2026.10.14

モデルルームの寝室をつくる!生活感を消して「暮らし」を見せる5つの共通点

モデルルームの寝室には、独特の空気があります。生活感がないのに、冷たくない。物が少ないのに、そこで眠る人の姿が浮かぶ。

「自分の寝室もああいう感じにしたい」と思って検索した方へ、モデルルームやホームステージングの寝室を実際につくっている側から、その理由をお伝えします。

1. ふつうの寝室との違いは、「引き算から始める」こと

 

 

多くの人は、寝室を良くしようとするとき「何を足すか」から考えます。

おしゃれなランプ、クッション、アート。けれどモデルルームの寝室は、その逆から始まっています。

カグカスでは、空間をつくるときに「置く家具を先に決めて、それに合わせて部屋全体を考える」という順番を取ります。

寝室で言えば、まずベッドの大きさと向き、リネンの色を決める。そこから、必要なものだけを足していく。先に「足さないもの」が決まるので、結果として物が少なく、まとまって見えます。

このとき大事なのは、家具を主役にしないことです。主役は部屋そのもの。

床や建具の色、窓の位置、天井の高さ。家具はそれを引き立てる役です。だからモデルルームの寝室は、家具が目立たないのに部屋が良く見える。

2. 5つの共通点を、事例写真で解剖する

共通点① 色の数を絞る

 

最初にやるのは、色を減らすことです。目安は3色まで。

壁と床の色が1色目、ベッドリネンが2色目、アクセントで3色目。

これ以上増えると、どんなに良い家具を置いても落ち着かなくなります。

この事例では、主寝室をニュートラルカラー(白やグレー、ベージュのような、強い主張のない色)のファブリックでまとめています。

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STANDARD PLAN 178

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共通点② ベッドリネンをワントーンにまとめる

 

寝室で一番面積が大きい「色」は、壁でも床でもなく、ベッドの上のリネンです。ここが柄物や複数の色だと、それだけで生活感が出ます。

この事例は、ジャパンディ(日本の和と北欧のシンプルさを合わせたテイスト)で仕上げた住戸です。

リビングと同じトーンでつながっているから、家全体が一つに見える。自宅でやるなら、リビングのクッションやラグと、寝室のリネンの色を揃えるだけで、ぐっとモデルルームに近づきます。

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STANDARD PLAN 094

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共通点③ ベッドを中心に左右対称に置く

 

ホテルの客室を思い出してください。ベッドの両側に同じサイドテーブル、同じランプ。

この「左右対称(シンメトリー)」が、整った印象をつくる一番簡単な方法です。

自宅では、ベッドを壁の真ん中に置けないこともあります。その場合でも、ベッドの両脇に同じ高さの物を置くだけで、対称に見えます。片側がサイドテーブル、もう片側がスツールでも、高さが揃っていれば十分です。

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PREMIUM PLAN 001

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共通点④ 照明は、ベッドの両脇か床に置く

 

モデルルームの寝室の写真を見ると、天井の照明がついていないことが多いのに気づくはずです。明かりは、ベッドの脇のランプか、床に置いたフロアライトから来ています。

この事例では、寝室はベッド両サイドに照明を設置し、ホテルライクなコーディネートに仕上げています。

天井の照明は部屋全体を均一に照らすので、どうしても「作業部屋」の明るさになります。低い位置に光源を置くと、光と影ができて、部屋に奥行きが出る。これは家具を買い替えるより安く、効果が大きい方法です。

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共通点⑤ 生活感は消し、「暮らしの場面」を1つ足す

 

ここが、一般的な「モデルルーム風にするコツ」と、実際にモデルルームをつくる側の考え方が分かれるところです。

生活感を消すだけなら、物を全部しまえば済みます。でもそれだけだと、寝室は「誰も使っていない部屋」になります。モデルルームの寝室がそうならないのは、引き算のあとに、暮らしの場面を1つだけ足しているからです。

この事例は、約6帖の寝室です。ダブルベッドのほかにスツールやスタンドミラーを置いてリアルな暮らしを想像できる空間にしています。

スツールとミラーがあるだけで、「ここで朝、身支度をする人がいる」という場面が浮かぶ。

足すのは1つ、多くても2つ。何を足すかは、「この寝室で、誰が、何をする時間を見せたいか」で決めます。

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STANDARD PLAN 116

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3. 広さ別に見る

 

「6畳」の寝室から、広い主寝室まで。

広さによって、やることは少し変わります。

広さ やること
約6帖 ダブルベッドを置くと、残るスペースはわずか。だからこそ、足すものを1〜2点に絞る。スツール+姿見のように、面積を取らず、場面が浮かぶものを選ぶ
8〜10帖 シングルベッド2台が置ける広さ。2台並べても窮屈に見えないよう、色数を絞り、ベッド以外は低い家具にする
12帖以上 眠るスペースと、くつろぐスペースを分ける。ラウンジチェアやシェルフで、寝室の中に「もう一つの場所」をつくる

広い寝室で物を少なくしすぎると、今度は寂しく見える。広さに応じて「場面」を増やすのが、引き算とのバランスです。

4. テイスト別に見る

 

「ホテルライク」「北欧」といったテイストでも、やっていることは同じ5つです。

違うのは、色と素材の選び方だけ。

ホテルライク

 

一番多く登場するテイストです。左右対称、ベッド両脇の照明、ワントーンのリネン。

5つの共通点をすべて使うと、自然にホテルライクになります。

ナチュラル

 

オーク(明るい木)の家具と、白やグレーのリネン。温かみがあるぶん、物が増えると一気に生活感が出るので、足すものはさらに絞ります。

北欧

 

丸みのあるオーク材の家具に、ブルーやグリーンを1色だけ差す。

寝室だけ違うテイストにしない、というのも共通点②(リビングとつなげる)の応用です。

和・ジャパンディ

 

木や石など本物の素材を使い、色はブラウン系でまとめる。福岡県の事例(PREMIUM PLAN 062)は、杜を望む立地と木のルーバーの外観から着想を得て、和の趣とモダンを掛け合わせた住戸です。寝室は「ブラウンのやわらかな色味を基調に、1日の終わりに心から緊張がほどけるような、穏やかで落ち着いたトーン」にまとめられています。

 

5. 「生活感」と「生活の場面」は、別のもの

 

最後に、一番伝えたいことを書きます。

生活感とは、「片付いていない状態」のことです。脱いだ服、充電ケーブル、読みかけの本の山。これは消したほうがいい。

一方で「生活の場面」とは、「ここでどう過ごすか」が見えることです。窓辺のチェア、ベッド脇のランプ、姿見の前のスツール。

これは消してはいけない。むしろ、これがあるから寝室は「自分の部屋」になります。

モデルルームやホームステージングの寝室が「生活感がないのに暮らしが見える」のは、この2つを分けているからです。

自宅の寝室でやるなら、順番はこうです。

まず色を減らし、リネンをそろえ、左右対称にし、照明を低くする。

ここまでで部屋は「整った」状態になります。

そのうえで、「この部屋で、自分は何をする時間が一番好きか」を一つ決めて、そのための物を一つだけ置く。

本を読むならチェアとランプ。身支度なら姿見とスツール。

それだけで、モデルルームの寝室に一番近づきます。