況を見回してみると、賃貸物件の空室対策の重要性は、一昔前よりも高くなっていると言われているのです。
これから相続税対策のことを考慮して、不動産投資に乗り出そうと考えている方も多いと思いますが、昨今の賃貸物件市場を取り巻く「空室を埋めるのが難しくなった」と言われる理由はきちんと押さえておくべきです。ここでは、賃貸経営を難しくしているここ最近の状況について、いくつかのポイントに分けてご紹介します。
少子高齢化による人口減少
賃貸経営も、その他の商売と同じく、需要と供給のバランスが重要になります。賃貸経営においては、需要が「賃貸物件を必要とする人数」、そして供給は「賃貸物件の戸数」となります。
当然、人口が増加していけば、賃貸物件を必要とする人の数が増加するため、需要が増加していくことになります。しかし、日本の現状を見てみると、日本人の人口が42年ぶりに1.2億人を下回るという状況になっていて、少子高齢化による人口減少が急速に進んでいるのです。つまり、賃貸物件市場は、年々需要が低下しているという状況が続いていて、空室が目立つ物件が増えてきているという状態な訳です。ちなみに、労働力の確保のため、外国人の受け入れは進んでいて、外国人の人口は過去最多の約403万人となっています。ただ、賃貸経営者にとっては、有力な借り手とみなしていない方も多く、この点は需要増とみなされない場合も少なくありません。
賃貸物件の増加
賃貸物件の空室の増加は、需要の低下だけが原因ではありません。実は、賃貸物件を必要とする人の数が減少している中でも、新たな賃貸物件の建築が進められていて、供給の面では現在でも増加しているという状況になっているのです。実際に、国土交通省が公表した資料を見ても、日本の賃貸住宅数は、長期的に微増傾向で推移しているとされています。
このような状況は、不動産投資が節税対策に有効であるとみなされていることが大きな要因と言えます。不動産投資は、ローンを利用することで自己資金が少なくても始めることができるうえ、物件の管理に関しては専門の不動産会社に丸ごと委託することができるような状況になっています。その結果、投資経験が少ない方でも、始める時のハードルが低くなっていて、現在でも新規参入する方が多いのです。例えば、相続税対策の面で考えると、現金をそのまま残すより、土地や建物に変えることで、その評価額が低くなり、税額を下げられるとされているのです。つまり、資産運用などが目的ではなく、節税目的で不動産投資を始めるという方が増えていて、需要が減っているにもかかわらず、供給量が衰えないことで空室が生じやすくなっているわけです。
賃貸経営に関する知識がない人が運営する
上述したように、昨今では、不動産投資が、所得税・住民税・相続税などの節税対策になると考えられ、新規参入する方が多くなっています。ローンを利用すれば自己資金が少なくて済む、管理も業者に任せられるという状況から、素人の方でも始めやすいことが魅力とされています。しかしその一方、不動産経営に関する知識がないことで、適切な空室対策が実施できずに、空室を埋められない…という状況に陥る方が増えているのです。
たとえば、賃貸経営をスタートする際、立地条件や周辺エリアのニーズなども把握することなく賃貸経営を始めてしまい、新築なのに空室が埋まらない…というような状況に陥ることも珍しくないとされているのです。賃貸物件は、立地条件やニーズに合った物件にすることで安定した需要が期待できます。しかしその反面、ニーズに合わない物件になってしまうと、顧客に見向きもされずに空室に悩む可能性が高くなるのです。例えば、「駅から遠くて不便」「学生などの単身者が多いエリアなのにファミリー物件を建築する」など、ニーズが合わない賃貸経営になると、需要が期待できなくなり、空室が生じやすくなるのです。
不動産投資が節税対策になることは事実ですが、安定的な賃貸経営を進められなければ、その効果は意味がなくなってしまいます。したがって、将来的に空室に悩まされないようにするには、事前に市場の需要状況やエリアのニーズをしっかりと調査しなくてはならないと考えてください。
効果的な空室対策にするため、おさえておくべきポイント
前項でご紹介した通り、現在の日本は、賃貸物件市場の需要と供給のバランスが崩れてきているため、安定的な賃貸経営を進めることを考えると、以前よりも空室対策の重要性が増していると考えられるのです。ただ、空室対策であれば何を実行しても効果的に働くというわけではなく、物件ごとに最適な空室対策がどのような物なのかを正確に把握することが大切なのです。
ここでは、効果的な空室対策を実施するため、おさえておきたいポイントをご紹介します。
ポイント① 物件の現状把握
効果的な空室対策を実施するためには、何が原因で空室が生じているのか、自社物件の現状を正確に把握することが何よりも重要です。現状把握が不十分な状態では、見当違いな対策になってしまう可能性が高いですし、適切な入居者募集を実施することができません。
たとえば、空室がなかなか埋まらない…という状況でも、内見予約さえも入らないという状態と、内見はしてもらえるのに成約に至らないという状況では、必要な対策が大きく異なります。内見予約さえ入らないという状況は、募集方法や募集広告に問題があって、入居希望者に興味を持たれていないという状況になっている可能性が高いです。一方、内見はしてもらえるのに空室が埋まらないというケースは、物件そのものの劣化や設備の状態が悪く、内見者に敬遠されている可能性が考えられるでしょう。
物件の現状把握が正確にできれば、空室の原因がどこに存在していて、どのような対策を打てば効果的に働くのか判断できるようになるはずです。
ポイント② 周辺物件との比較
先程紹介した通り、現在の賃貸物件市場は、需要を供給が上回るという状況になっています。どのような立地に存在する物件でも、周囲にライバルとなる賃貸物件が1軒もないというような状況は考えにくいです。
つまり、空室を埋めるためには、ライバルとなる周辺の物件との差別化が非常に重要になるのです。数多く掲載されている物件広告の中から、自社の物件を選んでもらい、内見に足を運んでもらわなければならないのです。そのためには、周辺物件と自社の物件を比較して、優れているポイントが何か、その逆に劣っている条件があるのかを突き止める必要があります。周辺のライバル物件との比較ができれば、自社物件が優れている点や魅力的な条件を顧客にアピールして、差別化を図ることができるようになるでしょう。
数多くの賃貸物件が同じエリア内に存在する現在では、周辺の物件調査をしっかりと行い、自社物件と比較することが大切です。有利になるポイントがあれば、そこを積極的にアピールすることができますし、ない場合でも差別化を図るために必要な空室対策の内容が自ずと判断できるようになるはずです。
なお、周辺物件との差別化については「家賃を下げれば良いのでは?」と考える方がいます。しかし、家賃の値下げについては、安易に行うべきではなく、どうしても空室を改善できない場合の最終手段としてとっておくべきです。なぜなら、家賃を下げてしまうと、収益の悪化につながる可能性が高いからです。賃貸経営での収益は、「家賃収入」によって得るわけなので、ここを下げてしまうと、そのまま収益の悪化につながります。さらに、既存入居者に「値下げ」の情報が知れ渡ってしまうと、不公平感を持たれてしまうことで「自分達も下げてほしいと交渉される」可能性が出てきます。そしてその申し出を断った場合には、退去を選ばれてさらに空室状況が悪化するという最悪な状況に陥る可能性があるのです。物件内の全ての部屋が空室状態に陥っているという状況なら、周辺相場と比較して家賃が高すぎるということが原因かもしれませんが、多くの部屋が埋まっているという状況なら、家賃設定が大きく間違っているとは考えにくいです。したがって、まずは、その他の部分の空室対策を進め、それでも効果が得られなかった場合の最終手段と考えておいた方が良いです。
周辺のライバル物件と比較して「家賃が安い」という条件は、差別化する時のポイントとしては非常に有効ですが、物件オーナー側のメリットが少ないため、安易に選ばないようにしましょう。
内見を増やして空室を埋めるための対策について
それではここからは、具体的な空室対策についてご紹介していきます。自社の現状把握や周辺物件との比較ができたのであれば、「どのような対策が有効なのか?」も判断しやすくなっているはずです。
ここでは、空室対策の中でも、内見者数を増やして入居につなげるために有効な対策を中心にご紹介していきます。賃貸物件の空室対策と聞くと、「リフォームして物件の価値を向上させる」という方法をイメージする方が多いです。しかし、空室対策としてのリフォームは、多額のコストがかかるという点が大きなデメリットになるのです。
ここでは、費用対効果のことも考えながら、空室を埋めるための最初の一歩となる「内見者を増やす」ための対策を紹介していきます。
物件広告や入居条件を使った空室対策
空室を早期に埋めるためには、多くの方が物件探しに利用する不動産ポータルサイト内で注目してもらわなければいけません。不動産ポータルサイトは、数多くの物件広告が掲載されているため、その中で顧客の目に留まるようにするためには、物件情報を充実させる必要があります。
最近では、物件広告を見て「良さそう」と感じた物件については、内見という工程を飛ばしてそのまま入居申し込みの段階に移るという方も増えているとされています。しかし、安定的な賃貸運営を進めるには、やはり「どれだけ効率的に内見数を確保できるか?」が非常に重要な要素となります。
そこでここでは、物件広告の内容や入居条件に注目して、内見者数を増加させるという空室対策をご紹介します。
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■物件の情報を充実させる
不動産ポータルサイト内で、選ばれる物件情報にするためには、その内容を充実させることが大切です。物件探しをしている人が真っ先に目にするのは、物件情報が一覧表示された時のサムネイル画像となるため、まずは、魅力的な物件写真を掲載できるようにしましょう。
その次に、物件広告の詳細ページまで進んだ人に対し、物件のアピールポイントを的確に伝えられるよう、メリット面の情報をしっかりと掲載します。例えば、搭載されている設備を始めとして、近隣の公共施設、学校やスーパー、コンビニなど、日常生活に欠かせない施設の情報なども記載していきます。
物件広告内の情報が不十分な場合、魅力が的確に伝わらずに、内見に繋がらなくなる可能性が高いです。その逆に、多くの方が興味を持ってくれるような情報をしっかりと掲載しておけば、「ひとまず見に行ってみたい!」と興味を持ってもらうことができるので、内見の増加が期待できるわけです。
■内見のハードルを下げる
賃貸物件の内見者数を増やしたいと考えた時には、内見のハードルを下げるという対策が有効です。一般的に、賃貸物件の内見は、不動産会社に立ち会ってもらうのが一般的なのですが、この場合、不動産会社とのスケジュール調整が必要になります。一昔前までであれば、不動産会社の店頭まで足を運び、条件に合う物件を紹介してもらうという流れが一般的だった為、その流れで内見に進むというケースが多かったです。しかし、現代の賃貸物件探しは、パソコンやスマホで物件を探し、フォームから内見希望を出すという流れになっているのです。この場合、実際に内見に足を運ぶまで、数日程度のタイムラグが生じてしまうことになり、その間に別の物件に興味を持たれてしまう可能性が出てくるのです。
これが、不動産ポータルサイトで良さそうな物件を見つけた時、その場で内見に足を運べることが決まるという流れになると、顧客を逃す可能性が少なくなるのです。例えば、近年増加している手法として「セルフ内見」と呼ばれる手法が存在します。これは、物件にキーボックスを設置したり、管理会社に鍵を預けておくことで、希望者がいつでも自分の都合で内覧できるような環境を整えるという方法になります。この方法を採用すれば、内見のハードルが一気に下がるため、内見者数を増加させ、早期に空室を埋められる可能性が出てくるのです。
不動産会社が同行して、物件の魅力を説明するなど、契約の後押しをしてもらうことができなくなるものの、顧客の購買意欲が最も高い状況で物件内を見学してもらえることを考えると、有効な空室対策と言えます。
■トレンドの設備を導入する
宅配ボックスやオートロック、無料インターネットなど、賃貸物件探しをしている方からニーズの高いトレンド設備を導入するという方法も内見者数を増やすための対策として有効です。各部屋のリフォームを実施することと比較すると、低コストにおさえることができ、効果的な空室対策とみなされるようになっています。
トレンド設備の導入が「なぜ内見者の増加に繋がるのか?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。これは、不動産ポータルサイトの検索の仕組みが関係しています。不動産ポータルサイトを使って物件探しをする際には、希望する家賃や間取りなどを指定することで物件の絞り込みを行います。そしてこの際には、「物件に求める設備」も、絞り込み条件として設定する方がほとんどなのです。つまり、多くの方が求めているトレンド設備が導入されていない場合、その条件で絞り込みを行った顧客には、自分の物件広告が見てもらえなくなるという状況になっています。
賃貸物件に導入が求められる設備は、時代によって変化しているので、空室対策の必要性を感じた時には、その時点で人気のトレンド設備を調べてみて、未導入の場合は設置すると良いでしょう。そうすると、物件広告が閲覧される可能性が高くなり、内見者数増加につながる可能性があります。
■入居条件の緩和
入居条件の緩和は、対象者の母数を増やすことを意味するため、内見者数を増加させ、早期に空室を埋めることができるかもしれません。例えば、以下のような条件の緩和が空室対策に有効とされています。
- ペット可に変更する
- 高齢者や外国人も受け入れる
- 敷金、礼金を無くす
- フリーレントを導入する
入居条件の緩和は、現在入居を断っている層の方を受け入れるという対策です。ペット不可だった物件がペット可にする、外国人の入居を断っていた物件が受け入れるなど、入居対象者の母数を増やすことで内見者数を増やし、早期の成約を目指すのです。ただ、この方法については、既存の入居者の意向を無視した状態で進めるのは望ましくありません。ペット不可の物件は、「ペットを飼っている人がいないから」という理由で住んでいる方もいるのです。ペットによる騒音やアレルギー問題がある既存入居者がいれば、入居条件を変更したことを理由に退去されてしまう可能性があります。この場合、空室対策として実施したのに、逆に空室が増えてしまうという結果を招く恐れもあるのです。
この他、敷金・礼金を無くす、フリーレント(一定期間の家賃を無料にする)にするなど、金銭的なハードルを下げるという対策は、入居ハードルが一気に下がるため、興味を持ってくれる人が増える可能性が高いです。家賃の値下げと異なり、一時的な収益減少に留まるので、早期に空室を埋める方法としては有効です。
内見後の入居率を高めるための空室対策
次は、実際に内見にまで足を運んでくれた方の入居率を高めるための空室対策です。いくら内見者数が増加したとしても、契約にまで至らないのであれば意味がありません。そのため、内見者を増やす工夫と同時並行して、内見時の印象を高めて入居率をあげる対策も必要になるのです。
ここでは、内見後の入居率を上げるための空室対策についても、簡単にご紹介します。
■内見準備をしっかり行う
内見時の印象は、契約するかどうかの判断に直結します。物件内に足を踏み入れた時、「狭い…」「暗い…」「汚い…」と言った悪印象を残してしまうと、いくら内見者数が多くても、なかなか空室が埋まらないという状況に陥ってしまいます。
そのため、内見後入居率を高めるには、内見時の第一印象を高くするための準備が大切と考えてください。例えば、室内を綺麗に掃除する、嫌な臭いが残らないように消臭する、カーテンを開けたり電気をつけたりして部屋を明るくしておくなど、室内に足を踏み入れた時の印象が良くなるような空間を作り出しましょう。特に、セルフ内見を導入する際には、物件のアピールポイントを説明してもらうことができないため、魅力がしっかりと伝わるような空間づくりを行うことが大切です。長期間窓を閉め切った状態になると、湿気やニオイがこもるので、定期的に足を運んで換気を実施するなど、良好な内見環境が維持できるようにしましょう。
この他、玄関にスリッパやウェルカムボードを設置する、物件そのものや周辺環境のアピールポイントをまとめたプリントを用意しておくなど、内見者を歓迎しているということが分かるようにしておけば、第一印象が高まり、入居率の上昇が期待できます。
■共用部分も清潔で良好な状態を維持しておく
賃貸物件を探している方が内見する際には、部屋だけを見ているのではありません。内見時には、エントランスやエレベーター、駐輪場やゴミ捨て場など、共用部分の維持管理が徹底されているのかもしっかりと確認します。例えば、ポストの周りにチラシが散乱してる、廊下の電球がいくつも切れている、ゴミ置き場が荒らされているといった状況になると、部屋の印象が良くても入居を躊躇する可能性が高いのです。
その逆に、上記のような共用部分の清掃や管理が行き届いている物件は、自分が入居したとしても安全で快適に住み続けられるという印象を抱きます。部屋そのものの印象も良ければ、安心感のある物件として入居率の上昇が期待できます。
■ホームステージングの実施によるモデルルーム化
賃貸物件の内見は、家具などは何も設置されていない、空室状態を見学してもらうのが一般的です。しかし、家具などが何も設置されていない部屋を確認しても、サイズ感や入居後の生活がイメージしにくいため、内見者からは「決め手がない…」と契約を先延ばしにされる可能性があるのです。
そのため、昨今の賃貸物件市場では、内見時の印象を良くするため、物件内に家具やインテリア、照明などを設置して、新築住宅のモデルルームの様な演出を施すという対策が実施されるようになっています。これは、ホームステージングと呼ばれる手法で、もともと中古住宅の販促のために開発された方法です。ただ、ホームステージングは、初めて物件内に足を踏み入れた方の印象を最大化することができるため、「賃貸の入居者募集にも有効」と考えられるようになり、この対策を導入する物件が増えています。
ホームステージングを実施すれば、内見者が入居後の生活を具体的にイメージしやすくなり、「ここに住んでみたい」と思わせることができるため、内見後の入居率上昇が期待できるとされています。
賃貸の内見者数増加や入居率向上を目指すならホームステージングが有効
ここまでの解説で、賃貸物件で空室が生じてしまう現代ならではの理由や、空室を早期に埋めるためにはどうすれば良いのかがある程度分かっていただけたと思います。少子高齢化が進む日本では、人口減少が続いていて賃貸物件に対する需要が減少傾向にあるとされています。しかしそれにもかかわらず、新たな賃貸物件の建築が続いていて、需要と供給のバランスが大きく崩れ始めているのです。
そのため、これから安定的な賃貸経営を目指すためには、効率的に入居者を獲得するための空室対策が今まで以上に重要視されるようになっているのです。そして、賃貸物件の空室を埋めるため、内見者数の増加や内見後入居率の向上を期待する場合、ホームステージングの導入が非常に効果的とみなされるようになっています。
ホームステージングは、1970年代初頭のアメリカで開発された販促手法と言われていて、もともとは中古住宅の早期かつ高値での売却に有効な対策と言われていました。これが、2000年代に入り日本国内でも取り入れられるようになったのですが、2020年頃からは賃貸物件の空室対策に非常に有効なのではないかと考えられ、積極的に導入されるようになったのです。このホームステージングは、賃貸や売買を予定している物件に対し、室内に家具やインテリア、照明や植物などを配置することで、新築のモデルルームの様な空間を作り出す演出手法です。物件を見学した時には、入居後の家族が生活する姿や家事動線などを具体的にイメージすることができるようになり、内見者の購買意欲を高めることで早期の成約に導くことができるとされているのです。
実際に、ホームステージング前後の室内画像を見比べてみると、物件そのものの印象が大きく変わるということがよくわかると思います。
■ホームステージング前

■ホームステージング後

上の2枚の画像を比較すれば良く分かると思いますが、ホームステージング前後で、物件の印象が大きく変わるはずです。ホームステージングを実施すれば、物件広告に掲載する写真の質も向上するため、広告反響率の向上も期待できるようになるでしょう。
実際に、日本ホームステージング協会が毎年実施している実態調査にて、賃貸物件にホームステージングを実施することで、内見者数の増加や入居率の向上と言った非常にありがたい藩王が出ていたことがよくわかるデータが出揃っています。
■ホームステージング実施前との比較『広告の閲覧数』
- 大幅に増えた:36.4%
- 少し増えた:47.3%
■ホームステージング実施前との比較『内見者数』
- 大幅に増えた:30.4%
- 少し増えた:42.9%
■ホームステージング実施前との比較『成約までの期間』
- 大幅に短くなった:44.6%
- 少し短くなった:37.5%
上記は、ホームステージング白書2023年度版内のデータです。これからも分かるように、ホームステージングの実施は、広告反響率を高め、内見者数の増加に導いてくれるうえに、成約までの期間を短くしてくれるという効果が得られているのです。
さらに、最新版となるホームステージング白書2024年では、売買物件、賃貸物件にホームステージングを実施した時の反応として、「内覧後成約率が上がった(43.3%)」という回答が第一位になっているのです。つまり、賃貸物件の空室対策を考えた時には、ホームステージングの実施が非常に効果的なのではないかと言えるのです。
まとめ
今回は、賃貸物件市場の近況と早期に空室を埋めるための対策について考えてみました。
少子高齢化による人口減少が社会問題化している日本では、賃貸住宅の空室対策の重要性が年々増しています。特に、人口減少によって賃貸物件を求める方の数が減少している中でも、新築される賃貸住宅の数がそこまで減少していないため、需要と供給のバランスが大きく崩れてしまっているエリアが増えていると言われているのです。賃貸物件は、古いものよりも新しい物件が好まれる傾向にあるため、築年数が進んでいくと、空室に頭を悩まされる可能性がどんどん高くなっていきます。新築物件と勝負するため、フルリフォームすることで対抗することを選ぶオーナー様もいますが、このような空室対策は、新しい入居者が獲得できても、かけたコストを取り戻すのに長い年月がかかってしまうことになり、決して費用対効果の良い対策とは言えないのが実情です。
記事内では、物件広告の改善によって内見者数を増やし、さらに内見してくれた人の入居率を高めるための対策を中心にご紹介しているので、ぜひ導入を検討してみると良いでしょう。なおホームステージングは、広告の段階でライバル物件と差別化し、さらに内見に足を運んでくれた顧客の入居率を高める方法として確かな効果を発揮しているというデータが揃っています。リフォームなどと比較すると、対策にかかるコストも大幅に削減できるので、費用対効果の良い空室対策として非常におすすめです。