2026.05.21

ホームステージングが向かない物件もある?対策の基本と導入がおすすめできないケース

ホームステージングは、中古住宅市場で不動産の早期売却・高値売却を実現するために非常に効果的な手法と注目されるようになっています。また、コロナ禍以降は、賃貸物件市場でも、早期に空室を埋めるための対策や家賃の維持もしくは値上げを実現するための方法として人気になっています。このホームステージングは、もともとアメリカで誕生したサービスなのですが、中古住宅市場が活発化してきた昨今では、日本国内でも積極的に取り入れられるようになっています。

ただ、ホームステージングによる不動産の販促については、全ての物件タイプで必ず効果を発揮するわけではないという点に注意しなければいけません。最近では、リフォームやリノベーションと言った対策と比較すると、ホームステージングの実施は対策にかかるコストを抑えられるため、費用対効果が高い販促手法としてさまざまな場所で推奨されるようになっています。しかし、どのような状況でも、ホームステージングがリフォームなどの他の対策よりも高い効果を発揮するというわけではなく、物件タイプや状態によっては効果が見込めないケースもあるのです。

そこでこの記事では、ホームステージングの基本的な情報や採用することで得られるメリット、さらに導入が推奨できない物件タイプをご紹介します。これから、マイホームの売却などを検討しているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

ホームステージングの基本概要について

それではまず、ホームステージングがどのような販促手法なのかについて簡単にご紹介します。

ホームステージングとは、不動産物件をより魅力的に見せる空間演出のことを指していて、具体的には、売却や賃貸を予定している物件に対し、部屋の中に家具やインテリア、照明などを配置することで、販売物件をより魅力的に感じられるように演出するサービスとなります。

もともと、日本の中古住宅市場や賃貸物件市場では、空室状態にしてから入居者募集を開始するというケースが多かったです。実際に、過去に賃貸物件の内見に足を運んだ経験がある人なら、部屋の中に何も置かれていない状態の物件を数軒確認して、その中から入居する物件を選択したという経験があるはずです。ただ、この「空室状態で物件の見学をする」という行為については、その物件が本当に自分のライフスタイルに合っているのか判断するのが難しいという難点があります。部屋の中に何も置かれていないという状況になると、部屋のサイズ感を測るための対象物がないため、入居して家具を置いてみると「想像以上に狭かった…」と言った失敗をしてしまうことも少なくありません。また、物件そのものの見た目が殺風景に見えてしまうため、どの物件を見ても同じような印象しか持てずに、結局は立地条件で選ぶという方が多くなるのです。

これが、ホームステージングにより部屋の中に家具などを配置しているという状況になると、入居後のそこでの暮らしをイメージしやすくなります。部屋のサイズ感なども配置されている家具を参考にすれば掴みやすくなりますし、何よりも契約後にどのような家具を購入すれば良いのかの参考になるため、契約するかどうかの判断がしやすくなるのです。したがって、ホームステージングは、不動産の売買や賃貸において、より良い条件でスムーズな成約に導くための手法として人気が高くなっているのです。

ちなみに、物件の販促のため「部屋の中を飾り付ける対策」と言われる点から、新築住宅のモデルルームと混同されることが多いです。ただ、モデルルームやモデルハウスは、新築物件の販促に実施される対策で、ホームステージングは中古や賃貸物件を対象とした対策という違いが存在します。

ホームステージングの事例を紹介

ホームステージングが、不動産の売却や賃貸において、なぜ有効な販促手法になるのかは、実際の実施例を見ると分かりやすいです。そこでここでは、弊社が手掛けたホームステージング事例をいくつかご紹介します。ここでは、部屋の中に何も置かれていない空室状態がどう変わるのかが判別しやすいよう、対策実施前後の物件画像を並べて紹介します。

■事例①

■事例②

■事例②

上の画像のように、殺風景で入居後の生活イメージが湧かなかった物件が、ホームステージングを実施することで魅力的な空間に感じられるようになっています。

また、家具などが配置されていることで、部屋のサイズ感なども正確に把握することができるようになり、入居後に「想像よりも狭かった…」といったミスマッチを防止することができるようになるのです。ホームステージングは、物件の購入ターゲット層を明確に設定し、その人たちが最も好印象を受けるような部屋になるよう演出を加えます。そのため、配置された家具類などに関しては、購入後の部屋作りの提案にもなるため、物件購入を前向きに検討してもらえるようになるという効果を発揮するのです。

ホームステージング実施の効果について

それでは次に、マイホームの売却や賃貸の空室対策として、ホームステージングを取り入れた際、どのような効果が期待できるのかについて解説していきます。ここでは、ホームステージングを実施することによって得られるとされるメリットについて、実際の調査データも併せてご紹介していきます。

一般的に、ホームステージングは、売買や賃貸を予定している物件に対し、室内に家具やインテリア、照明などを配置することで、新築のモデルルームのような空間を作り出し、内覧時の印象を高める対策とされています。特に、不動産の売買においては、内覧の工程が非常に重要視されていて、この際にどれだけ好印象を与えられるのかが、成約に至るかどうかを左右するとされています。そのため、ホームステージングにより、魅力的な室内空間を作り出すことで、内覧時に「ここに住んでみたい!」と思わせるのがホームステージングを実施する目的とされているのです。

ただ、ホームステージングは、内覧対策としてだけ効果を発揮するのではなく、その前段階となる物件広告においても大きな効果を発揮しているというデータがあるのです。ここでは、ホームステージングの実施により得られる主な効果をご紹介します。

広告の反響率向上

一つ目の効果は、物件広告の段階で、反響率向上という効果が得られる点です。ホームステージングを実施すれば、魅力的な演出が施された物件内を写真に収めることができ、それを物件広告画像として使用することができるようになります。そのため、インターネット上の不動産ポータルサイトはもちろん、ポスティングなどとして配布する物件チラシも、自然と人の目に留まりやすい広告となり、問い合わせや内覧予約の増加が期待できるようになるのです。

昨今では、売買でも賃貸でも、物件探しはインターネット上の不動産ポータルサイトを利用する方が多くなっています。不動産ポータルサイトには、数多くの物件情報が掲載されていて、顧客が希望する条件で絞り込みを行い、一覧表示された物件の中から、希望に見合う物件を探すという仕組みになっています。そのため、数多くある物件広告の中から自分の物件を選んでもらうためには、ライバル物件との差別化が非常に重要になるのです。ホームステージングを実施すれば、不動産ポータルサイトに掲載する物件写真の質が高くなるため、一覧表示された時には、他の物件広告よりも目立つことができるようになり、問い合わせや内覧につなげやすくなるのです。

実際に、日本ホームステージング協会が毎年実施しているホームステージングに関する実態調査のデータを見ても、以下のように広告段階で非常に大きな効果を発揮しているということが分かります。

■ホームステージング実施前との比較『物件詳細の閲覧数』について

  • 大幅に増えた:売買部門「20.4%」、賃貸部門「36.4%」
  • 少し増えた:売買部門「57.4%」、賃貸部門「47.3%」

上記のように、ホームステージングを実施した物件は、実施前と比較すると広告の閲覧数が増えているという結果が出ています。

■ホームステージング実施前との比較『問い合わせ数』について

  • 大幅に増えた:売買部門「16.7%」、賃貸部門「32.1%」
  • 少し増えた:売買部門「61.1%」、賃貸部門「44.6%」

問合せ数についても、売買、賃貸共に約8割で増えたという結果が出ています。

■ホームステージング実施前との比較『内覧者数』について

  • 大幅に増えた:売買部門「11.3%」、賃貸部門「30.4%」
  • 少し増えた:売買部門「67.9%」、賃貸部門「42.9%」

物件広告を見て、実際に内覧にまで繋がった顧客の数についても増加しているという結果が出ています。内覧は、成約に至ることを考えると、非常に重要な工程になるため、ホームステージングによってこの部分の人数が増えるという結果は、スムーズな成約を実現することを考えると、ホームステージングに確かな効果があると言えるでしょう。

データ参照:ホームステージング白書2023年

成約までの期間を短縮できる

ホームステージングの実施目的は、より高値での成約を目指すことと、早期の成約に導くこととされています。そして、実際に日本国内で実施されたホームステージングでは、成約までの期間を短縮できたという調査データも出ています。

ホームステージングは、空室状態のまま集客を始めるのではなく、物件の魅力を効果的にアピールできるように、室内にさまざまな演出を加えます。また、居住中の物件売却の場合は、室内の整理整頓や清掃、不要家財の処分、おしゃれな家財への置き換えなどを実施して、広告や内覧時の印象を高めていきます。

そして、実際にホームステージングを実施した物件について、未実施の物件と比較した場合、「成約までの期間が短縮できた」と回答する物件が多いという調査データが出ています。以下は、ホームステージング白書2023年内の調査データです。

■ホームステージング実施前との比較『成約までの期間』について

  • 大幅に短くなった:売買部門「18.2%」、賃貸部門「44.6%」
  • 少し短くなった:売買部門「50.9%」、賃貸部門「37.5%」

上記の通り、不動産売買においては約7割で短縮できたという結果が出ていて、賃貸においては8割を超える物件で成約までの期間が短縮ができたという効果が確認されているのです。さらに、翌年に実施されたホームステージングに関する実態調査では、「ホームステージング実施後の反応」として「内覧後成約率が上がった」という回答が43.3%を占め、1位になっています。

これらのデータからも分かるように、ホームステージングは、不動産の売買、賃貸ともに、販売期間・空室期間を短縮することができるという非常に大きな効果が期待できる手法となるのです。

より高値での成約が期待できる

ホームステージングは、入居希望者が内覧した時、その物件がより魅力的に見えるような演出を加える手法です。当然、魅力的に感じてもらえる物件になれば、売却のために価格を下げるといった対策に打って出る必要がなくなるでしょう。

広告の反響率が高くなれば、問合せ数や内覧者数が増えると予想できるため、余裕を持った販売活動ができるようになるでしょう。この場合、値下げ交渉などを受けた場合でも、強気の交渉に打って出ることができるようになるので、不要な値下げに応じる必要がなく、希望価格での成約が期待できるようになります。また、購入希望者側の視点に立っても、自分が住みたいと思う物件であれば、多少高くても「買いたい!」と考えるはずです。また、他の人に取られたくない…という心理が働くようになるので、価格に関する交渉などをせずに、購入申し込みを出す可能性が出てくるでしょう。

実際に、ホームステージング白書2024年のデータを確認してみると、ホームステージング実施後のメリットとして以下のようなポイントが指摘されています。

引用:ホームステージング白書2024年

上のグラフから分かるように、ホームステージング実施による効果として「家賃・販売価格を下げずに募集できた」「家賃・販売価格を上げても成約できた」という回答が上位に位置しているのです。

ホームステージングの実施方法と費用について

ここまでの解説で、ホームステージングがどういったもので、売却や賃貸を予定している物件にこの対策を実施することで得られる効果が分かっていただけたと思います。

もともとアメリカで誕生したホームステージングですが、日本国内の不動産市場に適応する形にサービス内容がカスタマイズされてきたこともあり、不動産の売買や賃貸、どちらの市場においても早期かつ高値での成約を後押ししているという結果が出ています。そのため、昨今の不動産業界では、売買や賃貸を仲介する不動産会社の多くがホームステージングを取り入れるようになっているのです。

それでは、実際にホームステージングの実施を検討した時には、誰に相談すれば良いのでしょうか?また、対策にはいくらぐらいのコストがかかるのでしょうか?ここでは、ホームステージングを実施する主な方法と、それにかかる費用についてもまとめておきます。

①自分でホームステージングを実施する

一つ目は、仲介を依頼された不動産会社や物件オーナ自らが対策を施すという方法です。賃貸物件の場合、ホームステージング用の家具やインテリアを購入したとしても、何度も使いまわすことができるようになるので、1回の対策にかかる平均的な費用を抑えることができるのです。また最近では、状態の良い家具やインテリアについて、期間を決めてレンタルしてくれるサービスなども増えているので、室内を飾るためのアイテムに困ることは基本的にありません。

自分でホームステージングを実施する場合の費用は、家具の購入費用などを含めても、5~10万円程度のコストで実施可能だと思います。小物などに関しても、100円均一などで集めることができますし、室内を最低限飾るための家具についても、低コストで購入できるファスト家具が増えています。一度購入した家具は、保管場所さえ用意すれば何度も演出に使うことができるので、将来的に考えるとホームステージングにかけるコストを削減できるでしょう。

注意が必要なのは、ホームステージングは、単に家具を配置すれば魅力的な部屋に見えるようになるほど簡単な対策ではないという点です。効果的なホームステージングにするには、物件ごとのターゲット設定を的確にしなければならない、またそのターゲットが最も住みやすいと感じる部屋を設計しなければならないなど、さまざまな面で専門知識が求められます。そのため、自分で対策を実施しても、「聞いていたほどの効果を実感できない…」など、対策を失敗に感じるケースも珍しくないと言われています。そのような場合は、専門業者に改めて依頼してみると良いでしょう。

②専門業者に対策を依頼する

二つ目の方法は、専門業者にホームステージングを依頼するという方法です。ホームステージングは、2000年代に入った頃から日本国内で取り入れられ始めたとされていますが、コロナ禍の2020年頃に一気に普及が拡大しています。コロナ禍は、対面での営業が難しくなったため、顧客単体で内覧・内見した時でも、物件の魅力をきちんと伝えられるようにするということが求められました。そして、そのための方法としてホームステージングが注目されたのでしょう。

最近では、多くの不動産会社が販促手法として取り入れるようになり、対策の質が求められるようになったことで、ホームステージングの実施を専門とする企業が増えているのです。ホームステージング業者に対策を依頼すれば、家具の配置などだけでなく、以下のような幅広い作業を実施してもらうことができます。

  • 家具、インテリアの選定、搬入、配置、撤去
  • 家具類のレンタル
  • ハウスクリーニング
  • 不要家財の回収・処分
  • 既存家財の一時預かり
  • 軽微な修繕、リフォーム
  • プロによる写真撮影

上記の通り、専門業者に対策を依頼した場合、単に家具やインテリアを配置するだけでなく、それ以前の物件内の清掃や整理整頓、不用品の回収、処分などをまとめて依頼することができます。また、ホームステージング完了後は、プロカメラマンによる撮影も実施してもらうことができ、魅力的な広告写真を用意することができます。

費用感については、依頼する作業内容、会社、期間などによって変わりますが、一般的には1〜3か月間の期間でパッケージ家具をレンタルする形で15~40万円程度が相場とされています。詳細な金額は、物件ごとに大きく異なるので、ホームステージングに興味を持っている方は、一度見積りをとってみると良いでしょう。

ホームステージングが向いていない物件タイプについて

ここまでの解説を見ると、不動産の売却や賃貸の空室対策を考えた時は、ホームステージングが非常に有効なのだなと感じた方が多いはずです。ホームステージングは、物件広告の段階からライバル物件との差別化を実現し、さらに内覧に足を運んでもらった時には、より良い印象を与えることで早期かつ高値での成約が期待できるようになるのです。

ただ、全ての物件タイプにおいてこのような効果が得られるのかというと、そうではないので注意する必要があります。実は、ホームステージングは、物件が持つ魅力を最大化させるという対策であるため、効果を発揮しにくい物件タイプも存在するのです。

そこでここでは、ホームステージングが苦手とする物件タイプをいくつかご紹介します。

①家具が逆効果を発揮するタイプの物件

ホームステージングは、室内に家具やインテリア、植物や照明などを配置することで、魅力的な室内空間を作り出すという手法です。しかし、物件タイプによっては、この「家具の配置」が逆効果に働く可能性があるのです。

例えば、以下のような物件については、ホームステージングが思うような効果を発揮できない可能性があるので、実施は慎重に判断すべきと言えます。

  • 超狭小物件
    極端に狭い部屋や収納ゼロの物件など、超狭小物件は、ホームステージングによる魅力の最大化が高価を発揮できない可能性があります。このタイプの物件は、物理的にスペースが少ないことから、室内を魅力的な空間に見せたくても家具などを置く余裕がありません。そのため、こういった物件に家具やインテリア、植物などを配置していくと、余計に部屋が狭く感じられてしまうようになり、「生活しにくそう…」と言ったネガティブな印象を残してしまう可能性があるのです。極端に狭い物件については、空室状態で入居者募集を開始し、ユーザー側に使い方を自分でイメージしてもらう方が成約に至りやすいでしょう。
  • 間取りの使い方が限られている物件
    変形地に建てられている物件や室内に柱や出っ張りなどが多く存在する物件もホームステージングが逆効果になる可能性があります。このタイプの物件は、適した家具などが少ないため、レンタル家具などを配置して演出を施すと、配置した家具のせいで不自然な空間に見えるようになる可能性があります。ホームステージングの専門業者も、特殊な形状の物件に対応できる家具などは保持していない可能性が高いです。これは、一般受けしやすい質の高い家具を集めておく方が、多くの顧客に対応可能だからです。特殊な形状の物件については、リフォームを施して物件の特性に合わせた造作家具を作る方が、顧客からの印象を高められるかもしれません。

上記のように、極端に狭い物件で、家具を配置すると「生活がしづらそう…」と感じる物件や、敷地形状の関係などにより間取りの使い方に制限がある物件については、家具を配置するという行為が逆効果に働く可能性があるので注意しましょう。

②費用対効果の問題でおすすめできない物件タイプ

二つ目は、費用対効果のことを考えると、ホームステージングの実施が決して正解とは考えられないと言える物件です。例えば、以下のような物件タイプは、ホームステージングを実施する意味があるとは言えないので、本当に必要なのかは慎重に判断しましょう。

  • 築年数がかなり経過して、ボロボロの家
    築年数がかなり経過している古い家の場合、ホームステージングが意味をなさないケースが考えられます。古い家でも、メンテナンスを欠かさずに行い、状態が良い物件もありますが、そうでなくて見るからに劣化しているとわかるような物件は、ホームステージングを実施しても、マイナスイメージを払しょくすることができません。例えば、雨漏りやシロアリ被害がある家は、室内に綺麗な家具を置いたとしても、根本的な問題が解決できるわけではないので、売れる可能性は低いままです。また、築年数が経過してボロボロになっている物件は、そもそも「そのまま住む」ということを想定していない購入希望者が多いため、室内をいくら飾ったとしても価格に影響を与えることはないのです。顧客側が、解体して新築住宅を建てる想定なのであれば、現状の物件の魅力度を高めても意味がありません。
  • 極端な低価格帯の物件
    ホームステージングは、リフォームやリノベーションの実施と比較すると、対策にかかるコストを抑えることができます。しかし、専門業者に依頼して本格的な対策を実施する場合、数十万円単位の費用が掛かってしまうのです。そのため、投資用物件や土地値(土地の価格)のみで販売されるような安価な物件の場合、居住用として実施するホームステージングの費用を回収することが難しくなります。売却時の収益のことを考慮すると、逆に損になるのであれば、販促手法として実施する意味が無いので、このケースもホームステージングはおすすめできません。

築年数が古く、もともとの家の価値が極端に低い物件などに関しては、費用対効果の面からホームステージングの実施がおすすめできません。もちろん、費用対効果を無視しても、「とにかく早く買い手を見つけたい」という考えなら、実施する意味はあるのですが、このような考えの方は、仲介での売却を目指すのではなく、不動産買取業者に相談する方が手っ取り早いです。

まとめ

今回は、不動産業界で注目度が高くなっているホームステージングについて、この対策の基本概要や実施のメリット、またどのような物件に向いている対策なのかご紹介しました。

記事内でご紹介した通り、中古住宅市場が活発化し始めた日本では、ホームステージングと呼ばれる販促手法の効果が認められ始めています。実際に、ホームステージングに関する実態調査のデータを見ても、広告の反響率向上や早期の成約、高値での成約に大きな効果を発揮しているということが分かってきたため、多くの不動産会社が取り入れるようになっているのです。

ただ、ホームステージングは、全ての不動産の売却や賃貸を後押しできるというわけではないので、その辺りは注意しましょう。築年数が経過して、既に劣化がかなり進行している物件の場合、ホームステージングで演出を加えるよりも、リフォームで悪い部分を修繕したほうが売れる可能性が高くなります。ホームステージングは、「物件の魅力を最大化する」「顧客に魅力的な物件であることを伝える」ということが得意な対策で、そもそも物件の魅力が失われているという場合、高い効果を発揮しにくいです。