2026.08.24

空き家は解体すると税金が高くなる?空き家を売却する際の注意点

少子高齢化が進む日本では、相続した不動産の取り扱いに困る方が増えていると言われています。現代では、核家族化が進んでいて、「夫婦のみ」「夫婦と子ども」「ひとり親と子ども」などの小さな単位で暮らす世帯が増えています。その結果、親が住んでいた実家の相続が発生した時には、既に自分たちが生活するための拠点を別の場所に構えていることを理由に、相続した実家が空き家状態になってしまうのです。

自分たちが住むことを想定していない不動産を相続した時には、売却や賃貸に出すことを検討すると思うのですが、離れた場所に住んでいる方の場合、そのための準備に手間取ってしまうことで、上手に活用することができないと悩む方が多いです。そして、活用できないのであれば、早期の売却を検討するものの、築年数がある程度経過した地方の物件になると、そのまま売りに出したとしてもなかなか買い手を見つけることができないという別の悩みに直面してしまいます。

建物が古く、広告や内覧時に良い印象を与えられないことで売買が進まないケースでは「解体して土地として売却したほうが良いのではないか?」と考える人が多いはずです。しかし、空き家の売却を目指す際、事前に建物を解体してしまうと「税金が高くなる!」と言う話を聞き、本当に「解体する」という選択が正しいのか心配される方が多いのです。最初に言っておきますが、空き家を取り壊して更地状態にした場合、原則として税金が高くなると考えておいた方が良いです。そのため、土地として売りに出した後、売却活動に苦戦した時には、より困難な状況に陥ってしまう可能性があるわけです。
そこでこの記事では、相続不動産の取り扱いに迷っている方に向け、空き家を解体することでなぜ税金が増加するのか、また税負担を抑える方法がないのかなどについて解説します。また、空き家を残した状態のまま、スムーズな売却を目指すための対策についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

空き家を解体すると税金が高くなるのか?またその理由は?

空き家の売却において、事前に建物を解体して更地の状態にする際には「税金が高くなってしまう」と言う情報を耳にすることになります。この情報については「本当なのかな?」と疑問に感じる人がいるかもしれませんが、先ほど紹介した通り、基本的には解体後は税金が高くなると考えておいた方が良いです。例外もあるのですが、住宅街などに建てられている家の場合は、ほぼ確実に税金が増加します。

それでは、空き家を解体した後、税金が増加するのはなぜなのでしょうか?この理由については、固定資産税の特例が関係しています。不動産を所有している場合、毎年固定資産税を支払わなければならないのですが、住宅に対する固定資産税は「住宅用地特例」と言うものが適用され、税額が抑えられる仕組みになっているのです。つまり、建物を解体して人が住めない状況になると、この「住宅用地特例」の適用が解除されてしまい、税額が一気に増加するわけです。

住宅用地特例は、「住居が建っている土地」に対して税負担を軽減するために設けられている措置であるため、その対象となる住宅が撤去されると適用外となってしまうのです。この辺りの仕組みについて、以下でもう少し詳しく解説していきます。

固定資産税の住宅用地特例について

上述したように、不動産を所有している場合、毎年固定資産税と呼ばれる税金が課税されます。固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点の土地・家屋の所有者に課税される仕組みになっていて、1月1日時点での利用状況に基づいて課税されます。

ただ、住宅に対する固定資産税には、住宅用地特例と呼ばれる制度が設けられており、住宅が建っている土地に対しては、固定資産税の課税標準額を軽減するという措置が行われているのです。「住まい」は、人々の生活基盤となる物であるため、税負担を軽くして、住宅の建設や供給を促す目的で作られた制度となっています。住宅用地特例が適用された場合には、固定資産税が以下のように軽減されます。

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)
    固定資産税の課税標準額:評価額の1/6、都市計画税の課税標準額:評価額の1/3
  • 一般住宅用地(200㎡を超える部分)
    固定資産税の課税標準額:評価額の1/3、都市計画税の課税標準額:評価額の2/3

このように、住宅用地特例が適用された場合、固定資産税の税額は、最大で1/6にまで軽減されることになるのです。適用の条件は、「土地上に住宅が存在し、その住宅が居住用であること」となっているため、空き家状態になっていたとしても固定資産税の税額は抑えられたままとなるのです。

しかし、土地上に建っている住宅が取り壊されてしまうと、この特例の適用条件を満たせなくなるため、税額が上がってしまうという仕組みになるのです。

建物を解体すると特例が適用されなくなる

固定資産税の住宅用地特例は、毎年1月1日(賦課期日)時点で実際に居住用の家屋が建っていること、面積が家屋の床面積の10倍以下であることなどの要件を満たしている必要があります。特例適用の要件について、もう少し詳しくご紹介します。

  • 土地について:1月1日時点で、家屋の敷地として実際に使用されている(建設予定地や空き地はNG)
  • 建物について:構造上および生活上の独立性(玄関、台所、トイレなど)を備えた居住用家屋であること
  • 面積の限度:特例の対象となるのは、家屋の床面積の10倍まで

住宅用地特例の対象になるには、上記の要件を満たしている必要があります。つまり、空き家を解体してしまうと、翌年の1月1日時点では、その土地が住宅用地として認められなくなるわけです。その結果、今まで固定資産税に適用されていた住宅用地特例が解除され、課税標準額が本来の評価額に戻ることで税額が一気に増加することになるわけです。

そして、住宅用地特例が解除された後の固定資産税の税額については、皆さんが考えている以上に高額になります。中には、「税負担軽減のための制度なんて、どうせ大したことはない!」と考えている方もいるようですが、固定資産税に関してはこの考えを捨てた方が良いです。ここでは、固定資産税の住宅用地特例が解除された時、その前後で税額がどれだけ変わるのか計算してみたいと思います。参考として、評価額が1,800万円、面積が180㎡の土地に住宅が建っていた時の固定資産税を計算します。

■住宅用地特例が受けられる場合
まずは、住宅用地特例が受けられる状態の固定資産税の税額についてです。この場合、小規模住宅用地とみなされるため、評価額の1/6が課税標準額となります。

・課税標準額・・・1,800万円 × 1/6 = 300万円
・固定資産税の税額・・・300万円 × 1.4% = 4.2万円

大雑把な計算となりますが、住宅用地特例のおかげで、固定資産税の税額は年間4.2万円の支払いにまで抑えることができます。

■住宅用地特例が受けられない場合
一方、建物を解体して更地にしたとき、住宅用地特例が適用されなくなった場合はどうなるのでしょう?この場合、評価額全額が課税標準額となるので、以下のような計算になります。

・課税標準額・・・1,800万円
・固定資産税の税額・・・1,800万円 × 1.4% = 25.2万円

このように、住宅用地特例が解除された時には、固定資産税の税額が大幅に高くなるのです。もちろん、建物を解体して土地として売りに出すことですぐに買い手が見つかれば問題ないのですが、不動産は更地にしたからと言ってすぐに買い手が見つかるほど簡単な物ではありません。立地条件によっては、更地にすることで余計に買い手が見つかりにくくなる可能性もあり、その場合は、毎年の固定資産税の支払い負担が大幅に増えてしまうのです。

相続した実家の売却を考えた時には、安易な考えで建物を解体するのではなく、解体した後の維持コストの増加や建物の解体が売却活動にどう影響するのかを慎重に検討しながら、計画的にすすめなければならないと考えましょう。

空き家解体による税負担の増加を防ぐ方法はある?

土地に建っている建物を解体した場合、固定資産税の住宅用地特例が解除されてしまうので、原則として税額は増加してしまうと考えておいた方が良いです。ここで「原則として」と紹介しているように、実は税額の上昇を防ぐための対策もいくつか存在しています。

たとえば、土地の「地目(ちもく)」を雑種地などに変更することで、土地の評価額を下げ、固定資産税の課税額を下げるという方法があります。住宅が建っている土地は「宅地」と言う地目になり、固定資産税が高くなります。しかし、雑種地や農地などの地目になると、用途が限られてしまうものの、評価額が下がることで税金が安くなるのです。ただ、この方法を利用すると、土地の売却が難しくなるという点に注意が必要です。地目を変更してしまうと、将来的に家が建てられなくなるなどの制限が生じてしまう可能性があり、売りに出しても買い手が見つかりにくくなるわけです。

この他の方法については、自治体が設けている税負担を軽減するための減免措置を活用するという方法があります。全国的に空き家の増加が社会問題化している昨今では、多くの自治体が、空き家を解体撤去した後の土地に対して、一定期間固定資産税を減免するという制度を設けています。例えば、東京都に関しては、「不燃化特区」指定区域内にある老朽住宅の場合、これを除却し、防災上の空地として適切に管理することを条件として、翌年度から最長5年度分、税額の8割が減免されるという制度が設けられています。

もちろん、自治体によっては空き家解体後の固定資産税に対して、税負担を軽減するような制度を設けていない場合もあります。しかし、適切な管理がなされていない空き家がどんどん増加していると指摘されていることを考えると、今後上述したような、空き家解体後の一定期間に限る固定資産税の軽減措置を設ける自治体が増えていくのではないかと考えられます。

したがって、空き家の売却を考えた時、「更地にした方が売れるのではないか?」「建物の管理が行き届かない…」などの理由で解体を検討した場合、事前に固定資産税の軽減措置があるのか、自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

参考:東京都webサイト

空き家は解体しなくても固定資産税が上がる可能性がある

ここまでの解説で、空き家の売却において、安易な考えで「建物の解体」を選んでしまうと、固定資産税の税額が一気に高くなってしまう可能性があると分かっていただけたと思います。この情報を確認すると、「やはり売却する時は、建物を残したままの方が良い!」と思った方が多いかもしれません。

しかし、空き家の売却の難しいところは、建物を残した状態だったとしても、税金の支払い負担が大きくなる可能性がある点なのです。実は、相続などで空き家を所有することになった場合、適切な管理を実施して、良好な状態を維持し続けなければ、さまざまなリスクが生じるようになっているのです。

ここでは、空き家を放置した結果、自治体から特定空き家や管理不全空家に指定された場合に発生する弊害についても簡単にご紹介していきます。

管理不全空家と特定空家について

空き家の増加が社会問題化している中、2015年に空家等対策特別措置法が施行され、空き家の管理が強く求められるようになっています。

2015年の空家等対策特別措置法は、老朽化などにより危険な状態の空き家や、周囲へ衛生的な悪影響を及ぼす状態の空き家などについて、自治体が「特定空家」に指定できるようになりました。特定空家に指定されると、「助言⇒指導⇒勧告⇒命令」と、段階的な措置が自治体から行われ、空き家所有者へ状態の改善を促すという仕組みになっています。この際、「助言」や「指導」といった比較的早い段階で改善をおこなわず、「勧告」を受けるにまで至ると、固定資産税の住宅用地特例が解除されるというペナルティが設けられたのです。ちなみに、特定空家の放置については、「命令」にも応じなかった場合、50万円以下の過料と言う罰則も設けられるなど、非常に厳しい制度となっています。

しかし、既に周辺エリアの景観などに悪影響を及ぼすレベルまで老朽化が進んだ放置空き家を、その時点で「特定空家」に指定して改善を促したとしても、改善に至る事は非常に困難であるという問題が指摘されるようになったのです。そのため、2023年12月から改正空家等対策特別措置法が施行され、「すでに危険な状態にある空き家」が対象となる特定空家だけでなく、「今の状態のまま放置すれば、特定空家になる可能性のある空き家」を管理不全空家に指定するという新たな区分が作られたのです。管理不全空家は、特定空家の状態に至るまでに、適正な管理を促すことで、これ以上「放置空き家」が増えることを防止するということが目的となっています。ちなみに、管理不全空家は、以下のような状態に陥っている物件が指定の対象となります。

  • 建物の破損:屋根や壁、窓などの老朽化が表面化し、破損や腐朽が見られる
  • 雑草や樹木:庭の草木の管理がなされず伸び放題となり、害虫や害獣の住処となっている
  • ゴミの放置:敷地内にゴミなどが放置され、悪臭や衛生問題を引き起こしている
  • 管理不足:適切な管理がなされず、老朽化などによって町の美観が損なわれている

上記のような状態に陥った空き家が管理不全空家に指定されます。管理不全空家は、行政から指導や勧告を受けることになるのですが、指導に従わず勧告にまで至ると、固定資産税の住宅用地特例が解除される可能性があります。

管理不全空家や特定空家に指定された場合の税額について

実家を相続することになり、売却も賃貸に出すこともせず、そのまま所有し続ける場合は、良好な状態を維持するためにも適切な管理が求められます。家は、人が住んでいない状態の方が劣化が早く進むと言われていて、小まめな換気や掃除などを怠ってしまうと一気に老朽化が進んでしまいます。また、庭のある住宅の場合、夏場の管理を放置すると、雑草が一気の繁殖してしまうことになり、自治体から管理不全空家に指定される可能性が高くなるのです。

そして、適切な空き家の管理が実行できず、管理不全空家や特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税の住宅用地特例が解除されてしまうことになるのです。その結果、毎年支払わなければならない固定資産税の税額は一気に高くなります。仮に、評価額が3,000万円の物件について、管理不全空き家などに指定された場合の税額の変化について計算してみます。

■適切な管理が実施されている場合
・固定資産税:3,000万円 × 1/6 × 1.4%=7万円
・都市計画税:3,000万円 × 1/3 × 0.3%=3万円

上記の計算となり、毎年10万円の支払いとなります。一方、管理不全空き家などに指定され、固定資産税の特例が解除された場合、以下のような計算になります。

■適切な管理ができなかった場合
・固定資産税:3,000万円 × 1.4%=42万円
・都市計画税:3,000万円 × 0.3%=9万円

管理不全空き家などに指定されると、年間51万円の税額となるなど、税負担が一気に増大します。

建物を解体しない場合、適切な管理の実施が大切

上記の通り、空き家を所有することになった場合、建物を解体しない場合でも、適切な管理が実施できなければ固定資産税の税額が高くなってしまう可能性があるのです。ちなみに、空き家を解体して空き地の状態にしたとしても、定期的な雑草取りや不法投棄への対処など、ある程度の管理は求められます。空地も、適切な管理がなされず、雑草などが放置されると、自治体の条例に基づく指導や命令の対象となり、それに従わなかった場合は、罰則などが用意されています。

それでは、空き家の所有者が固定資産税の税額UPを防ぐためにはどのような対策を実施すれば良いのでしょうか?基本的には、以下のような空き家の維持管理が強く求められるようになっています。

  • 定期的に足を運び、清掃や換気の実施により、建物の早期劣化を防ぐ
  • 建物の破損部の修繕や定期メンテナンスの実施
  • 庭木や雑草の手入れ(景観の維持)
  • 近隣住民とのコミュニケーション(苦情や問題点の早期把握のため)

管理不全空家や特定空家に指定されないようにするためには、上記のような作業が求められます。遠方に住んでいて、自分たちが小まめに実施する事が難しいという場合は、地元の不動産会社などに相談して、空き家管理サービスなどに加入すると良いでしょう。空き家管理サービスは、月額1~2万円程度で、換気や清掃、庭の草取りなどを実施してもらうことができるようになります。

空き家を所有する場合、固定資産税の増額を防止するためには、上記のような維持管理が強く求められるようになっています。注意が必要なのは、空き家を良好な状態に保つための管理の実施は、それなりのコストがかかってしまう点です。税額の上昇は防げますが、所有し続ける限り維持管理のためのコストがかかり続けるため、将来的に利用や活用を考えていないという物件は、早期の売却を目指す方が良いです。不動産の価値は、築年数が大きく影響するので、コストをかけながら所有し続けるより、すぐに売りに出す方が高値で売れる可能性が高いです。

関連:空き家の所有コストを紹介!売らずに10年間保有するだけで莫大なコストがかかる

空き家所有のコスト負担を軽減するなら、ホームステージングによる早期売却がおすすめ

ここまでの解説で、相続などで不動産を所有することになり、その物件に対して利用も活用も考えていないというケースでは、解体しても所有を続けるにしても、費用的なリスクが生じてしまうということが分かっていただけたと思います。解体して土地として売却する場合、スムーズに買い手が見つかれば特に問題はないのですが、翌年の1月1日時点までに売却できなければ、非常に高額な固定資産税の支払いが待っているのです。解体せず、空き家として所有を続ける場合、適切な維持管理が強く求められるため、掃除するために交通費を払って足を運ばなければならない、老朽化した部分は住む人がいなくても修繕しなくてはならないなど、想像以上のお金がかかってしまうことになるのです。管理にかかるコストを嫌い、空き家として放置してしまうと、今度は管理不全空き家などに指定されるリスクが生じてしまい、ここでも高額な税金の支払いが余儀なくされるかもしれません。

つまり、利用も活用も考えていない不動産を所有することになったのであれば、建物を残した状態で、可能な限り早く売却するという方法が最も費用的なリスクを削減するための方法として有効と言えるのです。そして、空き家の早期売却を考えた時には、ホームステージングと呼ばれる販促手法が非常に有効だと言われるようになっています。

ここでは、空き家の売却になぜホームステージングが効果的なのかをご紹介します。

中古住宅市場で注目されるホームステージングについて

ホームステージングは、売却や賃貸を予定している部屋に家具や照明、インテリアなどを配置して、新築のモデルルームのように魅力的に演出する空間演出のことを指しています。もともと、1970年代のアメリカで誕生した販促手法なのですが、2000年代頃より日本国内でも注目されるようになり、2020年代に入ってからは、賃貸住宅の空室対策にも非常に効果的とみなされるようになり、多くの不動産会社が積極的に取り入れるようになっています。

ホームステージングの実施による効果は、対策前後の画像を見比べていただくと非常に分かりやすいので、以下に弊社が実施した事例の画像を紹介します。

■ホームステージング前

■ホームステージング後

ホームステージングの実施で、物件の印象そのものが大きく変わるということが画像を見ただけで分かると思います。特に、空き家の売却では、以下のような効果を発揮することで、早期かつ高値売却が期待できるようになるのです。

  • 広告反響率の向上
    築年数が経過した空き家の売却では、集客のため、ネット広告などに掲載する物件写真の写りが悪く、内覧者を思うように獲得できないといった問題に陥りやすいです。そのままの状態で撮影をすると、画像から古さが伝わってしまい、どうしても他の物件に興味を持たれやすくなるのです。これが、ホームステージングを実施すれば、物件写真の質が一気に高くなるため、広告反響率が向上し、多くの内覧希望者を獲得できるようになります。その結果、早期の売却が期待できるようになるわけです。
  • 内覧者にそこでの生活をイメージさせる
    空き家の売却では、物件内に何もない空室状態で内覧させるケースが多いです。この場合、どれだけ綺麗に掃除していたとしても、入居後の生活が具体的にイメージしにくくなるのです。一方、ホームステージング後の物件内は、的確な位置に家具が配置されているため、内覧時に購入後の自分たちが生活している姿を具体的にイメージさせることができます。購入希望者が、実際の暮らしを具体的に想像できれば、物件の良し悪しの判断がしやすくなるため、早期の成約につながりやすくなります。
  • 部屋を広く綺麗に見せる
    家具が何も置かれていない場合、部屋の広さはつかみにくくなります。比較対象が無いので、本当の広さが判断できなくなり「この家を本当に買って良いのか?」と迷わせてしまう原因になります。一方、適切なサイズの家具やインテリアが配置されていると、部屋のサイズ感をきちんとつかむことができるようになり、自分達家族の生活に見合う広さなのかが判断しやすいのです。さらに、LEDなどの明るい照明を設置しておけば、より広く、綺麗な部屋だという印象を与えることができ、早期かつ高値での売却につなげやすくなります。

このように、空き家の売却では、ホームステージングが非常に大きな効果を発揮するとされています。建物を解体してしまうと、当然、物件内に演出を施すホームステージングも採用できませんし、建物を残したままの状態で売却を目指す方が早く成約に至れる可能性が高くなるのです。ホームステージングを専門業者に依頼する場合、家具のレンタル費用や搬入、配置の費用として10万〜30万円程度かかるのが一般的です。ただ、建物を解体してから売却するとなると、解体費用として100万円前後のお金がかかるうえ、スムーズに売れないとなると固定資産税が増額されます。そう考えると、安価な費用で早期売却が目指せるホームステージングがおすすめされる理由がよくわかります。

まとめ

今回は、空き家売却の注意点として、事前に解体して売りに出すという方法を選ぶときのリスクについて解説しました。

不動産を所有する場合、毎年固定資産税の支払いが発生するのですが、住宅の場合は「住宅用地特例」と呼ばれる制度が用意されていて、税額がかなり抑えられています。ただ、この「住宅用地特例」については、きちんと適用条件が設けられており、将来的に家を建てようと考えているような土地でも、実際に建物が存在していないのであれば特例の適用外となってしまうのです。そのため、実家を相続した時、建物の管理が難しいと考え、先に解体するという選択を選んでしまうと、翌年からの固定資産税の税額が一気に高くなってしまうのです。

築年数が経過した物件の場合、「古い建物」のせいで買い手が見つかりにくいと考えますが、立地によっては解体して更地にした方が売れにくくなることもあるのです。現在では、リフォーム技術が発達したこともあり、多少老朽化が見えるといった程度の物件なら、さほど苦戦することもなく買い手を見つけることができるようになっています。中古住宅の購入者の多くは、購入後のリフォームを前提としている方が多いので、大切に住んでいた家なら古くても買ってもらえると考えてかまいません。

ただ、古い家の売却は、広告や内覧対応で苦戦する可能性が高いので、ホームステージングの導入など、内覧者に好印象を与えられる対策の実施を積極的に検討しましょう。