太陽光発電付きの家を売却する際の注意点!太陽光発電があれば売却額は上がる?
昨今、一般住宅に設置されることが増えている大型設備では、太陽光発電システムが人気です。2009年に住宅向けの太陽光発電を中心とした固定価格買取制度(FIT制度)が導入されたこともあり、日々の生活にかかる光熱費の削減や副収入の獲得を期待して、屋根の上に太陽光発電パネルを設置する住宅が増えています。
それでは、マイホームの売却を検討した時には、この太陽光発電設備の導入に関して、有利に働くものなのでしょうか?太陽光発電は、その他の住宅設備と比較すると、導入にかかるコストが非常に高額である、自家発電できるようになることで光熱費を大幅に削減できるなど、他の設備にはない特徴があるため「太陽光発電付きの家は高く売れるのでは?」と考える方が多いはずです。
しかし、太陽光発電付きの家の売却については、これが搭載されていない場合と比較して、売却活動が複雑になるケースもあり、逆に敬遠されてしまう可能性もあるのです。そこでこの記事では、太陽光発電付きの家を売却する時の注意点などについて解説していきます。

太陽光発電付きの家は導入されていない家よりも価値が高い?
それではまず、太陽光発電付きの住宅について、この設備が導入されていない家と比較した場合、その価値がどうなるのかについて考えてみます。
太陽光発電を導入している家の場合、屋根に設置した太陽光パネルにより、電力を自ら作り出すことができるようになることで、家庭内で使用する電気を賄えるようになるというメリットが得られます。また、発電した電力が余った時には、電力会社で高値で買い取ってもらうことができるため、そこに住んでいるだけの状態で副収入が得られる可能性があるのです。もちろん、発電量が足らない場合は、電力会社から買電する必要があるものの、自家発電分で大半の電力を賄えているはずなので、月々の電気代は大幅に安くなると思います。
それでは、太陽光発電など、再エネ設備が設置されている家を売却することになった場合、通常の住宅と比較して価格が高くなるものなのでしょうか?
太陽光発電設備の設置から10年未満なら高評価を受ける
一戸建て住宅に設置される住宅用太陽光発電については、メーカーによるシステム保証が10~15年程度に設定されているケースがほとんどです。太陽光パネルそのものの寿命は、20年以上持つとされていますが、システムを稼働させるためにさまざまな電気部品が使用されているため、それらの総合的な寿命として、保証期間が10~15年程度に設定されるのです。
したがって、太陽光発電付きの家の売却では、設備の設置から「10年未満であるのか?」が一つの目安になるとされています。設置から10年未満の比較的新しい設備の場合、メンテナンス面や機器の不具合などにさほど心配がないため、良好な状態の再エネ設備として家の購入希望者に強くアピールすることができるのです。
特に、太陽光発電設備の固定価格買取制度(FIT)の期間が残っている設備に関しては、対象となる家を購入した人も設備設置当初に契約した売電価格を維持することができます。2019年11月以降、卒FITを迎えて売電価格が下落している物件が増えているものの、設置から10年を経過していない住宅の場合は、FIT期間が残っているため、家の購入を考えている人にとっても「高値で売電できる!」というメリットが残るのです。
つまり、太陽光発電付き住宅の売却については、設置から10年未満で、高値での売電が可能な状態であれば、家の査定価格が高くなる可能性があると言えます。
10年以上を経過した物件でもアピールポイントにはなる
太陽光発電を設置してから10年以上が経過しているという場合、FITが適用されなくなっているため、売電可能な価格がかなり下がってしまいます。そのため、10年以上経過した太陽光発電がある住宅は売れにくくなると考えるかもしれません。しかし、太陽光発電設備の設置目的は「高値で売電する」ということだけではないため、機器の状態に問題がなければ物件売却時のアピールポイントとして利用することが可能です。
まず、売電部分については、FIT期間が終了したからと言って「買い取ってもらえなくなる」というわけではありません。電力会社との契約を継続すれば、売電価格は下がるものの、継続的に余剰電力を買い取ってもらうことができるため、日々の生活にかかる光熱費の軽減は可能なのです。
さらに、太陽光発電設備は、太陽光を電力に変換する設備なので、機器が通常の動作をしていれば、毎日の生活に使用する電気を自家発電した電力で賄うことができるようになるのです。そのため、電力会社からの買電量が少なくなり、光熱費の大幅な削減が実現できるのです。昨今では、電気代の高騰が社会問題化していますし、太陽光発電付きの中古住宅は、そういった影響を受けにくい家としてアピールすることができるようになります。さらに、地震や台風などの災害が多い国である日本では、万一、停電が発生した時も、自家発電した電力で日常生活を維持できるという点が大きな魅力になります。家庭用蓄電池も同時に設置している住宅の場合、災害によってライフラインがストップしたとしても、電力に関しては通常通りの生活を維持できるため、家族の安全を守ることができるのです。
つまり、設置から10年以上が経過した太陽光発電でも、設備の状態が良好なのであれば、購入に際しても魅力的に感じてもらえる可能性があります。もちろん、古くなった太陽光発電には、いくつか注意しなければならないデメリットもあるので、その辺りは後述します。
買主からみた太陽光発電付き住宅のメリット・デメリット
前項でご紹介した通り、太陽光発電付きの住宅は、機器の状態さえよければ買主にとっても魅力的な設備と感じます。それではここから、実際に中古住宅の購入を考えている人にとって、通常の物件と比較した場合の太陽光発電付き住宅のメリット・デメリットをご紹介します。
太陽光発電付き住宅のメリット
まずは、太陽光発電付き住宅のメリット面からです。太陽光発電設備が導入されている住宅は、買主にとって以下のような点がメリットになります。
■売電収入が期待できる
一つ目は、屋根などに設置している太陽光発電設備で作った電気を、電力会社に買い取ってもらうことができ、売電収入が得られるという点です。太陽光発電設備など、再エネ設備を導入する時には、「FIT制度」と呼ばれる固定価格買取制度の恩恵を受けることができます。
FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度なのですが、設備の設置から10年間は最初に設定した固定価格で余剰電力を買い取ってもらえるのです。この10年間の間は、買取単価も高く、売電による収入で太陽光発電設備の設置費用を取り戻すことが想定されています。
例えば、2018年に太陽光発電を設置した住宅の場合、2028年までは一定の価格で電力を買い取ってもらえることが保証されています。そのため、このFIT期間が残っている発電設備が住宅に備わっている場合は、「売電による副収入が得られる」と大きなメリットに感じられるわけです。
■光熱費削減効果が期待できる
太陽光発電設備は、売電収入のみがメリットではありません。たとえ、売電期間が終了したとしても、自家発電した電力で日々の生活を送ることができるようになれば、電力会社からの買電量が少なくなり、電気代をおさえることができるようになるのです。
最近では、テレワークなどの働き方が一般化しており、昼間でも自宅で活動しているという人が増えています。この場合、日中に使用する電力を全て自家発電した電気で賄うことができるようになり、月々の電気代を大幅に削減できると期待できます。世界情勢の複雑化などを背景に、電気代の高騰が続いている昨今では、買電量が減らせるという太陽光発電は、非常に魅力的な設備とみなされるようになっています。
ちなみに、太陽光発電は、日射を電力に変換する設備なので、夜間や悪天候時は発電することができません。つまり、太陽光発電のみの運用の場合、電力会社からの買電量を0にすることはできないと考えた方が良いです。ただ、太陽光発電に組み合わせる形で家庭用蓄電池を導入すれば、昼間に発電した電気の内、余剰分を蓄電して、それを夜間に使用するというサイクルを作ることができ、家庭で使用する電力を全て自家発電で賄うことも不可能ではなくなっています。
■災害対策ができる
自家発電設備や蓄電設備は、災害の発生件数が多い日本では、コスト的なメリットを重視するのではなく、「リスクに備える」という目的で導入する人が増えています。
先程紹介したように、太陽光発電があれば、災害による停電が発生した時でも、自家発電した電力で生活を維持することができます。蓄電池も併用すれば、電力会社からの電力供給がストップしたとしても、自宅だけは普段通りの生活を維持できる可能性が高くなるのです。
日本は、地震や台風などによる被害が非常に多い国として有名で、災害の規模によっては1カ月以上もライフラインがストップしてしまうケースも珍しくありません。このような場合、再エネ設備と蓄電設備を備えていれば、家族の安全と健康を守ることができるようになるというメリットが得られるのです。
太陽光発電付き住宅のデメリット
上記のようなメリットがある一方、注意しなければならないデメリット面もあります。買主にとって、太陽光発電付き住宅でも、以下のような条件を満たす場合、お荷物設備という扱いになるため、家を売りに出す前に撤去して処分したほうが良いかもしれません。
■FIT期間が終了していれば売電によるメリットはほとんどない
太陽光発電で作った電気は、FIT期間が終了していたとしても売電すること自体は可能です。しかし、FIT期間終了後の売電価格は、かなり安くなってしまい、売電するよりも自家消費の方がお得になるという状況に陥るのです。FIT期間終了後の売電価格は、買電するときの単価よりも安くなるので、「売れるけど、売るメリットはない」という状況に陥ります。
しかし、売電価格が安くなるとは言え、使い切れなかった電力は家庭用蓄電池を導入しなければ、自宅で活用することができません。そのため、もともと蓄電池も一緒に設置されていなかった中古住宅を購入した場合、自己負担で蓄電池を導入しなくてはならないのです。夜間に使用する電力を溜められるレベルの蓄電池となると、本体と施工費を合わせて最低でも100万円前後はします。つまり、太陽光発電付き住宅のメリットを生かそうと思うと、後から多額の費用をかけなければならない可能性があるのです。もちろん、蓄電池を導入して、買電量を減らせば、月々の電気代を削減することが可能です。しかし、かけたコストを取り戻すには、最低でも8~10年程度はかかるとされているため、負担の方が大きく感じる方が多いのです。
このように、FIT期間が終了している太陽光発電については、その取扱いが難しいということから、デメリットに感じる買主が多いです。
■メンテナンスに手間と費用が掛かる
太陽光発電を導入すれば、良好な状態を維持するためにも、定期的なメンテナンスが必要です。自分の意思で設備を導入していれば、「当たり前のこと」と認識できますが、購入した住宅に最初から備わっていた設備となると、このメンテナンスの手間や費用を大きなデメリットと感じる人がいるのです。
太陽光発電は、表面の汚れなどによって発電効率が落ちたりしますし、台風などの災害で破損することも考えられます。そのため、設備の性能を維持するためには、専門業者に依頼して定期的なメンテナンスを受けなければならないのです。住宅用太陽光発電の場合、1回あたりのメンテナンスで2〜5万円かかるのが相場で、パネルの寿命となる30年間利用することを考えると、その間にかかるメンテナンス費は約40〜60万円(パワコンの交換を含めて)とされています。
売電収入や電気代削減効果のことを考えると、そこまで高額とは言えませんが、自分の意思で導入した設備ではないという点から、このメンテナンス面に関してデメリットに感じる人が多いです。
■災害による被害リスクが高くなる
太陽光発電は、災害による停電が発生した時、その備えになることがメリットになると紹介しました。しかしその一方、太陽光発電を設置していることにより、災害時に被災するリスクが高くなると考える人もいるのです。
例えば、太陽光発電は屋根の上に設置する設備であるため、屋根重量が重くなってしまい、地震の際に建物の倒壊リスクが高くなります。また、高所に設置される設備で、強風の影響を受けやすくなるという特徴があり、台風の際にはパネルが飛ばされて広範囲に被害をもたらせてしまう恐れも生じてしまうのです。
もちろん、災害にも耐えられるよう、しっかりと強度試験などが実施されていますが、設置から時間が経過すれば経年劣化による破損のリスクはどうしても高くなります。そのため、中古住宅に設置されている太陽光発電の場合、「古いし危険なのではないか?」と、悪印象を持たれてしまう可能性があることを忘れてはいけません。特に、昨今では、台風の大型化が指摘されているため、強風の影響が無視できなくなっています。
■住宅購入時の手続きが面倒になる
太陽光発電付き住宅は、通常の住宅と比較すると、購入時の契約手続きに関する面倒事が増えてしまいます。
太陽光発電付き住宅の売却に関する書類手続きの詳細は後述しますが、各種名義変更や補助金の取り扱いなど、通常の家の売却では必要のない手続きや書類の準備が必要になるため、この点を嫌がる人は多いです。
太陽光付き住宅の売却で必要になる手続き
上述したように、太陽光発電付きの住宅を売却する際には、通常の家の売却では必要のない手続きをしなければならないケースも多いです。そこでここでは、太陽光発電を導入している方がマイホームの売却を考えた時、注意しておかなければならない、手続きや書類の提出について解説します。
法的手続きと必要書類の整備について
太陽光発電付きの住宅を売却する場合、通常の不動産売却に加えて、太陽光発電設備に関する特別な法的手続きと書類が必要になるケースがあるので、以下の点を確認しましょう。
- 売電契約について
電力会社と売電契約がある場合、その契約を新しい所有者に譲渡する必要があります。この手続きでは、特定の書類の提出が求められるほか、電力会社ごとに手続き方法が変わるため、担当者に確認してみましょう。 - 設備の評価書について
太陽光発電の状態を証明するため、評価書や診断書を求められることがあります。これは、買主側が設備の状態を正確に把握し、適切な価格での取引を実現するために必要とされます。 - 所有権移転登記について
不動産の所有権移転登記はもちろん必要ですが、場合によって、太陽光発電設備についても、その所有権の明確化が必要になるケースがあります。 - 地方自治体の許可や届け出について
地方自治体によっては、太陽光発電設備の設置や売却に際して、特別な許可や届出が求められる場合があります。 - 保証の有効性について
太陽光発電設備は、長期的な保証があるはずです。しかし、この保証については、家の売却で他の人に所有権が移転することになると切れてしまうことがあるのです。保証の取り扱いについては、設置業者などに確認し、保証を引き継ぐために必要な手続きがあれば、実行しましょう。 - 補助金について
「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」を活用して太陽光発電を設置していた場合、17年が経過していない状態で家ごと売却するには、事前に「財産処分承認申請」の手続きが必要です。この手続きの際には、補助金の一部返還などが必要になるケースもあるので注意が必要です。自治体の補助金を利用した場合も、何か特別な手続きが必要になるケースがあるので、窓口などに確認しておきましょう。 - ローンやファイナンスについて
太陽光発電の導入には、ローンやファイナンスが使われている場合が多いと思います。そのため、残債がある場合は、残財務の処理方法などを確認し、家の売却手続きに適切に組み入れる必要があります。
上記のように、太陽光発電付きの住宅を売却する際は、通常の住宅の売却手続きでは必要のない作業を行わなければならないケースが考えられます。もちろん、上で紹介した手続きをすべて進めなければならないわけではありませんが、どんな手続きが必要で書類は何を用意しなければならないのか、事前に確認しておかないと、いざという時に困ってしまう可能性があります。
法的手続きは複雑なため、何から手を付けて良いのか分からないという方も多いと思うので、不動産取引専門家や法律アドバイザーの協力を得ることを推奨します。
太陽光発電付き住宅を高く売るための検討項目について
それでは最後に、太陽光発電付きの住宅を売却する際、可能な限り高値での売却を目指すためにもおさえておきたいポイントをご紹介します。ここでは、「そもそも太陽光発電の取り扱いをどうすれば良いのか?」や物件そのものの評価を高めるための対策について解説します。
太陽光発電設備の取り扱いについて
太陽光発電設備は、住宅設備の中でも最も高額な部類に入ります。太陽光発電があれば、売電収入が得られたり、日々の光熱費を削減できたりするため、この設備がある住宅は通常の物件よりも高く売れると考える方が多いはずです。
しかし、ここまでの解説で分かるように、単に「太陽光発電が付いている」というだけで高値売却を目指すことは難しいのです。それどころか、太陽光発電設備があることを嫌われ、売却に苦戦する可能性すらあるのです。ここでは、太陽光発電付きの家を売却する際、その太陽光発電設備をどのように扱うべきか決めるためのポイントをご紹介します。
■太陽光発電設備が有利に働くケース
まずは、太陽光発電設備があることで、家の売却交渉が有利に進む、もしくは高値売却に設備が寄与してくれるケースからご紹介します。以下のような状況なら、太陽光発電設備がメリットとみなされる可能性が高いです。つまり、設備はそのまま残した状態で売却活動を進めれば良いです。
- FIT期間が残っている設備
高値での売電期間がそれなりに長く残っている場合、買主にとっては「副収入が得られる物件」となるため、非常に魅力的な選択肢になります。したがって、太陽光発電の設置から5年も経過していないという物件の場合は、設備をそのまま残して「副収入付き物件」として売りに出すと良いです。例えば、1年間の売電収入が20万円ある状態で、5年間のFIT期間が残っている場合、「100万円の収入付き」の物件となります。そのため、市場相場が3000万円程度の物件でも、50~80万円上乗せした売却価格を付けても売れる可能性があります。 - 家庭用蓄電池も導入されている
売電期間が残り短い、または残っていない物件でも、家庭用蓄電池も一緒に導入されているという条件の場合、太陽光発電が非常に魅力的な設備になります。FIT期間が終わると、売電単価が一気に下落するため、発電した電力は自家消費しなければいけません。しかし、蓄電池が無ければ、余剰電力を貯めることができないため、売電するほか手段がないのです。その逆に、蓄電池も一緒に設置している住宅の場合、夜間に使用する電気も自家発電で賄うことができるようになり、日々の生活にかかる電気代が大幅に安くなると期待できます。家の購入を考えている人にとっても、その物件を購入すれば、光熱費が削減できるというメリットが得られるので、通常の物件よりも興味を引くはずです。太陽光発電+蓄電池という体制は、年間で約10〜15万円以上の電気代削減が見込めるケースが多いとされています。設備の平均的な寿命である20年間で換算すると、200~300万円もの経済効果が得られる計算になるので、家の売却価格も数十~100万円程度高くしても買い手を見つけられる可能性があるでしょう。
太陽光発電付き住宅でも、上記のように、太陽光発電の設置からまだ間もないという条件や、家庭用蓄電池を併用しているという条件の場合、「太陽光発電設備が付いている」ということが大きな魅力になるはずです。
■太陽光発電設備の撤去を検討すべきケース
逆に、太陽光発電設備が、家の売却のリスクになるケースもあります。以下のような条件の場合は、事前に太陽光発電設備を撤去したうえで、売却活動を進めた方が良いかもしれません。
- 売電期間が短い
固定価格での売電期間が短い設備の場合、蓄電池の導入などが無ければ、家の買主にとっては設備の存在が大きなメリットにならない可能性があります。もちろん、多少の売電収入は得られるのですが、住宅購入後の設備のメンテナンスにかかる費用や、売電期間終了後に蓄電池を実費で購入することを考えると「ない方が良いのでは?」と考えられてしまうケースがあるのです。太陽光発電は、年々普及率が高まっているものの、戸建て住宅では2025年において10%程度の普及にとどまっています。つまり、「住宅には必ずほしい」とまでは思われていない設備なので、売電期間という明確なメリットがない場合は、将来的な処分やメンテナンス費などのデメリットに着目される可能性が高いと考えましょう。 - 家庭用蓄電池がない
家庭用蓄電池が併用されていないという状態であれば、FIT期間終了後の余剰電力の効率的な扱いができないことを意味します。住宅購入者が後から蓄電池を設置すれば良いのですが、蓄電池はまだまだ高額な設備なので、再エネ設備によほどの好印象を持っているという方以外は、負担の大きさを心配してしまいます。したがって、FIT期間が終了間近、もしくは終了しているという太陽光発電の場合、蓄電池がないのであれば、撤去したほうが売れやすくなるかもしれないと言えます。 - 設備が古い
太陽光発電設備について、設置から20年近く経過しているなど、設備が古いという場合、事前に撤去したほうが良いでしょう。太陽光発電は、設置から年数が経過していくことで発電効率が悪くなります。また、各部品が劣化している可能性が高いため、いつ故障するか分かりません。そのため、家の購入者から見ると、「すぐに撤去が必要になるかもしれない」など、メリットよりもリスクの方が大きな設備になるのです。経年劣化が進んだ設備の場合、災害時のリスクも大きくなりますし、修理にお金がかかる可能性が高いと考えられるので、物件そのものが敬遠される理由になる可能性があります。
上記のような状態であれば、太陽光発電設備は残さず、事前に撤去したうえで売却活動を進めるべきかもしれません。
太陽光発電付き住宅の売却にもホームステージングがおすすめ
ここまでの解説で、太陽光発電付き住宅の売却で、注意したいポイントなどについてある程度分かっていただけたと思います。太陽光発電付き住宅は、売電期間がある程度残っている、蓄電池も設置されているという条件の場合、買主にとって非常に魅力的な条件となるため、市場相場よりも高値で売却できる可能性が出てきます。売電収入については、「副収入付き物件」という扱いが出来るようになりますし、蓄電池が併用できる条件なら「光熱費の大幅な削減」や「災害対策が万全」というイメージを与えることができるため、通常の物件よりも評価してもらえる可能性があるのです。
そして、太陽光発電付き住宅をより高値で売却したいと考えた時には、ホームステージングの実施が非常におすすめできます。ホームステージングは、売却や賃貸を予定している物件を、家具やインテリア、照明などで演出を加えることで、内覧時の印象を最大化して早期かつ高値での売却を目指すという手法となります。中古住宅の早期売却や高値売却を後押ししてくれる方法として、昨今の中古住宅市場では大注目の販促手法です。
ただ、ホームステージングは、室内を新築のモデルルームのように演出して内覧時の印象を良くする方法なので「太陽光発電の有無は関係ないのではないか?」と考える人がいるかもしれません。この点については、ホームステージングの実施の流れを理解すれば、この対策がなぜ有効なのかが良く分かります。専門業者にホームステージングを依頼すると、以下のような流れで対策が進みます。
- STEP1 購入ターゲットを明確化する
- STEP2 物件内の清掃、整理整頓する
- STEP3 ターゲットに合わせて室内の演出方法を決める
- STEP4 家具やインテリアを配置していく
- STEP5 内覧を受け付ける
上記のように、ホームステージングは、購入ターゲットをしっかりと明確化し、その購入層に合わせたテーマを決めたうえで、室内の演出を施していくという手法です。家の購入を検討している方で、太陽光発電付き物件に興味を持つ層は、以下のような層と考えられます。
- 環境意識が高い
- 昼間も在宅している家族がいるファミリー層
- 自宅で仕事をするDINKs(ディンクス) など
太陽光発電付き物件は、購入候補となるターゲット層が比較的わかりやすいため、「どのような演出を施せば内覧時の印象を高められるのか?」も想定しやすくなります。そのため、実際に物件を売りに出す時、ホームステージングを施しておけば、内覧時の印象を最大化することができるうえに、「副収入が得られる物件です」「光熱費が大幅に削減できます」と言ったメリットを提示することができるようになるのです。
当然、「ここに住んでみたい!」と思わせることができるような空間づくりができているうえ、住んでからの具体的なメリットを提示できるのであれば、通常よりも早期かつ高値での売却が期待できるようになるでしょう。
まとめ
今回は、太陽光発電付き住宅の売却について、設備が導入されていることのメリットや実際の売却活動で注意しなければならないポイントをご紹介しました。
記事内でご紹介した通り、太陽光発電設備は、高値での売電期間が残っている、蓄電池が併用されているという条件下では、買主にとって非常に魅力的な設備となります。購入した物件に住んでいるだけで副収入が得られる、太陽光発電や蓄電池が正常に稼働している間は、光熱費が大幅に削減できると考えられるため、この設備がない物件と比較すると、メリットのある中古住宅だとみなしてもらえるのです。もちろん、太陽光発電設備の状態によっては、家が売れない理由になることもあるので、物件を売りに出す前に設備をどうすれば良いのか、不動産会社の担当者とよく損段するようにしましょう。
なお、太陽光発電付き住宅の売却で、より高値で早期の売却を期待しているという場合、ホームステージングの実施が非常におすすめです。太陽光発電がメリットになるような物件の場合、購入のターゲット層が比較的絞り込まれているので、その方たちが内覧した時の印象を最大化するための対策も比較的容易に実施できるからです。太陽光発電付き住宅の売却を進める場合は、ぜひホームステージングの導入も検討しましょう。