2026.02.08

みらいエコ住宅2026事業のリフォーム部門は賃貸の空室対策リフォームに最適!?

今回は、賃貸住宅のリフォームに活用することができる補助金情報の第三弾として「みらいエコ住宅2026事業」について解説します。みらいエコ住宅2026事業は、新築部門とリフォーム部門に分かれているのですが、どちらの部門においても賃貸集合住宅が対象に含まれています。ただ、新築部門の補助対象となるためには、非常に高い要件を満たす必要があるので、その点に注意が必要です。一方、リフォーム部門の補助金については、ある程度の築年数が経過した賃貸物件を、顧客に選ばれるような性能に持っていきたいと考えた時には、非常にありがたい制度になっています。

みらいエコ住宅2026事業は、昨年度実施された「子育てグリーン住宅支援事業」の継承事業となるのですが、リフォーム部門の補助金額については、昨年度よりも手厚い内容になっています。そこでこの記事では、賃貸住宅の空室対策を目的にリフォームの検討をしているという方に向け、この補助金の内容や対象となる工事などについて解説します。
賃貸住宅のリフォームに活用できる補助金情報については、以下の記事も併せて確認してください。

関連:賃貸集合給湯省エネ2026事業とは?空室対策に使える補助金情報とホームステージングの併用
関連:先進的窓リノベ2026事業は賃貸住宅の窓改修にも利用可能!窓リフォームで『選ばれる物件』を目指す

みらいエコ住宅2026事業の基本概要について

それではまず、みらいエコ住宅2026事業の基本的な内容について解説していきます。なおここでは、リフォーム部門に注目しておさえておかなければならない情報をご紹介します。

住宅周りの補助金では、経済産業省、国土交通省、環境省の3省が連携して実施する住宅省エネキャンペーンが有名です。2050年カーボンニュートラルの実現が宣言されている日本では、政府が既存住宅の省エネ化を後押しするための補助事業として、継続的に実施しているのが住宅省エネキャンペーンで、2026年度もこの事業が継続されることが発表されています。ちなみに、住宅省エネキャンペーンは、以下の4つの事業で構成されています。

  • 先進的窓リノベ2026事業(環境省)
  • 給湯省エネ2026事業(経済産業省)
  • 賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)
  • みらいエコ住宅2026事業(国土交通省)

このうち、みらいエコ住宅2026事業は、2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継事業として名称変更がなされたうえで継続されることとなっています。この補助金は、新築部門とリフォーム部門に分かれていて、新築部門はGX志向型住宅の新築や長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築など、高性能住宅の普及を後押しする内容となっています。一方、リフォーム部門については、住宅の断熱性能として「平成4年基準を満たさないもの」「平成11年基準を満たさないもの」など、築年数が経過していて現在の断熱基準を満たせないような既存住宅を、一定以上の断熱性能を確保できるようにする改修工事が対象となっています。既存住宅の断熱化を進めることができれば、住宅領域での省エネ化やCO2排出量の削減が期待できるため、脱炭素社会の実現に寄与できると考えられているわけです。

以下で、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム部門について、補助金の概要をもう少し詳しくご紹介していきます。

みらいエコ住宅2026事業の基本概要について

みらいエコ住宅2026事業の詳細については、つい先日(2月4日)公式サイトが公開されているので、ぜひそちらもご確認ください。

ここでは、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトから、リフォーム部門の補助金概要をまとめていきたいと思います。みらいエコ住宅2026事業の「既存住宅のリフォーム」に対する補助金の総予算は300億円となっていて、これは昨年度の400億円と比較すると減少しています。しかし、既存住宅の省エネリフォームに対する補助金の予算額としては、依然として大規模であることは間違いありません。

みらいエコ住宅2026事業の「既存住宅のリフォーム」に対する補助金の内容については以下の通りです。

  • 対象となる住宅
    「平成4年基準(断熱等性能等級3に相当)を満たさない」または「平成11年基準(断熱等性能等級4)を満たさない」住宅であること。なお、ここで言う住宅については『原則、「平成4年基準を満たさない」住宅とは平成3年以前に建築された住宅、「平成11年基準を満たさない」住宅とは平成10年以前に建築された住宅とする。』という注釈もつけられています。
  • 補助対象工事
    以下、①~⑧の省エネ改修や子育て改修等のリフォーム工事等。実施するリフォーム工事が、平成11年基準相当に引き上げる工事または平成28年基準(断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級4に相当)相当に引き上げる工事である場合に限る。
    ①開口部の断熱改修
    ②躯体の断熱改修
    ③エコ住宅設備の設置
    ④子育て対応改修
    ⑤防災性向上改修
    ⑥バリアフリー改修
    ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
    ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
  • 補助額
    最大100万円(1戸あたり)
    ※達成する省エネ性能によって上限額が変わります。
  • 交付申請期間
    予算上限に達するまで(遅くとも2026年12月31日まで)
    ※すべての工事完了後

みらいエコ住宅2026事業のリフォーム部門については、上記のような細かな要件が定められています。対象となる住宅に関しては、現在の断熱基準を満たせていないような住宅で、その住宅の断熱性能を高めるための改修工事が対象となります。なお、対象工事の範囲については、①~⑧まで多岐にわたる工事があるのですが、どれか一つを実施すれば補助金が受け取れるというわけではないので注意が必要です。対象工事は、「必須工事」と「付帯工事」に分けられていて、必須工事を実施することで付帯工事も補助金の対象になるといった扱いになります。工事内容の詳細については後述します。

ちなみに、みらいエコ住宅2026事業の対象者については「一般住宅の所有者だけでは?」と考えている方も多いのですが、公式サイト内でも「戸建、共同(集合)住宅によらず、既存住宅に下表の省エネ改修や子育て対応改修等を行う事業」が補助対象と明記されているように、賃貸住宅も対象範囲に入っています。

リフォーム工事の対象期間については、「2025年11月28日以降にリフォーム工事に着手したもの」がスタート地点で、予算上限に達し次第、申請受付が終了するので、早めに動いた方が良いでしょう。なお、昨年度と同様に、補助金申請に対する予約受付期間が設けられています。予約申請については、工事着手後に交付申請の予約をすると補助金が一定期間確保されるという制度になっています。

参照:みらいエコ住宅2026事業公式サイトより

必須工事と付帯工事の区分について

先程紹介した通り、みらいエコ住宅2026事業の対象となるためには、「必ず実施しなければならない必須工事」を実施することが条件となります。必須工事を実施することで付帯工事についても補助対象となるという扱いなので、必須工事と付帯工事の内容についてはおさえておかなければいけません。

■みらいエコ住宅2026事業の対象となる必須工事
みらいエコ住宅2026事業の対象となるための必須工事は以下の通りです。

  • 開口部の断熱改修(ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換)
  • 躯体の断熱改修(改修後の外壁、屋根・天井または床の部位ごとに、一定の使用量以上の断熱材を使用する断熱改修が対象)
  • エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓、蓄電池、エアコン、換気設備のいずれかを設置する工事)

なお、必須工事については、国土交通省の資料内で以下のように解説されています。

対象住宅(平成 4 年基準を満たさない住宅又は平成 11 年基準を満たさない住宅)について一定以上の省エネ性能を確保するリフォーム工事として、次の①から③までの項目に含まれる改修工事の組合せであって、別紙5に掲げる組合せによるリフォーム工事を実施することが必要であるほか、1申請当たりの合計補助額が5万円未満の場合は申請できません。
引用:補助金の資料より

■みらいエコ住宅2026事業の対象となる付帯工事
付帯工事については、以下の内容となっています。

  • 子育て対応改修
  • 防災性向上改修
  • バリアフリー改修
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 など

上述した通り、必須工事を実施することで付帯工事も補助対象なります。ただ、必須工事の組み合わせなどについては、公式サイト内でも以下のように記載されている通り、現状はまだ確定していません。

対象住宅と実施するリフォーム工事に応じて設定される必須工事の組み合わせを実施すること。なお、必須工事とその組み合わせは、後日公表します
引用:みらいエコ住宅2026事業公式サイトより

補助金額について

それでは、皆さんが最も気になる補助金額についてもその内容をご紹介していきます。先程紹介した通り、みらいエコ住宅2026事業の既存住宅のリフォームに対する補助金の上限額は、1戸当たり100万円となっています。ちなみに、昨年度に実施された子育てグリーン住宅支援事業については、上限が60万円だったことを考えると、かなり増額されていることが分かります。

ただ、全てのリフォーム工事の上限額が100万円となるのではなく、改修工事前後の省エネ性能によって上限金額が変動するという扱いになっています。省エネ性能ごとの上限金額は以下の通りです。

■平成4年基準を満たさないもの(改修前)

  • 工事後に平成28年基準相当に達する改修:上限100万円/戸
  • 工事後に平成11年基準相当に達する改修:上限50万円/戸

■平成11年基準を満たさないもの(改修前)

  • 工事後に平成28年基準相当に達する改修:上限80万円/戸
  • 工事後に平成11年基準相当に達する改修:上限40万円/戸

このように、補助金の上限金額は、もともと省エネ性能が低かった住宅を、高い断熱性能まで持っていく工事が高く設定されるようになっています。どちらせよ、その他の省エネリフォームに対する補助金と比較した場合、みらいエコ住宅2026事業の補助上限額は非常に大きいため、断熱リフォームを検討している方にとっては非常に心強い制度になると思います。

みらいエコ住宅2026事業のポイントについて

みらいエコ住宅2026事業の既存住宅のリフォームに対する補助金の内容については、ある程度分かっていただけたと思います。この補助金の特徴としては、必須工事を実施しなければならないものの、断熱改修ではない多様なリフォーム工事が対象となるうえ、最大で100万円という非常に大きな金額を受け取ることができる点です。

賃貸住宅にとっては、断熱性能の向上だけでも空室対策に有効と考えられるのですが、これ以外にも子育て対応やバリアフリー化改修など、多種多様な顧客のニーズを叶えられるようになる改修工事が、補助金を活用して実施できる可能性があるのです。したがって、築年数が経過して空室対策の必要性を感じているというオーナー様は、ぜひ補助金の活用を検討してみてはいかがでしょう。

またここでは、実際にこの補助金の利用を検討している方がおさえておきたいポイントをいくつかご紹介します。

賃貸住宅は本当に対象なのか?

みらいエコ住宅2026事業は、補助対象となる建物の範囲が広いという特徴があります。一般的に、省エネリフォームに対する補助金については、申請者が実際に居住している「自宅に限られる」というイメージが強いはずです。実際に、地方自治体などが実施する補助事業に関しては、地域に住民票があり、さらに居住実態のある自宅に限られるというケースが多いです。

しかし、みらいエコ住宅2026事業については、公式サイト内で「戸建、共同(集合)住宅によらず…」とされているように、補助対象となる建物の範囲がかなり広いのです。例えば、以下のような建物に省エネリフォームを実施する際には、補助金の対象となる可能性が高いです。

  • 戸建住宅
  • 共同(集合)住宅
  • 別荘 など

上記のように、普段は居住しているわけではない「別荘」に関しても、省エネ改修を実施する場合は補助金の対象となるのです。また、補助対象者の範囲についても、新築部門については、若者世帯や子育て世帯に限るなど、対象範囲が決められているのですが、既存住宅のリフォームは、補助金の条件さえ満たしていれば「全世帯」が補助対象となります。ただ、の居住用であることが確認できない建物、居室、区画への工事は対象外です。

賃貸物件についても、所有者や賃借人、買取再販事業者が扱う住宅が対象になるなど、その他の補助事業と比較すると、かなり範囲が広く設定されています。ちなみに、2025年度に実施された子育てグリーン住宅支援事業との関係についても、昨年、この補助金を利用してリフォームを実施した物件でも、条件さえ満たせばみらいエコ住宅2026事業を活用することができます。これは、子育てグリーン住宅支援事業の後継事業ではあるものの、事業としてはあくまでも別物という扱いなので、新たに申請できるという感じです。

補助金対象となる改修工事の詳細について

それでは、みらいエコ住宅2026事業の対象となる改修工事の詳細について解説していきます。この補助金は、住宅の断熱改修が必須工事となり、これを行うことでバリアフリー改修などの付帯工事が補助金の対象となると紹介しています。

それでは、「建物の断熱改修」とは、具体的にどのような工事が対象となっているのでしょうか?

■必須工事の内容
みらいエコ住宅2026事業を活用するための必須工事は、開口部の断熱リフォーム、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置が設定されています。ここでは、令和8年1月29日に公表された補助金の資料から、改修工事の詳細内容をピックアップしてご紹介します。

参照資料:みらいエコ住宅 2026 事業(Me住宅 2026)の内容について

①開口部の断熱リフォーム

  • ガラス交換(既存窓を利用して、複層ガラスなどに交換するものをいう。)
  • 窓設置(既存窓の内側に、新たに窓を新設するもの、及び既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換するものをいう。ただし、外皮部分に位置する既存外窓(ドア)の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限る。)
  • 外窓交換(既存窓を取り除き新たな窓に交換するもの、及び新たに窓を設置するものをいう。)
  • ドア交換(既存のドアを取り除き新たなドアに交換するもの、及び新たにドアを設置するものをいう。)

②躯体の断熱改修

  • 外壁の断熱材設置、追加
  • 床(床下)の断熱材設置、追加
  • 天井(屋根)の断熱材設置、追加
  • 壁の断熱材設置、追加

③エコ住宅設備の設置
以下に掲げる住宅設備のいずれかを設置する工事

  • 太陽熱利用システム
  • 節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 高効率給湯器
  • 節湯水栓
  • 蓄電池
  • エアコン
  • 換気設備

補助対象となる住宅(平成4年基準を満たさないもの、平成11年基準を満たさないもの)において、一定以上の省エネ性能を確保するため、上記の①~③の改修工事の中から、あらかじめ定められた組み合わせでリフォームを実施することが必須条件となっています。なお、組み合わせについては、先ほど紹介したように「後日公表」とされているので、発表を待ちましょう。

■付帯工事の内容
上記の「必須工事」を実施する場合、以下に紹介する工事も補助金の対象となります。
④子育て対応改修

  • 家事負担の軽減に資する設備(ビルトイン食器洗機、掃除しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機又は宅配ボックス)を設置する工事
  • 防犯性の向上に資する開口部の改修工事
  • 生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事
  • キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事

ここで言う、キッチンセットとは、キッチン用シンク(給排水設備と接続されていること)、調理台、コンロ、調理室用の換気設備のすべてが一体的に設置されているものを指しています。

⑤防犯性向上改修

  • 防犯性の向上に資する開口部の改修工事

⑥バリアフリー改修

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 廊下幅などの拡張
  • 衝撃緩和畳の設置

⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

  • 気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険及び大規模修繕工事瑕疵保険が対象となります。

賃貸住宅にとっては、断熱改修に加えて、空室対策に有効だと考えられる改修工事が補助金の対象範囲に入るため、非常にありがたい制度となるでしょう。子育て対応改修やバリアフリー改修は、物件の入居対象者を増やすことも出来るようになるため、空室対策リフォームとしては非常に効果的です。

なお、工事内容ごとの補助額については、公式サイト内で「各リフォーム工事内容ごとの補助額は後日公表します」となっています。補助額の詳細が知りたいとい方は、小まめに公式サイトを確認しましょう。

その他の補助金との併用について

住宅関連の補助金については、「併用は可能なのか?」という点が気になる方が多いと思います。

これについては、同じ補助対象工事に対して国の補助金を複数併用することはできない決まりになっています。住宅省エネキャンペーンで言えば、「給湯器を省エネ性の高いものに交換する」という工事に対して、賃貸集合給湯省エネ2026事業とみらいエコ住宅2026事業を両方申請して補助金を受け取るということはできません。

ただ、「同じ補助対象工事に対して」とあるように、対象工事が重複しないようにすれば、複数の補助金を併用するということは可能です。例えば、給湯器の交換は賃貸集合給湯省エネ2026事業を申請して、躯体の断熱改修や開口部の断熱改修にはみらいエコ住宅2026事業を活用するといった感じに、対象工事を分けて申請すれば補助金を併用することが可能になっています。みらいエコ住宅2026事業は、補助対象となる工事が非常に幅広く、他の補助金も活用しやすいため、空室対策を目的としたリフォームには最適です。

なお、地方自治体などが実施している補助金については、国費が充当されるものを除けば、併用することが可能です。この辺りは、自治体ごとに制度などが異なるので、一度確認してみましょう。

賃貸住宅がみらいエコ住宅2026事業を活用するメリット

ここまでの解説で、みらいエコ住宅2026事業が非常に広範囲なリフォームに活用できる補助金ということが分かっていただけたと思います。さらに、この補助金は賃貸住宅も対象となるため、以下のようなメリットが得られると考えられます。

メリット1 空室対策にかかるコストを削減できる

みらいエコ住宅2026事業は、いくつかの条件を満たしていれば、最大で100万円という補助金を給付してもらうことができます。そのため、空室対策を目的とした断熱改修や、子育て対応改修、バリアフリー化を実施する場合、その工事にかかるコスト負担を大幅に軽減することができるようになるのです。

メリット2 空室対策を目的に広範囲の対策が実施できる

みらいエコ住宅2026事業は、補助対象となる工事の範囲が非常に広いという点が大きな特徴です。先進的窓リノベ2026事業であれば、窓の断熱改修が対象、賃貸集合給湯省エネ2026事業の場合は高効率給湯器への交換が対象になるなど、どちらも補助金の対象となる工事の範囲は限定されているのです。

しかし、みらいエコ住宅2026事業の場合、「一定の省エネ性能を確保するリフォーム(必須工事)」の実施が条件になるものの、これを行うことで、子育て対応改修やバリアフリー改修、防犯性向上改修なども補助金の対象となるのです。そのため、キッチン設備の入れ替えや、トイレ、浴槽の交換など、物件の魅力を大きく向上させられるようなリフォーム工事の費用負担が軽減でき、より空室対策に効果的なリフォームが実施しやすくなるのです。

みらいエコ住宅2026事業は、断熱改修だけが対象になるのではなく、賃貸住宅の魅力度を高められるような改修工事が対象範囲に入るという点が大きなメリットになります。

メリット3 既存入居者の退去防止にも役立つ

みらいエコ住宅2026事業を活用した断熱改修は、新規入居者の獲得による空室対策だけでなく、既存入居者の退去防止も期待できる点が大きなメリットになります。補助金を利用して断熱改修やそれに付属する改修工事を実施した場合、以下のような効果が期待できます。

  • 居室の快適性が向上する
    断熱改修を実施すれば、外気温の影響を受けにくくなるため、夏の暑さや冬の寒さを感じにくくなります。また、断熱性能が向上すれば、居室の防音性も高くなるため、入居者が騒音に悩まされにくくなります。各居室の快適性が向上すれば、物件に対する不満が貯まりにくくなることで、早期退去を防止できます。
  • 光熱費削減
    断熱性能の向上は、空調効率の改善によって、エアコンの稼働などに係る光熱費の削減が期待できるようになります。また、補助金の対象なる工事には、節水型トイレや水栓への交換が含まれていますし、こういった設備を導入すれば毎月の水道代も安くなります。家主主導の改修工事により、生活にかかる光熱費が安くなれば、当然満足度が高くなり、早期退去を防止できるでしょう。
  • 特定の入居者ニーズに応えられる
    入居者の属性に合わせて、必要な改修工事を補助金を活用しながら実施できる点もメリットです。断熱改修の実施が条件になるものの、バリアフリー化や子育て対応改修が実施できるので、そういった層の入居者がいれば長期入居してもらえる理由になると思います。

このように、みらいエコ住宅2026事業は、賃貸住宅にとっては非常に有効な補助金となります。

リフォームによる空室対策は顧客に「知らせる」ことも重要

みらいエコ住宅2026事業は、賃貸住宅の空室対策リフォームを検討した時には、非常にありがたい制度であることが分かっていただけたと思います。入居者の快適性を向上するための断熱改修のほか、昨今の賃貸住宅市場でも顧客からニーズが高くなっているバリアフリー化や子育て対応改修などもコスト負担を抑えながら実施できるため、安定した賃貸経営の土台作りに活用できるはずです。

ただ、空室対策を目的に物件の改修工事を実施した場合、その事実がきちんと顧客に伝わらなければ意味がありません。補助金を活用した改修工事については、基本的に室内部分に対策を施すことになるため、不動産ポータルサイトに掲載する物件情報を見てもらうか、実際に物件に足を運んでもらい内見してもらわなければならないのです。もちろん、既存入居者の退去を防止するという部分に関しては、問題ないのですが、空室対策のことを考えた場合、新規入居者を効率的に獲得していくということが非常に重要になるはずです。

したがって、みらいエコ住宅2026事業など、国の補助金を活用して空室対策リフォームを実施した場合、その情報が多くの人に伝えられるようにするための対策も検討しなければいけないと考えてください。そして、そのための方法として賃貸市場で注目されているのがホームステージングです。

ホームステージングは、内見や内覧時の印象を良くするための方法と考えられているのですが、実は、物件広告の反響率向上にも非常に大きな効果を発揮することが分かっています。例えば、日本ホームステージング協会が毎年実施している実態調査のデータを見ても、2024年度に実施されたホームステージングでは、以下のような効果があったと報告されています。

■ホームステージング実施後の反応 (複数回答)

  • 内覧後成約率が上がった:43.3%
  • 内覧者数が増加した:31.6%
  • 反響数が増えた:30.4%
  • 内覧時の滞在時間が長くなった:19.9%
  • 競合物件と比較されにくくなった:9.9%
  • 特に変わらない:8.8%
  • その他:1.8%

また、2023年に実施された実態調査では、広告の段階で非常に大きな効果を発揮したことが分かるデータが出ています。

■ホームステージング実施前との比較「広告の閲覧数」

  • 大幅に増えた:36.4%
  • 少し増えた:47.3%

■ホームステージング実施前との比較「問合せ数」

  • 大幅に増えた:32.1%
  • 少し増えた:44.6%

このように、ホームステージングの実施は、内見前の段階でも大きな効果を発揮していることが分かります。ホームステージングがどのような対策なのかは「ホームステージングとは?その効果や具体的な実施方法をご紹介!」で確認してください。

どちらにせよ、賃貸物件にリフォームを実施することで空室対策を検討しているという場合、その事実を知らせるためにも、ホームステージングを併用するという方法がおすすめです。

参照:ホームステージング白書2023年
参照:ホームステージング白書2023年

まとめ

今回は、賃貸住宅の空室対策リームに活用することができる補助金として、みらいエコ住宅2026事業の内容を解説しました。

記事内でご紹介した通り、みらいエコ住宅2026事業は、補助対象となる工事の種類が非常に幅広く、さらに顧客のニーズを叶えられる対応の工事が対象となっています。もちろん、必須工事として物件の断熱改修が必要となるのですが、これを実行すれば子育て対応や防犯対策、バリアフリー化など、現代の社会情勢に合わせた形の賃貸物件を目指すことができるようになります。また、補助額についても、最大で100万円までと、その他のリフォーム関連の補助金と比較しても、大きな金額を受け取ることができます。築年数が経過した賃貸物件の空室対策を考えた時には、非常に心強い補助金になると思うので、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょう。

なお、空室対策を目的にリフォームを実施した際には、その事実が賃貸物件探しをしている人に伝わらなければ意味がありません。したがって、正確な情報を素早く拡散するためにも、ホームステージングの活用を検討するのがおすすめです。