2026.07.18

賃貸の入居者募集ならバーチャルホームステージングが効く!その理由と注意点

賃貸物件の空室がなかなか埋まらない、不動産ポータルサイトに掲載しても、問い合わせや内見予約が入らないと悩んでいるオーナー様は少なくありません。少子高齢化が進む日本では、空室が増えているのに、さらに新築物件が供給されているという状況が続いており、市場は供給過剰となって賃貸物件の入居者獲得競争がかなり激しくなっています。

このような状況の中、思うように入居者が集められない物件の空室対策として、バーチャルホームステージングと呼ばれる販促手法が採用され始めています。バーチャルホームステージングは、簡単に言うと「空室写真に家具などを合成する手法」で、殺風景な空室写真に生活イメージを足すことで、入居希望者の興味を引き、内見や早期の成約を引き出すのに効果的な手法とされているのです。

ただ、このバーチャルホームステージングについては、登場からまだ間もない技術であるため、具体的な対策の内容や効果のほどに疑問を感じているという物件オーナー様も多いと言われています。そこでこの記事では、賃貸物件の入居者募集に非常に効果的とされているバーチャルホームステージングについて、どのような対策で、なぜ賃貸物件市場にこそ効果があるとされているのかを解説します。なお、バーチャルホームステージングを実際に活用する際には、いくつか注意しなければならないポイントがあるため、その辺りについても簡単にご紹介します。

バーチャルホームステージングの概要について

まずは、バーチャルホームステージングと呼ばれる販促手法がどのような物なのか、またリアル型のホームステージングと比較して何が異なるのかなど、この対策の概要について解説していきます。バーチャルホームステージングは、登場してまだ間もないこともあり、その存在さえ知らない…という方も少なくありません。しかし、賃貸物件の広告反響率の向上を目指す際には、非常に有効と言われるようになっているので、どのような対策なのかぐらいはおさえておきましょう。

バーチャルホームステージングの基本的な内容

バーチャルホームステージングは、簡単に言うと、ソフトやアプリなどを用いて、デジタル画像を作成する手法と言えます。ざっくばらんに言うと、「画像の加工技術」です。

具体的には、CGやVR技術を用いて、空室状態の物件写真に家具やインテリア、照明などを配置して、物件の持つ魅力がより伝わるような画像にするという手法がバーチャルホームステージングなのです。この対策を施すことにより、物件のポテンシャルを視覚的に表現することができ、ポータルサイトなどを使って物件探しをしている入居希望者の興味を引き、広告のPV(ページビュー)数上昇、さらに問い合わせや内見予約数の向上と言った反響率を高めることが期待できるのです。

ちなみに、バーチャルホームステージングの実施方法については、主に以下の二つの方法があります。

  • ソフトを購入したり、ブラウザサービスを利用して自社(物件オーナー)が自ら行う
  • 専門業者にバーチャルホームステージングの実施を依頼する

バーチャルホームステージングは、専門業者に依頼する場合でも、1画像当たり1万円前後と、そこまでのコストはかからないため、専門業者に依頼するケースの方が多いと言われています。ただ、最近では画像をアップロードするだけでAIによってステージングを実施してもらえるブラウザサービスがたくさん開発されています。このタイプは、1枚あたり1,000円前後で利用できるため、手軽に物件広告画像を作成する方法として、今後は仲介会社や物件オーナー自身が作成するケースが増えていくかもしれません。

リアル型ホームステージングとの違い

ホームステージングには、「リアルホームステージング」と「バーチャルホームステージング」の2種類が存在します。もともと、中古住宅市場が活発なアメリカでホームステージングが誕生したのですが、従来型のリアルホームステージングは、実際の物件内に実物の家具やインテリア、照明や植物などを配置していくという演出手法でした。新築業界では、物件の販促として、モデルルームやモデルハウスが作られるのが一般的で、購入希望者は実際の物件内を見学することで、自分たちのライフスタイルに合う物件なのかを判断することができるようになっています。中古住宅市場でも、これと同じような効果を狙った方法がリアルホームステージングで、もともとは内覧対策のための手段だったのです。

ただ、リアル型のホームステージングは、演出のための家具を用意しなくてはならない、また物件内に搬入して配置していかなければならない、さらに成約が決まれば搬出が必要など、対策を実施するにはそれなりの手間と時間がかかってしまうのです。不動産の売却であれば、販売活動に数カ月かかるのが一般的なため、この手間はそこまで気になる物ではありません。しかし、賃貸物件の空室対策として考えると、入居者募集に余計な時間がかかってしまう、コストがそれなりにかかるため費用対効果に疑問が残るといった点が問題視されたのです。

そこで、もっと手軽にホームステージングを実施できる手段として開発された方法がバーチャルホームステージングです。バーチャルホームステージングは、デジタル技術で作成した画像や3Dモデルを使って物件を演出するため、専門業者に依頼した場合でも、最短1日で広告に使用できる画像が用意でき、スピーディな入居者募集が実行できるようになっているのです。

ここでは、リアルホームステージングとバーチャルホームステージングについて、主な違いをまとめてみます。

  • 対策にかかる費用について
    リアル型の場合、家具やインテリアの購入費もしくはレンタル費用がかかります。また、搬入や配置、搬出に人件費もかかるため、対策にかかる費用が高くなる傾向にあります。一方、バーチャルホームステージングは、パソコン上で作業が完結するため、対策にかかる費用が安価になります。ブラウザサービスを利用する場合、数百円~数千円で効果的な物件写真を用意できます。
  • 対策にかかる期間について
    リアル型の場合、どのような部屋にするのか検討した後、家具などを用意する必要があります。その後、家具を搬入して配置していくという作業も必要になるので、対策の実施には最長で2週間程度かかることもあるのです。一方、バーチャルホームステージングの場合、業者探しの時間を含めても、数日程度で画像が出来上がります。AIサービスなどを利用すれば、数十秒~数分で画像が出来上がるなど、非常にスピーディです。
  • 内見対策について
    リアルホームステージングは、物件内に実物の家具などを配置していくという手法なので、入居希望者が内見まで足を運んだ際には、大きなインパクトを残すことができます。一方、バーチャルホームステージングは、あくまでも画像を加工しているだけで、実際の物件は空室状態のままです。そのため、内見時には写真から受けたイメージとの落差が大きくなり、購買意欲を下げてしまう可能性もあります。バーチャルホームステージングは、あくまでも手軽に多様な演出を施せるということが特徴なのです。

リアルホームステージングとバーチャルホームステージングは、実際の物件に対策を施すかどうかが大きな違いとなります。

バーチャルホームステージング利用者の声

賃貸物件市場におけるホームステージングの実施方法については、年々バーチャルホームステージングの導入率が高くなっていると言われています。実際に、日本ホームステージング協会が毎年実施しているホームステージングの実態調査委において、2024年度、賃貸物件に実施されたホームステージングについて、その実施方法の割合が以下のようになっているのです。

  • 自社で小物だけのホームステージングを実施:46.2%
  • 自社で家具・小物を用意して実施:45.2%
  • バーチャルステージングを実施:24.0%
  • 専門業者に依頼:20.2%
  • 貸主自身でホームステージングを実施:15.4%

上記の通り、バーチャルホームステージングを導入したという方が約1/4に達しているという状況になっています。そして、実際にバーチャルホームステージングを実施した人は、確実のその効果を認識しているというデータも揃ってきています。以下に、「デジタルステージング利用者調査」のデータもご紹介します。

  • デジタルステージングの効果(PV数):増えたが約78%
  • デジタルステージングの効果(問合せ数):増えたが65%
  • デジタルステージングの効果(内見者数):増えたが約62%
  • デジタルステージングの効果(成約までの期間):短縮できたが約57%

上記の通り、実際にバーチャルホームステージングを実施した利用者の声からも確かな効果が確認されています。

データ参照:ホームステージング白書2024年
データ参照:デジタルステージング利用者調査

バーチャルホームステージングが賃貸の空室対策に効くと言われる理由

それでは、バーチャルホームステージングが賃貸物件の空室対策にこそ効くとされている理由について解説していきます。

ホームステージングは、もともと中古住宅の販促のために開発された演出手法です。日本では2000年頃から採用され始めたとされているのですが、対面での物件案内が難しくなった2020年頃から、画像で物件の魅力を最大限まで伝える目的で、一気に普及が拡大し始めたとされています。そして、このころより、バーチャルホームステージングやAIホームステージングと呼ばれるサービスが続々と開発され始め、賃貸物件の販促手法としても広がってきているのです。

ちなみに、2023年版のホームステージング白書では、バーチャルホームステージングの導入率について、不動産売買部門で約72%、賃貸部門では約37%と大きな格差が存在していました。これは、賃貸物件の空室対策は、販促に使えるコストにどうしても限界があるため、何の対策も施さずに市場に出していたという方が多いためだと思います。しかし、バーチャルホームステージングは、その後、安価なサービスがどんどん登場しているため、賃貸部門での利用率は高くなってきていると言われています。

それでは、バーチャルホームステージングが、リアルホームステージングと比較しても、賃貸の空室対策に効果的とされている理由はどこにあるのでしょう?ここでは、空室対策にバーチャルステージングが効く主な理由などについて解説します。

不動産ポータルサイト上で広告が目立つ

今の時代、売買でも賃貸でも、物件探しをしている方のほとんどは、インターネット上の不動産ポータルサイトを利用しています。スマートホンが広く普及した現在では、電車で移動している際などにも、気軽に物件探しができるようになっていて、一昔前にあった有料の不動産情報誌などは見かけなくなっています。

そして、この不動産ポータルサイトでの顧客の動きを考えた時には、特定の条件で絞り込んだ後、物件詳細まで確認しに行くかどうかは、最初に表示されるサムネイル写真の印象で決まるとされているのです。不動産ポータルサイト内には、無数の物件情報が登録されており、顧客が物件探しをする際には、条件が類似する物件のサムネイル画像が一覧で表示されます。この際、家具などが何も配置されていない空室写真に関しては、どうしても殺風景に見えてしまう、暗く見えてしまうなど、ネガティブな印象を与えてしまいがちで、競合物件の広告の中に埋もれてしまう可能性が高くなるのです。

そして、殺風景な空室画像が並ぶ中、一つだけ家具などが配置され、生活イメージまで添えられた物件写真が掲載されていると、検索者のスクロールの手を止めるきっかけとなり、物件の詳細ページまで確認してもらえる可能性が高くなるわけです。家具などが配置された物件写真は、閲覧者側に対して「ここに自分が住んだら…?」と言った感じに、入居後の生活まで具体的にイメージさせることができるようになります。また、対象物があることで、画像から部屋のサイズ感なども伝わりやすくなり、希望に見合う広さなのかも判断してもらいやすいのです。

特に賃貸物件市場は、不動産ポータルサイトに掲載されている物件数が非常に多いため、「自分の物件を見つけてもらえる可能性を高くする」という点で、バーチャルホームステージングが効果的とされているのです。

空室対策にかかる時間とコストを抑えられる

先程紹介した通り、ホームステージングには、実際の物件に実物の家具などを配置するリアルホームステージングと、画像上にCG家具などを配置するというバーチャルホームステージングが存在します。どちらの対策を実施した場合でも、不動産ポータルサイトなど、広告の反響率を向上させることができる点は変わりません。

ただ、対策にかかる時間や手間、費用が大きく変わるため、賃貸物件の対策であれば、バーチャルホームステージングの方が取り組みやすいとされているのです。例えば、リアルホームステージングを賃貸の空室対策として実施する場合、以下のような手間とコストがかかります。

  • 不動産会社の担当者や物件オーナー自身が実施する
    専門業者に依頼するのではなく、仲介会社やオーナー自身が対策を施す場合も多いです。この場合、物件のターゲット層が好むような演出を施すための家具集めからスタートします。家具などに関しては、安価なファスト家具を購入して使いまわすほか、レンタル家具を用意するという方法があります。どちらにせよ、演出の計画から家具、インテリア集め、配置まで自分たちで行わなければならないため、最低でも1週間程度の時間がかかるはずです。費用については、専門業者に依頼するよりも安くなり、1Kなど単身向け賃貸の場合なら5,000~20,000円程度が相場とされています。ただ、配置する家具のグレードなどによってはもう少し費用が掛かります。
  • 専門業者に依頼する
    ホームステージング会社に対策を依頼すれば、物件オーナー側が手間をかける必要はありません。ターゲットに最適な部屋の演出や、それに必要になる家具の種類なども業者が全て考えてくれます。部屋作りに関しても、専門業者が丁寧に行ってくれるため、物件そのものが傷つく可能性も少なく、安全に魅力的な部屋を作り出してもらうことができます。ただ、専門業者に作業を依頼する場合、対策にかかる費用が高くなります。一般的に1K程度の広さでも、10万円~と、それなりの費用がかかります。時間についても、業者への問い合わせや打ち合わせ、実際の部屋作りなど、さまざまな作業が発生するため、最初の相談から対策の実施まで2週間程度はかかると思います。

リアルホームステージングは、自分で行う場合でも、専門業者に依頼する場合でも、それなりの時間と費用が掛かってしまいます。賃貸物件の空室対策は、使える費用に限界がどうしてもありますし、時間をかけて準備するよりも「とにかく早く客付けしたい!」と考えるはずです。バーチャルホームステージングであれば、空室状態の部屋の画像を用意すれば、ブラウザサービスを利用することでその日のうちにステージング後の画像を用意することができます。また、専門業者に依頼する場合でも、最短で翌日には加工後の画像を納品してもらうことができるため、広告の出稿が非常に素早くできるというメリットがあるのです。また、ステージング後の広告画像を用意するためにかかる費用も、数百円~1万円程度と、非常に安価です。

こういった、「早い」「安い」という特徴が、賃貸物件の集客には非常に適しているとみなされるようになっているのです。

賃貸の場合、内見せずに入居申し込みをする人が増えている

バーチャルホームステージングの致命的ともいえるデメリットは、実際の物件に家具などを配置していくという対策ではなく、あくまでも画像を加工するための技術であるという点から、入居希望者が実際の物件を見学する内覧(内見)の対策にはなり得ないという点です。それどころか、魅力的な画像を制作することで期待値が高まり、空室状態の実物とのイメージの落差により、成約の邪魔になる事さえあるとされているのです。

こう聞くと、賃貸物件の空室対策でも、バーチャルではなくリアル型のホームステージングの方が良いのではないか…と感じる方が多いと思います。しかし、昨今賃貸物件市場では、不動産ポータルサイト上に掲載されている情報だけを見て、内見などをせずに入居申し込みに移るという方が非常に多くなっているのです。このような顧客の場合、物件広告と内覧時の落差を気にする必要がないため、ポータルサイト内でのイメージアップに注力すれば良いということになります。

バーチャルホームステージングであれば、テイストの異なる演出を複数実施することも可能ですし、物件広告を充実させるという点では、リアル型のホームステージングよりも優れているのです。そのため、賃貸物件市場では、年々、バーチャルホームステージングの採用率が高まっています。

ちなみに、「賃貸を借りる時に内見しない人なんているの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。この点については、以前別記事で解説しているのですが、実は、内見せずに入居申し込みをする人の割合は、以下の通り、年々増加しており、2025年においては過半数を超えているという状況です。

  • 2023年2月:43.4%
  • 2024年2月:50.9%
  • 2025年2月:60.2%

関連:内見しないで契約する人の割合が増えている!ホームステージングが空室を埋める最適解かも

居住中、退去後の原状回復工事中でも広告を出せる

バーチャルホームステージングは、入居者が住んでいる状態や、退去直後の片付け中の部屋でも、魅力的な広告画像を作り出すことが可能です。例えば、前入居者が残していった荷物がある状態で撮影したとしても、家具消し加工などを行うことで、まっさらに空室状態の画像にすることができるのです。

バーチャルホームステージングは、空室状態の部屋の中にCG家具などを配置していく方法と解説されていることが多いのですが、実は、画像内の不要な荷物や汚れ、傷などを消しこむことも可能なのです。また、明るさの調整を行うことで、夜間に撮影した画像を昼間の画像に変えるなどといったことも可能です。

つまり、バーチャルホームステージングを活用することで、空室になるのを待たずに募集写真を用意して、広告を出せるようになるため、空室期間を限りなく短くすることも可能になるわけです。賃貸物件の入居者の入れ替わりについては、退去時期について事前に知らせてもらう仕組みになっています。そのため、前入居者の退去が決まった段階で、仮の募集画像を用意して広告を回し始めることも可能で、この点が賃貸物件の空室対策として非常に優れているとみなされているわけです。

賃貸の空室対策にバーチャルホームステージングを利用するなら虚偽広告に注意

ここまでの解説で、バーチャルホームステージングが賃貸物件の空室対策に非常に効果を発揮しそうだということが分かっていただけたと思います。賃貸物件の集客では、事前の内見を求める方が減ってきているため、バーチャルホームステージング特有のデメリットも目立たなくなってきているのです。

ただ、実際にバーチャルホームステージングを空室対策に利用する場合、優良誤認を誘引する利用方法にならないようにしなくてはならないです。バーチャルホームステージングに対しては、(公社)首都圏不動産公正取引協議会が「不動産の表示に関する公正競争規約と照らした場合、利用には注意が必要」と、公表しているほどです。

したがって、賃貸物件の空室対策にバーチャルホームステージングを活用しようと考えている方は、以下のようなポイントに注意しながら実施するようにしましょう。

  • 虚偽広告にならないようにする
    バーチャルホームステージングを実施する際には、宅地建物取引業法や不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)に従い、事実と異なる表現をしないことが大前提です。デジタル技術を用いてステージングする際には、現実にはないものが物件に付随しているように見えてしまう加工を実施するケースがあります。例えば、家具付き物件ではないにもかかわらず、ホームステージングが施された画像を見た顧客が「家具も含まれている」と誤認してしまう、エアコンが無いのに設置されているようにするといったケースがあります。バーチャルホームステージングを導入する場合には、実際の物件の状況とは異なるということを明確にしておく必要があります。
  • 物件の広さや構造を誤認させない
    バーチャルホームステージングを施す際には、部屋の広さや間取りについて、実際の物件よりも広く見えるなど、誤認させないようにしなければいけません。例えば、家具を小さくして部屋を広く見せる、空間を現実よりも広く見えるように加工するといった手法は、閲覧者に誤った印象を与える可能性があります。狭い物件の集客では、その弱点を隠すために、意図的に広く見えるような加工を施す場合もあるようですが、これは虚偽表示に該当する可能性があるため、部屋のサイズや実際のレイアウトに基づいてステージングを施すように心がけてください。
  • 事実と異なる表現を避ける
    バーチャルホームステージングにおいては、実際に設置されていない設備を描写しないことが重要なポイントになります。例えば、広告に掲載された物件画像で、高級なシステムキッチンなどを設置されているものの、実際の物件にはそれが含まれていないというケースでは、閲覧者が「最新のシステムキッチンが設置されている」と誤解すると、表示規約違反となります。物件のイメージを向上させるため、実際にはないアイテムを追加する場合、それらの設備が含まれているという誤解を生まないよう、実際にはないこと、物件価格には含まれていないことを明示しなければいけません。
  • 搬入出来ない家具などは設置しない
    バーチャルホームステージングは、仮想空間上で画像を加工する技術です。ホームステージングに関する作業は、すべてパソコン上で実施されるため、部屋の中には大型の家具でも自由に配置することができます。しかし、実際の物件については、部屋の入り口や通路、エレベーターの大きさが関係するため、「どんな家具でも置ける」とは言えません。仮に、実際には搬入出来ないような大型家具を使って演出して顧客を誤解させた場合には、優良誤認を誘う不当表示に当たるとされています。バーチャルホームステージングに利用する家具などは、「住戸内の設置場所まで運搬できるもの」を利用しなければならないという点も注意しましょう。

バーチャルホームステージングは、デジタル技術を活用して画像を加工する方法ではあるものの、売主の希望で、何でもかんでも自由に加工しても良いというわけではありません。上で紹介したように、バーチャルホームステージングで作られた画像を見た閲覧者が誤解しないようなステージングを心がけなければならないという点は注意しましょう。

なお、インターネット上の広告画像として利用する目的でバーチャルホームステージングを実施する場合、作成した画像に「これはバーチャルホームステージングで作成しています」「CGで作成されています」などの注意書きを明示しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、不動産市場で存在感が増しているホームステージングについて、特に賃貸物件の空室対策に効果的と言われるようになったバーチャルホームステージングについて解説しました。

記事内でご紹介した通り、バーチャルホームステージングは、リアル型のホームステージングと比較すると、対策にかかるコストや時間を大幅に削減することができるため、「早く空室を埋めたい」「広告予算がない」と言った賃貸物件オーナーにとっては非常に心強い味方になっているのです。中古住宅の売却であれば、内覧せずに購入を決めるような人はいないため、ホームステージングを実施する場合には、リアル型のステージングが基本となります。バーチャルホームステージングは、異なるテイストの室内画像を用意するために利用されるなど、あくまでも補助的に併用されている感じと言えるでしょう。

しかし、賃貸物件市場では、「気に入らなければ引っ越せば良い」「一生住む家ではない」と言った顧客側の認識があるため、内見せずに入居申し込みをする人が増えていて、結果としてリアル型よりもバーチャルホームステージングが有効とみなされるようになっているわけです。