ペットを飼っていた家の売却!売却が難しくなる理由と対策
今回は、自宅で犬や猫など、ペットを飼っている方にありがちな悩みである「ペットを飼育していた家は、売却が難しくなるのかな?」という疑問について解説していきます。
日本は、ペット飼育率が高い国の一つとして有名で、2024年に行われた調査によると、現在ペットを飼っている人の割合は約28.6%と全国で3割近いご家庭がペットと一緒に暮らしているという状況になっています。さらに、過去にペットを飼育した経験がある人の割合になると、約47%となっていて、半数近くのご家庭が何らかの動物と一緒に暮らしたことがあるという状況になっているのです。特に昨今では、ペットは家族の一員として迎える方が多く、大型犬などであっても家の中で飼育されるケースが多くなっていると言われています。ペットを大切に育てるという観点からみると、非常に良い傾向のように思えますが、何らかの理由で家の売却を考えた時には、「ペットと暮らしていた」ということが大きな落とし穴になってしまうリスクがあるのです。
というのも、家の中でペットを飼育すると、壁や柱などが傷つけられる可能性が高くなりますし、動物特有のニオイが家の中に染み付いてしまうことで、家の売却に苦戦するという話をよく耳にするのです。そこでこの記事では、ペットを飼育していた家の売却について、おさえておきたいポイントや売却が難しくなると言われる理由、またスムーズに買い手を見つけるための対策について解説します。

ペットを飼っていた家は評価が下がる?また、市場で嫌われる?
それではまず、ペットを飼っている家を売りに出そうと考えた時、家の中で動物を飼育していなかった家と比較した時、その評価がどうなるのかについて解説していきます。結論からご紹介しておきますが、家の売却において、ペットの飼育そのものが売却活動のマイナス要因となるわけではありません。
そもそも、家の売却において、物件の価格に影響を与えるのは、「家の状態がどうなっているのか?」ということです。家の中でペットを飼育していたとしても、きちんとしつけなどをして、家の状態が良好に保たれていたというのであれば、不動産会社が査定を行う時も「家の状態には問題がない」という判断が行われ、価格に大きな影響を与えるような事はないのです。
しかしその一方、ペットの飼育によって家の状態が著しく悪化していた…というケースでは、その程度によって査定価格が下がってしまうことがあります。それでは、どのような状態になっていると、家の売却価格が下がってしまうのでしょうか?
冒頭でご紹介したように、日本では多くの住宅でペットが飼育されているという事実があるため、「ペットを飼っている」ということ自体は売却に悪影響を与える可能性は低いのですが、場合によっては「不動産会社の査定額が下がる」「買い手に敬遠される」という事態に陥ってしまうこともあります。そこでここでは、ペットを飼育していたことで家の売却価格が下がってしまう理由や、買い手に敬遠されるケースについて解説します。
ペットの飼育で家の売却価格が下がる要因
上述しているように、ペットの飼育そのものは、家の売却においても価格に大きな悪影響を与えることはありません。しかし、ペットの飼育によって、以下のような状態になっている場合、不動産会社による査定価格はどうしても低くなってしまうでしょう。
- ペットが家を傷つけている
家の状態は、売却価格を大きく左右します。定期的なメンテナンスを実施している状態の良い物件の場合、築年数がある程度経過していても、市場相場よりも高めに売却できることもあるのです。しかしその一方、建物が激しく損傷しているといった物件は、価格が下がってしまいます。ペットの飼育が原因となる損傷で言えば、犬や猫が柱をかじって傷つけたり、壁で爪とぎをしてクロスだけでなく下地材まで傷ついている、障子やふすまに穴を空けているなどという状況が考えられます。家の中でペットを飼育すると、壁や床、柱や建具などが傷つけられたり、破損したりすることがあるのですが、ちょっとした補修などで修繕できないほど状態が悪くなっていると、大きく査定額が下がってしまう可能性があります。また、床や壁にペットの排泄によるシミや汚れがついている場合も、査定額が下がる要因となります。 - ペット特有のニオイが染み付いている
長く一緒に暮らしている方は気付きにくいのですが、家の中でペットを飼育している場合、動物特有のニオイが家の中に染み付いている可能性があります。これは、ペットの体臭や排泄物、ペットフードのニオイが常に漂っていることで、壁や柱、建具などにそのニオイが染み付いてしまうことが要因です。最近では、室内でペットを飼育する方に向け、脱臭効果を持つペット用トイレなどが開発されているのですが、そのようなアイテムを利用してもニオイを完全に断つことは難しいです。また、猫などは、マーキングとして自宅にニオイを残そうとする習性を持っているため、建物そのものに強いニオイが残ってしまいやすくなるのです。長く住んでいる売主は気にならないかもしれませんが、内覧に訪れた購入希望者側にとっては、初めて嗅ぐニオイとなるため評価を下げてしまう原因になるのです。そのため、内覧後にペットのニオイを指摘されて値下げを要求される可能性が高くなります。この場合、購入者側にとって入居する前に「臭い消しが必要なので」など、正当な理由になるため、値下げを断ることも難しくなるでしょう。
このように、室内でペットを飼育している家の場合、建物そのものの状態が悪くなってしまうことで、売却価格を下げざるを得なくなるというケースが考えられるのです。目に見える傷や汚れが残っている場合、不動産会社の査定価格が市場価格よりも低くなってしまう可能性がありますし、市場価格で売りに出したとしても、傷や汚れ、ニオイの問題など、物件の状態の悪さを指摘されて減額交渉を求められるリスクが高くなるのです。
住まいとペットの関係については、賃貸物件でも住人の負担になるケースは多いですよね。例えば、ペット可の物件に住んでいたとしても、退去の際に請求される原状回復費用が高くなったり、ペットを連れて入居する場合は敷金が高く設定されることは多いです。これは、ペットの飼育そのものが問題なのではなく、ペットの行動によって物件の状態が悪くなる可能性があるからです。
したがって、ペットを飼育している家の売却を考えた時には、価格を下げざるを得ない可能性があるという点に注意が必要です。
ペットの飼育が買い手に敬遠される理由になる?
ペットの飼育は、不動産会社による査定時に、価格が低く見積もられてしまう以外にも、買い手側に敬遠されてしまい、売却活動に苦戦する結果を招く可能性もあります。日本は、多くの方がペットを飼育しているという環境ではあるものの、割合的にはペットを飼育していない世帯の方が多いという現実があります。
家の中でペットを飼育していれば、物件そのものの状態が悪くなる可能性があります。家の購入を考えた時には、できるだけ状態の良い家を購入したいと考えるはずですし、入居後に問題が発生する可能性が低いと思える「ペットを飼っていない家」を選びたいという人も多いのです。
実際に、ペットを飼育していた家は、以下のような事が問題となり、買い手側に敬遠される可能性があります。
■物件の状態が悪い
家の購入は、「一生に一度のお買い物」と言われているように、非常に大きなお金が動く取り引きとなります。そのため、買い手側は、購入する物件については、自分たちの要望に見合う物件なのかを細部まで確認するのです。
その際、ペットを飼育していたことが要因となり、壁や柱、建具などに目に見える傷や汚れが残っている物件とそうでない物件であれば、当然後者の物件を購入したいと判断するはずですよね。もちろん、家の状態に合わせて安い価格に設定することで買い手を探すという方法もあるのですが、ほとんどの方は一生を過ごすための住まいを探しているわけなので「多少高くても良い状態の物件を購入したい」と考える人も少なくないのです。
つまり、ペットの飼育によって物件の状態が悪くなっている場合、購入ターゲットの母数がどうしても減少してしまうことになり、売却に苦戦する可能性が考えられるのです。
■ノミやダニの存在が不安視される
ペットが飼育されている環境の場合、家の中にノミやダニと言った害虫が繁殖しているのではないかと不安視する方も多いです。ノミやダニは、茂みや草むらに多く生息しているのですが、ペットを飼育している家の場合、散歩をさせる際にこれらの害虫がペットにつき、家の中に持ち込まれているのではないかと考えられてしまうのです。
ノミやダニは、アレルギーの原因にもなるため、小さなお子様がいる子育て世帯の場合、「ペットを飼っていた」ということだけで健康面の問題が出るのではないかと不安視する方も少なくありません。したがって、家を売りに出す際には、「引渡し前に専門業者による害虫駆除を行う」と言った対策を確約する必要があるなど、販売戦略上の工夫が必要になります。
なお、ペットの抜け毛などについても、害虫と同じように敬遠される理由となるため、内覧の際などには、抜け毛が残らないように徹底的な掃除が必要です。
■動物アレルギーの問題
ペットを飼育していた物件は、動物アレルギーを持っている方の候補から外れてしまう可能性があり、購入対象者の母数が少なくなってしまうことも考えられます。
動物アレルギーを持っている方は、対象の動物の抜け毛やフケ、排せつ物などがアレルゲンとなり、同じ空間内にいるだけでくしゃみや鼻水、目の充血や皮膚炎などのアレルギー反応が出てしまう可能性があります。そのため、家族に動物アレルギーを持っている方がいるご家庭の場合、ペットを飼育していた物件は、アレルゲンが残っているかもしれないので、購入を控えてしまう可能性があるのです。
売却前に専門業者によるハウスクリーニングを実行したとしても、買い手側は「ペットの痕跡が残っているかもしれない…」という不安を持ってしまう可能性があります。動物アレルギーを持つ方は意外に多いので、購入対象者が少なくなり、売却が遅れる可能性が高くなると言えます。
ペットを飼育している家を売却するためのポイント
それでは次に、犬や猫など、家の中でペットを飼育していた物件の売却を考えた時、スムーズな売却や高値での売却を目指すためにおさえておきたいポイントをご紹介していきます。
上でもご紹介しているように、ペットを飼育していた物件の売却が難しくなるのは、傷や汚れ、ニオイなど、ペットの痕跡が残ってしまっていることが大きな要因です。もちろん、ペットアレルギーの不安など、「ペットを飼育していた」ということが不安視される場合もありますが、これについてはどうすることもできないので、その他の要因に対処することを考えていくと良いでしょう。
ここでは、ペットを飼育していた物件を高く売却するためのコツと売却活動時の注意点について解説します。
高値売却を目指すならペットの痕跡を無くす
ペットを飼育していた物件を高く売るためには、売却準備として「ペットの痕跡を消す」ということが重要になります。先程紹介したように、ペットを飼っていた家が敬遠されるのは、家の中に傷や汚れ、ニオイなどが残ってしまうのが大きな要因です。内覧をした際、目に見える部分に傷が残っていると「内部はもっと劣化しているのではないか…」などといった疑いを持たれてしまう可能性があります。したがって、内覧までに以下のような対応を行うと良いです。
- ペットがつけた傷や破損を修繕する
- ペットによる汚れやシミを綺麗に掃除する
- ペットのニオイを消す
上記のように、「ペットを飼育していた」ことが要因となる問題を解消してあげることができれば、ペットを飼っていなかった通常の物件と同じように売却活動を進めることができるようになるのです。
ペットがつけた傷については、軽微な物であればホームセンターなどで材料を集め、自分で補修していくという方法でも、目立たなくさせることができます。また、汚れやシミに関しても、専用のクリーニング剤を用意すれば綺麗に落とすことができるはずです。
しかし、長年ペットを飼い続けたことによるニオイについては、一般の方が完全に消臭することはなかなか難しいです。ホームセンターなどには、強力な消臭スプレーが販売されていますが、壁紙や下地材にまでニオイが染みついていた場合、完全にニオイを消すことは難しいのです。さらに、家の中でペットを飼っていた場合、家全体の消臭が必要になるため、一般の方が市販のアイテムを使って作業するのは現実的ではありません。
したがって、家の中のペットによる傷の修繕と合わせて専門業者などに消臭をお願いするという方法がおすすめです。また、家の汚れは、ペットによるもの以外にも、水垢やカビ汚れなど、プロによる清掃が必要なる場面も多いため、売却準備として専門業者によるハウスクリーニングなどを受けるのも良いでしょう。
もちろん、専門業者に作業を依頼する場合、それなりのコストがかかってしまうことになるため、かけたコストを売却代金に反映できるかどうかを考慮しながら実施する内容を決めなければいけません。うまくいけば、ペットの痕跡を綺麗に消すことができ、通常の物件と変わらない金額で売却することも不可能ではないと思います。
ペットを飼育している(これから飼育する)方に売却する
二つ目の対策としては、物件の売却ターゲットについて、自分たちと同じように「ペットを飼育している」もしくは「これからペットを飼う予定」の方に設定するという方法です。
ペットを飼育している方であれば、家の中のペットによる傷や汚れについて、「室内飼いならこれぐらいの傷は当たり前」という印象を持ってもらうことができます。また、ペットを飼育している方の場合、動物アレルギーの心配もありませんし、本来はマイナスポイントになるような部分を気にせずに売却活動を実施することができるようになるのです。
家の売却は、購入候補となるターゲットを正確に設定することが売却を成功に導くコツになります。ペットを飼育していた物件については、「ペットを飼う予定がない」という人にとっては明確なデメリットがあるものの、その逆の「ペットと暮らしたい」という方にとっては、通常の物件と同じような扱いを受けることができる可能性が高くなるのです。したがって、売却活動を進めていく際には、ターゲットとして「ペットを飼っている方」もしくは「ペットを飼う予定の方」を設定し、その人たちが魅力に感じるような広告展開をしていくと良いです。例えば、物件情報として、以下のような情報を掲載することで、動物好きの方に興味を持ってもらえるのではないでしょうか。
- 物件周辺のおすすめ散歩コース
- 物件周辺のペット関連施設の情報
- 動物病院の情報など
物件情報に合わせて、上記のような「ペットと一緒に生活することを前提とした情報」を掲載しておくと良いでしょう。そうすることで、ペットを飼う予定の方からすると、その地域が「安心して飼育できる環境」かどうかを判断することができるようになり、家を購入するかどうかを決めやすくなります。「この物件なら安心してペットと暮らせる!」と思ってもらえれば、スムーズな成約も期待できるでしょう。
ペットを飼育している家を売却する際の注意点
ペットを飼育している家の売却では、いくつか注意しておかなければならないこともあります。売却活動を進める時には、以下のような点に注意しましょう。
- ペットを飼っていることを隠さない
ペットの痕跡をうまく消せた場合でも、ペットを飼育していた物件であることを隠すのはNGです。後からペットを飼っていた事実が判明した場合、「知っていたら買わなかった!」と言ったトラブルに発展する可能性があります。最悪の場合、売買契約の解除や損害賠償を請求される可能性もあるので、ペットを飼っていた事実はきちんと伝え、クリーニングや修繕はしっかりと行っているという説明を行いましょう。 - 内覧前の清掃は丁寧に行う
ペットを飼っている家の売却では、内覧前の準備の徹底が非常に重要です。内覧は、その家を購入するかどうかの最終判断を下すために行うもののため、ペットの飼育に関係なく内覧者を迎えるための準備は丁寧に行う必要があります。しかし、ペットがいる家の場合、ニオイや抜け毛などの問題があるため、内覧時の印象を良くするためにはより徹底した掃除が必要になるのです。 - 内覧時はペットを預けておく
内覧当日は、ペットホテルなどを使って、外に連れ出しておくようにしましょう。ペットが家の中にいると、内覧の邪魔になる可能性があります。きちんとしつけをしていても、知らない人が家にやってきたことで、興奮して吠えてしまったり、落ち着きがなくなってしまうことがあります。この場合、人によっては悪い印象を与えてしまう可能性があります。
ペットを飼っていた家の売却では、上記のような点に注意して売却活動を実施しましょう。
特に、内覧の対応が非常に重要になるため、自分たちで家の中を綺麗にすることが難しい…と感じる場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
ペットを飼っていた家の印象を高めるにはホームステージングがおすすめ
前項でご紹介したように、ペットを飼っている家の売却では、内覧前の準備が非常に重要です。もちろん、ペットを飼っている家に限らず、室内をきれいに掃除して生活感を感じさせないような空間に整えておくことは重要な要素となります。しかし、ペットを飼っている物件の場合、家の中がペットによって傷つけられていたり、抜け毛などの汚れが残っている、ペット特有のニオイが充満しているなど、内覧者に悪印象を与えてしまう要因が非常に多いのです。
そのため、内覧の当日までにこれらの問題を解消しておく必要があるのですが、そのための方法としてホームステージングが非常に有効なのです。
ホームステージングは、不動産の売却や賃貸を促進するための手法として近年その注目度が高くなっています。一般的には、売却または賃貸を考えている物件について、部屋の中に家具やインテリア、照明などを配置することで、新築のモデルルームのような素敵な空間を作り、内覧した時の印象を高めてくれる方法と解説されていることが多いです。専門業者にホームステージングを依頼すれば、物件のターゲット層を明確にしたうえで、その人たちが内覧した際に、「ここに住んでみたい!」と思わせるような空間を作り出してもらうことができます。そのため、ホームステージングを実施した物件は、未実施の物件と比較すると、売却期間が大幅に短縮できるうえ、売却価格も高くなるというデータが出ているのです。
ただ、このホームステージングと呼ばれる販促手法については、空室状態の物件に、家具などを配置するという空間デザインを実施するといった単純な対策ではありません。ホームステージングは、物件の早期成約や高値売却を目的とした販促手法で、そのために必要になる対策全般を全て実施してもらうことができるのです。例えば、ペットを飼育している家の売却であれば、以下のような対策をホームステージング業者にまとめて依頼することができます。
- 損傷個所の修繕
ホームステージングでは、物件の印象を悪くする傷や汚れの修繕も行ってもらうことができます。クロスの張り替えや床材の交換など、物件そのものの魅力を回復させるための修繕作業もホームステージング業者に手配してもらうことができます。これは、家具などを配置しても、家そのものの損傷が残っていると、内覧者の印象は悪いままとなるため、物件の魅力を取り戻すための修繕作業もホームステージングの領域と考えられているためです。 - ハウスクリーニング作業
内覧時の印象を良くするためには、物件内を隅々まできれいに掃除することが最低限の条件となります。掃除が行き届いていない状態の場合、「普段のお手入れも怠っている」と家のメンテナンスに対して悪印象を持たれてしまう可能性があるためです。そのため、ホームステージングでは、家具などを設置する前に、専門業者によるハウスクリーニングを実行してもらうことができます。掃除のプロによるクリーニングとなるので、ペットの抜け毛などもしっかりと除去しらえるうえ、汚れやシミなども綺麗に落としてもらうことができます。そのため、ピカピカの状態で内覧してもらうことができるので、内覧者の印象も良くなります。 - 消臭作業
ハウスクリーニングと並行して、家の中に染み付いたペットのニオイを除去してもらうことも可能です。専用の機械や薬剤を使った消臭作業により、一般の方では除去しきれないしつこい臭いなどもしっかりと消臭してもらうことができます。さらに、ホームステージングの際には、芳香剤などを使ったニオイの演出も行ってもらうことができ、家中が快適に感じられるような空間にしてもらうことができます。
ホームステージングは、物件内に家具やインテリアを配置する、空間デザインを実行してもらえる対策と考えられがちです。しかし、内覧時の印象を高めるためには、物件ごとに必要になる作業が大きく変わります。中古住宅や賃貸住宅の販促手法として誕生したホームステージングは、いろいろな条件の物件に対応できるようにするため、新築のモデルルームなどとは異なり、作業領域がかなり広いのです。そのため、ペットを飼育していた物件など、特殊な条件下での売却活動では、非常に心強いサービスになってくれるはずです。
なお、日本国内におけるホームステージングの作業領域については、以前別の記事でまとめているので、以下の記事も併せて確認してみてください。
関連:ホームステージングの領域について!日本特有の問題を解決するために進化している
まとめ
今回は、ペットを飼っていた家の売却が難しくなる理由やスムーズな売却を実現するための対策について解説しました。
記事内でご紹介したように、ペット大国と言われる日本では、「ペットの飼育」そのものが家の売却を難しくするわけではありません。しかし、ペットを家の中で飼育していたことにより、家の中が傷つく、汚れる、悪臭が漂うといった状態になると、不動産会社の査定額が下がったり、購入希望者に敬遠される可能性が生じてしまうのです。
したがって、ペットを飼っていた家の売却は、動物を飼っていなかった家の売却と比較すると、内覧までの準備を徹底して行わなければならないと考えてください。掃除や消臭作業についても、専門業者による作業でないと、細部まで綺麗にすることは難しいです。さらに、ペットによるニオイの消臭作業については、専用の薬剤や設備が必要になる可能性が高く、自分たちだけで内覧準備を終わらせることは難しいのです。
現在、犬や猫など、ペットを飼っている家の売却を考えているという方がいれば、まずはホームステージング業者に売却活動の手助けを依頼すると良いと思います。ホームステージング業者であれば、修繕や掃除、消臭作業などをまとめて請け負ってくれるため、売却に必要な対策の窓口を一本化することができ、余計な手間を省いてコストも削減できるはずです。さらに、ホームステージング業者であれば、内覧時の印象を高めるための部屋のコーディネートを実施してもらえるので、ペットを飼っていた家でも早期売却が期待出来ます。