古い家を売るには?リフォームや解体して売りに出すのが正解?
放置空き家問題が全国的に社会問題化している昨今、売りたくても売れない古い家を抱えることになり、頭を悩まされているという方が増加しています。
核家族化が進む日本では、子供のころに住んでいた実家から離れた場所にマイホームを購入して住んでいるという方が多くなっているのですが、この場合、親が住んでいた実家を相続することになった時には、築年数がかなり経過した不動産を所有することになり、「売りたくても買い手がつかない…」という問題に直面してしまうのです。
日本でも、中古住宅の流通量が年々増えていると言われていますが、それでも築年数が経過した古い家は、売りに出したとしてもそう簡単に買い手を見つけられるような状況とは言えません。家の購入は、ほとんどの方が「長く住む」ということを想定しているため、築年数が経過した古い家の場合、価格が安くても劣化が進んでいて「すぐにダメになるのではないか?」と不安視する方が多いのです。そのため、実家を相続して売却を検討している方の中には「古い家である」ということが売却を難しくしていると考え、売りに出す前にリフォームや解体を検討するという方が多いです。
しかし実は、古い家の売却では、事前の解体やリフォームは、売却準備に費用が掛かりすぎてしまい、売却しても損になってしまう恐れがあるのです。そこでこの記事では、古い家の売却について、主な方法と事前にリフォームや解体するという選択のメリット・デメリット、そのままの状態で売りに出す時に注意点などについて解説します。

古い家を売却するための代表的な方法について
中古住宅の売却においては、家の状態が非常に重要になります。そして、家の状態を判断するための一つの指標とされる条件が築年数なのです。
築年数がある程度経過している物件の場合、「耐震性は問題ないのか?」「雨漏りしているのではないか?」「シロアリ被害は発生していないのか?」など、建物そのものの状態が不安視されてしまうことになり、売りに出したとしてもなかなか買い手を見つけられない…という状況に陥りやすくなります。
そこで、築20年以上経過しているなど、古い家を売りに出す際には、築年数が浅い中古物件とは異なる対策が必要になるのです。例えば、以下のような方法が採用されるケースが多いです。
方法① 解体して土地として売る
一つ目の方法は、建物を解体して「土地」として売りに出すという方法です。更地にしてしまえば、「築年数が古い」というデメリットを完全に解消することができますし、購入者にとっても土地を自由に活用することができるようになるというメリットが得られます。
特に、家探しをしている方の中でも、中古住宅の再利用ではなく、注文住宅の新築などを希望する層にとっては、購入後に建物の取り壊しに時間や費用をかけなくて済むため、古い家が残っている不動産よりも手を出しやすくなります。
築年数が古い建物がなくなった場合、「雨漏りするのでは?」「シロアリ被害は?」「耐震性に問題はないのか?」などといった、古い家特有の問題点が全て解消することができるため、立地さえよければスムーズに買い手を見つけられる可能性が高くなります。
問題点としては、解体工事にそれなりの費用が掛かってしまう、一度解体してしまうと元に戻すことができないため「中古住宅を探している」という層が顧客対象から外れてしまうということがあり、この点には注意が必要です。
方法② リフォームしてから売る
二つ目の方法としては、売りに出す前にリフォームを実施することで、悪くなった部分を修繕して、購入希望者の不安を解消するという対策になります。
古い物件でも、きちんとリフォームやリノベーションを実施することで、物件の魅力を引き出すことができるようになり、高値での売却が期待できるケースがあります。中古住宅の購入を検討している方のほとんどは、購入後にリフォームすることを前提に考えているのですが、売主側が事前にリフォームを実施しておけば、購入後はすぐに住めるようになるため、買い手側にとってもメリットになるのです。購入後に、リフォームや修繕のため、さらにコストをかける必要がないため、家の入手に最大限予算を使えると考え、多少高くても購入するという判断をしてもらえる可能性があります。
ただ、他の記事でもご紹介していますが、中古物件の売却では、事前のリフォームが「売れない」要因になることもあるので、その点は注意しましょう。中古住宅に対するリフォームは、購入者が自分の希望に沿って行いたいと考えている場合が多いため、売主手動でリフォームを実施すると、トレンドから外れてしまい、不人気な物件になることがあるのです。また、リフォームにかけた費用を売却額に上乗せすることが出来なくて、損をする可能性もあります。
方法③ そのままの状態で売る
3つの方法は、リフォームや解体などを実施せず、古い家のままの状態で売りに出すという方法です。築年数が経過した物件は、「古い」という理由で絶対に売れないのかというとそういうわけではありません。
普段から、小まめな修繕や管理を実施していて、築年数の割に良好な状態を維持できているという物件の場合、「安くマイホームが手に入る」というメリットが生まれるため、そのままの状態で売りに出したとしても、普通に買い手を見つけられる可能性があるのです。もちろん、雨漏りや外壁塗装の状態が悪い物件であっても、立地条件が良い場合「購入後にリフォームすれば良い」と判断して購入してもらえる可能性があります。
この他、最近では、日本の伝統的な技法で建てられた古い家の場合、「趣のある古民家」であるなど、その古さが価値としてみなされて買い手を見つけられることもあるのです。もちろん、このようなケースは特殊な事例ではあるものの、「古い家=売れない」と安易に考えず、そのままの状態でも買い手が見つけられそうかどうかを不動産会社に相談してみましょう。
方法④ 買取サービスを利用する
4つ目の方法は、不動産買取業者に買い取ってもらうという手法です。
実は、中古住宅の売却方法は、仲介と買取の2種類があります。一般的な売却手法は「仲介」であるため、中には家の買取を専門的に実施している業者があることを知らない人もいるかもしれません。しかし、不動産市場には、中古住宅を再販して利益を出すという業態の不動産買取業者というものがあり、こういった業者に相談すれば、築年数がかなり経過した古い家でも素早く売却することができる可能性があるのです。
仲介は、購入した物件に住むことを想定している「買主」を不動産会社に探してもらうという取引手法です。そのため、古い家の場合「長く住めないのではないか?」などと考えられ、購入希望者に避けられやすく売却に苦戦する可能性が高くなるのです。一方、不動産買取は、そこに住む人を探すのではなく、不動産会社に直接物件を買い取ってもらうという手法になります。不動産会社側は、買取した物件にリフォームやリノベーションを施し、高値で再販することを目的としていて、家の買取は「仕入れ」という扱いになるのです。そのため、購入後に何らかの対処をすれば「再販が可能」と考える物件であれば、築年数の古さや物件の状態に関係なく、買取してもらうことができるのです。
不動産買取の場合、仲介手数料が不要となる、短期間で売却できる可能性がある、売却後の契約不適合責任を問われないなど、さまざまなメリットがあるため、古い家の売却では重宝される手法となっています。しかし、不動産買取業者は、あくまでも再販するための「仕入れ」を目的に不動産を購入しています。つまり、最終的に、相場前後の価格で再販するためには、それよりもかなり安く買取する必要があるのです。つまり、古い家の売主にとっては、相場よりもかなり安い価格で売却しなければならなくなる点に注意が必要です。一般的には、買取の場合は市場相場の5~8割程度の価格しかつかないとされています。
古い家でもそのまま売るのがおすすめ!リフォームや解体せずに売るメリット
ここまでは、古い家を売却するための代表的な方法について解説しました。古い家の売却では、「建物の状態が悪い」ということを理由に買い手側に敬遠されると考える人が多いため、事前のリフォームや解体して土地として売却したほうが良いのではないかと考える人が多いです。例えば、雨漏りしている物件やシロアリ被害がある物件の場合、そのまま売りに出したとしても、長く住めない可能性があると考えられ、売却活動に苦戦するのではないかと不安に感じるはずです。
ただ、中古住宅の売却においては、築年数がある程度経過した古い家であっても、リフォームや解体などせずに、そのままの状態で売りに出す方が良いと言われているのです。そこでここでは、リフォームや解体を実施せず、そのままの状態で売却する場合のメリットとデメリットをご紹介します。
解体せずに売却を目指す場合のメリット・デメリット
まずは、古い家を解体などせず、そのまま残した状態で売却を目指す際のメリットとデメリットです。この場合、「古家付き土地」か「中古住宅」として売りに出すという2種類の方法があります。
「古家付き土地」とは、その言葉通り「古い家が建っている土地」として物件を売りにだという方法です。この場合、土地に建っている建物に関しては、その価値が「ゼロ(もしくはほぼゼロ)」として扱い、土地として売りに出すことになります。もちろん、購入した物件を、その後どう扱うかは買主側の自由で、古い家にそのまま住むという選択をする場合も多いです。ただ、この場合は、購入後に建物を解体して、新築住宅を建築する目的というケースが多いでしょう。土地に建物が残っている状態だと、土地の活用方法などがイメージしやすくなるため、土地探しをしている方の中には「古い家でも残しておいてほしい」と考えている層の方が意外に多いです。
一方、中古住宅として売却を目指すというケースは、一般的な家の売却と同じく、建物としての価値も含めて売りに出すという形です。築年数が経過していても、きちんとメンテナンスがされ、状態が良い物件の場合は、購入後にそのまま住み続けることができるので、中古住宅として売りに出せば良いです。
築年数が経過した物件でも、その古い家をどのような方法で売りに出すのかは売主の自由です。家の状態などを見極めながら、最も良い条件で売却できる方法を不動産会社などと相談しながら決めれば良いのです。それでは、解体せずにそのまま売りに出す場合のメリットとデメリットについても簡単にご紹介します。
■解体せずに売りに出すメリット
まずは、解体せずに古い家を残したまま売りに出す場合のメリットからです。この場合のメリットは以下の通りです。
- 解体に費用をかけなくて済む
- 固定資産税のアップを防げる
最も大きなメリットは、解体費用をかけなくて済むという点です。家を売りに出すため、事前に建物を解体する場合、木造の場合で「1坪当たり4~5万円」程度の費用がかかります。仮に、30坪の家を解体することを想定すると、家を売りに出すためだけに120~150万円程度の費用をかけなければならないのです。さらに、もともと親世代が住んでいたという家の場合、不要な荷物の撤去なども必要になり、不用品の処分に数十万円単位の費用が掛かってしまいます。解体せずにそのまま売りに出すという選択の場合、この費用を節約できるので、大きなメリットになるでしょう。
また、コスト的なメリットで言うと、建物が残っている状態であれば、固定資産税の特例措置をそのまま残した状態で売却活動が行えるという点も利点です。建物を解体すると、固定資産税の「住宅用地の特例」から外れてしまうことになるため、税額が最大で6倍にまで跳ね上がるのです。解体すればすぐに買い手が見つかるというわけではないため、土地として売りに出し、売却活動に苦戦すると、その間はずっと高い状態の固定資産税を支払わなくてはならなくなります。建物をそのままの状態にすれば、住宅用地の特例が受けられるので、固定資産税のアップを防げます。
先程紹介した通り、古い家でも需要が一切ないというわけではなく、「安く家を買いたい」「古民家に住みたい」など、世の中には古い家をターゲットに物件を探している人もいるのです。また、注文住宅を建てようと考えている方の中には、「古家付き」の方が、土地活用をイメージしやすいと考え、建物が残った土地を探している方もいます。つまり、古い家の売却は、解体しなくても買い手を見つけられる可能性が十分にあるということで、解体せずに売りに出せばコスト的なメリットを受けられます。
■解体せずに売りに出すデメリット
上記のようなメリットがある一方、解体せずにそのままの状態で家を売る場合、以下のようなデメリットがあります。
- 土地を中心に探している人への訴求力が落ちる
- 家を管理しなければならない
解体せずにそのままの状態で売却を目指す場合、土地探しを中心にしている人に対しては、訴求力が落ちてしまうという点がデメリットになるかもしれません。土地探しをしている方にも、「古家付き土地」として売りに出せば候補に入れてもらうことができます。しかしこの場合、「購入後に建物の解体費が必要になる…」「古家があるせいで新築のイメージがつけにくい」などという理由で買い手に避けられてしまう可能性があるのです。また、古家を解体する前提で土地を購入したいという方からは、解体費用分を値下げしてほしいなどという要望が出るケースも多いです。
この他、建物を残す場合には、買い手が見つかるまで「良好な状態」を維持するための小まめな管理が必要になるという点もデメリットになるでしょう。特に、相続した実家の売却などの場合、人が誰も住んでいないという状況なので、管理を行わずに放置していると、急速に家が傷んでしまいます。お庭なども、雑草が繁殖してしまうことになり、内覧時の印象を大きく下げてしまう可能性が出てくるでしょう。したがって、解体せずに建物を残して売りに出す時には、定期的に物件に足を運び、清掃や換気、お庭のお手入れなど、管理に手間をかけなければならないと考えてください。この場合、管理のために時間も費用もかかる点がデメリットになるでしょう。
リフォームせずに売却を目指す場合のメリット・デメリット
次は、古い家の売却におけるリフォームの取り扱いについてです。この点についても、事前にリフォームなどをせず、そのままの状態で売りに出す場合のメリットとデメリットを紹介します。ちなみに、中古物件の売却におけるリフォームの取り扱いについては、以前、別の記事で詳しく解説しているので、以下の記事も併せて確認してください。
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■リフォームせずに売りに出すメリット
リフォームをせずにそのままの状態で売りに出すという手法には、以下のようなメリットがあります。
- リフォーム費用をかけなくて済む
- 購入後にリフォームを想定している人の需要にマッチする
リフォームのメリットについては、リフォームせずに売りに出すという方法を選べば、事前対策にかかる費用を抑えることができるため、売却できた際の収益を増やすことができる点です。リフォーム費用は、どの部分に対策を施すのかによって変わりますが、古い家のリフォームの場合は最低でも100万円以上のコストを想定しておく必要があります。フルリフォームを施すことになると、1,000万円を優に超える費用がかかるケースもあり、売主にとっては大きな負担になるのです。さらに、中古住宅の売却では「リフォームすれば売れるのか?」というと、必ずしもリフォームが有利に働くわけではありません。また、リフォームに費用をかけたとしても、市場相場以上の価格で売れる可能性は限りなく低いため、売主にとっては損になる可能性が高いのです。
また、中古住宅の買主の多くは、購入後の物件のリフォームを想定してはいるものの、あくまでも「自分の意思で、自分の好みの家になるように」リフォームしたいと考えているのです。そのため、売却活動前に、売主手動でリフォームを実施した場合、買主側の需要から逆に外れてしまうことで、買い手の幅が狭まってしまう可能性が出てくるのです。家に求める条件は、人それぞれ異なるため、「良かれ」と思って実行した対策が、「売れない理由」になってしまう可能性があるということを忘れてはいけません。
リフォームせずに売りに出せば、購入者が後から「リフォームを実施する」余地を残すことができるので、リフォーム前提で中古住宅の購入を検討している方の多くが購入対象者の範囲に入ります。この点は大きなメリットになるでしょう。
■リフォームせずに売りに出すメリット
もちろん、リフォームせずにそのままの状態で売りに出すという方法にも、デメリットがあります。例えば、以下のような点に注意しなければならないでしょう。
- 劣化や設備の古さで売却活動に苦戦しやすい
- 売却価格が安くなりやすい
古い家をそのままの状態で売りに出すという場合のデメリットは、売却活動に苦戦する可能性が高くなる点です。家を売却する時の流れでは、購入希望者が実際の物件の状態を確認するための「内覧」が必ず挟まれます。そしてこの際には、設備の古さや建物の損傷状況をそのまま見せることになるため、「長く住めないのではないか?」「住めるようにするためには多額の費用がかかりそうだな…」と言ったネガティブな印象を残してしまう可能性があるのです。また、長年蓄積した汚れなどを綺麗に落とすことが難しく、どうしても家の印象が悪くなってしまいがちです。当然、内覧時に良い印象を残すことが出来なければ、購入を避けられてしまう可能性が高くなるでしょう。
また、劣化が目立つ、設置されている設備が古いという物件の場合、購入後に買主側がリフォームをいれなければいけません。そのため、「購入しても良いけれど、リフォームやハウスクリーニングの費用分を値引きしてほしい」などといった交渉を受けやすく、最終的な売却価格が下がってしまう可能性が高くなるのです。
家の売却におけるリフォームの必要性に関しては、建物の状況が大きく関係するため、「最も高く売るにはどうすれば良いのか?」を専門家である不動産会社と相談しながら決めるようにしましょう。リフォームして良い状態にすれば高値で売却できるわけではないので、慎重に見極める必要があります。
解体やリフォームをせずに売りに出すならホームステージングの実施がおすすめ
ここまでの解説で、古い家の売却でも、必ずしもリフォームや解体が正しい対策ではないということが分かっていただけたと思います。建物を解体してしまうと、土地として売却するほかなく、固定資産税などが一気に高くなるため、不動産を所有することに対する負担が大きくなってしまうのです。また、リフォームに関しても、市場の需要とズレた対策になってしまうと、コストをかけたリフォームが「家が売れない要因」になることがあるのです。
したがって、そのままの状態で売却可能なのではないかと考えられる物件の場合、築年数が経過した古い家でも、解体やリフォームを実施せずに売りに出してみると良いです。ただ、リフォームや解体までは必要ないとはいえ、以下のような対策は必須なので、その点は注意してください。
- 契約不適合責任の回避
- 不要な荷物の撤去、処分
- 物件内の清掃
一つ目の問題は、契約不適合責任を指摘されないようにするというポイントです。契約不適合責任とは、契約とは異なる品を引き渡した時、売主が問われる責任のことを指していて、家の売却では、補修費や代金減額請求・契約解除・損害賠償請求など、非常に厳しい対処が求められる可能性があるのです。この問題を避けるためには、物件の状態を正確に把握し、それを正直に買主に告知した状態で契約を結ぶ必要があります。古い家は、目に見えない場所に不具合が隠れている可能性が高いため、後から契約不適合責任を追及されるリスクも高くなります。したがって、売却活動前に、家の状態を正確に把握するため、インスペクション(中古住宅状況調査)を受けるなど、第三者に家の状態を診断してもらうようにしましょう。
この他、古い家だとは言え、掃除や不用品の処分など、通常の中古物件の売却に必要な作業は同様に行わなければならないと言いう点も注意が必要です。古い家の売却では、「家の状態が良くないことは買主も理解している」などと勝手に判断し、掃除や不用品の処分なども放置して売りに出すという選択をする方がいます。しかし、このような対処は、余計に家が売れない要因になるので、絶対にNGと考えてください。不用品を残したままの状態だと、購入者は、そこに住む前に荷物の処分から始めなければならないため、時間も費用もかかってしまいます。そのため、そのような面倒事がある物件を買うなら、他の物件を購入したほうが良いという判断をするのです。また、掃除についても、古い家だったとしても、可能な限り内覧時の印象を高められるような準備は必要不可欠です。室内にほこりやゴミがない状態にするのは当然で、水回りのカビや水垢の除去、お庭など外構部分の整理整頓は必ず行っておきましょう。
古い家で、さらに汚れが目立つとなれば、内覧時の印象が致命的に悪くなってしまい、購入を避けられてしまう可能性が高くなります。
ホームステージングなら古家でも印象を高められる
築年数が経過した古い家の売却では、「建物が古い」「設備が古い」「汚れが気になる」などといった点が問題視され、内覧時の印象が悪くなることで購入を控えられるというケースが多いです。逆に言うと、古い家の売却特有の問題にきちんと対処できていれば、通常の中古物件と同じように買い手を見つけられる可能性が高くなるのです。
そして、中古住宅市場で内覧時の印象を高めるための対策として大注目を集めているのがホームステージングです。ホームステージングは、空室状態で内覧を受け付けるのではなく、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで、新築のモデルルームのような空間演出をする手法です。室内に何も配置されていない物件を内覧した時には、入居後の生活がイメージしにくくなるうえ、対象物などがないことで部屋のサイズ感を掴みにくいなど、物件の印象を最大化することが難しいとされているのです。ホームステージングを実施すれば、家具やインテリアが配置されている空間になるため、購入後のそこでの生活を具体的にイメージできるようになり、自分たちの生活スタイルに合う物件なのかを判断しやすくなります。そのため、内覧後には「ここに住んでみたい!」と強い印象を残すことで、早期かつ高値での成約が期待できるようになるとされています。
このホームステージングについては、一般的に売却が難しいとされる古い家をスムーズに売却するための対策としても注目されています。なぜなら、ホームステージングは、単に家具などを配置するだけでなく、築年数が経過した物件の売却で必要とされるさまざまな作業をひとまとめにして依頼することができるからです。実際に、ホームステージングを取り入れている物件の売却では、以下のような作業が実施されています。
■売買、賃貸において実施された作業内容(2024年度)
引用:ホームステージング白書2024年
上のグラフは、日本ホームステージング協会が毎年実施しているホームステージングに関わる実態調査のデータで、2024年に実施されたホームステージングで、どのような作業が実施されていたのかをグラフ化したものです。
これからも分かるように、空室ホームステージング以外にも、ハウスクリーニングやリフォーム、片づけ、不要家財回収、草刈り・庭木カットなど、古い家の売却で求められる作業が多くのケースで実施されているのです。ホームステージングを実施すれば、解体やリフォームを事前に実施しなくても、内覧時の印象を高めることができるようになるため、スムーズに買い手を見つけられる可能性が高くなるでしょう。
まとめ
今回は、古い家の売却を検討した時に注意しておきたいポイントについて解説しました。
築年数が経過した古い家の売却では、その「古い家」が原因となり、売却活動が難しくなることがあります。そのため、物件を売りに出す方の中には、事前に建物を解体したほうが良いのか、またはリフォームを実施したほうが売れるのではないかと考える方が多いです。
しかし、記事内でご紹介した通り、事前の解体やリフォームの実施という対策は、かかるコストの割に得られるメリットが限定的になるということもあり、あまりおすすめとは言えません。古い家でも、買い手側の需要にマッチすれば、そのままの状態で普通に購入してもらえる可能性があるので、多額のコストをかけてまで解体やリフォームを実施する必要性は少ないのです。
なお、古い家をそのまま売却するという場合、リフォームなどは必要ないものの、掃除や不用品の処分は必須です。そして、内覧時の印象を最大限まで良くしたいと考えるなら、ホームステージングの実施なども検討しましょう。