戸建て賃貸の空室対策!一軒家の賃貸に借り手がつかない原因と対策
一軒家の賃貸物件には、マンションやアパートなど、集合住宅型の賃貸物件にはないメリットがたくさん存在するため、常に一定の需要があるとされています。一般的に、一軒家の賃貸物件の入居対象はファミリー層となるケースが多いため、一度入居すると長く住んでもらえるケースが多いため、単身用の賃貸物件と比較すると、空室対策などに悩まなくて良くなる可能性がある点も魅力とされています。
しかし、当然のことながら、一軒家を賃貸に出せばどんな物件でもすぐに入居者が決まるといったことはありません。特に昨今では、全国的に空き家の増加が社会問題化しており、戸建て賃貸業界では、ライバルとなる物件数が急増していることで、借り手を見つけることができず長期の空室に悩んでいるという物件オーナーが増えているとされているのです。実際に、このコラムを読んでいただいている方の中にも、親が住んでいた実家を相続し、賃貸物件として市場に出したものの、借り手を一向に見つけられないと悩んでいるという方が多いかもしれません。
そこでこの記事では、一軒家の賃貸物件について、なかなか借り手がつかない物件の特徴や、空室を埋めるためにどのような対策を施せば良いのかについて解説します。記事内では、不動産業界で急速に注目度が高くなっているホームステージングについて、戸建て賃貸の空室対策として活用できるのかに関してもご紹介します。
借り手が見つかりにくい戸建て賃貸の特徴とは?
それではまず、一軒家の賃貸物件について、空室が長期間続いているなど、なかなか借り手を見つけられない物件にありがちな特徴について解説します。
そもそも、一軒家の賃貸物件は特殊なニーズに応えられる物件という扱いで、集合住宅型の物件とは異なる需要があります。例えば、ペットの多頭飼育のため広いスペースを求めているとか、車いじりが趣味という方の場合、アパートやマンションなどの集合住宅では、希望に見合った物件を見つけることが難しく、戸建て賃貸を探すといった感じです。
そのため、一軒家の賃貸物件の中でも、さまざまな入居者ニーズを叶えられる人気物件になると、集合住宅以上に競争率が高まることもあります。しかし、以下に紹介するような特徴を複数兼ね備えている場合、なかなか借り手が見つからない不人気物件になるケースが考えられます。ここでは、何らかの空室対策が必要と考えた方が良い、借り手を見つけにくい戸建て賃貸の特徴をご紹介します。
外観の劣化が目立つ・古く見える
一軒家の賃貸物件は、アパートやマンションなどの集合住宅と異なり「築浅である」ことはそこまで強く求められない傾向があります。しかし、見るからに老朽化しているなど、建物の外観の古さは厳しく評価されるので注意が必要です。
例えば、以下のような状態は、内見希望者を集めることも難しくなります。
- 屋根や外壁が激しく劣化している
- 外壁の塗装がボロボロになっている
- 建物の周りにツタが生えたままになっている
- 庭が雑草だらけ
上記のような戸建て賃貸は、人が住めない廃墟なのではないかという悪い印象を与えてしまうため、外観を見ただけで候補から外されてしまう可能性が高いです。なお、屋根や外壁をリフォームしてキレイにする場合、雨樋などの屋外に設置される設備も併せて修理しなければいけません。
近年では、親が住んでいた実家を相続し賃貸に出したいと考える方が増えていますが、築年数が経過している一軒家の場合、外観の問題で借り手が見つかりにくくなる可能性があるので注意しましょう。
設備が古く利便性が低い
二つ目は、日常生活に欠かせない設備面の問題です。一軒家の賃貸物件でも、キッチン設備やトイレ、お風呂の設備などに関しては、備え付けの物を利用します。そのため、物件に設置されている住宅設備が、現在のトレンドとズレている、古くて利便性が低いと感じられるような物件は、その他の条件が良くても借り手がつきにくくなる可能性があります。
例えば、以下のような場合、入居希望者から敬遠されるかもしれないと考えてください。
- 火力の弱い電気コンロが設置されている
- 洗濯機置き場が屋外にある
- 旧式の給湯器が設置されていて光熱費が高くなる
- 和式便所、洋式でもウォシュレットなどがない
住宅設備に関しては、時代によってとトレンドが変わります。そのため、築年数が経過した古い戸建て住宅の場合、現在の入居者ニーズを満たせない設備構成になっているケースが意外に多いです。この場合、「駅近」や「広い庭がある」など、その他の条件が良くても不人気になる可能性があります。特に、お風呂やトイレなど、水回り設備の古さは、内見から成約に繋がらない理由になりがちなので注意しましょう。
内装が古い、劣化が目立つ
内見時に物件の印象を悪くする要因としては、外観の古さだけでなく、内装の古さもあります。入居希望者のほとんどは、物件を確認せずに契約することはなく、最終確認として物件に足を運び、内装や搭載されている設備などを自分の目で確認します。
その際、室内のクロスが剥がれている、天井にシミがたくさんできている(雨漏りの可能性が高い)、床が傷んでいるなどといった状況になっていると、入居後の快適な生活をイメージすることが難しく、印象を悪くする可能性が高いです。この他にも、キッチンやお風呂など、水回りがカビだらけになっている、備え付け設備から古さを感じるなどという状況も、内見から成約に結び付けるのが困難になる原因となるでしょう。
駐車場がない
大阪市内など、公共交通網が整っている都市部以外の戸建て賃貸では、「駐車場がない」という条件は空室が長期化する直接的な原因になります。
そもそも、戸建て賃貸を探している人は、「広い家に住みたい」といった条件以外にも、潜在的な悩みがあると考えられます。そしてその多くが、駐車場な訳です。
地方都市の場合、車がないと生活が難しい場所も多く、大人の場合は一人一台の車を所有していて、1世帯に複数台の車を保有しているケースも珍しくありません。そのため、ファミリー層が主なターゲットとなる戸建て賃貸は、駐車場があって当たり前と考えられてしまう訳です。
なお、都市部の戸建て賃貸についても、駐車場がないという条件が空室の理由になるケースは多いです。これは、マンションなどに備え付けられている駐車場は、家賃以外の固定費になりますし、さらに賃貸物件の場合は、抽選に外れるとマンション内にある駐車場を利用できなくなるケースもあるからです。そのため、駐車スペースがある戸建て賃貸は、駐車場難民になることを避けられるという点からも、一定の需要が常にあるわけです。
一軒家の賃貸物件で、駐車スペースがないという場合は、何らかの対策を急いで検討しなければならないでしょう。
家賃設定が高い
これは分かりやすい理由です。賃貸物件は、戸建て、集合住宅に関わらず、高すぎる家賃設定になっていれば、借り手を見つけることが難しくなります。ただ、戸建て賃貸の場合、集合住宅と比較すると、余裕のあるスペースが得られることから、強気の家賃設定をする家主さんが多いです。
集合住宅と比較すると、部屋数が多く、物件によっては庭なども用意されています。また、そもそも物件数自体が少ない傾向にあるため、集合住宅の家賃よりも高めに設定しやすいという特徴があるのです。しかし、周辺相場よりも高すぎる家賃設定をしてしまうと、借り手は見つかりにくくなります。
なお、戸建て賃貸は、その物件数の少なさから適正な家賃がいくらぐらいなのか判断しにくいという問題もあります。一般的に、家賃相場は地域によって異なるため、物件周辺にある類似物件の家賃を参考に設定するケースが多いです。しかし、戸建て賃貸の場合、近くに類似物件がなく、他の地域にある類似物件を参考に家賃を決定してしまう人がいます。この場合、他のエリアでは適正な家賃かもしれませんが、物件のあるエリアでは相場に合わない設定になってしまう可能性があります。もし、戸建て賃貸を市場に出したのに、借り手が決まらない状態が長期間続いている…という場合、家賃設定を見直してみると良いです。この場合、地域の相場とずれが生じている可能性があります。
一軒家の賃貸物件は空室対策として何をすれば良い?
冒頭でご紹介したように、戸建て賃貸は、あえて求めているターゲット層がいるため、常に一定以上の需要が存在しています。しかし、高いニーズがあるはずの戸建て賃貸でも、前項で紹介したような特徴を持っている物件の場合、なかなか借り手を見つけることができず、経費ばかりがかかるお荷物物件となってしまうのです。
戸建て賃貸は、広いスペースや部屋数を求めるファミリー層や騒音トラブルを回避したい人、ペットの多頭飼育や広い駐車場を求めている方など、集合住宅では自分たちのニーズが叶えられない人が主なターゲットとなると考えられます。これらのターゲット層の方に「ここに住みたい!」と思ってもらうには、どのような空室対策を実行すれば良いのでしょうか?
ここでは、借り手が見つかりにくい戸建て賃貸に対する、有効な空室対策をいくつかご紹介します。
外装のリフォームを実行
一つ目は、外壁や屋根、雨樋など、外装の劣化部分を修繕するリフォームです。空室対策としては、コストがかなりかかることが難点になるのですが、外装の劣化を放置すると、外観イメージが悪くなるため、物件の第一印象を大きく損なうことになり、空室期間の長期化に繋がります。
外装部分が見るからに劣化しているという場合、物件検索サイト内の広告の段階で候補から外されてしまい、内見依頼すら入って来ないという状況に陥ってしまう可能性があります。逆に、外装の劣化を修繕し、見た目が良くなれば、内見に繋がりやすくなるため、非常に有効な空室対策になるのです。
外装のリフォームに関しては、外壁の汚れが目立つ、塗膜剥がれなどの劣化が見えるという場合は、外壁塗装のやり直し程度で構いません。しかし、外壁材自体に傷みが見える場合、重ね張りや張り替えなど、外壁の一新を検討する必要があるでしょう。この他、屋根や雨樋など、その他の外装部分に関しても、劣化状態に合わせて適切な対処を行うと良いです。
住宅設備の更新や内装のリフォーム
外装のリフォームが必要な戸建て賃貸の場合、内装部分も同様に劣化していると考えられます。外装をリフォームして、内見者数が増えたとしても、物件内部の劣化が目立つ場合、成約に繋がらない可能性が高いので、内装部分もきちんと直す必要があるでしょう。例えば、内装クロスの張り替えなどは、比較的低コストで、物件内部の印象を大きく向上させることができます。この他、劣化が目立つ部分は、可能な範囲で修繕しておくと良いです。
また、物件に設置されている住宅設備に関して、「古すぎる」「トレンドからズレている」という状況の場合、借り手を見つけることが難しくなるので、設備の見直しを検討しましょう。特に、風呂・キッチン・洗面台・洗濯機置き場といった水回りについて、この部分が古くて使いにくいと判断されると、内見時の印象がかなり悪くなります。したがって、空室対策のことを考えた時には、この部分のリフォームの優先度を上げる必要があると考えてください。
この他、資金に余裕がある方の場合、エアコンに関しても新型の物に交換しておくことが空室対策として有効です。今の時代、どのようなご家庭でもエアコンは必須設備となるため、付帯設備にエアコンがない物件では、入居後の負担が大きくなるため敬遠される理由になります。逆に、最初からエアコンが設置されている物件は、借り手がエアコンを購入する必要がなくなるため、他の物件よりも入居してもらいやすくなります。
駐車場を用意する
戸建て賃貸は「駐車場が欲しい」と考えている層がターゲットとなりやすいです。そのため、駐車場のない戸建て賃貸は、入居対象者の母数がかなり少なくなってしまうため、空室期間が長期化しやすくなるのです。また、駐車場のない戸建て賃貸は、マンションなどの集合住宅とも競合しなくてはならなくなるため、ライバル物件が増えてしまうことで、空室期間が長期化することがあります。
戸建て賃貸の中でも、ある程度築年数が経過した古い一軒家の場合、スペースはあるのに駐車場が設けられていないケースがあります。このような物件の場合、庭の一部を駐車場にするという方法が、空室対策として有効です。「庭を駐車場に作り替える」と聞くと、多額のコストがかかりそうに思えますが、駐車場の構造によっては意外に安く済むこともあります。道路に面して庭がある場合、植木などを解体し、地面を舗装するだけで、駐車スペースとすることができるようになるため、1台分の駐車場なら10万円前後で完成させることも可能です。カーポートなどを設置する場合、さらに費用がかかってしまうものの、ライバル物件との差別化をメインとする場合、ひとまず車を停められるスペースを用意すれば問題ありません。
駐車場のない戸建て賃貸は、家賃を下げることで空室を埋めようとするケースが多いです。しかし、駐車場を作れるだけのスペースがあるのなら、市場に出す前に駐車スペースを確保するという方法がおすすめです。
初期費用の軽減
戸建て賃貸の入居対象者は、多くの場合がファミリー層であり、一度入居してもらえると、その先10年以上に渡るなど、長期間住み続けてくれる可能性が高い点が魅力です。集合住宅の場合、数年おきに退去されるケースが多く、そのたびに原状回復をして入居者を募集することになるなど、戸建て賃貸と比較すると運営にかかるコストがかかりやすい仕組みになっているのです。
ただ、ファミリー層が物件探しを行う際は、かなり慎重に条件などを比較検討する傾向にあるため、その点に注意が必要です。ファミリー層の場合、引っ越しするにしても、荷物が大量になるため引っ越し費用なども高くなります。また、戸建てへの引っ越しに合わせて家具の買い替えなども検討するはずなので、その部分にもコストがかかってしまうと想定されるのです。
したがって、引っ越しの際にかかる初期費用を安く抑えてあげれば、入居のハードルが下がることで、自分の物件を選んでもらえる可能性が高くなります。例えば、敷金や礼金を0円にすれば、入居時の初期費用を大幅に抑えることができるようになるため、興味を持ってもらいやすくなります。この他、数か月分の家賃を無料にする「フリーレント」と呼ばれるサービスを導入するという方法も、引っ越し初期にかかるコスト負担の軽減に繋がるため、ライバル物件と比較されたときに、有利に働く可能性があるでしょう。
敷金・礼金ゼロやフリーレントの導入による空室対策は、家主さんの収入減少につながりますが、先ほど指摘したように、戸建て賃貸の場合、長期的に住み続けてもらえる可能性が高いため、家賃を下げる方法などと比較しても、負担が少なくインパクトも大きい対策と言えます。
募集要件を見直す
まだ築浅で建物の状態なども悪くないのに、なかなか借り手が見つからない…という物件は、募集要件に問題があるかもしれません。
戸建て賃貸の場合、貸主側の都合で「定期借家契約」としているケースがあります。例えば、期限が決まっている転勤のため、一時的に賃貸に出すけど、転勤が終われば自分たちが住みたいと考え、定期借家にしているというケースは少なくありません。
しかし、先ほど紹介したように、戸建て賃貸を求めている方の多くは、長期的に住むことを想定している場合が多いため、定期借家契約は敬遠するのです。定期借家契約の場合、決められた契約期間が満了すると、その家を出ていかなければならないため、借りる側にとっては将来的に余計な手間やコストがかかると考えてしまうのです。
したがって、将来的にも「自分が住む予定はない」というケースなら、定期借家ではなく、契約期間の上限が定められない一般借家契約に切り替えると良いでしょう。建物の状態が良いのに、定期借家契約が原因で借り手が見つからないというケースなら、この部分を変更すればすぐに借り手が見つかるかもしれません。
家賃を下げる
家賃の値下げは、入居者募集の面で考えると、非常に効果のある空室対策と言えます。部屋探しを行っている人にとっては、家賃は借りるかどうかを決断するための重要な要素となるため、非常に敏感になっています。物件探しを行う際は、現在の収入から支払える家賃の金額を決め、それを最優先事項として物件探しを行う人が多いです。
そのため、もともと設定していた家賃を値下げすれば、今までは入居対象となっていなかった層の人が物件を確認してくれるようになるため、借り手が見つかる可能性が高くなるのです。
ただ、家賃の値下げは、継続的な収入減少になるということを忘れてはいけません。家賃は、入居後に家主さんの一存で勝手に引き上げることは法律で禁止されているため、「入居者をつけるためだけに家賃を下げる」ということはできません。もちろん、いくつかの条件を満たすことができれば、家賃の値上げを実行することも出来ますが、その場合でも、入居者の同意が必要になるため、確実に上げられるとは言えません。
空室対策としての家賃の値下げは、あくまでも最終手段であり、基本的に「もともと設定していた家賃設定が高すぎた」というケース以外はあまりおすすめではありません。
できるだけ早く借り手を見つけたいならホームステージングがおすすめ
ここまでは、戸建て賃貸について、なかなか借り手が見つけられない物件の特徴と、長期間空室が続いている戸建て賃貸について、借り手を見つけるために有効な空室対策をご紹介しました。
戸建て賃貸は、相続した実家を賃貸に出そうと考えるなど、築年数がある程度経過した物件が多く、建物そのものの劣化や導入されている設備の古さなどが要因となって借り手が見つかりにくくなっているというケースが多いです。そのため、空室対策としては、内装・外装のリフォームや設置されている設備の更新など、空室対策にかなりのコストをかけなければならない場合が多いのです。もちろん、リフォームや設備の更新に費用をかけたとしても、それで空室が必ず埋まるわけではないという点に悩んでしまいます。
そこで、戸建て賃貸の空室対策としておすすめできる方法が、ホームステージングです。ホームステージングは、もともと中古住宅市場が盛んなアメリカで誕生した方法で、2000年代に入ってから日本国内でも取り入れられるようになっています。特に、2020年頃よりは、賃貸住宅市場で非常に効果的な空室対策とみなされるようになっていて、不動産の仲介を担う不動産会社を中心に、取り入れられるようになっています。
この方法は、空室状態の物件内を、家具やインテリア、照明や植物でコーディネートすることで、物件の内見に来た人の印象を良くするという対策になります。空室状態で物件を見ても、部屋のサイズ感などがつかみにくく、入居後の生活を具体的にイメージすることは難しいです。しかし、室内に家具やインテリア、照明などが配置されていれば、部屋のサイズ感も正確につかめるようになりますし、そこでの生活動線なども具体的にイメージすることができるようになるため、自分に合う物件なのか判断しやすくなるのです。さらに、ホームステージングは、物件のターゲットとなる方が最も良い印象を受けるようなコーディネートを施すため、内見者に「ここに住んでみたい!」と思わせることができ、早期の成約につながりやすくなるとされています。
そして、戸建て賃貸の空室対策としてホームステージングがおすすめできるのは、以下のように、さまざまなサービスを一括して依頼することができるからです。
上記は、日本ホームステージング協会が毎年実施している、ホームステージングの実態調査の中で紹介されている、2024年のホームステージングで実施された作業内容を表したグラフです。先ほど紹介したように、ホームステージングは、空室状態の部屋の中に家具やインテリアを配置することで、内見者の部屋に対する印象を良くするという対策となります。
しかし、国内でホームステージングの需要が高まるにつれ、この業界に多くの企業が参入し始め、現在では、家具を配置して室内を魅力的な空間にコーディネートするという作業以外にも、空室対策として有効な業務を請け負ってもらうことができるようになっているのです。
例えば、戸建て賃貸の場合、親が住んでいた実家を相続し賃貸に出すというケースが多いのですが、この場合、室内の片づけからスタートしなければいけません。また、貸し出すためには、家の中を綺麗に掃除しなければならないでしょう。実は、昨今のホームステージング業界では、単に家具などを配置するだけでなく、不用品の回収やハウスクリーニングなどもまとめて依頼することができるのです。他にも、長期間空き家状態だった戸建ての場合、庭木の手入れや草刈りが必要になるのですが、これについても依頼することができます。
戸建て賃貸の場合、空室を埋めるためには、さまざまな対策の実施が求められるケースがあるのですが、ホームステージング会社に依頼すれば、空室を埋めるために必要になる作業をまとめて依頼することができるようになるため、個別に業者を探すことと比較すると、手間やコストを大幅に省くことができます。つまり、ホームステージングは、戸建て賃貸の空室対策としても、コストをおさえたうえで、早期に入居者を見つけられる方法と言えます。
まとめ
今回は、戸建て賃貸の空室対策について、なかなか借り手を見つけることができない戸建て賃貸の特徴や、その状況を改善するための対策について解説しました。
記事内でご紹介したように、一軒家の賃貸物件というのは、マンションやアパートなど、集合住宅型の賃貸物件にはない魅力がたくさんあるため、常に一定の需要があるとされています。しかし、空き家の増加が社会問題化している昨今では、一軒家を賃貸に出しても、ライバル物件が多すぎてなかなか借り手を見つけることができないという状況に陥ってしまいやすくなっているとされます。
戸建て賃貸についても、借り手側は、なるべく状態の良い物件を選びたいと考えるわけなので、築年数が経過して、見るからに劣化しているという状況なら、空室状態が長期化する恐れがあると言えるでしょう。現在、一軒家を賃貸に出しているのに、借り手が決まらない状態が続いている…という状況なら、入居希望者の興味を引くような空室対策の実施が必要と考えた穂が良いです。
なお、戸建て賃貸の空室対策については、内・外装のリフォーム、設備の更新やリノベーション、契約条件の見直しなど、さまざまな手段が考えられます。そして、ホームステージング会社であれば、建物周りの空室対策をまるっと請け負ってくれる可能性があるため、一度相談してみるのも良いのではないでしょうか。