空き家の所有コストを紹介!売らずに10年間保有するだけで莫大なコストがかかる
昨今の日本では、全国的に空き家の増加が問題視されています。少子高齢化による人口減少が続く日本では、「家が余る」という状況になっていて、相続した実家や住み替え後の旧居を売却せずに保有し続けているという方も少なくないとされています。自分が住むわけではない空き家を所有する理由は、「少し待てば地価が上がり、より高く売れるのではないか」と考え、すぐに売却に動くことを損に感じてしまうという理由があります。その他にも、一度売りに出してみたものの、なかなか買い手を見つけることができず、売却活動の手間を負担に感じ始め、保有に切り替えるという方もいるかと思います。
しかし、このように誰も住まない空き家を所有し続けるという行為は、皆さんが考えている以上にコストがかかってしまうという非常に大きなデメリットが存在するのです。不動産は資産であるため、所有しているだけでもメリットがあると考えている人がいますが、空き家の管理が厳格化された現在では、単に「持っているだけ」の不動産は想像以上にお金がかかってしまい、負の資産になってしまう可能性があるのです。
そこでこの記事では、誰も住まない空き家を活用することもなく、単に所有し続ける時にかかるコストを計算してみたいと思います。ここでは、実家を相続して、売らずに10年程度所有し続けた時、所有者が支払わなければならない総コストを試算して紹介します。また、早期に売却した時の比較やスムーズに買い手を見つけるための方法もご紹介します。

誰も住まない空き家を所有し続ける時に発生するコスト
それでは、誰も住まない空き家を所有し続ける場合にかかるコストについて解説していきます。不動産は、持っているだけであっても、税金や維持管理のための費用、定期的な修繕コストなど、さまざまな面にお金がかかります。特に、全国的な放置空き家の増加が社会問題化した現在では、空き家の所有者に対して適切な維持管理の実施が強く求められるようになっていて、これを怠った時のペナルティが非常に大きくなっているのです。
そこでここでは、不動産をすぐに売却せず、ひとまず「持っておく」という選択をしたとき、どのようなお金がかかると想定できるのかについて解説していきます。
①固定資産税や都市計画税などの税金
不動産は、誰かが住んでいるかどうかに関係なく、税金の支払いが発生します。つまり、空き家を売却せず、長期間にわたって所有し続けた場合、確実なコストとして「税金の支払い」を覚悟しておかないといけないのです。
空き家を所有する場合に課せられる税金は、固定資産税と都市計画税があります。この税金は、毎年1月1日(賦課期日)時点で土地・家屋・償却資産を所有している人に課される税金となるので、空き家を所有している限りは毎年支払い続けなければならないのです。固定資産税と都市計画税についてもう少し詳しくご紹介します。
- 固定資産税とは
賦課期日(毎年1月1日)現在の固定資産(土地・家屋・償却資産)の所有者に、その資産の価値(価格)をもとに課税される地方税です。税率は、全国の多くの市町村で1.4%(標準税率)と定められていますが、財政状況に応じて各自治体が独自の税率(制限税率)を設定することも可能です。 - 都市計画税とは
毎年1月1日(賦課期日)時点で市街化区域内に土地・家屋を所有している人に課税される地方税となります。税率は、全国の上限(制限税率)が0.3%と定められています。この上限を超えない範囲で各自治体が条例により、税率を定めています。例えば、大阪市は、固定資産税(1.4%)に加えて0.3%となっています。
例えば、大阪市内で一般的な住宅(戸建てやマンション)を所有している方に課せられる固定資産税は、年間10万〜20万円程度とされています。これに税率が0.3%の都市計画税も加わるため、実際の納税額はその合計となります。仮に、大阪市内で空き家を10年間保有した場合、以下のような税金の支払いが発生します。
- 固定資産税:10~20万円×10年間=100~200万円
- 都市計画税:3~6万円×10年間=30~60万円
このように、誰も住んでいない空き家なのに、税金だけで130~260万円もの支払いが発生するのです。ちなみに、この金額は「空き家の維持・管理」が適切に行われていることが前提の金額となります。下で紹介する空き家の管理を怠り、自治体から特定空き家などに指定されると、固定資産税の「住宅用地の特例(土地)」が外され、固定資産税額が最大6倍にまで跳ね上がるというペナルティが用意されています。
②空き家の維持管理にかかるコスト
全国的に急増する空き家が引き起こす倒壊や衛生悪化などの被害を防ぐため、空き家の所有者に対して適正な維持管理が強く求められるようになっています。2023年12月に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」が改正され、空き家の所有者が対応すべき法的な義務が一段と増えたのです。例えば、2024年4月からは相続登記が義務化されていますし、空き家の状態に関して「管理不全空き家」という新しい区分が設けられるなど、空き家の適正管理に対する規制が強化されています。
空き家の区分については、以前からあった特定空き家は、「倒壊の危険があるなど著しく状態が悪い空き家」が指定されていたのですが、管理不全空き家は、特定空き家とまではいかなくても「窓や壁が一部損傷しているなど、管理が行き届いておらず、このまま放置すると、いずれ深刻な状態になりかねない空き家」が指定されます。そして、管理不全空き家に指定された場合、特定空き家と同様に、固定資産税の特例から除外され、税金の支払い額が急増するというペナルティが設けられているのです。また、自治体からの指導に従わず、空き家の放置を続けた場合、罰則が科される仕組みが導入されるなど、空き家の維持管理に対しては非常に厳しい視線が寄せられるようになっているのです。
こういった背景もあり、不動産を売却することなく、長期間保有し続けるというケースでは、管理不全空き家などに指定されないようにするため、最低限の維持管理もし続けなければならなくなっているのです。そして、空き家の維持管理を進めるためには、さまざまなコストがかかってしまいます。
空き家を保有し続ける場合の維持管理コストについては、以下のような費用がかかると想定できます。
- 定期的な換気や通水、清掃の実施
空き家を保有し続ける場合、最低1月に1回程度、物件まで足を運び、換気や掃除、通水などの作業を行わなければいけません。遠方に住んでいる方の場合、この作業のために多額の交通費がかかるため、専門業者に管理を委託する人が増えています。この場合、最低限の掃除と換気を実施してもらうのに、月額で1~1.5万円程度の費用がかかります。年間コストとすると、12~18万円が相場です。近くに住んでいる人の場合、自分で行うことができるので、この費用は掛かりませんが手間と時間はかかります。 - 庭や植木の手入れ
庭があるお宅の場合、掃除や草刈り、植木の手入れなどを定期的に実施する必要があります。これは、上述した換気や掃除とは別になります。庭の手入れを放置した場合、草などが繁殖し、小動物や害虫の住処となってしまいます。その結果、騒音や悪臭、近隣住宅でのシロアリ被害など、さまざまな問題を引き起こすのです。そのため、年2~4回程度は専門業者に依頼して庭の手入れをしてもらう必要があります。庭の大きさや依頼する作業内容によって費用が変わりますが、1回あたり3~5万円程度が相場となるので、年間費用(4回実施する想定)とすると12~20万円程度のコストがかかります。 - ライフラインの維持費用
定期的な掃除や通水管理をするためには、電気や水道などのライフラインを生かしておかなければいけません。ライフラインは、使用していなくても基本料金がかかってしまうので、年間で3~5万円程度の支払いが必要でしょう。
上記のように、空き家を所有し続ける場合、最低限の管理のことだけを考えても、上記のような費用が掛かってしまうのです。10年間空き家として保有し続けたと考えると、総額はかなりの費用になるでしょう。
- 換気や掃除など基本作業:12~18万円×10年間=120~180万円
- 庭の手入れ:12~20万円×10年間=120~200万円
- ライフラインの維持費:3~5万円×10年間=30~50万円
空き家を適正に管理しておくことを考えると、最低限の維持管理作業でも10年間で270~430万円ものコストになるのです。
さらに、空き家の維持管理については、火災保険の支払いや突発的な支払いの発生が加わる可能性もあるので注意しましょう。火災保険については、誰も住んでいない空き家であっても加入しておくのが推奨されています。タバコのポイ捨てなどにより火災が発生した場合、発見が遅れてしまうことで隣家に延焼させてしまう可能性があり、こういったケースでは所有者に対して損害賠償責任が生じる可能性があるのです。また、台風などで空き家の屋根材が飛ばされ、通行人に怪我をさせた、隣家を破損させたなどという場合も、何らかの対処が必要になるでしょう。こういった事態に備えるためには、火災保険に加入しておく必要があるのですが、空き家の保険料は割高に設定されています。一般的に年間で3~8万円程度が相場なので、10年間保有し続ける場合は30~80万円のコストが追加されます。
この他、誰も住んでいない空き家をいいことに、不法投棄の場所として使われる可能性などがあり、この場合、ゴミの処分に費用がかかります。誰も住んでいない空き家だとは言え、良好な状態を維持し続けることを考えると、莫大な費用が掛かってしまいます。
修繕コスト
空き家は、人が住んでいるかどうかに関わらず、紫外線や風雨などの外的要因の影響を受け、徐々に劣化が進行します。特に、家の劣化速度に関しては、人が住んでいない状況の方が早くなるとされているのです。
これは、人が住んでいない空き家の場合、換気不足に陥ることで建物内に湿気がこもり、カビや害虫の発生、結露の発生などにより、建物の構造部である木材が腐朽してしまうのが大きな要因です。また、人が住んでいない空き家の場合、小さな不具合があったとしても、修繕を先送りにされてしまう可能性が高くなり、損傷が大きくなってから対応することになるケースが多いため、結果的に修繕費が膨らむという状況になるケースがほとんどなのです。
どのような建物であっても、そこに存在するだけで劣化が進行してしまうため、10年間保有し続ける場合には、以下のような修繕、リフォーム費用がかかる可能性があると考えておきましょう。
- 屋根の修繕や葺き替え:50~200万円
- 外壁塗装のやり替え:80~150万円
- コーキング(シーリング)やり替え:25~50万円
- 防蟻処理及びシロアリ駆除:15~30万円
- 給湯器の交換:15~50万円
- 給排水管の修繕:20~50万円
- 室内のカビ除去、クリーニング:10~30万円
上記のように、誰も住んでいない空き家でも、各部の劣化が確実に進んでしまうため、建物を良好な状態で維持し続けるにはそれなりの費用が掛かってしまうのです。屋根や壁の修繕を怠ると、劣化部分から雨漏りが発生し、建物の価値を致命的に損なう結果になる恐れがあります。そのため、専門業者に依頼して、定期的な点検を行い、必要なタイミングでメンテンナンスを実施する必要があるのです。
住んでいるわけではなく、空き家を保有しているだけという場合でも、最低200万円程度のコストがかかる可能性があり、修繕タイミングが重なってしまうと500万円近いコストがかかるケースもあるのです。これらの修繕は、将来的に自分が住むことを想定している場合でも、売却することを考えていたとしても、必要になります。自分が住む場合、快適な住環境を作る必要があるため、引っ越し前に劣化部分の修繕が必要になります。売却する場合も、人が住めるような状態でなければ、買い手を見つけることはできないため、上記のような修繕工事は必須となるのです。
ちなみに、修繕が遅れてしまい、人が住めないような状態になると、解体してから売却するという選択をしなくてはならないかもしれません。この場合、建物の解体費用として100~200万円程度の費用がかかるでしょう。
空き家を「とりあえず」10年間保有するためのコスト
ここまでの解説で分かるように、空き家は所有しているだけでさまざまな出費が発生してしまいます。上で紹介した費用をまとめてみると、総額は以下のようになります。
- 税金:130~260万円(特例を維持できた場合)
- 維持管理費:270~430万円
- 火災保険:30~80万円
- 修繕費用:200~500万円
このように、空き家を10年間保有しておくだけでかかるコストは、最低でも600万円前後、最大で1,000万円を超えるような出費が必要になるのです。なお、この費用に関しては、特定空き家や管理不全空き家に指定されていない、損害賠償が生じるような大きな事故が発生していないということが前提となる数字です。管理が行き届かず、特定空き家などに指定された場合、税金部分の支払いは、最大6倍にまで跳ね上がるので、空き家を保有するためのコストがさらに増加してしまいます。
この総コストを見ると、売却せずに保有を続けるという行為は、メリットよりもデメリットの方が大きいと考えられるのではないでしょうか?そもそも、木造建築が主流の日本の戸建て住宅の場合、築年数が経過するごとに、家の価値が急速に下がってしまいます。「持っていれば値上がりするかもしれない」という考えのもと、長期間空き家として保有しても、上記のようなコストがかかる、家そのものの価値が下がるといった理由があるため、かかるコストほどの利益が得られる可能性は極めて低いと考えておいた方が良いです。
今すぐに売る場合と10年後に売る場合の比較について
空き家として10年間保有し続ける場合、多額のコストがかかってしまうということは分かっていただけたと思います。それは、空き家状態で保有するのではなく、すぐに売却することと比較した場合、お金の面でどれほどの差が生じるのかについても考えてみましょう。ここでは、築年数がある程度経過した一戸建て住宅を相続した時、すぐに売却に動くケースと、ひとまず保有を続けるという場合を比較してみます。
一戸建て住宅の価値については、築年数が大きな影響を与えますが、一般的には、築20年を経過すると、建物部分の価値はほぼ0になると言われています。例えば、新築時(築0〜5年)の価格を100%とした場合、築10年前後で約50%まで価格が下落し、築15〜20年までで新築時の30〜40%程度の価値になるとされています。木造住宅は、法定耐用年数が22年に設定されているため、これを経過すると、建物価値はほぼゼロとみなされるようになります。
例えば、築10年の物件を相続した場合、すぐに売却するのと10年間保有して売却するのでは、そもそもの家の価値が大きく下がってしまうため、損になる可能性が高いです。築20年以上経過した家を相続した場合でも、築30年を超えると、買い手側が持つイメージが悪くなってしまうため、売却可能額は100~300万円程度下落すると言われています。
例えば、物件の売却価格が2,000万円の物件をすぐに売った場合と10年後に売った場合を比較すると、以下のようになります。
■すぐに売却する
- 売却額:2,000万円
- 不動産会社への報酬:▲72.6万円
上記のようになり、単純な手取り額は1,927万円となります。ちなみに、 相続した不動産を3年以内に売却する場合、譲渡所得税を軽減できる特例制度が利用できるケースがあるので、この点も大きなメリットになるでしょう。
■10年間保有したうえで売る
次は、10年間、活用することもなく空き家として保有してから売却するケースです。この場合、築年数がさらに10年経過するため、もともと2,000万円で売却できた物件でも、そのままの価格で買い手を見つけることは難しいです。
- 売却額:1,700~1,900万円
- 不動産会社への報酬:▲約66万円
- 保有コスト:▲500~1,000万円
空き家として10年間保有を続ける場合、先ほど紹介したようなさまざまなコストがかかります。当然、このコストは、すぐに売却した場合には発生しないため、最終的な手取り額は「634~1,334万円」と大幅に減少してしまう結果になるのです。
10年の間に、物件周辺の都市開発が急激に進み、地価が爆発的に上昇するといったことがあれば、保有コスト以上の物件価値の向上が考えられるため、最終的に手にできる収益が多くなる可能性はあります。しかし、日本の都市開発は、高度経済成長期のような「未開発地の新規開発」はほぼ完了しており、現在は、老朽化した建築物の建て替えや交通インフラの再編といった「既存都市の更新(都市再開発)」へとフェーズが大きくシフトしています。そのため、一戸建て住宅の価値が爆発的に上昇するといった未来はほとんど考えられないため、「持つコスト」と「期待される値上がり」を冷静に比較すると、今すぐ売るという行動の方が賢いと言えるかもしれません。
利用や活用を考えていないなら「今すぐ売る」のがおすすめ
ここまでの解説で分かるように、空き家を所有し続けるという行為は、「支出が発生し続ける」と言い換えることもできるなど、所有者にとってはデメリットの方が大きいのではないかと言えるのです。もちろん、将来的に自分たち家族が住みたいと考えている、賃貸物件として活用を考えているという状況なら、しばらくは空き家として管理しておくという選択も間違ってはいないでしょう。しかし、将来的にも、利用も活用も考えていない物件なのであれば、できるだけ早く売却に動く方が大きな収益を得られる可能性が高いと言えるのです。
空き家は、所有しているだけでさまざまなコストがかかってしまいますし、さらに家の価値は築年数が経過していくごとに下落してしまいます。したがって、家の売却によって得られるお金のことを考えると、「今すぐ売却する」という考えが最もお得になると言えるわけです。それでは、実家を相続したなど、自分たちが住まないと想定できる物件をスムーズにかつ高く売却するにはどうすれば良いのでしょうか?
実は、空き家をより早く、またより高く売るためにはホームステージングと呼ばれる対策を導入するのがおすすめとされているのです。ここでは、空き家を早く売るためのポイントとなぜホームステージングが有効なのかについて簡単にご紹介します。
空き家を早く売却するためのポイント
空き家を売りに出し、買い手をスムーズに見つけるためには、いくつか注意しなければならないポイントが存在します。空き家の売却では、「そのままの状態で売る」という方法があるのですが、ここで言う「そのまま」とは「売却準備を何も行わずに売りに出す」という意味ではありません。世の中には、大量の中古住宅が売りに出されているわけなので、ライバル物件と比較検討されたとしても、それに勝てるだけの魅力を引き出してあげる必要はあるのです。
空き家を売りに出し、スムーズに買い手を見つけたいのであれば、最低限、以下のようなポイントは押さえておかなければならないと考えてください。
- 物件の状態をチェックし、必要な修繕を行う
空き家を売りに出すときには、物件の状態を確認して、目に見える劣化は修繕した状態で売りに出す必要があります。空き家は「劣化が急速に進む」という情報は誰でも知っていますし、目に見える劣化が修繕されていない場合、目に見えない部分はそれ以上にボロボロなのではと悪印象を与える危険があります。そもそも、中古住宅市場でも、不具合が多い家は人気が出ないので、売りに出す物件はできるだけ問題のない状態にしておく必要があります。家を売りに出す際は、外壁のひび割れや雨漏りの有無、給排水管の不具合などをチェックし、最低限の補修は行っておきましょう。 - 不用品を処分しておく
相続した実家の売却などでは、親世代が使っていた家具や生活用品が残ったままの状態という物件も多いです。しかし、家の中に不用品が残っている状態は、内覧で良い印象を残すことができません。家の中に荷物が多ければ多いほど、きちんと掃除をしたとしても散らかった印象を与えてしまいますし、狭く感じられる可能性が高いです。したがって、空き家の売却では、不要な家具や物品を処分してから売りに出すのが大切と考えてください。ただ、購入希望者に喜ばれるような設備については、残しておくことで売却をスムーズに進められるかもしれないので、不動産会社の担当者と相談しながら残す家財についても検討しましょう。エアコンなど、高額な家電が使える状態なら、買い手にアピールできる特典になります。 - 物件広告を充実させる
不動産業界では、売買でも賃貸でも、インターネット上の物件広告を見て、気になった物件に内覧の申し込みを行うという流れが一般的なので、物件広告の影響力は非常に大きくなっています。物件写真の枚数が少ない、画質が悪い、魅力的に見える撮影ができていないなどの問題があると、いくら魅力的な物件でも買い手を見つけることが難しくなる時代になっています。したがって、空き家の売却を急ぐ時には、出来るだけ物件の魅力が伝わるような広告写真を用意するようにしましょう。 - 内覧の準備をしっかりとする
不動産売却の成約は、内覧時の印象が非常に重要です。空き家を早く手放したいなら、内覧対応を充実させ、内覧の満足度を高める工夫を施しましょう。そもそも、内覧に来ているということは、物件広告の段階では、売却条件に納得感を持っていると判断できます。立地や建物の条件については、ある程度納得していると考えられるため、最後の後押しとして内覧時の印象を高めることが大切なのです。具体的には、定期的な掃除や換気などにより、物件内部を清潔で快適な状態に保っておくことが基本となります。内覧当日は、早めに足を運び、エアコンをつけて快適性をあげる、照明を点けておくといった直前の準備も有効でしょう。また、最近の中古住宅の売却では、内覧時に「ここに住んでみたい」と思ってもらえるような空間を作るため、専門業者にホームステージングを施してもらうと言う対策が人気です。
空き家をできるだけ早く売却したいと考えているなら、単に売りに出すだけでなく、上記のような工夫を施す必要があると考えてください。相続した実家など、中古住宅の売却では「古く見えるのは仕方ない」「ちょっとした傷があるのは当たり前」と考える人も多いのですが、ちょっとした工夫でマイナスポイントを解消することはできるのです。
ホームステージングが有効な理由
昨今の不動産市場では、内覧時の第一印象を飛躍的に向上させる手法としてホームステージングが注目されています。ホームステージングは、不動産物件をより魅力的に見せる空間演出のことを指していて、内覧に足を運んだ購入希望者が物件を見た際に「ここに住んでみたい」と思わせることで早期かつ高値での売却を促進できるとされています。
具体的には、以下の画像のように、売却や賃貸を予定している物件に、家具やインテリア、照明などを配置して、新築のモデルルームのような空間を作り出す方法となります。購入希望者が内覧をしたときには、購入後のそこでの生活を具体的にイメージできるようになるため、購買意欲を高め、早期かつ高値での売却が実現しやすくなるのです。
■ホームステージング前

■ホームステージング後

上の画像の通り、ホームステージング前後の物件を見比べると、その印象は大きく違ってくるはずです。
そして、ホームステージングが日本国内で普及するにつれ、家具などを配置する空室ホームステージング以外にも、内覧者に良い印象を与えるためのさまざまな業務を請け負ってもらえるようになっているのです。例えば、2024年に実施されたホームステージングでは、以下のグラフの通り、空室ホームステージング以外の作業もかなり実施されています。
上のグラフから分かるように、2024年に実施されたホームステージングでは、基本となる空室ホームステージング以外にも、ハウスクリーニングやリフォーム、草刈りや庭木のカットと言った、物件を美しく見せるための対策が多く実施されています。これらの作業は、築年数が経過した空き家の売却では必要性が高い作業となり、これらの作業をまとめて依頼できるホームステージングが、売却の助けになるわけです。
まとめ
今回は、自分たちが住まない空き家を所有することになった時、すぐに売却に動くのではなく、しばらく保有し続けるという選択をしたときの保有コストについてご紹介しました。
不動産は、大切な資産であるというイメージがあるため、実家を相続した時などには、自分たち家族が住まなくても「持っていれば、将来高く売れるかもしれない」と考える人が多いです。しかし、記事内でご紹介したように、不動産は所有しているだけでさまざまなコストがかかり、さらに築年数の経過とともにその価値が下落していくものなのです。そのため、何も考えずに不動産を保有し続けていると、支出ばかりがかさんでしまい、最終的に手にすることができるお金が減少する結果になる可能性が高いと考えた方が良いのです。
現在の日本は、「家が余る」と言われるような状況ですし、空き家の管理が厳格化されていることを考えると、利用や活用を考えていない不動産は素早く手放した方が良いケースの方が多いです。そして、不動産を手放す際には、より良い条件の買い手を見つけるため、ホームステージングの導入がおすすめです。
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