2025.09.06

入居者がすぐ退去する理由は?早期退去を防止する対策と空室を埋める方法について

賃貸経営の安定を考えた時には、入居者にできるだけ長く住み続けてもらえるような環境作りが大切です。一度入居してもらった人に長く住んでもらえることができれば、継続的な家賃収入の確保や物件の資産価値の維持ができるようになるだけでなく、入居者募集にかかるコストを削減することができるようになり、賃貸経営の安定化と収益性の向上を図ることができます。

しかし、賃貸経営を行っているオーナーの中には、所有物件への入居者が見つかってほっとしたのも束の間、すぐに退去されてしまいがっかりしたという経験を持つ人が少なくないのではないでしょうか?実は、賃貸物件市場には、入居者がついてもすぐに退去されてしまう賃貸物件と、一度入居すると入居期間が比較的長くなる物件があります。それでは、この二つの物件ではどこに違いがあるのでしょうか?

物件の築年数や外観の綺麗さ、導入されている設備などに大きな違いがないのに、近隣のライバル物件と比較して平均的な入居期間に大きな格差が生じている場合、「なぜすぐに退去されてしまうのか?」と疑問に感じてしまうことでしょう。そこでこの記事では、入居者がすぐに退去する場合に考えられる物件の問題点やその対策などについて解説します。また、記事内では、空室が生じた時、出来るだけ早く入居者を見つけるための方法として注目されているホームステージングについても簡単にご紹介します。

入居者がすぐに退去するのは、物件に何らかの不満がある!

それではまず、せっかく入居してくれた人が、短期間で退去してしまう理由について、考えられるいくつかの原因を解説します。アパートやマンションなどの賃貸物件にて、入居者が短期間で退去してしまうという状況は、物件そのものに対して何らかの不満があるからだと考えられます。

なぜなら、賃貸物件を契約する入居者側にとっても、短期間での退去は望ましい状況ではないからです。新たな物件への引っ越しは、お金も手間もかなりかかってしまうことになるため、入居した物件を気に入っているのであれば、突然の転勤が決まるなど、相当な理由がなければすぐに退去したいとは考えないはずです。

それでは、お金や時間をかけて決めた賃貸物件を、すぐに退去しようと決めるのはどのような理由があるからなのでしょうか?ここでは、早期の退去を招いてしまう主な理由をご紹介します。

理由① 内見時に気付けなかった問題に不満を感じたから

賃貸物件を選ぶときには、実際に物件に足を運び、物件の管理体制や導入されている設備を確認する『内見』と呼ばれる工程を挟みます。内見時には、そこに入居して、自分が理想とする暮らしが実現できるのかなど、細かくチェックしたいと考えると思いますが、限られた時間の中で内見を実施するため、物件の問題点に気付けないことも少なくないのです。

例えば、内見時には気付けなかったけど、住んでみると「上の階に住む人の足音が響く」「壁が思ったよりも薄くて隣の部屋の生活音が聞こえる」など、建物の構造を原因とする問題が生じ、それが不満となって退去を選ぶというケースがあるのです。

特に、若い世代は、プライバシーに非常に敏感であるため、隣の部屋の生活音が聞こえる場合「自分の声なども隣に筒抜けになっているのでは…」と不安に感じてしまう人が多いです。他にも、交通量の多い幹線道路や線路に近い物件の場合、住んでみると「想像以上にうるさくて夜も眠れない…」といった問題を抱えてしまう可能性があり、立地の問題を原因に早期の退去に繋がることがあります。

理由② 管理体制に対する不満から退去に繋がる

この問題は、新たな入居者の早期退去だけでなく、長く住んでくれている優良な入居者の退去に繋がる可能性があるので注意しなければいけません。アパートやマンションなどの集合住宅は、住民全員が利用する共用部分というものがあるのですが、そこの管理を怠ると入居者の退去に繋がります。例えば、以下のような問題は、早期退去の原因となるので、早急に改善しなければいけません。

  • ゴミ置き場の清掃がされていないため、悪臭や害虫が発生している
  • 集合ポスト周辺の掃除が不十分で、いつもチラシが散乱している
  • 共用部分の照明が切れているのに、交換されない
  • 問い合わせやクレームなどの連絡をしても、まともに取り合ってくれない

賃貸物件の管理に関しては、オーナー自身が行うというケースと管理会社と契約し実行してもらうという2パターンがあります。どちらにしても、適切な物件管理がなされていない場合、そこに住む人の住環境が悪くなってしまうため、入居者の不満が大きくなり、退去に至る可能性が高くなります。

理由③ 隣人との問題を抱え、それをストレスに退去を選ぶ

物件内に迷惑行為をしている住人がいると、その他の入居者のストレスとなり、早期退去の問題を引き起こす可能性があります。例えば、以下のような行為は早急な対応が必要と考えてください。

  • 夜遅くに友人を呼んで騒ぐ
  • ペット禁止なのに隠れてペットを飼育している
  • 廊下やベランダなど、共用部にゴミや荷物を放置している
  • ベランダでタバコを吸っている

上記のような問題行動を行う人が物件内に1人でもいれば、その他の入居者は、日々、ストレスを抱えながら生活することになります。そして、物件オーナーや管理会社などに相談したとしても、迷惑行為を行う入居者の行動が改善されない場合、「ストレスを感じるぐらいなら引っ越した方がいい」と退去を選択してしまうのです。

理由④ 家賃など費用に関する不満

最後は、家賃などの費用に関する不満です。家賃に関しては、事前に確認したうえで、収入に見合った家賃帯の部屋を選んでいるわけですし「これを理由に退去する人はいないのでは?」と考えるかもしれません。

しかし、家賃などの費用に関する不満は、賃貸物件での早期退去の要因となり得ます。例えば、会社の同僚などと話していて、自分と同等レベルの賃貸物件に住んでいるのに、家賃に関しては自分よりも安いことを知った、入居後に周辺の物件事情を検索してみると、家賃を割高に感じるようになったなど、入居後に家賃に不満を感じてしまう要因は少なくないのです。
また、入居直後に、けがや病気など、突発的な要因で仕事ができなくなったり、転職で収入が減少したという場合、家賃の支払いが難しくなるため、より安い家賃の物件に引っ越しを考えるケースもあるでしょう。

この他、契約更新の際、更新料に不満を感じて「更新料を支払いたくないから引っ越しを検討する」というケースも少なくないようです。家賃など、費用に関する不満を感じている場合、更新のタイミングで退去するケースが多いため、更新料の部分に対策を施すことも検討しましょう。

早期退去防止のために有効な対策とは?

ここまでの解説で、せっかく入居してくれた人が、早期退去を選んでしまう理由がある程度分かっていただけたと思います。

先程紹介したように、早期退去を選ぶ人に関しても、本来は「退去など選びたくない」というのが心情のはずです。入居者は、不動産屋への訪問や内見など、手間と時間をかけて物件を選んでいるわけなので、早期退去を選択する場合、また同じ手間をかけなくてはならなくなります。さらに、新たな物件の入居費用や引っ越し費用など、本来はかける必要のない費用まで掛かってしまう訳で、物件に存在する不満が解消できれば、そのまま住み続けてくれるはずなのです。

そこでここでは、賃貸経営を進めていく上で、非常に大きな悩みとなる早期退去を防止するための対策についてもご紹介します。ここでご紹介する対策については、上で紹介した問題を解消するための物を中心に解説します。

対策① 入居者の不満を解消するリフォームの実施

早期退去の理由が、建物そのものに構造的な問題があるというケースでは、リフォームなどを施して入居者が不満に感じないような環境を作ることが必須です。なぜなら、早期退去の原因を残したまま新たな入居者を募集しても、またすぐに退去されてしまう可能性が高いため、空室リスクを永遠に抱え続けなければならなくなるからです。

例えば、「上の階の足音がうるさい!」と言った苦情が多く出る場合、天井もしくは床部分の防音対策を実施すると良いです。例えば、階下に足音が伝わりにくくなるよう、防音仕様のフローリング材に交換する、フローリングをやめてクッション性のある床材に交換する、床材の下に吸音材や遮音材を設置することで、階下に足音が響かないようにするといった対策があります。
この他にも、外部騒音の侵入を防止したい場合は、窓部分の防音対策が有効です。例えば、防音ガラスへの交換や二重サッシの導入などにより、窓部分の防音性を高めてあげれば、外部騒音が侵入しにくくなるため、早期退去を防ぐことができるようになるかもしれません。なお、窓部分の防音対策については、外部に窓シャッターを設置するという方法も有効です。夜寝る時に、外部からの騒音が気になるという場合でも、シャッターを閉めることで音が伝わりにくくなり、問題を解消することができます。さらに窓シャッターは、部屋の防犯性を高めてくれるという効果が期待できるため、部屋そのものの価値を高めることも期待できます。

早期退去の理由が建物そのものに問題があるという場合、可能な限りその問題を解消できるようなリフォームの実施を検討しましょう。リフォームで解決できない、リフォームの費用を捻出できないというケースでは、家賃を下げることも検討する必要があるかもしれません。家賃を下げれば「家賃が安いし多少の問題は我慢しよう」となる可能性があります。

対策② 管理面の不満は、管理会社の見直しが必要

賃貸物件は、入居者が住む部屋の中が綺麗であれば問題ないのかというと、そうではありません。廊下やゴミ捨て場、エントランスなどの共用部分について、清掃が行き届いていない、照明などの消耗品の交換が遅いなど、管理体制に不備があれば、入居者は気持ちよく生活することはできません。したがって、物件管理の面で不満が高まり、退去に繋がっているというケースでは、この部分を見直す必要があるでしょう。

まず、物件の管理をオーナー自身が行っているという場合は、管理に足を運ぶ回数などを見直してみましょう。例えば、物件の掃除などは燃えるゴミの日に足を運んでまとめて行うという体制が組まれているケースがあるのですが、この場合、共用部の照明などが切れても数日間は放置されてしまうことが確実になります。また、物件管理は日中に実行される可能性が高くなるため、物件管理に足を運んだとしても照明が切れていることに気付くことができず、しばらく放置される可能性も高いです。さらに、集合住宅のゴミ置き場は、収集日に関係なくゴミを出す住人がいるため、小まめに共用部の掃除に行かなければ、汚れや悪臭が目立ってしまうことがあるのです。したがって、オーナー自身が物件の管理を行う場合は、2日に1回など、小まめに物件を訪問して、共用部に問題が生じないようにすることが大切です。

次に、管理会社に物件管理を委託しているという場合です。管理を専門業者に委託しているのにもかかわらず、管理体制に不満を持たれて退去者が出ているという場合、早急に管理会社を見直しする必要があるでしょう。当然、物件管理を委託しているわけなので、そこには費用が発生しているはずです。それなのに、適切な物件の管理をしてもらえないなら、その会社と付き合っている意味などありません。
また、物件管理を原因とした早期退去は、トラブル時の対応状況などが要因となるケースもあります。この場合、オーナーの自主管理のケースでは、夜間や休日に入居者からの連絡に対応することが難しく、そこに不満が溜まってしまう可能性があるのです。したがって、トラブル対応で入居者の不満が貯まらないようにするためには、24時間365日体制でトラブル時の対応を行える体制を整えた管理会社に物件管理を委託するという方法を検討すると良いでしょう。

物件の管理体制が整えば、共用部は常に清潔な状態を維持することができるようになるため、入居者の物件に対する印象が良くなり、長期的な入居に繋がる可能性が出てくるでしょう。

対策③ 入居審査を厳格に行う

入居者の早期退去は、物件内に住む入居者同士のトラブルが原因となるケースも少なくありません。先ほど紹介したような迷惑行為を行う人がいれば、他の入居者は日常的にストレスを抱えることになるため「他の物件に引っ越した方が良い」と退去を決断してしまうのです。

つまり、入居者の早期退去を防ぐという面では、迷惑行為を行っている入居者への対処が必要不可欠なのです。入居者の迷惑行為を防ぐためには、最初の入居審査の段階で為人などをしっかりと確認することも大切ですが、入居に当たってのルールをしっかりと伝え、迷惑行為を控えてもらうように依頼することが大切です。明確なルールを作り、問題行動が確認された時の対処などについて、契約書にきちんと含めておくことで、問題発生時も速やかに対応することができるでしょう。

なお、賃貸物件の空室対策では、入居審査の基準を少し甘くするという方法があります。しかし、早期退去を防ぐという視点で考えると、入居審査は厳しくすることが重要です。空室を恐れるあまり、入居審査の基準を甘くしてしまうと、ルールを守れない人が入居してしまう可能性が高くなります。そして、ルールを守らず迷惑行為を行う人が一人でもいると、他の優良な入居者が続々と退去してしまうという状況に陥ってしまう可能性があり、空室リスクがさらに高くなってしまうことも考えられます。

優良な入居者を集め、安定した賃貸経営を進めていくには、入居審査で、属性や応対の仕方などを確認して、安心して入居してもらえる人を選ぶことが非常に重要です。そして、契約時には、入居時のルールなどを文書にまとめて手渡し、そのルールを順守してもらえるように努める必要があると考えてください。

対策④ 費用に関する不満は、家賃の見直しや物件価値の向上が必要

最後は、費用面に関する不満への対策についてです。先ほど紹介したように、入居時に納得してもらっているはずの家賃に対して、後から不満が出て退去を選ぶというケースもあります。この問題については、築年数や設置されている設備構成と家賃が見合っていないと感じられているのが主な要因と言えるでしょう。

どのような賃貸物件でも、築年数が経過していけば、老朽化により外観イメージが悪くなる、導入されている設備が陳腐化するなどといった理由で、家賃は下がっていきます。しかし、中には、立地条件の良さなどを背景として、強気の家賃設定を行い、長期間家賃の見直しを行わない物件などもあるのです。そして、このような物件で、早期退去が続くというケースでは、周辺の類似物件と比較すると、家賃が割高になっている可能性があるでしょう。この場合、周辺の家賃相場を確認したうえで、家賃の引き下げなども検討しなければならないかもしれません。

家賃と物件の状態が見合っていると入居者が感じれば、早期退去を防ぐことができますし、空室問題を解消できる可能性が高くなります。なお、家賃の値下げに関しては、継続的な収入減少に繋がるという点から、これを嫌う物件オーナーは多いです。この場合、物件価値を高めるという方向の対策を実行すれば、今のままの家賃設定で早期退去を防ぐことができるかもしれません。先ほど紹介したように、家賃と物件の状態が見合っていれば、入居者は家賃に不満を感じることはないのです。したがって、外壁塗装などにより物件の見た目を改善する、宅配BOXなどのトレンド設備を導入することで物件に新たな価値を付加するといった対策により、現在の家賃と見合う状態にすれば、早期退去を防止することができるようになるはずです。

退去者が出た時に早く入居者を見つけるための方法について

ここまでは、入居者が早期退去を選んでしまう理由とその対策について解説しました。賃貸物件での早期退去は、物件オーナーにとって悩みの種になることは当然として、入居者側にとっても選びたくない選択肢であることは間違いありません。時間と手間をかけて決めた物件を早期に退去する場合、また同じ手間暇がかかることになるうえ、引っ越し費用など余計なコストもかかってしまうことになるのです。したがって、上で紹介したような対策を実施し、入居者が早期退去を選ばないような環境を作ることは、賃貸経営の安定化に非常に重要な要素となるでしょう。

そして、物件で退去者が出た時には、「できるだけ早く空室を埋める!」ということも重要です。空室期間が長引けば、その分家賃収入が入って来なくなるわけなので、賃貸経営を圧迫する可能性があります。そして、昨今の賃貸物件市場では、非常に有効な空室対策の一つとして、ホームステージングと呼ばれる手法が注目されるようになっています。賃貸の空室対策には、さまざまな手段が考案されているのですが、物件の仲介を担う不動産会社を中心に、ホームステージングによる空室対策が広く普及し始めています。

そこでここでは、賃貸物件の空室対策としてホームステージングの実施にどのようなメリットがあるのか、また実際にどのような効果が認められているのかについて解説します。

ホームステージングのメリット

昨今の不動産業界では、中古住宅の早期売却や賃貸物件の早期成約を実現するための手法としてホームステージングと呼ばれる対策が注目を集めています。ホームステージングがどういったものなのかについては、以前「ホームステージングとは?その効果や具体的な実施方法をご紹介!」という記事の中で詳しく解説しているので、詳細はこちらの記事で確認してください。

ホームステージングの実施内容について簡潔に言うと、室内に家具やインテリア、照明などを配置して、内見者により良い印象を持ってもらえるように部屋の中をコーディネートするという対策になります。賃貸物件の入居者募集の際、空室状態で内見してもらうというケースが多いのですが、この場合、ガランとした殺風景な部屋を見るだけになり、本来の部屋の良さが伝わりにくくなります。一方、家具などでコーディネートされたホームステージング後の物件は、内見時に部屋のサイズ感や入居後の生活動線などが見えてくることから、内見者に「ここに住んでみたい」と思わせることができ、早期の成約が期待できるようになるのです。

それでは、賃貸物件の空室対策としてホームステージングの実施は、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?一般的には、ホームステージングを実施することで、以下のようなメリットが得られるとされています。

  • Web広告の閲覧数が増加する
  • 内見者数の増加が期待できる
  • 物件の印象が良くなるため成約率の向上が期待できる
  • 空室期間が短くなる

ホームステージングは、インターネット広告の段階から好影響が期待できるとされています。今の時代、賃貸物件を探す時には、インターネット上の物件検索サイトを利用するのが当たり前になっています。住みたい地域や希望する家賃、設備などから自分の希望に合った物件を絞り込み、気になった物件を見つけたうえで不動産会社に連絡するという流れが一般的です。そして、ホームステージングは、この物件探しの段階で非常に大きな効果をもたらせてくれるのです。

一般的に、不動産検索サイトに掲載されている物件画像は、空室状態の室内を映しているものが多いため、どれも同じような見た目になってしまいます。しかし、ホームステージングを施せば、ここに家具などがきちんと配置されている物件画像を掲載することができるようになるため、ライバル物件よりも目を引く広告になるのです。実際に、ホームステージングを施した物件画像をweb広告に使用することで、閲覧数や内見依頼数が増加したという結果が出ています。

そして、内見者数が増加すれば、それだけ成約してもらえる可能性も高くなるので、結果的に空室を早く埋めることができるという効果が期待出来ます。

ホームステージングの実際の効果

それでは最後に、ホームステージングにより、実際にどのような効果が出ているのかについてもご紹介します。ここでは、日本ホームステージング協会が毎年行っている、ホームステージングに関する実態調査のデータから、賃貸業界においてホームステージングの実施でどのような効果が得られたのか、最新版のデータをご紹介します。

引用:ホームステージング白書2024年

上のグラフは、2024年に賃貸物件でホームステージングを施した時、どのような効果が得られたのかを示しています。
まず、成約までの期間については、ホームステージングを施すことで「短縮できた」という回答が約73%に及んでいます。空室期間の長期化は、賃貸経営に大きな影を落とす結果になるため、このホームステージングの効果は非常に魅力的に映るはずです。そしてさらに、ホームステージングは、「家賃をあげられた」という非常に興味深い効果も得られています。上の右側のグラフを見ていただければ分かりますが、ホームステージングを施すことで、従来の家賃から「1~4%値上げできた」という回答が50%に上っており、さらに5%以上値上げできたという物件も10%を超えているのです。

これからも分かるように、ホームステージングは、賃貸経営者にとって非常に心強い味方になってくれる注目の対策と言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、賃貸物件の入居者がすぐに退去してしまう理由や、その対策について解説しました、記事内でご紹介したように、入居してくれた方がすぐに退去してしまうという場合、その入居者は物件に対して何らかの強い不満を感じている可能性が高いです。引っ越しする場合、時間も手間もお金もかかるのに、その物件に留まるのではなく「退去」を選択するということは、我慢が出来ないレベルの問題が生じていると考えなければいけません。

そして、この問題は、その物件に住んでいる他の入居者も同じように不満に感じている可能性があり、問題を放置すると空室だらけになってしまう恐れまであるのです。したがって、早期退去を選ぶ入居者が出た時には、物件内にどのような問題が生じているのか早急に調査し、何らかの改善対策が必要と考えてください。安定的な賃貸経営は、入居者が快適に生活できる環境を整え、出来るだけ長く住んでもらえるようにすることが非常に重要です。

ただ、どのような物件でも、退去者が出てくることは普通のことなので、空室が生じた時に「できるだけ早く入居者を見つけるためにはどうすれば良いのか?」についても考えておくことがおすすめです。そして、昨今の賃貸業界では、ホームステージングによる空室対策が非常に有効な対策とみなされているので、空室が生じた時は実施を検討してみると良いでしょう。