賃貸の空室が埋まらない理由!やってはいけない対策と効果的な対策
アパートなどの賃貸経営においては、「空室がなかなか埋まらない」という状況が最も恐ろしいと言えます。長期間、空室が埋まらない状態が続いてしまうと、家賃収入が減少して、安定した収支を維持できなくなってしまいます。そのため、賃貸物件を所有しているオーナー様は、日々、空室を埋めるための対策について頭を悩ませているはずです。
賃貸物件の空室対策には、有効とされる手法がさまざまありますが、全ての物件が同じような対策を行っていけば良いという訳ではありません。賃貸の空室を埋めるための対策は、近隣のライバル物件との比較が非常に重要で、例えば、周辺物件と比較して設備が陳腐化している、家賃や初期費用が高いなどといった状況に陥ると、空室が発生しやすくなります。
そこでこの記事では、賃貸物件の空室がなかなか埋まらない時に考えられる理由や対策について解説します。なお、賃貸の空室対策では安易に行うべきではない手段もあるので、その辺りも解説します。

賃貸経営にとって空室の長期化が最大のリスクとなる
賃貸経営を進めていくうえでは、さまざまなリスクが存在します。ただ、数多くあるリスクの中でも、最も恐ろしいのが空室リスクとされているのです。
賃貸経営では、空室リスク以外にも、家賃滞納リスクや経年劣化などを要因とした老朽化リスク、物件が陳腐化することによる家賃の下落リスクなど、賃貸経営に大きな影響を与える可能性があるリスクがさまざまあります。しかし、空室リスクについては、他のリスクと比較しても、その発生の可能性が非常に高いと言えるため、最大のリスクと言えるのです。それでは、実際に空室の問題に直面した場合、どのような影響が出てしまうのかについても簡単にご紹介します。
キャッシュフローの悪化や資産価値の下落
空室が生じると、本来得られるはずの家賃収入が得られなくなります。空室は、1室だけでも痛いのですが、物件全体の空室率が高くなると、物件全体から得られる収益が減ってしまい、キャッシュフローの悪化を招いてしまいます。
特に、アパートローンなどを用いて不動産投資用に運用している物件の場合、キャッシュフローの悪化は、毎月のローンの返済に影響を及ぼしてしまいます。物件からの収益でローンの返済ができなくなると、その他の資産からお金を補填しなくてはいけないため、資産が減少してしまう可能性もあります。
さらに、空室が長期化している部屋がある物件は、周囲から「不人気な物件」だと認識されてしまう恐れが出てきます。そして、このようなネガティブなイメージがついてしまうと、物件探しをしている人から敬遠されてしまい、余計に入居者が見つかりにくくなるという悪循環が起きてしまう可能性があります。その結果、物件の価値はどんどん下落してしまい、より一層入居者が集まらなくなるという最悪の結果を招く恐れもあるでしょう。
このような負の連鎖に陥ってしまった時には、物件そのものの悪印象を払拭するため、大規模な外装リフォームや室内のリノベーションを実施する、家賃を周辺相場よりも低く設定するといった対策が必要になります。当然、このような対策を打つためには、多額の費用がかかったり、家賃収入が減少することになるので、キャッシュフローへの悪影響が避けられません。
空室リスクは、どのような物件でも抱えている問題ですが、空室が埋まらない時には、その原因を早期に把握し、できるだけ早く適切な対策を講じることが大切です。そうしなければ、余裕を持って建てたはずの収支計画すら達成できず、キャッシュフローがマイナスになるリスクが生じてしまいます。
空室が埋まらない理由は何?
それでは、空室が長期化してしまう要因についても解説していきます。賃貸経営を進めていく限りは、一定期間の空室が生じてしまうことは避けられません。問題になるのは、その空室が長期間にわたって埋まらないことです。
それでは、一回発生した空室がなかなか埋まらない…という状況に陥るのはなぜなのでしょうか?ここでは、考えられる代表的な原因をご紹介します。
①家賃設定が周辺相場と合っていない
家賃が周辺相場と比較して「高い」とみなされる物件は、入居希望者から敬遠される可能性が高くなります。
これは、ライバル物件と比較した時に「高いからやめておこう」という印象を持たれる以外も入居者が集まりにくくなります。昨今では、物件探しはインターネットの不動産ポータルサイトを利用するのが一般的となっています。国土交通省が行った「令和5年度住宅市場動向調査」でも、2023年度に民間賃貸住宅を探した人のうち、約6割がインターネットで情報収集をしたと回答しています。不動産ポータルサイトでは、希望する家賃の条件を設定して物件の絞り込みができるような仕組みになっています。つまり、相場よりも高い家賃を設定していた場合には、この絞り込みの段階で弾かれてしまい、顧客の目に触れる機会が減ってしまうという状況になるのです。周辺相場から大きく外れていない家賃を設定できれば、比較検討の候補に入れてもらうことができるようになるので、ライバル物件ときちんと勝負することができるようになるでしょう。
なお、家賃設定については、空室を埋めるためとはいえ、相場よりも大幅に安い設定にするのも良くありません。この場合、空室が埋まったとしても、期待していたほどの収益が得られなくなります。結果的に、キャッシュフローの悪化を招くので、家賃は適正価格に設定することが大切です。
②初期費用や入居条件の問題
賃貸物件の空室は、家賃の高さだけでなく、入居時の初期費用も高さも問題視されます。敷金や礼金など、周辺物件と比較して初期費用が高く設定されている物件は、入居ハードルが高いとみなされるため、敬遠される傾向にあります。
また、入居条件について、「外国籍の方は不可としている」「高齢者は不可としている」「連帯保証人が必須」などといった条件があると、これをクリアできない人がいるので、必然的に問い合わせが減少するでしょう。
初期費用や入居条件は、質の高い入居者を集めるために設定されることが多いのですが、賃貸経営の安定という面では、むしろ不利に働く可能性があります。
③外観や共用部の印象が悪くなっている
築年数が経過した賃貸物件の場合、外装部分が劣化したことにより外観の印象が悪くなり、内見時に悪印象を与えている可能性があります。また、エントランスや集合ポスト周辺にゴミが散乱しているという状況も、入居希望者に悪印象を与えてしまいます。
どのような物件でも、経年によって古くなるのは自然なことなのですが、劣化部分を放置しているという状況は、「管理がずさん」という悪印象に繋がってしまいます。特に、インターネット上のポータルサイトで集客する方法が一般的になっている現在では、見栄えの良い写真がとれないような状況は、集客にマイナスの影響を与えてしまいます。
建物の修繕やリフォームには、多額のコストがかかってしまうため、できるだけ先延ばしにしたいかもしれませんが、それによって空室が埋まらない状況を作ってしまうと意味がありません。安定した賃貸経営を進めるためには、最低限の修繕や定期的な清掃により、良好な印象を保つことが大切です。
④設備や間取りがニーズに合っていない
入居希望者が賃貸物件に求める条件は、時代と共に変化しています。現在のニーズを考えてみると、宅配ボックスや防犯カメラシステム、オートロックやモニター付きインターホンなどの設備に注目が集まっています。
逆に言うと、これらのニーズに応えられない物件は、それだけで入居者が集まりにくくなるのです。これは、不動産ポータルサイトで物件の絞り込みを実施する場合、エリアや家賃だけでなく、導入されている設備を指定することで絞り込みが出来るようになっていることも大きな理由です。例えば、宅配ボックスが欲しいと考えている顧客が検索した時には、この設備がない物件情報が出てこないという仕組みになっているのです。
周辺の競合物件が、時代のニーズに合わせて新しい設備を整えているという場合、ライバル物件と比較されて「設備がない」という理由で空室が埋まらなくなるという状況と言えます。コストはかかりますが、空室リスクを減らすためには、時代のニーズに合わせていく必要があります。
⑤仲介を依頼した不動産会社の問題
空室がなかなか埋まらないという状況は、入居者募集活動が精力的になされていないなど、不動産会社に問題があるケースもあります。例えば、以下のような状況に陥っている場合、物件探しをしている人に広告が届いていなくて空室が長期化している可能性が考えられます。
- 主要な住宅情報サイト(SUUMO・HOME‘S・at-home)への広告掲載がない
- 広告に掲載されている情報が不足している
- 掲載している写真の数が少ない
- 広告の更新頻度が低い・しない
物件探しをしている方の多くが、インターネット上の不動産ポータルサイトを利用するようになった現在では、仲介会社がこの広告対応をおざなりにしていて入居者が決まらない…という状況に陥るケースが出てきています。不動産会社の集客力は、どこに依頼しているのかによって差が出やすいため、入居者募集活動を熱心に行ってくれる会社かどうかをきちんとチェックする必要があります。
なお、広告展開以外にも、問い合わせや内見予約への対応が悪いなどという理由で顧客を逃がすケースもあるので、仲介を依頼する不動産会社は慎重に選ばなければいけません。
⑥入居者トラブルが存在する
入居者トラブルが存在していて、適切に対応がなされていないというケースも、入居希望者から敬遠されて空室がいつまでたっても埋まらない恐れがあります。賃貸物件では、以下のような理由で入居者トラブルが起きる可能性があります。
- 入居者の一人がゴミ屋敷状態で、周囲の住戸に悪臭や害虫による害を発生させる
- 楽器演奏などによる騒音トラブル
- 禁止しているはずのペットを飼育している
上記のような入居者トラブルが発生した時、管理会社が適切な対応を行わなかった場合、物件全体の評判が悪化する恐れがあります。今の時代、物件側の対応の甘さなどをSNSなどで拡散される可能性もあり、そのような悪評が拡散してしまうと、入居を検討していた人でもしり込みしてしまいます。また、入居者トラブルが続くようだと、「あの物件は入居者トラブルが絶えない」といった噂が不動産会社の耳にも入るようになり、新たな入居者を紹介してもらいにくくなる可能性もあるでしょう。
入居者トラブルの放置は、新たな入居者が獲得できたとしても、早期の退去を招いてしまう可能性もあるので、空室期間の長期化により賃貸経営そのものを圧迫する恐れがあります。
安易に実行すべきではない空室対策
賃貸物件で空室が生じた時には、できるだけ早く次の入居者を獲得したいと考えるはずです。しかし、空室を埋めたいとは言え、安易に実行すべきではない対策もあるのです。
入居者募集を開始して、数カ月以上経過しても、何の反応もない…という場合、焦りから安易な決断をしてしまいがちです。しかし、誤った対策に打って出てしまうと、空室が埋まらないどころか、かえって収益に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
そこでここでは、空室対策の中でも、実施には慎重な判断が必要になる対策についてご紹介します。以下で紹介する対策については、安易にやってはいけない対策となります。
家賃の値下げ
賃貸物件の空室対策として、最もやってはいけないとされている方法が「安易な家賃の値下げ」です。もちろん、周辺相場よりも明らかに高い家賃を設定しているというケースであれば、家賃の値下げが必要ですが、そうでない場合、入居者が獲得できたとしても、他の問題が生じてしまいます。
一度下げた家賃は、後から値上げすることが非常に難しいです。また、家賃を値下げするという対応は、その場の収益が少なくなるだけでなく、継続的な収入の減少を意味するわけなので、将来的な収益確保に支障をきたす可能性があります。
また、家賃の値下げにより入居者を確保できたとしても、既存入居者とは家賃格差が出てしまいます。そのため、値下げの情報が他の入居者に伝わってしまうと「自分の家賃も下げてほしい」という要望を出される可能性が出てきます。この要望を断った場合、既存入居者が不満に感じることで退去を選ぶ可能性が出てくるでしょう。
単に家賃を下げるという対策は、短期的に見ると効果的に思えますが、長期的には物件全体の収益減少など、大きな不利益につながる可能性があります。したがって、空室の解消は、その根本的な原因をきちんと分析し、設備や環境の改善、広告方法の見直しなど、他の施策の活用がおすすめです。
コストを度外視した過剰なリフォーム・リノベーション
物件周辺の需要や家賃相場などを考慮することもなく、ニーズに合わないリフォームやリノベーションの実施も賃貸経営の失敗に繋がる典型例です。
リフォームやリノベーションにかけたコストを回収できるだけの入居者が集まらなかった場合、空室の解消に関係なく、賃貸経営が赤字に転落する可能性があります。特に、費用対効果をきちんと計算せずにリフォームなどを実施した場合、入居者を獲得できても、かけたコストを回収することが難しくなる可能性があるでしょう。
もちろん、どのような物件でも、時代に合わせて設備の更新や老朽化部分の修繕を実施しなければいけません。しかし、リフォームやリノベーションの実施を検討した時には、エリアの特性や物件のターゲット層をきちんと見極め、費用対効果のことも考慮した内容にしなければ意味がないのです。リフォームに関しては、物件の印象を下げている要因を無くす、リノベーションは、家賃アップや入居率向上につながるのかなどを考慮しながら、慎重に投資判断をしましょう。
入居条件の緩和
入居条件の緩和は、新たな層の方をターゲットにすることができるようになるため、空室対策としては「コストをかけずにできる有効な方法」とみなされています。ただ、既存入居者を無視した入居条件の緩和は、空室率を逆に悪化させる可能性があるので注意しましょう。入居条件の緩和とは、以下のような対策を指しています。
- ペット不可だった物件が「ペット可」にする
- 外国人の入居を受け入れる
- 高齢者の入居を受け入れる
- 楽器可とする
上記のように、対象となる入居者層を拡大するという方法なので、特にコストなどをかけることもなく、新たな入居者を獲得することができるかもしれません。しかし、もともと物件内に住んでいた既存入居者に関しては、入居条件を緩和されることで、悪影響が出てしまう可能性があるのです。
例えば、ペットの飼育が不可とされている物件は、「ペット不可」であることを理由に選んでいる入居者も多いです。動物アレルギーを持っている、ペット騒音に悩まされたくないなどという方は、わざわざペット可の物件を選びません。既存入居者の多くがこの考えを持っていた場合、空室対策でペット可に変更した時には、入居者とのトラブルに発展する可能性があるでしょう。また、ペット可になることを理由に退去を選ぶ人も出てくるため、空室率が逆に悪化する可能性もあるのです。
この他、文化の違う外国人の受け入れなどに関しては、マナーの問題で既存入居者とトラブルが発生する可能性が高くなり、結果として退去を選ぶ人が増える恐れもあります。このように、入居条件の緩和は、状況を好転させるどころか、悪化させる恐れもあるので、導入は慎重に判断しなければいけません。
空室を埋めるために有効な対策について
それでは最後に、賃貸物件の空室対策として有効な手段についても解説していきます。ここでは、賃貸物件市場で、空室対策として効果が高いと言われている代表的な対策と、近年、急激に存在感が増しているホームステージングについてご紹介します。
代表的な空室対策について
まずは、賃貸物件の空室を埋めるための対策として、有効とされている代表的な物をご紹介していきます。
■物件広告部分の改善
広告の掲載量や掲載場所に問題がある場合、大手不動産ポータルサイトへの広告掲載に力を入れるだけで、状況が一気に改善される可能性があります。先程紹介した通り、現代の物件探しは、インターネット上の不動産ポータルサイトやスマホ版のアプリなどが用いられています。したがって、顧客が検索に利用している場所にきちんと広告を出すということが空室対策を実施する上では非常に重要なのです。
なお、広告の掲載量は問題ないという場合は、広告の内容について改善点がないか確認してみましょう。顧客の興味を引くような物件情報になっているのか、また視覚的に物件の良さが伝わる写真がちゃんと掲載されているのかをチェックする必要があります。特に、物件写真は、顧客が具体的なイメージを持つために重要な要素となるので、この部分の質は重視しましょう。写真の質が悪いと感じた場合、広告効果を高めるためにも、再撮影を行うべきです。
■共用部・エントランスの清掃の徹底
顧客が内見をする際には、物件そのものを気に入るのかだけを確認しているわけではありません。アパートやマンションなどの集合住宅は、エントランスや廊下などの共用部の管理状況も確認されていると考えなければいけません。
例えば、エントランスや廊下が汚れている、照明が切れているのに放置されている、ゴミ集積場が汚れていて悪臭を放っているという状況だと、部屋がいくら綺麗だったとしても、悪印象を残してしまいます。その逆に、エントランスやゴミ置き場などの共用部が綺麗に整っているという状況は、内見に足を運んだ人の印象が良くなるだけでなく、既存入居者の満足度向上にもつながるのです。その結果、新規の入居者を効率的に獲得できる、既存入居者の退去を防止できるなど、空室が長期化しにくい状況を作り出すことが期待できます。
■初期費用を軽減する
敷金や礼金など、初期費用は、入居者にとっては大きな負担となります。賃貸物件を借りる際には、不動産会社への仲介手数料を始めとして、敷金や礼金、さらに引っ越し費用など、数十万円を超える金額の初期費用が発生するケースもあります。多くの入居希望者は、気に入った物件であれば、家賃は「仕方ない」と受け入れやすいのですが、初期費用の高さを懸念して入居を断念する方が意外に多いのです。
そのため、この部分の費用軽減は、入居者のとってはハードルが一気に下がり、空室対策として非常に有効に働きます。また、賃貸経営全体で見ても、スポット的な収益減少に収めることができるので、経営そのものを圧迫する恐れもありません。
なお、初期負担の軽減については、「最初の1ヶ月は家賃無料」など、フリーレント制度の導入なども有効です。家賃そのものの値下げは、継続的な収益減少に繋がるため、安易に選択すべき方法とは言えませんが、初期費用の軽減は非常に効果的です。
■ニーズの高い設備の導入
築年数が経過した賃貸物件の場合、導入されている設備が陳腐化して、顧客の興味を引けなくなっているという可能性が考えられます。したがって、時代のニーズに合わせて、集客に効果的な最新設備を導入するという方法は、空室対策として効果的です。
例えば、宅配ボックスの設置、無料Wi-Fiの設置、モニター付きインターホンの導入などは、最近の賃貸物件市場で人気の設備になっているので効果的でしょう。もちろん、設備に対するニーズについては、移り変わりがあるので、不動産会社の担当者さんのアドバイスを受けながら、最も費用対効果が高いと考えられる設備を導入してみてはいかがでしょう。
ホームステージングは賃貸の空室対策にも効果的
昨今の不動産市場では、売買でも賃貸でも、集客に効果的な方法としてホームステージングと呼ばれる手法が注目されるようになっています。
ホームステージングは、売却や賃貸を予定している物件に対し、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで、内覧者に「ここに住みたい」と思ってもらえるような空間演出を施す取り組みのことを指しています。もともと、中古住宅の早期売却を目的として、アメリカで誕生した販促手法なのですが、2000年代に入った頃から日本国内でも採用され始め、2020年頃からは賃貸物件の空室対策に効果的と、積極的に取り入れられるようになっているのです。
ホームステージングは、以下の画像のように、空室状態のまま内見を受け付けるのではなく、物件のターゲット層に合わせて内見者が最も良い印象を持つような空間を作り出します。
■ホームステージング前

■ホームステージング後

上の二つの画像を比較してもらえれば分かりやすいのですが、家具などが配置されている物件は、入居後の生活動線や家事動線まで具体的にイメージできるようになります。そのため、空室状態で内見させたときと比較すると、より良い印象を持ってもらいやすく、早期の成約が期待できるようになるのです。実際に、賃貸物件市場におけるホームステージングは、以下のような効果をもたらせてくれているという調査データがあります。
■ホームステージング実施前との比較・成約までの期間
- 大幅に短縮した(1カ月以上):17.3%
- 少し短縮した(1週間~1カ月以内):55.8%
上記の通り、ホームステージングの実施により、成約までの期間が短縮できたという回答が7割を超えています。さらに、ホームステージングは、家賃にも好影響を与えているというデータがあります。
■ホームステージングの導入による賃料の変化
- 5%以上値上げできた:10.6%
- 1~4%値上げできた:50.0%
なんと、ホームステージングの実施により、60%以上の物件が家賃の値上げが実現したとされているのです。ちなみに、賃貸物件におけるホームステージングの実施基準については、「長期空室の部屋に実施する」という回答が44.2%で第一位となっています。つまり、賃貸物件市場でも、ホームステージングが空室対策に非常に効果的な手法であるということが認められていることがよくわかります。
まとめ
今回は、賃貸経営者にとって最大のリスクとなる空室対策について、なぜ空室が長期化するのか、また空室を埋めるためにはどうすれば良いのかについて解説しました。
賃貸経営を進めていく限りは、空室が一切発生しないように運営するということは不可能です。どのような物件でも、入居者の移り変わりは必ずあるため、安定的な経営を実現するためには、退去者が出た時、どれだけ早く次の入居者を見つけることができるのかが重要になるのです。
空室対策には、有効とされる方法がさまざまありますが、昨今の賃貸物件市場では、ホームステージングの存在感がどんどん増していると言われています。特に、賃貸物件探しでは、内見することもなく入居申し込みをするという方が増えていると言われているため、インターネット上に掲載する物件画像の質が非常に強く求められるようになっています。ホームステージングは、写真を見ただけで、部屋のサイズ感やそこでの生活感を具体的にイメージさせることができるため、空室対策として非常に大きな効果を発揮します。