2025.12.09

駅から遠い家は売れない?スムーズな売却を実現するための対策

今回は、一般的に売却するのが難しいと考えられている「駅から遠い家」について、なぜこの条件の家が売れないのか、またスムーズに売却を進める方法はないのかについて解説していきます。

以前、別の記事でもご紹介していますが、同じ不動産の売却でも「売れやすい家」と「売れにくい家」というものが存在します。前者は、立地条件が良い、築浅で建物の状態が良いなどという条件を満たした物件となるのですが、その反対に「駅から遠い」「築年数が経過している」と言った物件については、売りに出してもなかなか買い手が見つからず悩んでしまう売主さんが多いです。

実際に、現在家の売却を検討している方の中には「駅から遠い自宅は本当に売れるのだろうか?」「立地が悪い物件は売却を諦めるしかないのかな?」など、不安な気持ちを抱えているかもしれません。確かに、駅近物件と比較すると、駅から遠い物件は「生活利便性が悪くなる…」と考えられるため、売却が難しくなる傾向があるのは確かです。しかし、絶対に買い手が見つからないのかというとそうではなく、世の中には「駅から遠い」など、一般的に立地が悪いという条件の家を探している方も少なくないのです。

そこでこの記事では、駅から遠い家が売れにくくなる要因や、スムーズに買い手を見つけるためにおさえておきたい販売戦略上のポイントについて解説します。

関連:売れる家と売れない家の特徴!売却が難しい家こそホームステージング

駅から遠い家が敬遠される理由

それではまず、「駅から遠い家」が売れにくい理由について解説していきます。売りに出したとしても買い手が付きにくいとされる家の条件はさまざまあるのですが、その中でも「駅から遠い」という条件は、多くの方に敬遠される要因となります。

ここでは、駅から遠い家が買い手側から敬遠されてしまう主な要因についてご紹介します。

①通勤や通学の負担が大きくなる可能性が高い

一つ目の理由は、通勤や通学に電車を使う人にとって、駅までの移動時間が長くなってしまうことが「大きな負担になる」と考えられてしまうからです。通勤や通学は、毎日のことになるため、「できるだけ早く駅に着きたい!」と希望する方が多いです。

実際に、購入する家を探す際に利用する不動産検索サイトでは、「駅徒歩〇分」など、希望する駅までの移動時間で物件を絞り込み、購入候補に入る物件を探すのが一般的です。多くの方は「徒歩10分以内」を希望するとされているため、これ以上の移動時間がかかるような物件については、購入検討者の目にも触れないという状況になってしまう可能性があるのです。この場合、いくら物件の状態が良くても、その情報が購入検討者にまで届かない可能性があり、なかなか買い手が見つからない…という状況に陥ってしまうのです。

②家族の安全性に不安を感じる(特に夜間)

駅から遠い家の場合、帰宅時も長い時間をかけて家まで移動しなければいけません。朝や昼間など、明るい時間帯であれば特に気にならないという人もいますが、夜間になると危険を感じる方も少なくありません。特に、人通りが少ない道路を長時間移動しなければならないという状況になると、女性や子供の安全性を不安視する人が多いはずです。

したがって、子育て世帯のファミリー層や高齢者と同居するご家庭、中学や高校に通う女性がいるご家庭の場合は、購入する物件を検討する際、安全性を重要視することから、「駅から遠い」という条件を敬遠しがちなのです。結果的に、駅から遠い家は、売りに出してもなかなか買い手が見つからない…という状況になるわけです。

③生活利便性が低い可能性が高い

3つ目の理由は、駅から遠いという条件の場合、周辺施設の充実度が低くなることで、生活利便性が低い…と感じられ敬遠されるというものです。

人が生活していくためには、スーパーなどの商業施設や病院、役所などの公共施設が近くにあればあるほど便利に感じます。皆さんも、賃貸物件を探す時には、日常的に利用するコンビニの近さを重視したという経験があるのではないでしょうか?実は、こういった生活利便施設に関しては、多くの人が行き来することになる駅周辺に集まりやすい傾向にあります。つまり、駅から遠い家の場合、生活利便施設からの距離も離れてしまう可能性があり、「日常生活が不便になるのではないか…」と感じられ敬遠される傾向にあるのです。

④資産価値の維持が難しい

駅から遠い物件は、買い手側にとっても「将来的に再販したいと思っても、売却はより難しくなるのではないか?」など、将来的な資産価値に不安が残ってしまうことで、購入を躊躇う方が多いです。

ここまでの解説で分かるように、「駅から遠い家」というのは、どうしても売れにくくなるという認識を多くの方が持っています。築浅物件であれば、建物の状態の良さが利点となり、買い手がすぐに見つかる可能性もありますが、将来的な再販のことを考えると「築浅」というメリットもなくなっているのです。そのため、「将来、自分が売ろうと思った時には価値がなくなっている可能性が高い!」などと考えられ、購入を避けられてしまう訳です。

「駅から遠い家」のアピールポイントとは?

ここまでの解説だけを見ていると「やっぱり、駅から遠い家は売れないのじゃないか…」とさらに不安になってしまったという方が多いかもしれません。しかし、冒頭でもご紹介しているように、駅から遠い家でも、売却できる可能性が十分にあります。さらに、中古住宅を探している方の中には、「駅から遠い」という条件を求めているという方も一定数いるのです。

なぜなら、「駅から遠い」という条件については、見方を変えると「人通りが少なくて、静かで落ち着いた住環境になると期待できる」というメリットに感じられるポイントになるのです。さらに「駅から遠い」という条件は、駅近エリアと比較した場合、地価がおさえられている傾向にあるため、同じ予算で家の購入を考えた時には、より広い家を手に入れられる可能性があるのです。実際に、郊外に建てられている家の場合、庭や駐車場なども確保されているという条件の家が多いため、車移動が中心の方にとっては、駅近という条件よりも好ましいと感じる人も多いのです。

そもそも、家の購入を検討しているという方でも、全ての人が「駅近」を求めているというわけではなく、それよりも「家の広さ」や「庭が欲しい」など、駅から遠いからこそ実現できる条件を求めているという方も少なくないのです。したがって、「駅から遠い」という条件の家を売却したいと思った時には、デメリット面に不安を感じるのではなく、その条件だからこそ得られているメリットをアピールポイントとして前面に押し出すという販売戦略を考えると良いです。

ここでは、「駅から遠い家」のアピールポイントをいくつかご紹介します。

①騒音に悩まされにくい

駅から遠い家の場合、地価が比較的安くなるため、都心部に建てられる家と比較すると、家と家の距離が離れているケースが多いです。大阪市や東京など、都市部に建てられる戸建て住宅は、狭小住宅が増えていて、隣の家との距離が数十cmしか離れていないケースも珍しくなくなっています。そのため、日常生活を進めていく上でどうしても生じてしまうような普通の生活音が原因となり、ご近所さんと騒音トラブルに発展してしまうことも多くなっているのです。

一方、駅から遠いなど、地価がおさえられる場所に建てられる家は、庭や駐車場も十分なスペースが確保されていて、家同士の距離が自然と離れていくのです。音は、距離に比例して減退していくものなので、各住宅間の距離が離れると聞こえにくくなるのです。そのため、駅から離れた住宅の場合は「静かで快適な住環境が構築できる」といった点がアピールポイントになるのです。

②安全に子供を遊ばせることができる

上でもご紹介していますが、駅から遠いという条件の場合、広いスペースを確保しやすくなるので「庭付き一戸建て」という条件の家も多くなります。都市部の住宅であれば、自宅の敷地内で安全に子供を遊ばせることは難しいのですが、自宅に庭を設けることができれば、そこで安全に遊ばせることができます。

この他にも、庭があれば休日に家族でBBQを楽しむ、ペットを飼いやすくなるなど、余裕のある生活を実現しやすくなるのです。小さなお子様がいる子育て世帯やペットと一緒に生活したいと考えている方にとっては、「余裕のあるスペース」は「駅から遠い」というデメリット面よりも嬉しいアピールポイントになることもあります。

③安価に家を手に入れられる

「駅から遠い」という条件は、一般的に敬遠されがちだと紹介しました。売り手側からすると、売却価格が下がることがデメリットのように感じますが、同じ規模、設備の家と比較すると、安く購入できているはずなので、売却益のことを考えると、売却価格が安くなるということがデメリットとまでは言えないのです。

一方、買い手側からすると、同条件の家と比較すると「安く購入できる」もしくは、都市部の家と比較すると同じ金額で「より広い」「築年数が新しい」など、魅力的な物件を購入できることになります。そのため、「絶対に駅近が良い」という方以外にとっては、安く条件の良い家を入手できるという点がアピールポイントになるのです。

その他、「駅から遠い」がデメリットにならなくなる条件

駅から遠い家の場合でも、以下のような条件を満たしている物件は、駅近物件よりも売却しやすくなることもあります。

  • 築浅で搭載設備なども充実している
  • 大型商業施設が近くにある
  • バス路線が充実していて、公共交通の選択肢が豊富
  • 徒歩圏内にスーパーがある

上記のような条件を満たしている物件の場合、駅から遠いからといってネガティブにとらえすぎる必要はありません。上で紹介した、「駅近物件」にない魅力や自宅ならではのメリットを購入希望者にしっかりと伝えていくことで、スムーズな売却に繋がる可能性があるでしょう。

駅から遠い家をスムーズに売却するためのポイント

ここまでの解説で、駅まで遠いという条件の家であっても、「売れない」というわけではないということが分かっていただけたと思います。ただ、「駅から遠い」という条件については、一般的な購入希望者からは敬遠されてしまう可能性があるのも事実なので、スムーズな売却を目指すのであれば販売戦略をきちんと検討しなければならないのです。

そこでここでは、「駅から遠い家」の売却をスムーズに進めるためのポイントをいくつかご紹介します。

ターゲットを明確にする

「駅から遠い」という条件の家については、一般的には敬遠されてしまう要因となります。しかし、上でも紹介しているように、全ての人に嫌われる条件なわけではなく、むしろ「駅から遠い」という条件を好んで探しているという方もいるのです。

ただ、駅から遠いという条件を気にしないという方でも、家に求める条件はそれぞれ違いますし、売りに出す物件についても「アピールポイント」はそれぞれの物件ごとに異なるはずです。したがって、まずは、自宅のアピールポイントが何で、どのような層の人に「魅力的だ」と思ってもらえるのかを考えることから始めましょう。

「駅から遠い家」の購入を検討するのは、以下のような層となるので、自宅のアピールポイント的にどの層がメインターゲットになるのかを検討しましょう。

  • 車移動が中心の人
    通勤や買い物について、電車を利用するのではなく車移動を中心としている層の方にとっては、駅からの距離はさほど気になりません。駅から遠い家の場合、広い駐車場が確保されている可能性が高いため、むしろ駅近の狭小住宅よりも駅から遠い家を求めているまであるでしょう。特に、幹線道路へのアクセスが良い家の場合、車移動が中心の人にとっては、非常にありがたい条件になります。
  • テレワーク中心のDINKs
    DINKsは「意識的に子どもを持たない共働き夫婦」のことを指します。最近では、在宅での勤務が中心となる企業も増えていて、テレワーク中心のDINKsの場合、通勤の必要性がないため、駅からの距離はデメリットになりません。また、自宅で仕事をするという特性上、静かで広い住空間を求める場合が多いです。したがって、この層の方は駅から遠い家の方が、要望にマッチする可能性が高いのです。
  • 子育て世帯
    小さな子供がいる子育て世帯も、駅から遠いという条件を好む方がいます。例えば、近くに学校があるという条件の場合、通学に電車を利用する必要がないため、駅の近さよりも日常生活の利便性や治安の良さを重視するのです。駅周辺は、子供を誘惑する施設も多いですし、繁華街から離れた静かな環境で子育てをしたいと考える方も多いです。したがって、近くに公園がある、徒歩圏内にスーパーがあるという条件なら、子育て世帯の方にアピールしやすくなるはずです。
  • 広さと価格を重視する方
    家の購入は多額の予算が必要になります。どのような方でも、予算の限界と求める家の広さのバランスに頭を悩ませているのです。この点、駅から遠い家の場合、余裕のあるスペースが確保された家が比較的安価に購入できるため、家の広さや価格を重視する方にとっては狙い目の物件になるのです。駅近物件は、どうしても価格が高くなってしまうため、満足のいく広さを予算内で手に入れたいと考える人にとっては、手が出しにくいのです。

上記のように、「駅から遠い家」を求めている層の方も意外に多いのです。したがって、自宅のアピールポイントを洗い出し、どの層の人がメインターゲットになるのかをしっかりと絞り込み、その人たちに向けて販売活動を進めることが早期の売却への近道になるかもしれません。

物件の良さをアピールできる広告展開

物件のターゲット層が明確になれば、その人たちに響く魅力な伝え方を考えると良いです。例えば、物件のアピールポイントが正確に伝わるように、物件広告の中で具体的に記載するという方法があります。例えば、以下のような点に注意しながら、物件の魅力が伝わりやすくなるようにしましょう。

  • 生活利便性について具体的に伝える
    駅から遠い物件は、生活利便性が低いのではないかと思われがちです。したがって、「スーパーまで徒歩〇分」「大型商業施設まで車で〇分」など、生活利便施設までの距離を具体的に示してあげると良いです。具体的な数値の目安があれば、生活利便性も伝わりますし、最終判断は「内覧時に周辺施設を見れば良い」と思ってもらうことができます。これらの情報が何もなければ、「不便な生活を強いられるのではないか」と言った不安が先にたち、敬遠される可能性が高くなります。
  • 交通アクセスについて明確にする
    駅から遠い物件は、交通アクセスの悪さが敬遠される要因です。逆に考えると、電車以外において、交通アクセスの良さがアピールできれば、駅から遠いことはデメリットにならないのです。例えば、バス路線の充実度や主要駅までの所要時間を具体的に記載する、車移動を想定する場合は「幹線道路までのアクセスの良さ」などを具体的にアピールすることで、駅から遠いというデメリットを解消することができるのです。
  • 広さや生活のしやすさを強調する
    広い庭や駐車スペースは、非常に大きなアピールポイントになります。また、静かで過ごしやすい住環境も、多くの方が求める条件となるため、これらの魅力がきちんと伝わるように広告を工夫しましょう。例えば、駐車場や庭の広さについては、複数の写真を掲載することでアピールしたり、「騒音に悩まされない」「リモートワークや勉強にも集中できる立地」など、アピールポイントが具体的に伝わるキャッチコピーを掲載するなどが効果的です。

上記のように、「駅から遠い」というデメリット面を打ち消すことができるだけのアピールポイントを具体的に伝えることで、魅力的な物件だと思わせると良いのです。

さらに、家の売却では、物件そのものの魅力をより引き出すという方法を採用するのもおすすめです。家の売買では、最終判断の場として購入希望者による内覧の実施があります。内覧は、購入を検討している物件に、実際に足を運び、物件の状態を確認する作業のことを指しています。スムーズに家を売りたいと考えた時には、この内覧の対応が非常に重要で、この時に良い印象を与えて「ここに住みたい!」と思わせられるかどうかが勝負となるのです。内覧時の印象を良くするための方法については、次項で詳しくご紹介します。

不動産買取を検討する

転勤を原因とした家の売却など、「早く家を売りたい」という場合は、不動産買取の利用も検討しましょう。

駅から遠い家であっても、売却方法を工夫することで早期の売却を目指すことができます。しかし、一般的には敬遠される理由となってしまうという点から、売りに出してもなかなか買い手を見つけられないとなってしまうことも少なくないのです。

不動産買取は、不動産会社に買い手を探してもらうのではなく、直接買い取ってもらうことができる方法なので、提示された金額に納得できるのであれば、すぐに売却を完了させることも出来ます。ただ、不動産買取の場合、仲介で売却する時と比較すると、売却価格が安くなる傾向にあるので、その点は注意しましょう。買取業者は、再販を目的に物件を購入しており、購入後にかかるリフォーム費用などがあらかじめ差し引かれた金額が提示されるためです。

駅から遠い家の売却にはホームステージングが有効

ここまでの解説で、駅から遠いなど、一般的には売却が難しいとされる条件の家でも、購入ターゲットを明確にしたうえで、その人たちに「魅力的だ!」と思ってもらえるようなアピールを的確にすれば、スムーズに買い手を見つけられる可能性があるとわかっていただけたと思います。

そして、駅から遠い家の売却において、早期の成約を目指したいと考えている方は、ホームステージングの実施がおすすめできます。先程紹介したように、家の売却では、最終的な判断を下すため、購入希望者に物件を内覧してもらうという工程を挟みます。内覧では、家の中を隅々まで確認してもらい、購入後の生活を具体的にイメージさせることで「ここに住んでみたい」と思わせることが重要なのですが、それを後押しする方法としてホームステージングが注目されているのです。

ここでは、ホームステージングがどのような対策なのか、また駅から遠い家の売却でなぜ有利に働くのかについて解説します。

ホームステージングとは?

ホームステージングは、以下の画像のように、物件内に家具やインテリア、照明や植物を配置することで、物件の魅力をより引き出すという対策のことを指しています。

ホームステージングは、ガランとした空室状態の物件に対して、ターゲット層が最も良い印象を受けるような空間にコーディネートを施すという方法になります。空室状態の物件を内覧した時には、どうして殺風景なイメージを受け、「悪くはないけれど、購入する決め手がない…」と躊躇してしまう方も多いです。一方、ホームステージングが実施された空間は、入居後の生活動線や家事動線を具体的にイメージすることができるようになるため、自分たちにとって理想的な家かどうかを判断しやすくなるのです。

なお、ホームステージングは、新築のモデルルームとは異なり、物件の購入ターゲットとなる層を細かく設定したうえで、そのターゲットとなる方が内覧した時に最も良い印象を与えられるような空間を作る対策です。そのため、内覧にまで足を運んでもらうことができれば、「ここに住んでみたい!」と思ってもらえる可能性が高くなるため、スムーズな売却が期待できるわけです。

駅から遠い家の売却にホームステージングが適している理由

それでは最後に、ホームステージングと呼ばれる対策が、駅から遠い家の売却活動で効果的と言われている理由についてもご紹介します。以下のような点から、駅から遠い家の売却では、ホームステージングが非常に効果的に働くと言えるのです。

  • 物件広告の段階でライバル物件と差別化ができる
    ホームステージングを実施すれば、物件広告として掲載する画像もより魅力的なものになります。今の時代、内覧に足を運ぶ物件は、不動産検索サイトで探すのが一般的ですが、不動産検索サイト内には、数多くの物件広告が掲載されています。その中から自分の物件を見つけてもらうには、物件の魅力を最大限伝えられる画像の掲載が必要なのです。ホームステージングを実施すれば、家具などが配置された魅力的な物件画像を広告として掲載することができるようになります。そのため、一般の方が撮影したライバル物件の情報よりも目に留まる可能性が高くなり、内覧に来てもらえる機会が増えると考えられるのです。
  • 内覧時の印象が良くなる
    ホームステージングは、内覧時の印象を最大化できるという点も大きなメリットになります。先程紹介した通り、ホームステージングは、物件内を家具やインテリア、照明などでコーディネートするという方法となります。そのため、· 購入検討者に内覧してもらった時には、そこでの生活をイメージしてもらいやすくなり、早期の成約が期待できるようになるという効果があるのです。

上記のように、ホームステージングは、物件広告の段階でライバル物件との差別化ができるうえ、さらに内覧時の印象をより良くすることができます。そのため、ホームステージング未実施の物件と比較すると、早期の売却や高値での売却が期待できるとされているのです。

なお、住みながらの売却においても、ハウスクリーニングや不要家財の回収、処分、家財の一時預かりなど、家の売却準備に必要となる作業をまとめて依頼することができ、この点も売主にとっては非常にありがたいサービスになると思います。

まとめ

今回は、一般的に売りに出しても買い手を見つけることが難しいと考えられている「駅から遠い家」をスムーズに売却するための方法について解説しました。

記事内でご紹介した通り、「駅から遠い家」は、通勤や通学、毎日の買い物などについて、生活利便性が悪くなるといったネガティブなイメージを持たれてしまうことから、売りに出しても買い手が見つからないのではないかと言った不安が先立ってしまうようです。しかし、見方を変えると「静かで広々とした住空間を実現できる」「同じ予算ならより広い家を購入できる」など、メリットになる部分も多いのです。そのため、販売戦略さえ間違わなければ、駅から遠い家であっても、スムーズに買い手を見つけることは難しくありません。

特に、近年の不動産市場で注目されているホームステージングと呼ばれる手法を採用すれば、不動産検索サイト上でライバル物件との差別化ができるようになるうえ、内覧時の印象を良くすることで、高値での売却も期待することができるはずです。現在、立地条件の問題などで「売りに出しても買い手が付かないのでは?」と不安に感じている方がいれば、ホームステージングを活用した売却を検討してみてはいかがでしょう。