モデルルームのリビングはどう見せればいい?ホームステージング会社が答える「家具から決める」順番
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モデルルームのリビングは、「住む部屋」ではなく「決めてもらう部屋」です。
見に来た人は、家具のセンスを見ているのではありません。「ここに自分が住んだら」と想像できるかどうかを見ています。
だから、「おしゃれなリビング」をゴールにすると失敗します。家具が目立つほど、物件そのものの良さが隠れてしまうからです。
では、何から決めればいいのか?
- その物件を買ってほしい人を決める
- リビングに置く家具を決める
- 床・建具・キッチンの色に、家具を合わせる
- 扉を開けた瞬間に何が見えるかを決める
この順番でリビングをどう作るかを解説していきましょう。
モデルルームのリビングを作る順番
ふつうは「部屋ができてから、家具を置く」と考えます。カグカスは逆です。「誰に売るか」を決め、「置く家具」を決め、そこから部屋の見せ方を考えます。順に説明します。
①その物件を買ってほしい人を、先に決める
最初に決めるのは、家具でもテイストでもなく、「誰に買ってほしいか」です。立地、周辺の環境、販売価格から、どんな人が検討に来るかを絞ります。
たとえば、学校が近く、間取りに居室が多い物件なら、子育て中の家族。都心の駅近で、1LDKなら、2人暮らしや単身。ここが決まると、ソファの大きさ、ダイニングの席数、置くべき小物が自然に決まります。
②リビングに置く家具を決めてから、見せ方を考える
買ってほしい人が決まったら、次は家具です。カグカスはこれを「家具起点」と呼んでいます。
ソファ、ダイニングテーブル、テレビボード。この3つで、リビングの印象の大半が決まります。
先に家具を決める理由は、家具が「暮らしの形」を決めるからです。
カウチソファを置けば「ここで家族がくつろぐ」が見え、6人掛けのダイニングを置けば「人を呼べる家」が見えます。壁の色や小物は、そのあとで合わせればよい、という考え方です。
③床・建具・キッチンの色に、家具を合わせる
家具を選ぶときの基準は、物件の内装です。床の色、建具(ドアや枠)の色、キッチンの面材の色。この3つに家具の色を合わせると、リビングはまとまって見えます。
主役は家具ではなく、物件。家具は、物件がもともと持っている良さを引き立てる役です。
④立地と販売価格に見合うグレードにそろえる
最後に確認するのが、「この家具は、この物件の価格帯に見合っているか」です。カグカスの事例には「立地に相応しい」「好立地に佇む物件ならではの」という言い方がよく出てきます。
高価格帯の物件に軽い印象の家具を置くと、見に来た人は「この値段で、この部屋か」と感じます。
逆に、手ごろな価格帯の物件に重厚すぎる家具を置くと、現実味がなくなります。家具のグレードは、立地と価格から逆算します。
モデルルームのリビング、扉を開けた瞬間に何を見せるか
順番が決まったら、次は「見せ方」です。見に来た人の印象は、リビングの扉を開けた瞬間にほぼ決まります。
リビングの扉からの視線の先に置くもの

まず決めるのは、扉を開けたときに「最初に目に入るもの」です。窓からの光、ソファ、ダイニングの風景。この視線の先に、いちばん見せたいものを置きます。
家具の配置は、図面の上で収まりよく置くのではなく、「扉からどう見えるか」で決めます。
リビングを広く見せる「抜け感」のつくり方

モデルルームで多い失敗は、家具を置きすぎてリビングがせまく見えることです。カグカスの事例では「圧迫感のない」「抜け感」という言葉が何度も出てきます。
具体的には、脚の細い家具、背の低い家具、片側にひじ掛けのないソファ。床や壁が家具の向こうに見えると、部屋は広く感じます。「置かない」ことも、ひとつの手法です。
色数をしぼって、黒で引きしめる

色は多くても3色までにします。床と同系の木の色、白やグレージュのような明るい色、そして引きしめ役の黒。この組み合わせが、カグカスの事例でいちばん多い型です。
黒は、家具の脚、照明、小物など、面積の小さいところに使います。全体がやわらかい色でまとまった中に、黒が少し入ると、部屋にメリハリが出ます。
ソファとダイニングで「ここで過ごす時間」を見せる

最後は、「何を置くか」ではなく「どんな場面を見せるか」です。ダイニングに朝食の風景、ソファのそばに読みかけの本、窓際にくつろげる椅子。見に来た人が「この部屋で過ごす時間」を思い浮かべられるようにします。
カグカスの事例には、「“この部屋で過ごす時間”まで想像できる住まい方」を演出した、という説明があります。家具は、暮らしの場面を見せるための道具です。
カグカスのアドバイス
配置が決まったら、リビングの扉の位置に立って、スマホで1枚撮ってください。その写真が、見に来た人の第一印象です。写真で見て「せまい」「ごちゃついている」と感じたら、家具を1つ減らすところから見直します。
物件の条件別|モデルルームのリビング事例
床や建具の色が決まっている戸建モデルハウス|内装と同色の家具でそろえ、黒で引きしめる

新築分譲戸建のモデルハウスの事例です。床材がオーク(明るい木の色)で、内装の色がはっきりしている物件でした。
事例ページの説明によると、床材と同色のオークを中心に家具を選び、家具の脚の黒をポイントにして空間を引きしめています。ゆったりしたカウチソファで部屋に余裕感を出し、上質でナチュラルな空間に仕上げています。
複数の部屋を見せる棟内モデルルーム|リビングを軸に、部屋ごとに「住む人」を作り分ける

新築分譲マンションの棟内モデルルームの事例です。LDKに加えて、主寝室・書斎・子ども部屋と、見せる部屋が多い物件でした。
事例ページの説明によると、LDK・主寝室・書斎は内装に映えるモノトーン(白・黒・グレー)を基調にまとめ、立地にふさわしい上質で都会的な雰囲気を目指しています。
一方、子ども部屋は「小学4年生女児」と具体的に想定し、オークとホワイトのアイテムで明るくかわいらしい空間にしています。
リビングだけでなく、部屋ごとに「誰が使うか」を決めて作り分けているのがポイントです。見に来た家族は、リビングで暮らしの中心を想像し、子ども部屋で「うちの子の部屋」を想像できます。
好立地・高価格帯のモデルルーム|立地に見合う上質さを、色数をしぼって出す

新築マンションのモデルルームの事例です。好立地にあり、コンサバトリー(ガラス張りのサンルーム)が付いた物件でした。
好立地の物件ならではの都会的で上質な雰囲気を大切に、高級感のあるブラック×グレージュの家具を中心に選んでいます。
洋室は書斎をイメージしながら、リビングダイニングとのつながりを感じられる配置に。
色をブラックとグレージュの2色にしぼることで、高級感が出ています。そして、書斎とコンサバトリーで「この家でどう過ごすか」まで見せています。
モデルルームのリビングでよくある失敗
飾りすぎて、物件そのものの良さが見えない
小物や装飾を足しすぎると、見に来た人の目は家具に向き、物件の広さや窓からの光が伝わらなくなります。
足すより、引くことを考えてください。
家具が主役になって、間取りや内装が脇役になる
目を引くデザインの家具を主役にすると、「家具がいい」で終わります。売りたいのは家具ではなく物件です。
家具は、床や建具の色に合わせて、物件を引き立てる役にとどめます。
カジュアルに寄りすぎて、販売価格に合わない
ナチュラルや北欧風は人気がありますが、軽くなりすぎると価格帯に合わなくなります。
明るいテイストでも、素材や家具のグレードで上質さを残してください。
暗い内装のリビングに暗い家具を入れて、重たく見える
床や建具が暗い色の物件に、同じく暗い家具を入れると、部屋全体が重く、せまく見えます。
「暗くなりすぎないよう」「重たく見えないよう」に、明るい色のファブリックや小物を足してバランスを取りましょう。
まとめ
モデルルームのリビングは、センスではなく順番で決まります。
- その物件を買ってほしい人を決める
- リビングに置く家具を決める
- 床・建具・キッチンの色に家具を合わせる
- 扉を開けた瞬間に何が見えるかを決める
この順番で考えれば、見に来た人が「ここに住みたい」と思えるリビングになります。




