2026.06.15

値下げタイミングと値下げ幅の基準!ズルズル値下げをしないためのポイント

マイホームの売却では、値下げのタイミングや「いくらぐらい値下げすれば良いのか?」という値下げ幅で頭を悩ませる方が多いです。自宅を売りに出し、すぐに内覧希望が入り、そのまま成約に至るという流れが理想ですが、数多くの不動産が売りに出ているわけなので、なかなかスムーズに買い手が見つけられない状況に陥ってしまうことも珍しくありません。

それでは、不動産の売却価格については、どのようなタイミングで値下げを検討すべきなのでしょうか?また、買い手を見つけるためにはいくらぐらいの値下げが必要になるのでしょう?

家の売却において、売り出し価格の値下げは、売却戦略の中でも最もデリケートな判断の一つと言えます。値下げの判断が早すぎると、本来得られたはずのお金を失うことを意味するのですが、その逆に値下げの判断が遅すぎると「売れ残り物件」という悪印象がついてしまうことで余計に売却活動が困難になる恐れがあるのです。

そこでこの記事では、家の売却活動に苦戦した時、「値下げが必要かな?」と考えるべき状況と、いくらぐらいの値下げが必要なのかについて解説していきます。

値下げを検討すべきタイミングとは?

それではまず、不動産を売りに出した後、そのままの値段で売却活動を進めるのではなく「値下げが必要なのではないか?」と考えなければならない主なタイミングをご紹介します。

値下げの必要性については、市場の反応に基づいて判断しなければいけません。不動産市場にも繁忙期と閑散期というものがあるため、「一定期間が経過したら値下げをする」など、期間を中心に値下げのタイミングを考えていた場合、そのままの価格でも売れたはずの物件を安く売却する結果になる可能性があるのです。

ここでは、価格を下げた方が良いと考えられる市場の反応についていくつかご紹介します。

①問い合わせや内覧申し込みが極端に少ない(0であるなど)

不動産を売りに出し、大手不動産ポータルサイトにきちんと掲載しているにもかかわらず、4週間程度経過しても物件に対する問い合わせや内覧申し込みが1件も入らない場合、売り出し価格が市場の許容範囲を超えている可能性が高いです。

近隣エリアで売りに出ている類似物件と比較して、「割高である」という判断をされていることから、購入希望者に敬遠されている可能性が高いので、適正価格まで値下げする必要があるでしょう。物件広告の反響率が極端に低いという状態は、値下げを検討すべきタイミングと言え、売り出し価格が市場相場に合っているのか確認すべきです。

②不動産ポータルサイトに掲載した広告の閲覧数がどんどん減少している

今の時代、売買でも賃貸でも、物件探しをするときには、大手不動産ポータルサイトが利用されるようになっています。つまり、不動産を売りに出す際には、顧客の目に物件情報が入るように、大手不動産ポータルサイトに広告を掲載するのです。そして、大手不動産ポータルサイトでは、掲載している物件情報へのアクセス数などを確認できるようになっています。

一般的に、大手不動産ポータルサイトは、新しい物件情報が上に並ぶという仕組みになっていることから、掲載直後が最も閲覧数が多くなります。その後、掲載日から日が経つにつれて掲載順位が下がっていくため、徐々に閲覧数が減少していくのです。当然、閲覧数が減少していくということは、顧客の目に広告情報が触れにくくなることを意味するため、買い手が見つかる可能性も低くなります。
物件情報を掲載して、しばらく時間が経過し、閲覧数が半分以下にまで落ち込んでいるという状況は、市場相場から売り出し価格が乖離している可能性が高いです。多くの顧客に閲覧してもらえていた間に売買が上手く進まなかったということは、顧客から「割高だ」と判断されている可能性が高いため、値下げを検討するタイミングと言えるでしょう。

③内覧があっても購入申し込みまでは至らない

内覧はしてもらえるのに購入申し込みまでどうしても至らない…というケースも値下げを検討すべきタイミングと言えます。

内覧まで足を運ぶということは、物件広告の段階では、立地や間取り、価格などについて、ある程度の納得感を持っているはずです。それなのに、実際の物件を見て「購入しない」という判断をされているのです。これは、物件の売り出し価格と実際に見た時の印象に大きなギャップがあることが理由と考えられます。

したがって、顧客側が受ける印象に合わせるため、値下げを検討すればスムーズに購入申し込みに繋がる可能性もあるでしょう。ただ、このケースでは、「内覧準備」や「内覧対応」に問題があった可能性もあるので、値下げだけでなく内覧部分の見直しの必要性もあわせて検討してみましょう。

不動産を売りに出してから値下げの必要性を検討する期間について

マイホームの売却を目指す際には、誰でも「できるだけ高く売りたい」という希望を持っているはずです。しかし、不動産にも市場相場というものがあるので、相場とかけ離れた高い価格を付けると「買い手が見つからない」という結果を招いてしまうだけなのです。特に昨今では、不動産ポータルサイトを使って物件探しをする方が多くなっているので、割高な価格設定はすぐに顧客にバレてしまい、購入を控えられるという状況になるのです。

そのため、不動産を売りに出しているのに、広告の閲覧数や反響率が極端に悪いという状況は、価格が市場相場から大きくずれていることを意味しています。この状態を放置してしまうと、ポータルサイト上では「長期掲載物件」という扱いを受けるようになるため、掲載順位がどんどん下がっていき、さらに反応が悪くなるという悪循環に陥ってしまうのです。

そのため、不動産の売却を成功させるためには、値下げのタイミングはできるだけ早く見極める必要があります。「高く売りたい」という希望を優先して、割高な価格で粘っていても、物件情報が顧客に届きにくくなり、最悪の場合、「これだけ売れ残っているということは何か問題があるのではないか?」と不信感を持たれてしまう可能性もあるのです。不動産を売りに出す際には、売却活動に苦戦した時のことも想定し、値下げを検討し始める期間についても考慮しておくのが良いです。例えば、以下のような感じです。

  • マンションの売却なら、売り出しから1カ月経過しても内覧ゼロなら値下げを検討
  • 戸建ての売却なら、売り出しから1.5カ月経過しても内覧ゼロなら値下げを検討

上記の期間については、不動産の平均売却期間から想定しています。例えば、マンションの売却については、現金化までにかかる平均的な期間が全体で3〜6ヶ月程度とされています。査定や売却準備、契約にかかる時間を抜くと、実際の売却活動は1~3ヶ月程度に収まるとされています。この平均期間のことを考えると、売り出しから1カ月経過しても内覧数がゼロという状況は、広告の段階で「高い」と判断されている可能性が高いのです。

ただ、値下げを検討し始める期間については、あくまでも目安程度と考えておきましょう。「1カ月経過したら値下げする」など、機械的に値下げのタイミングを決めるのは少し危険です。例えば、不動産市場が閑散期となる1月や8月に物件を売りに出した場合、反応がなくても価格が原因でない場合があるのです。値下げのタイミングについては、期間を中心に画一的なルールを設けるのではなく、あくまでも上で紹介した、売却活動中の反応などを見て決めるようにしましょう。

値下げを決めた時、いくらぐらい下げれば良いのか?

それでは次に、不動産の売却を成功させるため、値下げすると決断した時、「いくらぐらい値下げすれば良いのか?」についても解説していきます。

不動産を売りに出している方からすると、「値下げするにしても、可能な限り高く売れる」ということに越したことはないため、値下げ幅については「顧客の反応を見ながら少しずつ下げるのが良い」と考えると思います。しかし、このような中途半端な対応をしてしまうと、値下げしたのに思うような反響が得られず、ズルズルと値下げを繰り返さなければならない…という状況に陥ってしまう可能性があるのです。

そこでここでは、値下げを決めた時の理想的な値下げ幅の基準や、するずる値下げするという状況に陥った場合のリスクをご紹介します。

値下げ額は不動産ポータルサイトの仕組みを意識して決める

不動産の販売価格を値下げする際には、売主が希望する価格を重視していては意味がありません。例えば、3500万円で売りに出していた物件について、100万円値下げして3400万円にした場合、売主にとっては「100万円も値下げした!」という印象を持つと思います。しかし、このような値下げの方法は、不動産ポータルサイトの仕組み上、ほとんど値下げの効果をなさないと考えた方が良いのです。

というのも、多くの方が物件探しに利用している不動産ポータルサイトでは、価格を使った絞り込みについて「500万円」刻みで希望価格を設定できるような仕組みになっています。例えば、不動産検索に良く使用されているSUUMOの場合、「~7500万円」までが500万円刻みで価格を設定でき、「8000万円から1億円」までが1000万円刻み、「1億円以上」となると2000万円刻みとなっているのです。

つまり、もともと3500万円で売りに出していた物件の価格を100万円値下げして3400万円にしたところで、物件情報を閲覧している層の顧客は何も変わらないわけです。ほとんどの顧客は、物件の価格が値下げされたことにも気づかない可能性の方が高いでしょう。

不動産の販売価格を値下げするという行為は、今までターゲットに入っていなかった顧客の目に自分の物件情報を触れるようにするということが主な目的のはずです。そしてそのためには、不動産ポータルサイトの検索フィルターの仕組みを意識して値下げする必要があるわけです。3500万円の物件も3400万円の物件も不動産ポータルサイト上では「3000万円~3500万円」という検索フィルター上、同じ枠内に位置します。これが550万円値下げすれば「2500万円~3000万円」という枠に入ることができるようになるので、新たの層の人を購入ターゲットとすることができるようになるのです。

値下げを決めた時には、価格だけに注目して中途半端な対応をするのではなく、「どうすれば多くの人に情報を見てもらえるようになるのか?」ということを重視しましょう。インターネット上の不動産ポータルサイトをほとんどの方が利用するようになった現在では、ここでの検索の仕組みに合わせて値下げ幅を決定することが大切になるのです。

ズルズル値下げを続けるのはデメリットしかない

不動産の売却活動における値下げでは、50万円ずつなど、少しずつ小さな金額で何度も値下げするという方法は最も避けるべき行為と言えます。このような、ズルズルと値下げを続けるという方法は、売主にとってもストレスになりますし、値下げのせいで余計に売れにくくなるという環境を作ってしまう可能性があるのです。

ズルズルと値下げを続けるという行為については、以下のようなデメリットがあるので、値下げをする際には上で紹介したような考えで実行するのがおすすめです。

  • 検索結果に影響しない
    一つ目の理由は、50万円刻みなど、少しずつ値下げをし続ける行為は、多くの場合不動産ポータルサイト内での検索結果に影響を与えないという点です。上でもご紹介した通り、不動産ポータルサイトの価格による絞り込み機能は、500万円刻みに設定されているケースが多いです。そのため、3080万円に価格を設定している物件などでない限りは、小幅な値下げをしても情報を閲覧してくれる顧客層が変わらないため、値下げによる効果は限定的になってしまうのです。
  • さらなる値下げを期待され、逆に売れなくなる
    不動産ポータルサイトでは、過去の価格変更履歴が残る仕組みが搭載されています。そのため、何度も値下げを実行している物件については「もう少し待てばさらに値段が下がるのでは?」と買い手側に足元を見られてしまうのです。このような状況は、値下げが売れない状況を作り出してしまっていることを意味するため、得られるものが何もなくなってしまいます。
  • 売却活動のストレスが大きくなる
    何度も値下げを実行するという状況は、売却活動期間が長期化していることを意味しています。当然、「早く売りたいのに売れない」という状況が長く続けば、売却活動自体を苦痛に感じるようになるはずです。さらに、値下げしても、その効果が見られないという状況は、売主にとって想像以上にストレスになります。何度値下げしても売れないという状況が続けば、最終的に投げ売りのような判断をしてしまい、大きな損をするリスクもあるのです。

少しずつ値下げを実行するという行為は、一気に値下げするのと比較すると「高く売り抜ける可能性がある」と考えてしまう人もいます。しかし実際には、上記のように、検索の仕組み上、大きな影響を与えないことから、新たな層の顧客に情報を届けることが難しく、売却期間が長期化するリスクの方が高くなるのです。また、何度も値下げを続けていると、「売れなければどうせまた値下げする」と考えられ、買い手側が待ちの姿勢になることで、売れ残ってしまう可能性もあるのです。

売却交渉における値下げではなく、広告の反響率が悪いという理由で値下げをする場合は、物件と価格のバランスが悪いとみなされている可能性が高いので、新たな層の顧客に情報が届くように、速やかに価格を調整する方が、成約の可能性が高まると思います。

仲介会社から値下げの提案があった時の確認ポイント

不動産売却における値下げの必要性については、仲介を依頼している不動産会社から「このままでは売れない可能性があるので、値下げしてみては?」などと提案されて気付くというケースが多いと思います。ただ、不動産会社が値下げの提案をしてきたからと、その意見をそのまま聞く必要はありません。本当に値下げする必要があるのかどうかは、きちんと情報を調べてから決めるべきです。

ここでは、値下げの提案を受けた時、その必要性を判断するために確認すべきポイントについてもご紹介します。

  • 不動産ポータルサイトの反響率
    値下げの必要性については、感覚や販売期間で決めるのではなく、きちんとデータをもとに決定すべきです。そして、参考となるデータが不動産ポータルサイトの閲覧数や問合せ数などの反響率です。ポータルサイトでは、閲覧数の推移や問合せ数などを確認できる仕組みが搭載されているので、まずはその情報を確認させてもらい、値下げの必要性を考えましょう。
  • 仲介会社の販売活動の状況
    どのような物件でも、十分な販売活動が実施されていなければスムーズに買い手を見つけることはできません。そのため、値下げの提案を受けた時には、どのような販売活動を行っていたのか確認し、広告活動などが十分であったのかチェックしましょう。大手ポータルサイトに広告を掲載しているのか、掲載情報は充実しているのか、またレインズにきちんと登録されているのか確認しましょう。
  • 競合物件や相場情報
    不動産の売却は、自分の物件のことだけを考えていてはいけません。同じエリアに似た条件の物件がどれほど出ているのか、またそれらの物件がいくらぐらいで販売されているのかチェックしてみましょう。例えば、競合物件と比較して、同じような価格帯なのであれば、相場とズレているわけではないので、値下げの必要性はそこまで高くないと言えます。(とにかく早く売りたいなら下げるのも有効)
  • 値下げ額については「根拠」も説明してもらう
    値下げの提案を受ける時には、「いくら値下げするのか?」だけでなく、なぜその金額の値下げが必要なのか、根拠も確認しましょう。値下げの根拠などに納得できれば、実行しても良いでしょう。

値下げの提案を受けた時には、上記のような事を確認し、本当に値下げが必要な状況なのかを判断するようにしましょう。

なお、不動産の売却については、値下げ以外にも販売を促進するための対策がいくつか存在します。例えば、不動産ポータルサイトに掲載している写真の質が悪ければ、質の高い写真に差し替えする、物件情報の掲載内容を充実させる、内覧対応の部分を見直しするなど、値下げ以外にできることがないのかもきちんとチェックしましょう。

値下げするという対応は、不動産の売買においては「最終手段」となるので、それ以外にできることがあれば事前に試してみましょう。

ホームステージングなら値下げせずに買い手を見つけられるかも!

ここまでの解説で、不動産の売却に苦戦した時、値下げの必要性を判断する時のポイントなどについて分かっていただけたと思います。高額な金額で取引される不動産は、値下げによる効果は非常に大きいと考えられるのは間違いありません。しかし、値下げのやり方によっては、販売活動がさらに困難な状況に陥る可能性があるので、その必要性や値下げ幅については慎重な判断が必要です。

なお、売りに出した不動産が、なかなか買い手がつかないという状況については、販売価格だけが原因となっているわけではありません。売りに出している物件の条件からすると、本来は希望する価格帯で売却することも難しくないはずなのに、適切な販売活動ができていないことで、買い手が見つけられていないというケースも少なくないのです。

先程紹介した通り、不動産の取引では「値下げ」は正に最終手段と言える方法なので、値下げを実行する前に「他にできる対策がないのか?」はしっかりと検討しましょう。そして、昨今の不動産業界では、売却が難しい家を売るための方法として、ホームステージングが非常に効果的と言われるようになっているのです。現在、家が売れなくて困っているという方は、値下げの前に下で紹介するホームステージングの採用も検討してみてはいかがでしょう。

そもそも家が売れない理由は「価格」だけではない

マイホームを売りに出した後、長期間売れ残ってしまったというケースでは、多くの方が売り出し価格に原因があると考え、値下げを検討すると思います。しかし、不動産の売り出し価格というものは、プロである不動産会社が査定を行い、「この金額なら売れる」というアドバイスのもと決めているわけなので、売り出し価格だけが問題となって、長期的に売れ残ってしまうという状況は少しおかしいと考えるべきです。もちろん、不動産会社の査定額が2500万円だったのに、自分の希望を優先して3500万円で売りに出したというケースであれば、価格が問題であったと言えますが、査定額通りに売りに出していた場合、以下のような事が原因になっている可能性があるのです。

  • 内覧準備や内覧対応が不十分で、物件の印象が悪くなっている
  • 物件広告に掲載している情報量が少なく魅力が伝えきれていない
  • 魅力的な物件写真を掲載していない

今の時代、中古住宅の購入を考えて物件探しをするときには、インターネットの不動産ポータルサイトで情報を確認し、実際の物件を見学するために内覧に足を運ぶという流れが一般的です。購入するかどうかは、内覧時に受けた印象が大きく影響し、この時に好印象を与えることができれば、多少高い値段をつけていても、スムーズに購入申し込みの段階にまでは進むとされているのです。

つまり、マイホームの売却で、早期の売却を目指すのであれば「顧客の興味を引けるような物件広告を作る」そして「内覧時に良い印象を残す」ということが非常に重要になるわけです。例えば、内覧準備を怠り、物件内の掃除や整理整頓ができないまま内覧を受け付けていたという状況になると、いくら広告の反響率が高くても、成約までは至らないという状況が作り出されるでしょう。家の売却において、非常に重要な工程となる内覧のはずなのに、掃除も整理整頓も出来ていないという状況になると、「普段はもっと家の扱いが悪いのではないか?」「メンテナンスを怠っているため老朽化が進んでいるのではないか?」と言った不信感を与えてしまいます。このような状況になると、販売価格を下げたとしても、購入希望者からは敬遠される可能性が高くなり、値下げの有無に関係なく売れない状況が続いてしまうのです。

価格以外が理由で売れていないという状況なら、物件広告や内覧時に良い印象を与えられるだけの内覧準備を実施するという対策が早期の売却には必要不可欠です。そして、そのための対策として注目されている方法がホームステージングで、昨今の不動産業界では、家の売却や賃貸において、早期の成約や高値での成約に非常に高い効果を発揮すると言われています。ホームステージングは、以下の画像のように、空室状態や散らかった状態で内覧を受け付けるのではなく、新築のモデルルームのような空間にコーディネートしたうえで内覧してもらい、内覧者に「ここに住んでみたい!」と思わせるという対策になります。


ホームステージングは、上の画像の通り、家具やインテリア、照明や植物で室内をコーディネートする演出手法となります。ホームステージングを実施することで、購入希望者が内覧した際、そこでの生活動線や家事動線まで具体的にイメージさせることができるようになり、早期の成約に導くことができるとされているのです。マイホームを売りに出し、なかなか買い手が見つからないという状況に陥った際には、「物件の状態を考えると価格が高い」など、物件そのものと価格のバランスが悪いと判断されているケースも多いです。この場合、ホームステージングを実施することで、物件そのものの印象が高くなるため、値下げをしなくても「妥当な金額だ!」と思ってもらうことができ、希望価格での売却が実現しやすくなるのです。

ホームステージングは値下げ防止を目的に実施されているケースも多い

ホームステージングは、昨今の不動産業界で、売買や賃貸を促進するために非常に効果的な手法とみなされるようになっています。ここでは、日本ホームステージング協会が毎年行っている実態調査から、家の売買におけるホームステージングについて、この対策を実施する基準や実施タイミングに関するデータを紹介します。

■ホームステージングの実施基準
引用:ホームステージング白書2024年

ホームステージングが必要と判断されている物件については、「売却が難しいと考えられる物件」や「高額物件」という意見が多いという結果が出ています。不動産会社の中には、仲介を依頼された物件について、全ての物件に対してホームステージングを実施するという回答をしている企業も増えていますが、主に売却が難しい物件の販売促進を目的として実施されていることが分かります。
注目したいポイントとしては、「高額物件に実施する」という回答が第二位に位置している点です。これは、ホームステージングを実施すると、物件そのものの印象が良くなるため、高値でも違和感がなくなり、買い手を見つけやすくなるということを意味しています。つまり、ホームステージングの実施は、物件の価値を高く見せることができるという点から、値下げをしなくても買い手を見つけられるようになると期待できるわけです。

実際に、ホームステージングの実施タイミングとしては、以下のデータのように、「価格を下げる前の最後の手段として」実施しているという回答が第一位になっています。

■ホームステージングの実施タイミング
引用:ホームステージング白書2024年

上のグラフから分かるように、ホームステージングは早期売却や高値での売却を目指して売りに出す前に実施するケースも多いです。さらに、売りに出してもなかなか良い反応が得られないというケースや買い手が見つからずに値下げの必要性を感じたというケースでは、最終手段としてホームステージングが実施されているのです。

これからも分かるように、不動産のプロである不動産会社は、家の売買においてはホームステージングが非常に有効であるという認識をしていると言えます。

まとめ

今回は、不動産の売却活動における値下げの必要性や実際に販売価格の値下げを決めた時「いくらぐらい値下げすれば良いのか?」について解説しました。

記事内でご紹介した通り、家の売却における値下げについては、中途半端な対応をしてしまうと、それが原因で余計に売れにくくなってしまう可能性があります。ほとんどの方が不動産ポータルサイトを使って物件探しをするようになっているわけなので、値下げを実行する際にはこのサイトの仕組みに合わせて行う必要があります。

なお、「家が売れない…」という状況に陥った場合でも、その原因が価格にはないケースも少なくありません。値下げの必要性を感じた時には、まず、今までの売却活動全般を振り返り、正しい活動が行えていたのかチェックする必要もあります。そして、内覧対応の部分に問題があるというケースなら、ホームステージングの実施が大きな効果を発揮するはずです。