2025.12.15

シロアリ被害を受けた家の売却方法!注意点や早期売却に役立つホームステージングについて

家の売却を難しくする要因は、さまざまな理由が考えられます。一般的には、「立地条件が悪い」や「築年数が経過しすぎている」と言った物件が、売りに出してもなかなか買い手を見つけることができない条件として有名です。しかし、立地条件や築年数の問題については、売却を困難にする致命的な問題とは言えず、家の購入を考えている方の中には、むしろその条件の家を探しているという方もいるのです。

例えば、「駅から遠い」などの立地条件の悪さは、「静かで快適な住空間を作りやすい」というメリットに繋がるかもしれませんし、築年数の古さについても「状態に割に安価に購入できる可能性がある」というメリットを前面に押し出すことが可能なのです。しかしその一方、中古住宅の購入を検討している多くの方に敬遠されてしまう条件というものもあります。それが、「過去にシロアリ被害に遭った経験がある」という物件です。

シロアリ被害の経験がある物件ついては、建物の耐久性や耐震性能が低下している可能性が考えられるため、その物件を購入しても長く住むことができないのではないか…と考えられてしまいます。さらに、シロアリ駆除など、家を長持ちさせるためのメンテナンスを怠っていた証拠でもあるため、「他の場所も劣化が進行しているのでは…?」と疑われてしまい、売却が難しくなってしまう傾向があるのです。

そこでこの記事では、シロアリ被害にあった物件の売却について「売却できるのだろうか?」と不安な気持ちを抱えている方に向け、こういった物件を売却する方法や、早期に買い手を見つけるための工夫について解説します。

シロアリ被害があった物件が売れにくい理由

それではまず、過去にシロアリ被害があった家を売却しようと考えた時、なかなか買い手を見つけることができないとされる理由について解説していきます。

シロアリは、木材の主成分であるセルロースを栄養源としていて、主に湿った木材を食害します。シロアリ被害のあった物件は、建物を支えるための骨組みである柱などが食べられてしまうため、耐久性や耐震性などが低下してしまうことで、資産価値が大きく下がってしまうとされています。また、中古住宅の購入を考えている買い手側からすると、安全性への懸念が残ってしまうことから、シロアリ被害を受けた経験のある物件を敬遠する傾向にあるのです。なお、「高く売るためにシロアリ被害については隠しておこう!」と言った考えは絶対にNGです。シロアリ被害を隠して家の売却を進め、成約後にその事実が発覚した場合には、契約不適合責任を指摘され、売買契約が無効になったり、損害賠償を請求されるといった、別の問題に発展する可能性があるのです。

つまり、シロアリ被害にあった物件でも、売主はその被害の事実を隠すことなく提示し、さらに事前に駆除や補修などの対処を実施しなければいけないのです。その上、売却価格が下がる可能性がある、シロアリ被害の事実が嫌われ、売却そのものが困難になるなどのリスクがあるため、早期の売却を希望するなら、販売戦略の工夫が必要になると考えてください。

シロアリ被害があった物件が売れにくくなる要因は、主に以下のような理由があるからです。

  • 安全性が不安視される
    シロアリは、建物の柱や土台など、構造上の重要な部位を食い荒らす害虫です。そのため、シロアリ被害を受けた住宅は、家の内部がスカスカになるため、耐久性が低下して本来の寿命よりも早く劣化する恐れがあるのです。さらに、建物の耐久性が低下すると、地震や強風によって倒壊するリスクが高まるなど、安心して住めない物件と判断される可能性があります。
  • 資産価値の下落
    耐久性や耐震性の低下は、不動産査定で大きく減点されてしまうことになり、修繕費用以上に資産価値が低下します。買い手側からすると、再販を考えた時にはより難しくなるなどと考えられるため、敬遠される傾向にあるのです。
  • 心理的抵抗
    「シロアリ被害を受けたことがある」という事実は、買い手側にとって心理的な抵抗感を生む可能性が高くなります。きちんと補修をしていたとしても、「耐久性や耐震性が低いのでは?」と言った疑いの気持ちを持ってしまう人も多いです。さらに、シロアリ対策を実施していないということは、その他の家のメンテナンスも怠っていたのでは…という疑いも生じてしまうため、「家の状態が悪い可能性が高い」などという抵抗感から購入を見送る人がいるのです。

シロアリ被害があった物件は、上記のような理由から売却が難しくなる傾向があります。

シロアリ被害を受けても絶対に売れないわけではない

ここまでの説明だけを見ると、「シロアリ被害があった家は、やはり売れないのか…」と不安がさらに増してしまったという方が多いと思います。

シロアリによる被害は、住宅の骨組みとなる構造部分が食い荒らされてしまうことで、建物の耐久性や耐震性に大きな悪影響が出てしまう可能性が考えられます。さらに、シロアリに気付くのが遅れてしまうと、食害が進んでしまい、家が傾いたり、床が抜けてしまうといったリスクも生じるのです。そのため、居住物件として備えているべき品質や性能を欠いていると考えられ、雨漏り被害や地盤沈下などと同様に、「大きな瑕疵(かし)がある物件」とみなされてしまう訳ですね。

ただ、シロアリ被害を受けた経験がある物件が「絶対に売れないのか?」というとそうではありません。過去にシロアリ被害の経験がある物件でも、売却自体は可能だと考えて良いです。もちろん、「シロアリ被害があったとしても、きちんと対策ができているなら買いたい」と考える買い手より、購入を避ける方の方が多い傾向にあるのは事実なので、シロアリ被害が発生していない物件と比較すると、売却が難しくなるのは事実です。

そこで、次項では、シロアリ被害が過去にあった物件の売却について、どのような方法を採用すれば家が売れるのかを解説します。

シロアリ被害があった家を売却する方法

上でもご紹介しているように、シロアリ被害は、建物の耐久性・耐震性を悪化させる、資産価値を大幅に下落させるなど、致命的な問題を引き起こす可能性があるため、基本的には「シロアリ被害に遭わないようにする」ということが大切です。定期的に、専門業者に点検してもらい、シロアリ駆除や防蟻処理を実行してもらうといったメンテナンスを実行することで、被害を防ぐことができます。

ただ、家のシロアリ被害については、100%確実に防止できるというわけではありません。そのため、家の売却を考えた時に「シロアリ被害を受けている…」という事実が発覚する可能性もないとは言えないのです。それでは、実際にシロアリ被害を受けていた物件を売却しようと思った時、どのような方法を採用すれば買い手が見つかるのでしょうか?

ここでは、シロアリ被害を受けた物件を売却するための対策について代表的な手法をご紹介します。

①シロアリを駆除したうえで売りに出す

シロアリ被害を受けている家の売却については、シロアリをそのまま残した状態で売りに出しても、買い手を見つけることはほぼ不可能と言えます。家を売りに出す際には、専門業者に依頼して、しっかりとシロアリ駆除を行い、駆除されていることを証明する必要があるのです。

シロアリによる被害が比較的軽度であった場合、シロアリ被害の履歴がある物件であっても、きちんとシロアリ駆除を実施したうえで「駆除済み物件」として売りに出せば、買い手の不安を和らげることができます。もちろん、シロアリによる被害が深刻な場合は、下で紹介する「修繕」という方法を採用する必要があるので、被害の深刻度については不動産会社に相談しながら必要な対処を決めると良いでしょう。

シロアリ駆除だけであれば、売却準備にかかる期間が短くなりますし、それにかかるコストも抑えられます。ただ、注意が必要なのは、「シロアリ駆除のコストを抑えたい」とはいえ、市販の殺虫剤を使用して自らが処理するというのは難しいという点です。この場合、巣の特定が難しい、薬剤の効力が弱いなどといった理由で、駆除しきれない可能性があり、売却後のトラブルのリスクが残ってしまいます。また、「駆除済み」と言われても、買い手側からすると素人が作業を行ったのであれば「駆除しきれていないのではないか?」と言った疑いが残ってしまうため、購入を躊躇する方が多いのです。

したがって、家の売却を目的としてシロアリの駆除を実施する場合は、専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。的確な作業を実施してもらうことができますし、専門業者に「駆除済み」であることの証明をしてもらうことができるため、買い手側も安心して購入することができるようになります。シロアリ駆除にかかる費用は、採用する方法などによって変わりますが、最低でも1㎡当たり5,000円程度はかかります。

②シロアリによる被害部分を修繕してから売る

二つ目の方法は、シロアリによって生じた被害について、事前に修繕したうえで売りに出すという方法です。先程紹介したように、シロアリ被害を受けた物件が売れにくくなるのは、建物の構造部分が食害に遭うことで、家の安全性が不安視されることが大きな要因です。つまり、建物の耐久性や耐震性に悪影響を与えている部分について、きちんと修繕しておけば、「安全に住める物件」と自信をもってオススメすることができるようになるのです。

さらに、家の売買契約に関しても、「シロアリ被害について、必要な修繕は完了しているため、売却後の対応については免責する」と言った交渉もスムーズに進むと考えられます。この方法は、シロアリ被害による問題点を事前に解消したうえで、売りに出すという方法となるため、買い手側の心理的不安を和らげることができ、売却できる可能性が高くなるのです。

ただ、売却までにかかる時間や費用が増大するという点は注意しなければいけません。例えば、シロアリ被害が深刻化しているという場合、大掛かりな修繕工事が必要になり、高額な費用がかかってしまうケースが考えられます。この場合、家が売れたとしても、結果として赤字になってしまう…など、本末転倒な結果を招く可能性もあるのです。また、修繕工事が終わるまでは、売却活動が進められなくなるので、家が売れるまでにかなりの時間を要してしまう可能性がある点も注意しましょう。

※シロアリ駆除や修繕にかかった費用は、雑損控除の対象となります。

参照:国税庁「シロアリの駆除費用

③建物を解体してから売却する

シロアリ被害を受けた家の売却が難しくなるのは、被害を受けた家の耐久性や耐震性が不安視されるからと紹介しました。したがって、家の売却を考えた時には、買い手側の不安の要因となる「建物」を無くしてしまい、更地として売却するという方法も有効なのです。

シロアリ被害は、建物に発生する物なので、解体してしまえば売却後のトラブルなども回避することができます。土地のみで売りに出せば、新築希望者も購入対象となるため、買い手の幅も広がると期待できます。

ただ、この方法に関しては、建物の解体にそれなりのコストがかかってしまう、売却期間が長引くと、固定資産税の負担が大きくなってしまうというデメリットがあるので、その辺りは注意しましょう。解体を前提として売却する際、買い手が見つかった後に解体作業を進めるようにするなど、不動産会社と相談しながら、負担が少ない方法での売却を目指しましょう。

④不動産買取に出す

シロアリ被害があった家の売却で、「できるだけ早く売りたい」「売却のために費用をかけたくない」という希望を持っている方は、不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産買取」を検討しましょう。

仲介で家を売却する時と比較すると、家の売却価格が下がってしまうというデメリットはあるものの、シロアリ被害への対応などを一切する必要もなく、売却を完了させることができます。不動産買取業者は、再販することを目的としていて、購入した物件については、リフォームや修繕することが前提となっているのです。そのため、売主側は、シロアリへの対応などをする必要がなく、そのままの状態で買い取ってもらうことができるのです。

シロアリによる被害がそれなりに大きくて、修繕などに時間や手間、コストがかかると判断できる場合は、不動産買取に出すのが最も手っ取り早いかもしれません。

シロアリ被害の家を売却するなら、物件そのものの印象を良くすべき

上記のように、過去にシロアリ被害を受けた経験がある物件でも、「シロアリを駆除したうえで売りに出す」「被害箇所を修繕したうえで売りに出す」といった方法で、買い手を見つけることも可能です。ただ、シロアリの問題について、事前に対処したうえで家を売りに出したとしても、「人の心理的抵抗感」を完全に払しょくすることは難しいのが実情です。

専門業者にシロアリ駆除を実行してもらい「駆除済み」物件として売りに出したとしても「完全に駆除しきれていないのではないか?」と言った疑いの気持ちがどうしても残ってしまいます。また、シロアリ被害というのは、定期的な防蟻処理を怠っていたという証拠でもあるため、「その他の部分も、他の物件より劣化しているのでは?」と言った余計な不安感を持たれてしまう可能性もあるのです。

したがって、過去にシロアリ被害の経験がある物件の売却については、買い手側の心理的抵抗感を上回るほどに「ここに住んでみたい!」と思わせる必要があるのです。そして、昨今の不動産業界では、売却を目指す物件の印象を良くするための方法として、ホームステージングが注目されています。ここでは、シロアリ被害を受けた家の売却活動に、ホームステージングがオススメな理由をご紹介します。

ホームステージングとは?シロアリ被害があった家の売却でメリットになる理由

ホームステージングは、1970年代のアメリカで誕生した中古住宅の販促手法です。日本では、新築信仰という言葉があるように、家の購入時には新築住宅を求める方が多いです。しかし、欧米などでは、家は100年以上住み続けられるようにするという考えがあり、中古住宅市場が古くから活発に動いているのです。そして、数多くある中古物件の中から、自分が売りに出した家を選んでもらうために開発されたのがホームステージングで、スウェーデンなどでは、売りに出される物件の8割以上にホームステージングが実施されていると言われています。

ホームステージングは、簡単に言うと、売りに出す中古住宅について、物件内に家具やインテリア、照明などを配置することで、内覧時に与える印象を良くするというものです。新築住宅の販促手法として実施されているモデルルームのような物と考えていただければ非常に分かりやすいと思いますが、要は、以下の画像のように、空室状態で内覧させるのではなく、内覧者がそこでの生活をイメージしやすいような空間を作り出し「ここに住んでみたい!」と思わせるのです。


上の画像の通り、ホームステージングは、物件のターゲット層に合わせて、家具やインテリア、照明などを使って素敵な空間にコーディネートするという方法です。空室状態のまま内覧した際には、部屋のサイズ感などもつかみにくくなるため、物件の印象が大幅に良くなるということは少ないです。一方、ホームステージングが施された物件は、まるで人が生活しているような状態で確認することができるようになるため、内覧者は入居後の生活などもイメージしやすくなり、自分の理想に近い物件なのかどうかが判断しやすくなるのです。

「過去にシロアリ被害を受けた経験がある」と言った物件の場合、ホームステージングは以下のような事がメリットになるため、物件の早期売却が期待できるようになるのではないでしょうか?

  • 心理的抵抗を和らげる
    シロアリ被害を受けた物件の売却は、購入検討者が持つ心理的抵抗感を打ち消すだけの好印象を与える必要があります。シロアリの駆除や被害箇所の修繕を行っていたとしても、なんとなく「嫌だな…」というネガティブな印象を持たれてしまうのです。ホームステージングは、物件のターゲット層に最も良い印象を与えられるような空間にコーディネートするという方法です。そのため、シロアリ被害に対するネガティブな印象以上に、「ここに住んでみたい!」というポジティブな印象を与えられる可能性が高くなり、成約できる確率も高くなると期待できるのです。
  • 内覧者の増加が期待できる
    ホームステージングは、内覧時の印象を良くするという効果だけでなく、不動産検索サイトの中で、ライバル物件との差別化ができるようになるという点も大きなメリットです。ホームステージングを施した状態を画像に収め、それを物件広告に掲載すれば、他の物件情報よりも魅力的な広告にすることができるため、内覧に足を運んでもらえる人の数を増やすことができるのです。実際に、一般社団法人日本ホームステージング協会が毎年実施している実態調査のデータでは、「ホームステージング実施後の反応」として「内覧者が増加した」という回答が3割以上と、物件広告の段階で確かな効果が得られていることがよくわかります。ちなみに、この質問での回答として「内覧後成約率が上がった」という回答の割合が1位となっており、その割合は43.3%です。つまり、ホームステージングは、5割近くの方が、内覧時に大きな効果を実感しているという結果になっているのです。

このように、ホームステージングは、物件広告や内覧時の印象を良くすることで、「過去にシロアリ被害を受けた」という事実を打ち消すことができる稀有な手法と言えるのです。したがって、シロアリ被害を受けた物件の売却を検討した時には、駆除や修繕に合わせて、物件の印象を高めることができるホームステージングの実施を検討しましょう。

参照:ホームステージング白書2024年

シロアリ被害を受けた家を売却する際の注意点

それでは最後に、シロアリ被害の経験がある家を売却しようと考えた時の注意点についてもご紹介しておきます。上でご紹介したように、シロアリ被害があった物件でも、ホームステージングを施すことで、条件が類似しているライバル物件よりも魅力的に感じさせることができます。実際に、ホームステージングの実施は、未実施の物件と比較すると、売却期間が半減したうえで、価格も6%以上高くなったという調査データが、アメリカの金融機関から出されているほどなのです。

そのため、日本国内でも中古住宅の早期売却を促進するための方法として、年々その採用率が高くなっています。ただ、中古住宅の高値売却や早期売却が期待できるようになるとはいえ、過去にシロアリ被害を受けた経験がある物件の売却では、その被害の事実を隠さずにオープンにしたうえで売却活動を実施しなければいけません。具体的には、以下のように、シロアリへの対処に関して、その状況が買い手側に正確に伝わるようにしなければならないのです。

  • シロアリ被害の有無や履歴について
  • シロアリ駆除の有無や実施時期について
  • シロアリによる被害の有無や内容について
  • シロアリ被害への対処方法や実施時期について
  • 売却時のシロアリ被害の有無と調査時期

不動産の売買では、買い手側にとって不利になるような条件を隠したまま契約することができないようになっています。これは、売主側は、契約不適合責任の義務を果たさなければならないからです。

例えば、シロアリ被害の事実を隠したまま家の売却を行い、契約後に買主がその事実を知った場合「シロアリ被害のことを知っていたら買わなかった」などと主張される可能性があります。このようなケースでは、シロアリに対処するための費用として代金の減額請求がされたり、最悪の場合、売買契約が無効とされて契約解除になる、損害賠償が求められるなど、大きなトラブルに発展する可能性があるのです。

したがって、家の売却を進める際には、売却後に物件に存在する瑕疵を追及されるリスクを減らすため、きちんと事実に基づいた告知を行い、売買契約にプラスして、免責特約を交わしておく必要があるのです。シロアリに関する免責特約とは、「過去のシロアリ被害の事実を理解したうえで買うのだから、その被害に係わる保証は免除する」と言った感じに、売却後の責任を問わないという取り決めになります。

家の売却は、「売ってしまえば、責任はなくなる」というものではないという点を理解して、売却活動を進めましょう。

まとめ

今回は、住宅の天敵であるシロアリについて、シロアリ被害を受けた経験がある家の売却が難しくなる理由と早期売却を目指すための対策について解説しました。

シロアリは、家を構成する木材をエサとする害虫です。そのため、過去にシロアリによる被害を受けた経験がある物件については、建物の骨組みとなる柱などが食い荒らされていて、耐久性や耐震性が低下しているのではないか…という疑いをもたれてしまうのです。また、木造住宅にとって「シロアリは天敵!」という情報は広く知らているという状況なのに、適切な防蟻処理がなされていなかったのであれば、その他の家のメンテナンスも怠っていたのではないか…などと、家の状態そのものが疑われてしまい、買い手側に敬遠される可能性が高くなるのです。

したがって、シロアリ被害を受けた経験がある家の売却は、シロアリの駆除や被害箇所の修繕を行っただけで、すぐに売れるようになるというほど簡単ではありません。買い手側は、物件に対して心理的な抵抗感を持っている可能性が高いため、それ以上のポジティブな印象を内覧の際に与える必要があるのです。そして、そのための方法としておすすめできるのがホームステージングです。

現在、過去にシロアリの被害を受けたことがあるという物件の売却を検討しているという方がいれば、買い手側の心理的抵抗感を払しょくするためにも、ホームステージングの導入を検討してみましょう。