2026.06.24

不動産買取で起こりやすいトラブルと買取を使わずに高く売る工夫

不動産の売却については、不動産会社に購入者を探してもらう「仲介」と呼ばれる売却方法が一般的です。自宅を売りに出し、興味を持ってくれた方に内覧してもらったうえで、価格交渉をして、売主と買主の両者が納得できる価格を決めて成約をするという流れとなるので、多くの場合、市場相場付近の価格帯を維持した状態で買い手を見つけることができます。しかし、仲介による家の売却は、売主側も売却活動に関わらなければならないため、皆さんが想像している以上に手間と時間がかかります。例えば、購入希望者が「内覧してみたい」となった時には、基本的に顧客側の予定に合わせて対応しなくてはならないため、売却活動中はさまざまな制限を余儀なくされるのです。また、家の状態によっては、売りに出したとしても「買いたい」と手をあげてくれる人がなかなか現れず、売れないという状況にストレスを感じてしまうケースも珍しくありません。

このような時、売主にとって非常にありがたい売却手法となるのが「不動産買取」と呼ばれる手法です。不動産買取は、不動産を手間なく、さらに早く売ることができる非常に便利な方法として注目を集めるようになっています。簡単に言うと、買い手を探してもらうのではなく、相談した不動産会社に直接家を買い取ってもらうという手法となるので、面倒な内覧対応などをしなくても素早く交渉がまとまるという売却手法となります。転勤などが理由で家の売却を考えた時には、悠長に家の売却活動を進めるということが難しいですし、「早く売れる」という不動産買取と呼ばれる方法は、非常にメリットが大きいとみなされています。

しかし、この不動産買取と呼ばれる手法については、注意して利用しないとトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあると言われています。また、仲介で売却する時と比較すると、最終的に手にできるお金が少なくなってしまうという点も大きなデメリットになるのです。そこでこの記事では、不動産買取の基本と、このサービスを利用した時に巻き込まれてしまう可能性があるトラブルについて解説します。また、記事の後半では不動産買取を利用せずに、できるだけ早く、また高く家を売るための工夫についてもご紹介します。

不動産買取とは?仕組みと仲介との違いを紹介

それではまず、不動産買取と呼ばれる家の売却手法について、この方法がどのような仕組みの取り引きなのか、また一般的な取り引きとされる「仲介」と何が異なるのかについて解説していきます。

不動産買取については、簡潔に説明すると「転売を目的とする不動産会社に、直接不動産を売却する」という取り引きのことを指しています。仲介は、不動産会社に家を買ってもらうのではなく、購入希望者を探してもらい、不動産会社にはその仲介をしてもらうという仕組みになっているため「仲介」と呼ばれます。一方、不動産買取は、直接的に不動産を買い取ってもらうため「買取」と呼ばれているのです。

ここではまず、不動産買取の仕組みと、仲介による家の売却との違いについて解説します。

不動産買取の仕組み

まずは不動産買取と呼ばれる売却手法について、これがどのような仕組みになっているのかについて解説します。ただ、不動産買取は、仲介と比較しても、取引の流れはより単純で、古くなった愛車を中古車としてディーラーなどに下取り価格で買い取ってもらうという取り引きと同じです。

中古車の取り引きは、長年乗り続けたことで傷や劣化などが付いている状態で買取して、問題なく運転できるような状態まで修理を施してから、自社の利益を上乗せした状態で転売するという仕組みになっています。

実は、不動産買取についても、これと同じような仕組みになっていて、中古住宅を買い取った不動産会社は、家の状態によって修繕やリフォームなどを実施したうえ、良質な中古住宅として転売して利益を出すことを目的としているのです。そのため、不動産の買取を実施している業者は、購入後の修繕やリフォームなどを前提としているため、そこにかかる費用を見込んだ状態で顧客に価格提示を行います。その結果として、不動産買取業者に家を売却する際の価格は、仲介で顧客を見つけてもらう方法と比較すると、安く抑えられてしまうという点が大きな特徴になるのです。

こう聞くと、「買取に出すメリットがないのでは?」と感じる方が多いかもしれません。しかし、不動産買取は、仲介による売却と比較すると圧倒的に早く売却できる可能性が高いという点が魅力になるのです。一般的に、仲介による家の売却は、準備から引渡しまでに4~6ヶ月程度の日数を要するとされています。もちろん、立地条件に難がある、建物の状態が悪いなど、売却条件が良くないケースでは、売りに出してから1年以上経過しても買い手が見つからない…となることも珍しくないのです。これが、不動産買取の場合、早ければ一週間程度、遅くても1カ月程度で現金化まで完了すると言われるほどスピーディな取り引きとなるのです。不動産買取業者は、購入した物件は「修繕してから再販する」ということを目的としているため、現状の家の状態はそこまで気にしないのです。簡単に言うと、どのような状態でも「どうせ修繕する」ということを前提としているため、家の状態に関係なく「再販できる」と判断する物件は購入してもらうことができるのです。

つまり、不動産買取は、何らかの理由で「価格が多少安くても、とにかく早く売りたい」と考えている人にとっては、非常におすすめできる売却手法と言えるのです。それに対して、「時間をかけても高く売りたい」という希望を持っている方の場合は仲介の方がおすすめです。

仲介との違い

不動産の売却では、仲介と買取と呼ばれる手法があるので、自分にとってどちらの選択が適しているのか慎重に判断する必要があります。ここでは、仲介と買取の違いについて、いくつかの面で比較してみるので、どちらが自分の希望に最適な売却手法なのか確認してみると良いです。

■価格について

まずは、売却価格についてです。最終的な売却価格については、基本的には「仲介の方が高くなる」と考えておきましょう。

仲介における最終的な成約価格は、売主と買主の交渉で決めることになります。一般的には、市場価格前後で収まるケースが多いです。しかし、買取の場合、再販のために必要な修繕やリフォーム費用を差し引いた状態で価格が提示されることになるため、仲介よりも安くなってしまうのです。不動産買取の場合は、市場価格の7~9割程度の価格になるのが一般的とされています。

■売却期間について

次は、売却活動にかかる時間についてです。この点については、買取の方が圧倒的に早くなります。先程紹介した通り、仲介による家の売却は、不動産会社による査定などの準備から引き渡しまでで4~6カ月程度かかるのが平均的とされています。もちろん、立地や築年数など、購入者に好まれる条件を満たしている物件の場合、これよりも早く買い手が見つかるケースはあります。しかし、平均すると半年程度は覚悟しておいた方が良いです。

一方、不動産買取の場合、買取業者が提示した価格に売主が納得できるのであれば、その場で売買が成立します。したがって、現金化までのスピードが非常に早く、複数社に査定を依頼する場合でも1週間から1カ月程度で売却が完了するのが基本です。中には、数日で現金化までが完了するというケースもあるようです。

■売却の確実性について

売却の確実性についても、仲介と買取では大きな違いがあります。仲介による売却の場合、値段を下げたとしても買い手が一年以上見つからない…となってしまうケースも珍しくありません。立地や築年数、建物の状態によっては、そのまま売りに出しても買い手が見つけられないというケースがあるのです。

しかし、不動産買取の場合、どのような条件の物件でも、「売る」ということ自体は可能と考えても良いです。事故物件や再建築不可物件など、一般的には「売れない」とされるような物件でも、このタイプの物件を専門に買取している業者もあるので、価格を無視すればほぼ確実に売れると考えても良いと思います。

■売却活動の手間について

売却活動の手間も、仲介と買取では大きな違いがあります。仲介の場合、内覧希望があった際には、売主自らが顧客対応をしなければいけません。さらに、内覧者を迎えることになった場合、直前の換気や掃除など、準備にかかる手間も発生します。

一方、不動産買取の場合、家の中の片付けなどを一切行っていない状態でも、正確に査定を行ってもらえます。不動産のプロは、自分の頭の中で空室状態の部屋をイメージすることができるので、売却活動においてほとんど手間をかけずに成約にまで至れるのです。手間がかかる点は、インターネットなどで買取業者を探すことや、実際に電話などで問い合わせして査定の立会いをするぐらいです。

■仲介手数料について

自宅を売却することを考えた時には、仲介の方が金銭的なメリットが大きいと考えている人が多いはずです。ただ、仲介手数料のことなども含めると、買取という選択も悪くないのでは…と感じる人が増えます。

というのも、不動産買取の場合、成約後の仲介手数料が発生しないのです。これは、「買い手を仲介してもらう」という取り引きではなく、不動産会社に直接物件を売るという取り引きになるからです。仲介による売却では、成約できた売却価格を基準に、一定の仲介手数料を支払う必要があります。金額が大きい不動産の取り引きとなるので、仲介手数料の金額もかなり大きくなります。買取の場合、このお金を節約できる分、最終的に手元に残るお金の格差が縮まるという訳です。

■売却後の売主責任について

仲介による売却の場合、スムーズに家が売れたとしても、物件そのものに何らかの問題が発覚すると、売主としての責任を追及される可能性が残ります。いわゆる「契約不適合責任」と呼ばれるものなのですが、契約書内にない不具合や損傷が後から見つかった時には、「知っていれば買わなかったのに…」と買主とのトラブルに発展する可能性があるのです。

一方、不動産買取の場合、実際に住むことを想定して物件を購入するわけではありませんし、不動産のプロである不動産会社に直接売却するという取引上、この売主責任を問われることがなくなるのです。不動産買取は、購入した物件は、修繕・リフォームしてから再販することを想定しているので、再販後に発覚するトラブルは、最初の売主にとっては関知しない事象となるわけです。
この点は、意外に大きなメリットになるはずです。

仲介と不動産買取には、上記のようなさまざまな違いがあるので、どちらが自分に向いている取り引きなのかは慎重に判断する必要があると考えてください。

不動産買取で起こり得るトラブルとは?

不動産買取は、仲介と比較すると売却価格が下がってしまうものの、売却活動にかかる手間が省ける、さらにはスピーディに現金化まで行けるという非常に大きな魅力が存在します。そのため、転勤などが理由で家を売却するなど、「早く買い手を見つけたい」と考えている人にとっては、有力な選択肢になると言えるのです。

しかし、不動産買取は、不動産に対する知識が薄い一般の方と不動産関連のプロである不動産会社が直接取り引きするという形態であるため、思わぬトラブルに発展するリスクもあるのです。そこでここでは、不動産買取を選んだ時に起こり得る代表的なトラブルについてご紹介します。

①不当に買取価格を抑えられる

不動産買取におけるトラブルでは、買取価格を不当と言えるほど低く見積もられてしまうという事例が多いです。交渉の相手となるのは、不動産売買のプロであるため、さまざまな理由を付けられて言いくるめられてしまう…というケースが珍しくないのです。

なお、不動産買取で家を売却する場合、仲介で売却する時の価格と比較すると、6~8割程度に抑えられるのが一般的です。これは、不動産会社側は、再販を目的とした仕入れとなるため、購入後に物件そのものを「販売できる状態」にまで戻すための費用と再販する時の自社の利益を差し引いたうえで金額提示を行うためです。そのため、劣化が激しく、大規模な修繕工事が必要とみなされる物件に関しては、市場相場の5割程度の価格まで査定額が安くなるケースもあるのです。

ただし、不動産買取を利用した際でも、市場相場の1~2割程度と言った安すぎる価格提示はさすがに「不当な価格」と判断しなければいけません。日本全国に知られているような悲惨な事件が起きた有名な事故物件を売却するというケースであれば、「買い取っても再販が難しい」と判断されるため、極端に安い価格を提示される可能性はあるのですが、通常のリフォームの範囲で人が住める状態になる物件の場合、相場の1~2割程度まで価格が落ち込むことはないのです。

つまり、不動産買取の相場は、仲介よりも安いとはいえ、著しく安すぎると感じる価格提示の場合は、詐欺まがいのトラブルの一種と考えた方が良いです。特に、他の業者に相見積もりをさせないように即決を強く勧めてくるような業者は、不当な低価格で買い取ろうとしていると判断できるので、その場で即決するのは絶対にやめましょう。不動産買取における相場は、一般の方では判断できない部分なので、必ず複数の業者に相談して、見積り額を比較検討することをおすすめします。「プロが提示した価格だし…」と1社の査定で判断すると、大きな損につながってしまう可能性があります。

②よくわからない費用や手数料を請求される

先程紹介した通り、不動産買取は、「買い手を見つけてもらって、売買を仲介してもらう」という取り引きではありません。不動産会社に直接家を買い取ってもらうという方法なので、仲介による売却とは異なり、仲介手数料なども発生しない取り引きとなるのです。

それにもかかわらず、悪質な買取業者の中には、さまざまな理由をつけて、売買に関する手数料や着手金を請求してくることがあるとされます。特に注意が必要なのは、着手金などを名目として、現金化の前に高額な費用を請求されるというケースです。不動産買取は、不動産会社が転売で利益を出すための「仕入れ」な訳ですし、売主側が不動産会社に対して何らかの手数料を支払う必要はないのです。それなのに、先に高額な費用を請求してくるという業者は、詐欺行為の可能性があるので注意しなくてはいけません。

不動産買取において費用が発生する可能性がある部分は、印紙税や抵当権抹消にかかる費用ぐらいで、かかっても5万円程度のはずです。費用を請求された時には、それが何のための費用なのかをしっかりと確認し、不当な請求と感じた時には取り引きをすぐにやめた方が良いです。ちなみに、不動産買取業者の中には、自社で買取するのではなく、他の買取業者を仲介するというサービスを行っている業者もあります。この場合、「買取業者を紹介した」という理由で仲介手数料が生じるのですが、売主にとっては意味のない費用と言えます。直接買取りしてくれる自社買取をする不動産買取会社に相談すれば、支払う必要のないお金なので、自社買取なのかどうかは、問い合わせ初期に必ず確認するようにしましょう。

③引き渡し後に費用を請求される

まずおさえておいてほしいのは、不動産買取と呼ばれる取り引きについては、引き渡し後に費用を請求されることは基本的にないということです。先程紹介した通り、そこに住むわけではない、さらにプロである不動産会社に家を売却するという方法なので、売主が後から契約不適合責任などを問われることもないのです。

仲介の場合、契約書に記載していない不具合などが後から見つかった場合、契約不適合責任と呼ばれる売主責任が課され、何らかの対応を求められる可能性があります。例えば、引き渡し後に、契約の目的に適合しない損傷などが発覚した時は、修繕にかかる費用を請求されたり、最悪の場合は契約破棄などを求められたりすることがあるのです。

ただ、不動産買取に関しては、この売主責任は免責されるのが一般的となるため、引き渡しが完了すると、その後、買取業者から何か求められるような心配はないはずなのです。実は、悪質な不動産買取業者の中には、契約不適合責任を免責せずに契約する業者があるのです。契約不適合責任の免責は買取会社の任意であるので、これを免責せずに契約させて、後から修繕にかかる費用まで売主に支払わせるという詐欺のような行為をする業者があるのです。そもそも、不動産買取にて、買取価格が安く抑えられるのは、「再販のための修繕を買取業者側が実行する」ということを想定しているからです。それなのに、売主責任を免責していないという穴を作り、修繕費まで支払わせようとするというトラブルがあるのです。

不動産買取業者に家を売却する際には、「売買契約書において契約不適合責任が免責されている」ということを必ず確認したうえで契約するようにしましょう。

④契約時に査定価格よりも下げられる

不動産買取においては、このパターンのトラブルが少なくないので注意しましょう。不動産買取業者が増えてきた現在では、複数の買取業者に相談して、最も高い査定額を付けた会社と契約するのが一般的となっています。そのため、不動産買取業者は、欲しいと思った物件を仕入れるためには、できるだけ高い査定額を提示しなくてはならない状況なのです。

もちろん、多くの買取業者は、査定で提示した金額で売買契約を結んでくれるでしょう。しかし、中には、契約の段階になってから、いろいろな理由をつけて査定時の金額よりも安い金額で契約をしようとする会社があるのです。売主にとっては、再度買取業者に相談して、再査定するのも面倒に感じるため、不満に感じながらも安い金額で契約を結ぶケースもあるようです。

しかし、不動産買取では、査定価格そのものが売却価格になることが原則なので、契約の段階になって査定結果よりも金額を下げてきた場合、話が違うことを指摘して契約しないことが適切だと考えてください。

⑤強引な営業で安く買い叩かれる

買取業者にとっては、物件の買取は「仕入れ」という扱いです。再販でより多くの利益を出すためには、仕入れ価格をできるだけ抑えたいのが本音なのです。買取業者が最終的にどれぐらいの利益が得られるのかは、売主からいかにして「安く買い取るか?」にかかっていると言っても過言ではないのです。

そのため、不動産買取業者の営業については、程度の差はあるものの、他の業界と比較すると強引な傾向にあります。例えば、他社にも査定を依頼して比較検討すると伝えると態度が急変する、「その価格では売れない」と断っても売るというまで居座るなど、かなり強引な営業方法を採用している業者も少なくないとされているのです。

強引な営業により、不当に安く買いたたかれないようにするには、問い合わせの段階から「複数の買取業者に査定を依頼している」という旨を伝えておくと良いです。そうすれば、いつでも他社に切り替えできる状態が作れますし、強引な営業方針の業者は、最初から断ってくれる可能性が高くなります。

⑥損害賠償を請求される

これも契約不適合責任に関わる問題です。先程紹介した通り、売主の契約不適合責任を免責するかどうかは、買取会社の任意となります。契約書をきちんと確認せず、免責されていないことに気付かなかった場合、後から家の不具合などを指摘され「このままでは再販できない!」などと難癖をつけられてしまう可能性が残ってしまうのです。

最近では、インターネットで紹介されている情報として「不動産買取の場合は売主責任が免責される」と紹介されていることが多いため、この情報をうのみにして契約書を確認していないというケースも少なくありません。売主責任の免責については、あくまでも買取業者側が任意で決めることで、契約書上免責されていないという状況なら、後から損害賠償を請求されるということはあり得ることになるのです。

こういったトラブルを防止するためには、売主の契約不適合責任がきちんと免責されていることを確認したうえで契約をするようにしましょう。

ホームステージングなら仲介でもスムーズに買い手を見つけられるかも

不動産買取は、とにかく早く家を売りたいと考えている人にとっては、非常におすすめできる売却手法であることは間違いありません。不動産会社に直接家を買い取ってもらうという方法なので、物件広告をいろいろな場所に掲載して、購入希望者を探す時間などが必要ないため、スムーズに話が進めば1週間以内に家を売却して現金化まで進むことができる可能性もあるのです。

しかし、不動産買取の場合は、仲介で家を売却するのと比較すると、どうしても最終的な売却価格が安くなってしまうという点が致命的なデメリットになるので、その点は注意しなくてはいけません。買取業者側は、慈善事業として素早く不動産を買い取っているわけではなく、転売することで自社の利益を追求することが目的となるのです。そのため、再販のために必要な修繕やリフォーム費用、買取業者側の利益が売却価格から差し引かれてしまうことで、市場相場よりもかなり安い金額で売らざるを得ないという状況に陥る可能性があるのです。

家の売却を考えている人の希望は、「早く買い手を見つける」ということ以外にも、「できるだけ高く売る」という希望があるはずです。そして、この売主の願いをかなえる方法として注目されているのは、ホームステージングなのです。

ホームステージングは仲介で早く買い手を見つけられる

ホームステージングは、以下の画像のように、売却や賃貸を予定している不動産の室内を、家具やインテリア、照明などを使って新築のモデルルームのようにコーディネートし、空間を魅力的に演出する手法です。



ホームステージングを実施することで、内覧者に入居後の生活を具体的にイメージさせることができるようになり、「ここで暮らしてみたい」という具体的な生活イメージを抱かせることで、早期の成約を促す効果があるとされています。

実際に、ホームステージング実施後の効果については、日本ホームステージング協会が毎年実施している実態調査にて、早期かつ高値での売却に大きな効果を発揮しているということがよくわかるデータが揃ってきています。

■ホームステージング実施による広告の反響率向上
ホームステージングを実施すれば、インターネットの不動産ポータルサイトに、より魅力的な物件写真を掲載できるようになります。その結果、ホームステージングの実施前と比較すると、広告の反響率が大幅に向上しているというデータが出ているのです。

例えば、物件広告の閲覧数については、ホームステージング実施前と比較すると、以下の通り、多くの物件で増加しています。

  • 大幅に増えた:20.4%
  • 少し増えた:57.4%

このように、約8割の物件で、広告の閲覧数が増加したという結果が出ています。閲覧数が増加したことで、物件への問合せ数も約77%の物件で増加したという結果が出ており、内覧者数も約8割の物件で増加しています。不動産の売却においては、最終決断の場として「内覧」の工程があります。つまり、この段階まで進む顧客を増加させることができるホームステージングは、早期の売却に大きな効果を発揮してくれると考えて良いはずです。

実際に、ホームステージングによって、内覧から成約までの期間が短縮できたという物件についても、以下の通り、大幅に増えているという結果が出ています。

  • 大幅に短くなった:18.2%
  • 少し短くなった:50.9%

ホームステージング実施前と比較すると、約7割の方が成約までの期間が短くなったと回答しており、早期売却に非常に効果を発揮しているということがよくわかります。

また、ホームステージングは、物件の魅力が最大限伝わるように室内を演出する手法となるので、物件に対するイメージを良くすることができ、より高値での売却も期待できるとされています。つまり、「早期かつ高値での売却」を目指すのであれば、不動産買取をいきなり利用するのではなく、ひとまずホームステージングを実施したうえで仲介による売却を目指すという方法がおすすめできるのです。不動産買取は、何らかの理由で売却期限がある方が、最終手段として利用する方法という扱いにするのが良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、不動産買取の基本情報と、買取サービスを利用する際に注意しなければならないトラブル事例などについて解説しました。

不動産買取は、不動産会社に直接家を買い取ってもらうという手法となるので、スピーディに売買契約が成立するというメリットが得られます。しかし、買取業者は、あくまでも再販を目的として物件を仕入れているわけなので、売却価格については、かなり安くなってしまうという点が問題になります。

大切なマイホームを売却するわけなので、「早く売る」という事よりも「高く売りたい」という点を重視している方が多いはずです。その場合、いきなり買取に出すのではなく、ホームステージングを採用したうえで仲介による売却を目指すのがおすすめです。