2026.06.12

内覧件数があっても売れない家の特徴!早期売却のための対策も紹介

中古住宅の売却においては、「内覧」の工程が非常に重要です。内覧とは、不動産の購入や賃貸を検討した際に、契約前に実際の物件へ足を運び、室内や設備、周辺環境を確認する行為のことを指しています。ちなみに、見学行為そのものを指していることから「内見」と呼ばれるケースも多く、昨今の不動産市場では購入時の見学が「内覧」、賃貸物件の見学が「内見」と使い分けられるケースが多いようです。

この内覧は、不動産ポータルサイトなどで興味を持った物件に実際に足を運んで確認する行為となることから、売却の成否を左右する最も重要な場面になるとされています。内覧時に「想像よりも狭い」「写真よりも汚く見える」など、ネガティブな印象を与えてしまうと、購入を見送られてしまう可能性が高くなります。その逆に、「お買い得の物件だな」「ここに住んでみたい」など、好印象を残すことができれば、そのまま購入申し込みが入り、交渉のステージに立つことができる可能性が高くなるのです。

つまり、マイホームの売却を検討した際には、この内覧の工程を成功させるための準備が非常に重要になるということです。それなのに、実際に売りに出されている物件の中には「これでは買い手がつかないのでは?」と思えるような状況をそのまま放置しているというケースも少なくないのです。
そこでこの記事では、内覧件数はあっても購入を見送られてしまう可能性が高い家の特徴と、早期の成約を目指すために検討しなければならない対策について解説します。

内覧があっても購入を見送られる家の特徴

それではまず、内覧件数は確保できているのに、購入申し込みの段階までなかなか進めない家の特徴をご紹介していきます。内覧予約は入るという状況であれば、物件の立地や間取り、価格帯についてはそれなりに納得感があると判断されているということです。内覧まで足を運ぶということは、本来、前向きに購入を検討していると考えられるのですが、実際の物件を見学してもらうと、その印象が大きく変わり、成約まで繋がらないというケースも少なくないのです。

実は、内覧件数がそれなりにあるのに売れないという物件については、共通する原因が存在する場合が多いです。そこでここでは、内覧で売れない家の共通点についてご紹介します。

①ニオイの問題がある

一つ目の問題は、内覧までに家の中のニオイの問題を解消できていないというケースです。ニオイの問題は、内覧者が玄関に入った瞬間に感じる物なので、スタート地点でマイナスな印象を与えてしまい、不信感を持たれたまま見学を実施することになるので、購入に繋がらなくなる可能性が高いのです。玄関に入った時の第一印象として「悪臭がする…」「くさい…」と感じさせてしまうと、その時点で「この物件はない」と判断させる決定的な要素となります。

どのような家であっても、生活していればさまざまなニオイが室内に残ってしまいます。玄関部分なら家族の履物のニオイ、室内に入った時にはタバコ臭やペット臭、排水口から上がってくる悪臭など、さまざまなニオイが存在していると思います。そして、各家庭特有のニオイは、そこに住んでいる人にとっては、「当たり前」のものであるためなかなか気付くことができません。そのため、内覧準備として臭い対策を何もせずに、内覧者の印象を悪くしてしまうのです。

ちなみに、ニオイの問題を解消するためとはいえ、芳香剤や柔軟剤などの強い臭いでごまかすという行為はあまり良くありません。この場合、「何か隠しているのではないか?」という疑いの印象を与えてしまうことになり、他に良い物件があれば購入を見送られる原因となります。

②生活感ではなく「不潔」の領域になっている

二つ目の原因は、物件内の状況が「生活感が残っている…」というレベルではなく、誰が見ても「汚い」と感じるような不潔の領域にまで至っているというものです。

ちなみに、マイホームの売却において、多少の生活感が残っているという状況は特に問題はありません。居住中のまま家の売却活動を進めるケースであれば、そこに住む人の生活感を完全に消し去るようなことはできないので、生活感そのものを問題視する必要はありません。例えば、テーブルの上に読みかけの本がある、ソファーの上のクッションが崩れている程度であれば、内覧者に悪印象を与えるような事はなく、許容範囲と言えます。

しかし、「居住中なのだから生活感は仕方ない!」という考えの元、内覧までに家の中の掃除を怠るのはNGです。例えば、水回りのカビや水垢が放置されている、排水口のヌメリが残っている、トイレの便器が汚れているなどという状況を放置した場合、内覧者は悪印象を持ち購入を見送る事でしょう。これらの問題は、生活感なのではなく、単に「不潔」であるという印象を与えるだけで、普段の生活における家の扱いが悪いのではないかという不信感まで与えてしまうのです。ここまでの悪印象を持たれてしまうと、立地条件や価格に関する条件が内覧者にとってどれだけ良くても購入に繋がらなくなります。

③整理整頓ができていなくて狭く見える

②番の「不潔」と似ているのですが、居住中のまま売却活動を進める際には、日常生活で使用する雑貨などがなかなか片付かず、そのままの状態で内覧を受け付けて購入を見送られてしまうというケースも多いです。

簡単に言うと、物件内の物が多すぎる、散らかっているという状況で、本来の広さよりも狭く感じさせてしまうのが要因です。内覧時には、実際にメジャーなどを使って広さを計測するわけではありません。内覧者は「体感の広さ」で物件の良し悪しや生活スタイルに合う間取りなのかを判断するのです。そのため、部屋のあちこちに生活雑貨や不要な荷物が放置されているという状況になると、内覧者の脳内では「意外に狭いな…」という印象になってしまうのです。

部屋の広さを視覚的に受け取る際は、実際に物を置ける「床面積」ではなく、目に入る「床の見える面積」によって体感の広さが大きく変わるとされています。そのため、内覧準備として物件内の整理整頓や不用品の処分を怠っていたという場合は、「狭い」というネガティブな印象を残すことで売れ残ってしまう可能性が高くなるのです。

④暗いと感じさせる

この問題については「致命的」とまでは言いませんが、内覧時の印象を悪くしてしまう要因になるのは間違いないので、心当たりがある人は改善しましょう。

一般的に、内覧者を受け入れる際は、日中でも全部屋のカーテンを開放して、照明を点けておくのが良いとされています。内覧者は、全ての部屋を順番に確認していくのですが、この際、カーテンが閉まっていて照明も点いていないという状況で見学させると良い印象を残すことが難しくなるのです。

これは、人は暗い部屋を見た時には、「古い」や「狭い」と言った悪印象を持ちやすいうえ、なんとなく不安に感じてしまうからです。本当は、窓からの景色が良い物件でも、部屋が暗いことで、そのメリットに注目してもらうことができなくなり、ネガティブな印象を残したまま内覧が終了してしまう恐れがあるのです。内覧を成功させるためには、明るい部屋を演出することが大切なので、全部屋の照明を点けて、カーテンを開放しておきましょう。これだけでも、物件に対する印象は劇的に変わるはずです。なお、電球が切れている照明がある場合、それを放置するのは絶対にNGです。

⑤売主がしゃべりすぎる

家の売却期間が長くなればなるほど、この失敗をする売主さんが多いです。

家の売却において、内覧まで足を運んでくれた人がいれば、物件の魅力を余すことなく伝えたいと考えるはずです。その結果、内覧者が質問もしていないのに「この部屋は日当たりが良いので日中は過ごしやすいです」「徒歩〇分のところにスーパーがあって便利です!」などと、売主側が熱心に営業をかけてしまうというケースがあります。一見すると、家を売るためには良い行いのように思えますが、積極的過ぎると感じられる営業トークは買い手側が冷めてしまう可能性が高いのです。

内覧者は、売主から物件の解説をしてもらい、その良さを理解しようと考えているわけではありません。ほとんどの人は、自分のペースで物件内を見学して、希望に見合う物件なのかどうかを確認したいのであって、売主のセールストークを聞きに来たわけではないということを忘れないようにしましょう。熱心すぎる営業活動は、逆に購入希望者を引かせてしまう要因になります。

内覧があっても売れない家が検討すべき対策

ここまでの解説で、内覧から成約に繋がらない家の共通点が分かっていただけたと思います。売れない理由を解説されると「確かに」と感じると思うのですが、実際に自分が家の売却を考えた時には、上で紹介した状況に陥ってしまうという方が少なくないのも事実なのです。

それでは、現在、「内覧数はある程度あるのに家が売れない…」と悩んでいる方に向け、どのような対策を検討すれば良いのかについても紹介していきます。ここでは、上で紹介した「売れない理由」を解消するための対策を中心に紹介します。

清掃と片付け

内覧準備としては、掃除と片付けは欠かせません。先程紹介した通り、ある程度の生活感が残るのは仕方ないことですが、内覧者が物件に足を運んだ時、「汚い」と感じるほど不潔な状態に陥っていると、売れる物も売れません。また、室内に不要な荷物が散乱しているという状況は、本来の広さを感じさせることができず「狭い」という印象を与え、購入を見送られる原因となるのです。

したがって、内覧が購入に繋がらないことに悩んでいるという方は、一度物件内の状況を確認し、清掃や片付けが必要なのではないのか検討してみましょう。なお、清掃や片付けのポイントは以下の通りです。

■清掃の優先順位

内覧準備としては、室内を綺麗に掃除しておくということが大切です。内覧者が「汚い」と感じるような環境を残してしまうと、第一印象が悪くなり、購入に繋がらなくなります。ただ、掃除が必要だとは言え、家中を完璧に綺麗にするのはなかなか難しいです。自分で掃除を実施する場合、日常生活の忙しさもあり、内覧までに全ての箇所を綺麗にするのは現実的ではありません。また、専門のハウスクリーニング業者に依頼する場合、家中を全て掃除してもらうとなると、高額な費用がかかるので、なかなか悩ましい問題になると思います。

したがって、内覧準備として家の掃除を実施する場合は、買い手側が必ず見る場所は重点的に対応するなど、優先順位をつけて実施していくのがおすすめです。例えば、以下のような感じです。

  • 水回りの掃除は最優先に
    キッチン・浴室・トイレ・洗面台などの水回りは、買い手側も清潔感を優先するので、必ず細部まで確認するポイントになります。水垢やカビ汚れ、排水口内の汚れが残ってしまうと、心証を悪くする要因となるので、しっかりと掃除しておきましょう。なお、蓄積した水回りの汚れは、素人では綺麗に落とすことが難しいので、水回り部分だけはプロにお願いするという方法はおすすめです。水回り(キッチン+浴室+トイレ)に限定したハウスクリーニングであれば、3~5万円程度が相場と、比較的安価に対応してもらうことが可能です。
  • 次に優先したいのは玄関
    内覧時の第一印象は、玄関で決まります。内覧者が最初に足を踏み入れるのは玄関になるわけなので、この部分の清掃は非常に重要です。内覧当日は、家族の履物は表に出さず、靴箱などに全て片付けておきましょう。また、玄関のたたきは、ゴミなどが残らないように綺麗に掃き掃除し、可能であれば水洗いまでしておきましょう。ちなみに、下駄箱の中は、直前に換気しておくのもおすすめです。中には、下駄箱を開けて確認する人もいるからです。
  • リビング・バルコニーの掃除は印象アップが期待できる
    リビングは、可能な限り物を減らして「広さ」が感じられるような空間にしておくのがおすすめです。もちろん、家具などはそのまま配置しておいても良いのですが、日用品や手紙類などが表に出ていると、どうしても雑多なイメージを与えてしまい、印象を悪くする可能性があります。バルコニーについては、洗濯物などをきちんと取り込み、内覧者が気兼ねなく見学できる環境を用意することが大切です。また、床面がしっかりと見える状態にする必要があるので、可能であればプランターなどは片付けておいた方が良いです。マンションの高層階など、眺望が良い物件なら、カーテンを開け放って景色の良さに注目してもらうのもおすすめです。

内覧準備のための清掃については、上記のように優先順位を決めて、内覧者が必ず見る場所を優先して綺麗にしていきましょう。余裕があれば、寝室や子供部屋、クローゼットの中まで手を付けていけば良いです。

ちなみに、家の売却においては、「内覧時の印象を良くするため」と考え、事前のリフォームを検討する方も多いです。しかし、リフォームについては、費用対効果がそこまで高いとは言えないので、基本的には不要と考えて良いです。家の売却とリフォームの関係性については、以前別記事で解説しているので、以下の記事も確認してみてください。

関連:マンション売却のためのリフォームは不要!売却を成功させたいならホームステージングがおすすめ!

■片付けについて

次は、家の中の荷物の片付けについてです。買い先行で、空室状態にしてから売却活動を始める場合は気にしなくても良いのですが、日本では居住中のまま売却活動を進めるというケースの方が多いです。この場合、家の中に普段使用している生活用品がたくさんあることが理由で購入に繋がらなくなる可能性が高くなるのです。内覧時に、家の中にたくさんの荷物があるという状況になると、生活感が残りすぎてしまう、部屋が狭く感じるなど、ネガティブな印象が強くなることで購入を控える方が多くなります。

先程「ある程度の生活感は仕方ない」と紹介しましたが、日常生活に必要としていない荷物までそのままの状態で内覧を受け付けると、生活感どころか「他人の家」という印象を持たれてしまうことで、購入に繋がりにくくなるのです。したがって、家の売却を決めた時には、「そこでの生活に必要な物」「新居に持っていく物」「必要のない物」に仕分けし、内覧までに荷物を片付けておくのがおすすめです。具体的には、以下のような作業を検討しましょう。

  • 生活に必要な荷物
    生活に必要な荷物は家の中に残しておいても良いです。しかし、内覧時は購入希望者の目に触れない場所に片付けておきましょう。
  • 新居に持っていきたい荷物
    日常生活において使用頻度は高くないものの、新居には持っていきたいという荷物もあると思います。これらは、可能であればトランクルームなどを借り、売り出し中の物件から持ち出しておくのがおすすめです。
  • 必要のない物
    新居にも持っていく予定がない不用品は、内覧までにすべて処分しておくのがおすすめです。不用品を処分すれば、それだけ家の中のスペースに余裕ができ、内覧時に「広い」という印象を残すことができます。

家の中の荷物が少なくなれば、それだけ広く見えるようになるので、内覧時の印象を高めるためにもきちんと対処しましょう。

ニオイ対策は成約を左右する重要ポイント

家の売却においては、ニオイの問題が盲点になるケースが非常に多いです。普段そこで生活している人からすると、「当たり前のニオイ」なので、自宅のニオイに気付くことはできません。これは、誰にとっても同じことです。

しかし、初めてその家を訪れる内覧者にとっては、非常に大きな問題であり、玄関に入った瞬間に「クサイ」と感じてしまうようなニオイが残っていると、どうしても物件に対する印象が悪くなるのです。ニオイの問題は、物件そのものの印象を大きく左右する物で、購入するかどうかを決定付ける要素にもなるので、以下のような点は事前に確認しておきましょう。

  • タバコを吸う家族がいる
    家族の中に喫煙者がいる場合、壁紙やエアコン、ソファーなどの家具にニオイが残ります。また、白系の部分には、タバコ特有の黄ばみが残るので、視覚的なマイナス要素にもなります。タバコのニオイは、非喫煙者にとって最も忌むべき嫌なニオイという扱いを受けるため、内覧時の印象を良くするためには、消臭対策をしっかりと行わなければいけません。長年蓄積したタバコ臭は、壁紙の後ろの木材にまで染み込んでいる可能性があるので、プロのハウスクリーニング業者に依頼しないと消臭が難しい可能性があります。
  • ペットを飼育している
    家の中で犬や猫など、ペットを飼っているご家庭の場合、内覧者が悪臭と感じるようなニオイが家中に染み付いている可能性があります。特に、カーテンやカーペットなどの布製品にニオイが染み込んでいる可能性が高いです。したがって、内覧までにカーテンなどの布製品をきちんと洗濯し、消臭スプレーなどを使って対処しておきましょう。なお、内覧中は、ペットが邪魔になる可能性があるので、別の場所に預けておくのがおすすめです。
  • 生活臭全般は換気で対応
    料理のニオイ、排水口のニオイ、履物のニオイなど、生活臭全般はそこまで致命的な問題にはなりません。生活臭は、どのご家庭でも生じてしまうものですし、対処も比較的簡単なので、家の売買を大きく左右するようなことはありません。しかし、内覧日が決まった時には、きちんと臭いが残らないように対策を取る必要があります。前日に家中の窓を開けてしっかりと換気を行い、また当日も来客1時間前などに窓を開けて換気すれば、ニオイはほとんど残らないと思います。

自宅特有のニオイの問題は、そこに住む人では気付けないので、家の売却を決めた時には、友人など第三者に確認してもらうと良いです。特に、タバコやペットのニオイが残っている可能性がある物件は、第三者に率直な意見を求めましょう。そして、「悪臭がある」と判断された場合、きちんと消臭作業を行ってください。なお、タバコやペットの強い臭いは、市販の消臭剤では落としきれない可能性が高いので、プロのハウスクリーニング業者に相談するのも一つの手です。

※芳香剤やアロマなど、強いニオイによる上書きは「何かを隠している」という不信感を与える可能性があります。したがって、基本的には消臭と換気で対応するようにしましょう。

当日の対応について

最後は当日の内覧対応についてです。上でも紹介している通り、内覧があるのに売れない家の特徴としては、「明るさの演出」ができていない、売主の態度が間違っているというケースも多いです。したがって、この2点についてもしっかりと対策を検討しましょう。

■明るさの演出について

人は、明るい空間を見た時には広い・清潔などポジティブな印象を持つとされます。その逆に、暗い空間を見た時には、狭いや古い、不安を感じるなど、ネガティブな印象を持つとされているのです。家の売却における内覧は、購入希望者に「どれだけ良い印象を残せるのか?」が勝負になるわけなので、内覧当日の対応としては、とにかく明るい室内環境を作っておくということが大切になるのです。

具体的には、以下のようなことを内覧当日は心がけてください。

  • 家中の照明を確認し、切れている電球は新しいものに交換する
  • 全ての部屋の照明を点けておく
  • 日中の内覧は、カーテンを開けて自然光を取り込む

上記のような事を心がけ、内覧者が「暗い」と感じないような空間を作り出す必要があるのです。特に、北向きの部屋や廊下やトイレなど、照明がないと暗く感じがちな場所については、明るめの証明で照らしておくと良いです。

■当日の売主の振る舞いについて

内覧があっても売れない家については、売主の内覧時の対応の仕方に問題があるケースも多いです。先程紹介したように、売りたいという気持ちが前面に出過ぎてしまい、積極的に営業してしまうという行為がこれにあたります。

内覧者は、自分のペースで物件の良し悪しを確認したいと考えている方がほとんどなので、基本的には黒子に徹しておくという対応が正しいと言えます。当然、購入希望者から質問があった時には、即座に答えてあげる必要があるので、内覧には家族の誰かが同席するのが望ましいです。しかし、必要以上に出しゃばってはいけないので、自由に見学してもらうというのを基本スタンスと考えておきましょう。そして、そこに住んでいる人にしかわからない情報に関する質問が出てきたときに答えるなど、「聞かれたら丁寧に答える」といった感じがベストです。

以下のような売主の対応は、内覧者を引かせる結果になる可能性が高いのでやめましょう。

  • 積極的な営業
    積極的な営業トークは、自宅の売却では逆効果になります。買い手側は自分のペースで判断したいと考えているので、「この値段でこの物件が売りに出るなんて他にないですよ!」などといった売込みは避けた方が良いです。物件の良い点については、仲介を担う不動産会社の担当者がきちんと説明してくれるので、売主は黒子に徹しましょう。
  • 欠点や問題を隠す
    雨漏りやシロアリ被害などの欠点は、できるだけ隠したいものです。しかし、これを隠したまま売却すると、後から契約不適合責任を指摘されるなど、大きなトラブルに発展します。欠点がある場合は、正直にその内容を伝え、「その分、価格に反映しています」などと真摯に説明したほうが信頼を得られます。
  • ついて回ることはしない
    内覧者に家の中を見学してもらう際、売主はリビングなどに待機しておくのが良いです。そして、質問など、必要な時に声をかけてもらい、それに丁寧に対応するというスタンスを取りましょう。先程から紹介しているように、購入希望者は自分のペースで良し悪しを判断したいと思っているので、ずっとついて回られるとプレッシャーを感じて落ち着いて見学できません。

当日の内覧対応については、上記のような事を心がけましょう。なお、価格交渉などについては、内覧当日に行わないようにしましょう。値引き交渉など、価格の話題を出された時も、「担当者を通じてご相談ください」など、仲介会社を通じたやり取りをするように切り替えましょう。

※「家を売却する理由」については、詳しく話さなくても良いです。内容によっては、足元を見られて値下げ交渉を持ちかけられる可能性があるので、当たり障りない理由を考え、それを伝えると良いです。

内覧時の印象アップを狙うならホームステージングがおすすめ

ここまでの解説で、内覧はあるのに家が売れないと悩んだ時、どのような対策を実施すれば良いのかが分かっていただけたと思います。もちろん、家が売れていない理由については、物件ごとに異なると思うので、今一度、あなたが行っていた売却活動でどこが悪かったのかを見直してみると良いです。

そして、物件内の掃除や整理整頓ができていなかった、他人が異臭と感じるようなニオイが残っていた、明るい内覧環境を構築できていなかったというケースなら、掃除や整理整頓、内覧当日の対応を見直してみると良いです。ただ、家を売却するために内覧時の印象アップを目指したいと考えているのであれば、問題に一つ一つ対応することを考えるのではなく、ホームステージングサービスを利用するという方法が最も手っ取り早いです。

ホームステージングは、以下の画像のように、空室状態の物件内に、家具やインテリア、照明などを配置して、新築のモデルルームのような空間を演出する手法と解説されることが多いです。魅力的な空間を作り出すことで、購入希望者が内覧を実施した時、入居後の具体的な家族の生活の姿をイメージさせることができ、早期の売却や高値売却を促進できるとされているのです。

■ホームステージング前

■ホームステージング前

ただ、このホームステージングと呼ばれる販促手法については、家具などを配置することで室内を演出するという単純な方法ではありません。もともとアメリカで誕生した中古住宅の販促手法なのですが、日本に輸入されて以降は、日本の社会情勢や社会問題解決のためのサービスが追加されるなど、日本国内の住宅事情に合わせたカスタマイズが実施されて提供されるようになっているのです。そのため、現在のホームステージングは、専門業者に作業を依頼することで、以下のようなさまざまな対策を同時に行ってもらうことができるようになっています。

  • インテリアの提案:ターゲット層に合わせた家具・照明・小物の選定・配置。居住中物件の場合、既存の家具を活かした模様替えや、レンタル家具の追加も実施してもらえる
  • 片付け・整理整頓:生活感が出過ぎる私物の整理や収納スペースの整理。不用品の処分や荷物の一時預かりも依頼できる
  • 清掃・空間調整:プロのハウスクリーニング業者による家中の清掃と消臭を実施してもらえる
  • 演出の工夫:物件のターゲット層に合わせて、空間の演出も行ってもらえます(植物、アート、フレグランスの設置など)
  • 広告用撮影:物件広告に利用できる高品質な写真を撮影してもらえる(VR作成なども可)

上記のように、単に家具などを配置するだけでなく、内覧時の印象を向上させるために必要な対策全般を丸ごと依頼することができます。どのような対策が必要なのか、物件ごとに提案してもらうことができるので、まずは相談してみるのがおすすめです。

まとめ

今回は、家の売却において、内覧件数はそれなりにあるのに、成約にまではなかなか至らない…となってしまっている物件の共通点をご紹介しました。

記事内でご紹介した通り、内覧はあるのに買ってもらえない物件は、的確な内覧準備が行えていなくて、内覧時に良い印象を与えるどころか、悪印象を与えてしまうことで購入を控えられている可能性が高いです。どれだけ隣地条件が良い物件でも、内覧した時に「汚い」「暗い」「狭い」と言ったネガティブな印象を残してしまうと「この物件はやめておこう」という判断をされてしまうのです。

内覧時に良い印象を残すための対策については、自分たちだけで実施することが難しい部分もあります。したがって、早期の売却を目指しているのであれば、ホームステージング会社に相談してみるのがおすすめです。掃除や臭い対策、さらには魅力的な空間演出を施してもらうことができれば、内覧時の印象を大幅のアップさせることができ、成約価格に数十万円〜百万円単位の差を生むこともあります。