2026.06.30

不動産売却における査定の基礎知識!高額査定には準備が必要?

不動産の売却を決めた時、売主として最初に行わなければならない作業が不動産会社による査定となります。

不動産の売却は、人生の中でそう何度も体験するような事ではありませんし、多くの方が初めて経験する作業となるため、この工程をスムーズに進めるためには「どうすれば良いのか?」という点に頭を悩ませる方が多いです。一般の方の認識としては、「不動産会社の査定価格=顧客との成約価格」というイメージがあるため、不動産会社による査定時には「できるだけ高い査定額を付けてほしい!」と考えてしまうかもしれません。そのため、不動産会社による査定を受ける前に、ハウスクリーニングやリフォームなど、物件そのものの印象がより良くなるような対策を実施しておいた方が良いのではないか…と考える人も多いようです。

最初に行っておきますが、不動産会社が提示する査定額というのは、あくまでも参考となる価格でしかなく、実際に成約できる価格とはズレが生じるケースが多いです。また、不動産会社による査定を受ける前に、コストをかけてまで事前準備を行うという行為は、ほとんどのケースで意味がないとされています。そこでこの記事では、自宅の売却を考えている方がおさえておきたい不動産査定の基礎知識について解説します。

不動産査定の基本情報について

それではまず、マイホームの売却にて、最初に行うことになる不動産査定の基礎知識について解説します。不動産査定については、人生で一度も経験しないという方も多いため、基本的な情報さえも何も知らないというケースが少なくありません。

ここでは、初めて不動産査定を行う時、事前に知っておきたい基本情報をご紹介します。

査定額は「成約価格」ではない

不動産査定に関する勘違いでは、不動産会社が提示する査定価格について、その金額が「そのまま成約価格(売却価格)になる!」と考えてしまう人が多い点です。この考えから、「できるだけ高い査定額を提示した不動産会社と契約すべき!」と考えるのだと思います。

中古品の売却については「査定額=売却価格」になる業界が非常に多いです。例えば、中古車やブランド品、貴金属の買取を依頼する際、専門業者に査定を行ってもらうと、提示された査定額が売却価格となります。このイメージが強いため、不動産査定に関しても、不動産会社の査定額が「=売却価格になる」と考えてしまうのでしょう。

しかし、不動産の売却の場合、不動産会社の査定額は、実際の売却価格になるとは限らないので注意しましょう。これは、一般的な不動産売却の流れと中古品の売却の流れを考えていただければ良く分かります。不動産の売却は、不動産会社に物件を直接売るのではなく、買い手を探してもらう「仲介」と呼ばれる方法が採用されます。つまり、査定を行う不動産会社は、その物件をそのまま購入するわけではないのです。一方、自動車や貴金属などの中古品の売却については、査定を行ってもらった買取業者に直接売却します。そのため、提示された査定価格がそのまま売却価格になるわけです。

不動産を仲介と呼ばれる方法で売却する場合、不動産会社による査定額を参考にして、一般市場に売りに出す売り出し価格を設定します。その後、物件を購入する一般消費者と価格に関する交渉などを進め、最終的な成約価格を決定するという流れになるのです。この成約価格については、多くの場合、最初に提示した売り出し価格よりも安くなるのが一般的なので、「査定額=成約価格」という状況にはなり得ないわけです。不動産会社による査定額は、あくまでも物件の条件や状態を見て「これぐらいの価格なら買い手を見つけられる」という参考価格程度と思っておきましょう。

ちなみに、仲介ではなく「不動産買取」と呼ばれる手法で家を手放すケースでは、不動産会社の査定額がそのまま売却価格になります。これは、その他の中古品市場と同じく、査定を行う不動産会社が直接物件を買い取るという手法なので、「=売却価格」になるのです。ただ、不動産を買取する業者は、リフォームなどの手直しをして一般消費者に再販することを目的としているため、リフォームなどにかかる費用があらかじめ差し引かれています。つまり、仲介で売却を目指す時の査定額と比較すると、提示される価格はかなり安くなります。

提示される査定価格は不動産会社によって異なる

自宅を売却するため、不動産会社に査定を行ってもらう場合、複数の不動産会社に相談すべきとされています。これは、査定を依頼する不動産会社によって、提示してくる価格が上下するからです。

不動産のプロである不動産会社が同じ物件の査定を行う訳なので、「どの会社に依頼しても同じ金額になる!」と考えるかもしれません。しかし、実際にはそのようなことはなく、相談する不動産会社によって、提示する査定額は大きな誤差が生じる物なのです。この理由については、不動産会社が得意とする分野が異なる、査定時に重視するポイントが異なるといったことが理由です。

例えば、一口に不動産会社と言っても、「売買」をメインに取り扱っている業者と「賃貸」を取り扱う業者など、得意とする分野は会社によって異なるのです。また、同じ売買をメインにしている不動産会社でも、戸建てを中心にしている会社とマンションなどの共同住宅を中心にしている会社など、取り扱う物件の種類が異なるケースがあるのです。

不動産の売却価格については、それぞれの会社が持つノウハウによって、誤差が生じます。戸建て売却のノウハウを持つ会社であれば、マンションの売却を得意とする会社よりも高い値段で売却することができるため、その分、査定額も高くなるというカラクリがあるのです。この他にも、不動産会社の営業エリアの違いなども関係することから、より好条件の買主を探してもらいたいと考える場合、複数の不動産会社に相談して、最も信頼できる業者を選ぶ必要があるのです。

ちなみに、不動産査定の難しいところは、高い査定額を提示した不動産会社が最も良いわけではないという点です。売主からすると、高い査定額を提示してもらえる方が嬉しいため、できるだけ高い査定額を提示した会社に仲介を依頼したいと考えるはずです。ただ、4社に査定を依頼し、3社が3,000万前後の金額を提示したのに、1社だけ3,500万円という金額提示になった場合、市場相場は前者の3,000万円前後が正しいと言えます。後者の高い査定額は、とにかく仲介を依頼してもらうため、売れもしない価格を提示しているだけで、最悪の場合は「囲い込み」などの被害を受けて、売却活動期間が長期化してしまう恐れがあるのです。

不動産査定の目的

不動産の査定は、それなりに時間がかかります。詳細な方法については後述しますが、実際に物件まで足を運び、細部まで状態を確認したり、物件周辺の生活環境の確認を行うなど、不動産会社側の負担はそれなりに大きいのです。ただ、不動産売却のための査定に関しては、無料で行ってもらうことができます。日本には「タダより怖いものはない!」ということわざがあるように、不動産会社はなぜ無料で査定を行うのか…という点に不安を感じる方がいるかもしれません。

これについては、不動産会社側からすると、査定はあくまでも営業活動の一環で、家の売却を考えている人と「媒介契約」を結ぶという目的があるからが理由です。不動産会社は、売主から売却活動を依頼してもらわないと、勝手に人の家を売り歩くなんてことはできません。仲介をするためには、売主と媒介契約を結び、実際に買主を見つけることができれば、仲介手数料という利益を得ることができるのです。つまり、不動産会社は、将来的な利益を目的に、無料で不動産査定を行っているわけです。ちなみに、不動産査定と似たサービスに、不動産鑑定士による「不動産鑑定」というものがありますが、こちらは有料です。不動産鑑定は、「不動産の適正な経済価値(価格や賃料)を客観的に判定し、金額で表示する手続き」なのですが、これは税務署に提出する、相続財産の分割のため正確な価値を知る必要がある時に実施されます。不動産売却においては、有料の鑑定までは必要なく、不動産会社による無料査定で十分です。

売主側にとっての不動産査定の目的については、「いくらぐらいで売れる家なのか?」など査定額を知るということが大きいです。いくらぐらいで売却できそうなのか、ある程度の金額が分からないと、買い替えの資金計画なども立てられませんし、本当に売却しても良いのかの決断ができないため、自分の家の価値を知るということを目的に実施します。
ただ、査定額ばかりに注目すると、売却活動そのものが失敗してしまう可能性があるので、その点は注意しましょう。先程紹介したように、不動産の査定額は、不動産会社によって異なるのが一般的なのですが、高ければ良いというものではないのです。中には、媒介契約を結ばせるためだけに高い査定額を提示してくる不動産会社などもあり、このような会社に引っかかると売却活動期間が長期化して、最終的に安い価格で買取に出すしかなくなる…といった事態に陥る恐れがあるのです。

不動産査定は、いくらで売却できそうかという価格を知るだけでなく、「仲介を依頼する信頼できる業者かどうか?」を見極めるということも大きな目的になるということを忘れないようにしましょう。

実際に査定方法について

それでは、不動産会社に依頼して自宅の査定を行ってもらう方法についてもご紹介していきます。ここでは、不動産会社による査定方法と、どのような点を見られるのかについて解説します。

不動産会社による査定は2つの方法がある!

不動産会社に自宅の査定を行ってもらう場合でも、2つの方法が存在します。査定は、「机上査定」と「訪問査定」と呼ばれる方法があるので、それぞれどのような方法で査定を進めるのかを紹介します。

■机上査定とは?

一つ目は「机上査定」です。これは、実際の物件を見ないで査定を進めてもらう方法で、自宅にいながらWebや電話で手軽に依頼でき、最短数時間から1日程度で、おおよその査定額を知ることができるというスピーディーな点がメリットです。

机上査定は、不動産会社の担当者が現地に足を運ぶわけではなく、立地、広さ、築年数、過去の取引データや周辺相場などの情報をもとに、概算の査定価格を割り出すという手法になります。「いくらぐらいで売れるのか?」を知った上で、売却するかどうかを決断したいと考えているのであれば、ひとまず机上査定で情報を確認するだけでも構わないと思います。

ただ、実際の物件を確認したうえで査定価格を出しているわけではないので、算出される価格はあくまで「おおよその目安」であるという点に注意しなければいけません。室内の状態や日当たり条件、実際の周辺環境などが考慮されていないため、正確な査定価格を出してもらうことはできません。不動産会社の中には、訪問査定の段階まで進めるという目的で、机上査定ではわざと高額な査定額を提示する会社もあるので、この査定額をもとに売り出し価格を決定するのは危険です。

■訪問査定とは?

二つ目の方法が「訪問査定」です。名称から分かるように、売却を検討している物件まで、担当者が実際に足を運び、実物を確認しながら査定を進める方法となります。

訪問査定では、図面上のデータだけでなく、建物の劣化具合や日当たり条件、周辺の生活環境などについて、プロの目で直接評価してもらうことができるので、正確な査定価格を算出してもらうことができます。具体的にその物件の売却を考えているというケースなら、机上査定だけでなく訪問査定を行ってもらうのは必須だと考えておいた方が良いです。

また訪問査定では、不動産会社の営業担当の方と直接面と向かって話すことができるので、自分との相性や売却に向けた真剣度なども確認することができます。査定の段階で「いい加減な業者だな…」など、悪印象を持つようであれば、その会社と契約しないで済むなど、信頼できる不動産会社を選ぶための場としても活用できる点が大きなメリットになります。

査定時に不動産会社が確認するポイントは?

それでは、不動産会社が物件の査定を行う時、どのようなポイントを確認しているのかについてもご紹介します。

まず、机上査定、訪問査定共に、以下のようなポイントを確認していきます。

  • 建物情報(築年数、立地、構造、面積、間取りなど)
  • 前面道路の種類と接道状況、法的な制限について
  • 土地の権利形態について(所有権か借地権かなど)
  • マンションの場合、物件の階数や向き、管理費・修繕積立金の状況など
  • 交通アクセスについて(最寄り駅の種類、距離)

上記の内容については、図面などから判断することができるので、机上査定では査定額を算出するための重要な要素となります。また、訪問査定では、上記に加えて以下のようなポイントについて確認されます。

  • 建物や設備の劣化状況(設備の年式も)
  • 日当たり条件や眺望について
  • 増改築やリフォーム履歴について
  • 雨漏りやシロアリ被害など、重大瑕疵の有無について
  • 境界や越境、敷地の傾斜や高低差など
  • 室内のニオイ(ペットやタバコによる悪臭の存在)
  • 周辺環境(買い物施設など、生活利便性について)

不動産の査定額を算出するためには、上記のようなポイントを確認されます。査定のポイントについては、立地や周辺環境、築年数など、査定額を住人の努力によって変えられる部分がほとんどありません。現在のあるがままの状態を見て「この家ならいくらで売れるのか?」を判断しているわけです。

なお、不動産会社が、査定金額を算出するための手法についてもいくつかの種類があるのですが、この点については一般の方が知っている必要性があまりないので、ここでは省きます。

不動産査定のポイントについて

不動産査定の基礎知識が理解できたところで、この工程を成功させるために売主側がおさえておきたいポイントについてもご紹介していきます。家の売却を決め、不動産会社に自宅の査定を行ってもらう時には、以下のような点に意識しておきましょう。

①事前準備は特に必要ない

マイホームを売却する際、不動産会社に査定をしてもらう時の勘違いとして「事前に掃除したほうが査定が高くなる」「悪い部分はリフォームしたほうが査定額が高くなる」と言ったものがあります。

できるだけ綺麗な状態で査定を行ってもらった方が、高い値段をつけてもらえると考える人が多いわけです。しかし、この点については、事前の準備などを行う必要はありません。家の中を綺麗に掃除したとしても、査定額が上がるようなことはないので、そのままの状態で査定を受ければ良いのです。また、リフォームや修繕の必要性についても、査定前に行うのではなく、売りに出す前に不動産会社と相談したうえでその必要性を判断するようにしましょう。

■事前の掃除は不要

一般消費者向けの「内覧」においては、部屋の中が散らかった状態だと「部屋が狭く見える」、掃除が行き届いていないと「普段の家の扱いが悪いのでは?」などと、悪印象を持たれてしまうため、事前の準備が非常に重要と言われています。そのため、不動産会社の査定時でも、同じような事前準備が必要と考える人が多いわけです。

しかし、不動産のプロに訪問査定を行ってもらう場合、家の中が汚れていようが、散らかっていようが関係ありません。数多くの不動産を査定してきたプロの担当者は、どのような状態の物件を見ても、自分の頭の中で空室状態の部屋をイメージすることができます。そのため、荷物で散らかっている状況でも、狭く見えてしまうといったことはないのです。

そもそも、不動産会社による査定は、表面的な汚れを確認しているではなく、家そのものが市場に受け入れられる物件なのかを見ています。築年数や間取り、日当たり条件や周辺環境など、根本的に人の生活を左右するポイントで価格を付けていくのです。汚れは、掃除すれば綺麗に落とすことができる部分なので、査定額にはほとんど影響を与えないので、まずは「査定に来てもらう」ということを重視しましょう。

なお、査定が完了した後、実際に物件を売りに出す際には、家の中の掃除や整理整頓が必須です。この場合、一般消費者に物件を見せるわけなので、より良い印象を与えるためにも、できるだけ綺麗な状態を確認してもらうべきです。

■リフォームや修繕も不要

リフォームや修繕に関しては、査定前に実施することで、査定額をアップさせる効果はあります。こう聞くと「それならリフォームしたほうが良いのでは?」と考えてしまうと思います。

しかし、リフォームや修繕による査定額のアップに関して、工事にかけた費用がそのまま上乗せされるわけではないのです。例えば、300万円をかけて事前にリフォームしたとしても、不動産会社の査定額が300万円上乗せされるかというとそうではありません。不動産にも市場相場というものがあるため、事前に大金をかけてリフォームしたとしても、それ以上の査定額が提示されるようなことはないのです。

また、昨今の中古住宅市場では、買主側が「購入後に自分の理想に合わせてリフォームをしたい」という要望を持つ方が多くなっていると言われます。そのため、売主手動で事前にリフォームを実施してしまうと、買い手側の要望とズレてしまうことで余計に売れづらくなってしまう可能性があるのです。

家の売却におけるリフォームや修繕の必要性については、売主自身で判断するのではなく、そのエリアで売りに出ている物件の情報を豊富に持っている不動産会社に相談するのがおすすめです。周辺に、類似物件が多く売りに出ていて、「リフォームしたほうが差別化しやすい」という状況なら、不動産会社側が最適なリフォーム内容を提案してくれると思います。売主側は、その提案を聞き、費用対効果のことを検討しながら実施するかどうかを決めると良いのです。

どちらにせよ、不動産会社に査定を依頼する場合、リフォームや修繕はせずに訪問査定を受けるのがおすすめです。そして、その際に、「リフォームの必要性なども提案してほしい」と相談すれば、査定額と一緒に売却するために必要な対策を提案してくれるはずです。家の売却に関するリフォームや修繕は、先回りして売主主導のリフォーム・修繕を実施するのではなく、不動産会社に相談してから決めても遅くはありません。

②不動産会社との協力体制を作る

二つ目のポイントについては、家の売却に必要な情報やあなたの希望について、きちんと不動産会社に相談して協力体制を構築するという点です。

例えば、以下のような点に気を付けましょう。

■希望条件などをきちんと伝える

家を売却する時の希望条件について、あんたが考えていることや希望していることを、詳細に伝えることが大切です。ローンが残っているからそれよりも高く売りたい、転勤があるからそれまでに売りたいなど、売却に関する条件がある場合、必ずその内容を伝えておく必要があります。

仲介を担う不動産会社側は、顧客の希望に沿った売却活動プランを考え、提案するので、その前提となる条件を教えてもらわないと、的確なアドバイスや提案をすることができなくなるのです。

売却価格や成約できる時期などに関する希望条件は、売却の戦略そのものを左右することになります。例えば、売却期間に関する制約がある場合、「価格をもう少し抑えて売り出しした方が、買い手を見つけやすくなります!」など、顧客の情報をもとに的確なアドバイスを提案してもらうことができます。

自分の売却に関する希望条件について、最初からしっかりと話し合っておけば、事前に決めた条件の下で売却活動を進めることができるようになるので、多少希望よりも安くなったとしても、活動自体には納得できるようになります。

■欠点は絶対に隠さない

売りに出す物件に、何らかの欠点がある場合、「言わなければ高く売れるのでは?」と考えてしまう人がいます。例えば、雨漏り被害やシロアリ被害、土壌汚染や地中埋設物の存在など、物件をパッと見ただけでは分からないような問題もあります。また、過去に事件や事故が起こった経験があるという情報も、調べてみなければ分からないので、こういった欠点に関する情報を伝えなければ、査定額が高くなると考えるのです。

しかし、これらの情報を隠したままで売却活動を進めた場合、後から契約不適合責任を問われることがあるので、結局は売主に損害が戻ってきてしまう可能性があるのです。契約不適合責任が発覚した場合、修繕費に相当する分の返金が求められる、最悪の場合、契約解除や損害賠償を請求されるなど、大きなトラブルに発展する可能性があります。

欠点を隠した状態で売却活動を進めれば、高い査定価格を提示してもらえるかもしれませんが、売却後にトラブルとして問題が発覚した時には、売却で得た以上のお金を失う可能性もあるのです。仲介を担う不動産会社は、売主にとって味方になってくれる存在です。欠点に関する情報について、事前にきちんと相談すれば、売却のために必要になる最適な対策を提案してくれるはずなので、安心して売却活動を進められるようになるはずです。

高く売るためには掃除などの事前準備が必須

ここまでの解説で、マイホームを売却する際、最初に実施する不動産会社による査定の基礎知識について分かっていただけたと思います。不動産会社による査定は、プロの担当者が実際の物件に足を運び、築年数や間取り、現状の劣化状況などを確認したうえで「いくらなら売れるのか?」に関する金額を提示する作業となります。不動産会社による査定では、事前の掃除や整理整頓、リフォームなどを行う必要はなく、家の中を徹底的に掃除したとしても査定額が上がるようなことはありません。そのため、基本的には、そのままの状態で不動産会社に相談し、訪問査定を行ってもらうと良いのです。

ただ、皆さんに勘違いしてほしくないのは、事前の掃除や整理整頓が不要なのは、不動産会社が査定を行う時に限っての話です。査定額が算出され、それをもとに売り出し価格を決めて市場に売りに出すのであれば、内覧を受け付ける前までに、家の中の掃除や整理整頓、不用品の処分は事前に行わなければいけません。

内覧は、物件の図面や写真だけでは分からない実際の住み心地を確認してもらうため、購入希望者を家の中に招き入れるという行為になります。この際、家の中の掃除などを一切行っておらず、「汚い、散らかっている」という印象を与えてしまうと、内覧時の印象が悪くなることで購入を控えられてしまう可能性が高くなるのです。したがって、査定後に家を売却すると決めたのであれば、内覧の際に「より良い印象」を与えられるようにするための対策が必須と考えておきましょう。

家を高く売るための対策としてホームステージングがおすすめ

現代では、不動産の売却や賃貸を促進するための手法としてホームステージングが注目を集めるようになっています。

ホームステージングは、以下の画像のように、売却や賃貸を予定している物件に対し、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで新築のモデルルームのような空間を作り出す演出手法とされています。


ホームステージングを実施することで、内覧に足を運んだ人に、魅力的な空間として部屋を見学してもらうことができるようになります。さらに、部屋の中に家具などが配置されていることで、入居後の生活を具体的にイメージしてもらうことができるようになり、早期かつ高値での成約が期待できるようになるのです。

また、ホームステージングは、単に室内に家具などを設置する空間演出手法なのではなく、物件内の清掃や不用品の回収など、家を売却するために必要なさまざまな作業を請け負ってもらうことができます。実際に、日本ホームステージング協会が毎年実施している実態調査のデータを確認しても、以下の通り、2024年度のホームステージングでは、ハウスクリーニングや不用品の回収など、さまざまな作業が実施されています。

引用:ホームステージング白書2024年

ホームステージングは、家を高く売るために必要になる対策全般をまとめて依頼することができるので、ぜひ導入を検討してみると良いでしょう。

まとめ

今回は、家を売却する時、最初に行わなければならない不動産会社による査定の基礎知識について解説しました。

不動産会社による査定は、物件の間取りや築年数だけでなく、現在の状態などを詳細まで確認することで「いくらぐらいなら売れるのか?」を算出してもらうための作業となります。家を売りに出す際には、この査定額を参考として売り出し価格を決定するわけなので、スムーズな売却を目指すのであれば、信頼できる業者に正確な査定を行ってもらう必要があるのです。

なお、不動産査定と実際の売却活動では、物件を確認する人の属性が大きく異なるため、求められる事前準備が異なるという点は注意が必要です。掃除や整理整頓、ホームステージングなどの空間演出は、不動産会社の査定には大きな影響を与えることはありません、最終的に買い手を見つけられるのかという結論部分に大きな影響が出ます。