2026.03.15

家の売却における嫌悪施設について!嫌悪施設が近くにあると売れない?

マイホームの売却を検討した時には、自分の家の状態に関係なく、買い手側から敬遠されてしまうことがあります。例えば、地震や台風など、自然災害の発生件数が多い日本では、ハザードマップ上で危険度が高い地域に指定されているような立地になると「長く安全に暮らすことができないのではないか?」などと不安視され、状態の良い家でも購入を控えられてしまう可能性があるのです。

そして、自宅の状態に関係なく、家の売却を難しくする条件では、もう一つ注意しなければならない要因が存在します。それが、この記事のタイトルにもある『嫌悪施設』で、自宅の周辺に嫌悪施設が存在するという条件の場合、不動産の売却活動に悪影響が出てしまう可能性があるのです。ちなみに、嫌悪施設の存在については、「隠して売れば問題ないのでは?」と考える人もいますが、購入者の不利益にならないよう法律で告知義務が定められています。つまり、売却時にはきちんと「嫌悪施設が近くにある」ということを伝えなければならないので、家の売却をスムーズに進めるには、事前に対策を考えておく必要があるのです。

ただ、一般の方からすると、「そもそも嫌悪施設とは何?」など、隣接する施設が嫌悪施設に該当するかどうかの判断ができない方も多いはずです。そこでこの記事では、嫌悪施設の基礎知識や、家の売却にどのような影響を与えるのか、また嫌悪施設に隣接する家をスムーズに売却する方法などについて解説します。

そもそも嫌悪施設とは何か?

それではまず、嫌悪施設が何を指しているのかについて解説します。

嫌悪施設とは、騒音や臭気、煙や危険性、また存在することで心理的な不快感を人にもたらすなど、住居の近くにあることが避けられる施設のことを指しています。嫌悪施設が周囲にある場合、人が抵抗感や拒否感を抱いてしまい、そこに住みたくないという悪感情を持ってしまうため『嫌悪』施設と呼ばれているのです。

それでは、存在するだけで嫌悪感を与える可能性があるとされる施設とは、どのような施設が該当するのでしょうか?以下で見ていきましょう。

嫌悪施設の条件について

まず、大前提としておさえておきたいのは、一般的に「嫌悪施設」に該当するとされる施設についても、法律などで指定されているわけではないということです。嫌悪施設については、法的に明確な定義のような物が定められているわけではないので、ここで「〇〇と△△が嫌悪施設です」と指定することはなかなか難しいです。

ただ、嫌悪施設と指摘される要因はある程度決まっているので、ここでは嫌悪施設とされる主な要因をご紹介します。それは以下のような条件を満たしているかどうかとなります。

  • 生活に支障をきたす可能性があるか?(騒音や振動)
  • 健康に悪影響を与える可能性があるか?(悪臭や煙)
  • 風紀や治安に悪影響を与える可能性があるか?(風俗店や暴力団施設)
  • 危険を感じさせる可能性があるか?(危険物を取り扱う施設など)
  • 心理的瑕疵を感じるか?(墓地や宗教施設など)

上記のように、住宅に隣接する形で建設されると、周辺に住む住人が何らかの嫌悪感を持ってしまうような施設が嫌悪施設に当たります。例えば、騒音や振動、悪臭など、人の生活環境に支障をきたすような施設や、墓地や宗教施設など、心理的な抵抗感を感じさせる施設など、幅広い施設が嫌悪施設の対象となります。ちなみに、自殺や他殺があった事故物件などについては、そこに住まなければ単なる住宅のように感じますが、人によっては心理的抵抗感を感じる可能性があるため、これも嫌悪施設に該当する場合があります。

具体的な嫌悪施設の種類については、以下のような建築物が該当する可能性があります。

  • 公害・騒音・振動系の嫌悪施設
    工場、ゴミ処理場、焼却場、高速道路、線路、航空機騒音エリアなど
  • 危険・防災系の嫌悪施設
    ガソリンスタンド、危険物取扱施設、高圧線鉄塔、原子力関連施設、ガスタンクなど
  • 心理的・風紀系の嫌悪施設
    墓地、火葬場、葬儀場、風俗店、宗教関連施設、暴力団施設など

嫌悪施設は、時代や個人の受け取り方によって異なりますが、代表的な施設は上記のような物となります。

嫌悪施設は人によって受け取り方が異なる

上述の通り、嫌悪施設は、一般的に、近くに存在すると人が抵抗感や拒否感を持ってしまう施設のことを指しています。しかし、上述したような施設でも、人によってその施設に対する印象は大きく変わります。

例えば、ガソリンスタンドなどは、近くにあると異臭や危険を感じるという方もいれば、日常生活のことを考えると便利と感じる人もいるはずです。また、一般的には「あると嬉しい施設」と考えられる、幼稚園や小学校などについても、人によっては「騒音を生じさせる嫌な施設」と感じてしまう可能性があるのです。

さらに、嫌悪施設からの距離についても難しい面があります。例えば、工場から生じる騒音などについては、隣接する家にだけ聞こえるのではなく、少し離れた場所にある家でも騒音や振動の影響が出てしまう可能性があります。さらに、養豚場や養鶏場から生じる臭気については、数キロメートルの距離が離れていたとしても、臭いが気になってしまう場合もあるはずです。このような条件の場合は、自宅に隣接しているわけではないため、嫌悪施設として扱うべきかどうかに迷ってしまう可能性があるのです。
またその逆に、昨今ではさまざまな技術が進化しているため、本来は近隣の住環境に影響を与えそうな施設であっても、しっかりと対策を施していて、臭気や騒音、振動などによる影響が全く感じられなくなっているケースもあります。この場合、一般的には嫌悪施設に該当するとしても、実際には何の影響も出ないという状況なので、どのような扱いをすれば良いのかで迷ってしまう人が多いと思います。

嫌悪施設については、法律などで明確な定義が定められているわけではないため、何を嫌悪施設とするかは人によって判断が異なります。したがって、家の売却を考えた時には、自宅の周辺に嫌悪施設に該当する施設があるのかどうかを不動産のプロである不動産会社などに判断してもらうと良いでしょう。

嫌悪施設の存在は家の売却に影響を与えるのか?

それでは次に、売却を考えている家の近くに、一般的に嫌悪施設に該当する施設があった場合、どのような影響が出るのかについて解説します。嫌悪施設が近くにある物件の売却では、通常の家の売却手順とは少し異なる部分が生じるのですが、それついては後述します。

ここではまず、嫌悪施設に隣接する家の売却について、売却価格などに影響が出るのかどうかを考えてみます。

売却価格に影響が出るのか?

嫌悪施設に隣接する家の売却について、最も気になるのは、嫌悪施設が存在することで「売却価格に何らかの影響が生じてしまうのか?」ということだと思います。

これについて結論から言ってしまうと、嫌悪施設などが周囲にない一般的な物件と比較した場合、嫌悪施設が存在することで相場価格から2~3割程度安くなってしまう可能性があるとされています。

嫌悪施設の存在で、なぜこれほどまで価格が下がってしまうのかについては、単純に買主側に敬遠されて売却が難しいからです。家の購入を考えている方のほとんどは、対象となる物件そのものの状態だけを確認するのではなく、日常生活の利便性などに影響する周辺環境についても重要視しています。例えば、駅から近いなど、一般的に立地条件が良いとされる条件を満たしていれば、需要が高くなるため、高値で売却できる可能性が高くなります。しかしその逆に、騒音や振動、悪臭など、購入者家族の日常生活に悪影響を与えるような要因が存在するとみなされれば、どれだけ状態の良い家でも敬遠されてしまう可能性が高くなるでしょう。

物の価格は、需要が大きく関係するもので、一般的に需要が低くなるとされる嫌悪施設に隣接する物件の場合、どうしても売却可能額が下がってしまいやすいのです。もちろん、どれぐらい価格が下がるのかについては、物件の状態やその時点での市場の動きによって変わりますが、どちらにせよ「生活に支障をきたすのではないか?」と考えられるレベルの嫌悪施設が存在していれば、相場よりもかなり安くなる可能性があると考えておきましょう。

嫌悪施設の種類によっては影響が出ない場合もある

嫌悪施設については、法的な定義づけのような物があるわけではないので、特定の施設からの距離によって「売却価格を〇割下げなければならない」という決まりもありません。そもそも、嫌悪施設の捉え方については、先ほども紹介した通り、人によって全く印象が異なるのです。

そのため、嫌悪施設の種類によっては、家の売却に何の影響も生じさせないというケースもあります。例えば、お寺などの宗教施設に隣接していたとしても、寺社仏閣に小まめにお参りをしている方であれば、ほとんど気にならないのではないでしょうか?また、工場に隣接している住宅でも、悪臭や騒音が出ない、または購入者側が昼間に在宅していないため騒音の影響を受けないという条件の場合、施設の存在を気にしないため、嫌悪施設という扱いにならない可能性があるのです。

つまり、一般的に嫌悪施設に該当するとされる施設に隣接していたとしても、その種類によっては存在が気にならないという購入ターゲットがいると想定できるため、そういった方に売れば相場通りの価格で売却できる可能性もあると言えます。もちろん、嫌悪施設を気にしない人でも、値引き交渉の材料として利用する可能性があるため、一切の値引きが必要ないというわけではないので、その点は注意しましょう。

嫌悪施設が近くにある家を売却する時の注意点

ここまでの解説で、嫌悪施設がどのような施設であり、これに該当する施設に隣接する家の場合、売却が難しくなるということが分かっていただけたと思います。一般的に、嫌悪施設が近隣にある物件は、買い手側に敬遠される可能性が高く、需要が低くなることで売却価格が下がってしまうのです。

そして、嫌悪施設が近くにある家の売却では、これ以外にも注意しなければならないポイントが存在します。そこでここでは、嫌悪施設に隣接する家の売却において、重要なポイントになる告知義務について簡単にご紹介します。

不動産売却時の告知義務について

不動産の売却においては、対象となる物件に何らかの瑕疵が存在する時には、購入希望者に対して事前にその旨を伝えるという告知義務があります。告知義務が発生する瑕疵については、以前紹介した「事故物件とは?事故物件を売却する方法も紹介」という記事の中で詳しく解説していますが、簡単に言うと、以下のように本来の性質を損ねるような不具合のことを指しています。

  • 物理的瑕疵
    土地や建物に存在する物理的な瑕疵のことで、具体的には雨漏りやシロアリ被害、土壌汚染などが当たります
  • 法律的瑕疵
    建築基準法や都市計画法など、法律に適合していない状態
  • 心理的瑕疵
    住むことに嫌悪感や抵抗感など、心理的問題が生じるもの。過去に自殺や他殺があったなど
  • 環境的瑕疵
    不動産の建物自体ではなく、周辺環境に問題があり住環境を損なう状態のこと

上記のような瑕疵は、購入希望者の判断に大きな影響を与える情報となります。

瑕疵が存在する物件とそうでない物件であれば、当然、後者の物件を選ぶ方が多いはずですし、瑕疵の存在を隠した状態で売却した場合「瑕疵があることが分かっていれば買わなかった!」など、売却後のトラブルに発展する可能性があるのです。したがって、上で紹介したような瑕疵が存在する不動産の売却では、事前のその瑕疵の内容について、購入希望者に伝えなければならないという告知義務があるのです。

告知義務に違反した場合、後から契約不適合責任を指摘され、不具合そう応分の減額対応や契約の解除、損害賠償などに発展する可能性があります。

嫌悪施設は告知義務の対象になる可能性が高い

上記の通り、何らかの瑕疵が存在する物件の売却では、購入希望者に対してその旨を事前に告知しなければならないとされています。

そして、嫌悪施設に隣接して建っているという物件の場合には、環境的瑕疵が存在するとみなされるため、基本的に告知義務が発生すると考えなければいけません。具体的には墓地、廃棄物処理施設、暴力団事務所、近隣トラブルなどが該当するのですが、こういった瑕疵の存在を隠したまま売却すると、契約不適合責任を問われる可能性があります。

また、判断が難しい瑕疵の種類では、心理的瑕疵があります。心理的瑕疵については、一般的に自殺や他殺、事故などによる人の死があった物件のことを指し、いわゆる事故物件がこれに該当します。売却対象となっている物件自体が事故物件であるというケースでは、当然告知義務が発生するのですが、周囲に存在する住宅が事故物件であるというケースも、嫌悪施設として告知義務が発生する恐れがあるので注意しましょう。もちろん、事故物件は、対象となる物件内で事故が発生したケースを指すため、隣接する住宅が必ずしも当てはまるとは限りません。しかし、全国ニュースで報道された有名な事件が発生した物件に隣接しているという場合には、嫌悪施設が近くにあるという扱いになり、環境的瑕疵のある物件とみなされる可能性が出てくるのです。この辺りは、仲介を依頼する不動産会社と相談しながら、どういった扱いにするのが正しいのか判断してもらうと良いです。

※老衰や病死など、日常生活上の不慮の事故死は、告知義務はありません。ただ、不慮の事故でも、気付くのが遅れ、特殊清掃が必要になったという場合は、事故物件として告知義務が発生します。

嫌悪施設の種類について

嫌悪施設については、人によって受け取り方が異なることや法律などによって定義が決められているわけではないという点から「何が嫌悪施設に当たるのか?」の判断が難しいケースがあります。

例えば、騒音や臭気を伴う工場などであれば、誰にとっても嫌悪施設になると判断しやすいのですが、神社やお寺などの宗教施設の場合は、嫌悪施設に該当するかどうかの判断をしにくいと思います。寺社仏閣などは、観光名所という扱いを受けるケースもあるわけですし、この施設が「多くの人に嫌悪感を与える」とは少し考えにくいですよね。

しかし、神社などの宗教施設に関しても、嫌悪施設に該当するとされています。これは、信仰心が強い人にとっては、他宗教の施設が嫌悪対象になる可能性があるということや、場合によっては、周囲の生活環境に悪影響を与える可能性があるからです。神社などは縁日が催されることがあり、その時には多くの人が集まりゴミ問題や騒音問題を引き起こします。また、お正月などは、初詣客が集まり、周辺が混雑してしまう可能性があります。そのため、一時的とはいえ、人の生活環境に影響を与える可能性がある施設とみなされてしまうのです。

なお、新興宗教の施設に関しては、特に注意が必要でしょう。

嫌悪施設からの距離について

嫌悪施設の存在に関する告知については、「どの程度の近さなら告知する必要があるのか?」も気になる方が多いと思います。隣接する形で嫌悪施設が存在するという場合、売主側も「告知しないといけない」と分かると思いますが、ある程度の距離が離れていれば、わざわざ言う必要はないと考えてしまいますよね。

これについては、嫌悪施設からの距離についても、法律などによって明確な規定が設けられているわけではないので、判断が難しいです。嫌悪施設の受け取り方に関しては、買主側がどう感じるかが重要になりますし、先ほど紹介した通り、嫌悪施設の種類によっては距離が離れていても住環境に影響を与える可能性があるからです。

したがって、ある程度の距離が離れていたとしても、売主さんが勝手に判断するのではなく。不動産会社などのプロに相談しておくのがおすすめです。

嫌悪施設が近くにある家をスムーズに売却するには?

それでは最後に、「近くに嫌悪施設がある」という物件の売却について、スムーズに買い手を見つけるための方法についても解説します。

記事内でもご紹介している通り、嫌悪施設は、人の生活環境に悪影響を生じさせる可能性がある施設が近くにあることで、購入希望者に敬遠される可能性が高いです。そのため、売却するためには、相場よりも安い価格にしなければならないなど、売主にとってはスムーズな売却が難しい条件となるのです。

ここでは、嫌悪施設が存在するという弱点を解消し、通常の物件と同じような価格で売却するための方法について考えてみます。

嫌悪施設を気にしない人をターゲットにする

一つ目の対策は、嫌悪施設の存在をデメリットとして受け取らない方に売るという方法です。簡単に言うと、ターゲットを明確化して、その人に対して正確に情報発信をするという方法となります。

上でもご紹介していますが、一般的に多くの方に抵抗感や拒否感を与えるとされる嫌悪施設でも、中には「特に気にならない」という方もいるのです。実際に、賃貸物件市場では、一般的に借り手が見つかりにくいとされている事故物件を、家賃が安い狙い目の物件としてわざわざ探す人もいるのです。もちろん、嫌悪施設の種類によっては、購入ターゲットが見つかりにくい場合もありますが、販売価格を下げる前にターゲットを絞って売りに出してみるというのは有効だと思います。

例えば、以下のように、嫌悪施設の種類によって、ターゲットを絞り込んでみてはいかがでしょう。

  • 騒音や振動を生じさせる工場が近くにある
    DINKsなど、昼間に在宅している可能性が少ない方をターゲットにすると、工場の稼働による影響が出ないので、嫌悪施設という扱いを受けず購入してもらえる可能性があります
  • ガソリンスタンドや高速道路
    日常的に車を使用する生活の方をターゲットにすると良いです。ガソリンスタンドや高速道路は、嫌悪施設ではなく利便施設という扱いをしてもらえる可能性があります
  • 繁華街が近い
    自炊しない人は全体で約2割弱存在すると言われています。多忙や片付けの手間、メニュー考案の負担など、さまざまな理由があるのですが、こういった方にとっては、繁華街に近いという条件はメリットになり得ます
  • 心理的瑕疵がある
    墓地や事故物件、宗教施設に関しては、これらの問題を気にしない人をターゲットにすれば良いです

このように、一般的に抵抗感や拒否感を持つ方が多いとされる嫌悪施設でも、近くにあっても気にしないという方や、逆にありがたいと感じるような方もいるのです。したがって、物件を売りに出す際の広告について、「嫌悪施設が存在する」といった感じにネガティブな情報として伝えるのではなく、「ガソリンスタンドが近いから車移動の人は便利!」「繁華街に近いから気軽に外食できる!」など、物件のポジティブな面として打ち出し、そういった物件を探している方に情報が届くようにすれば、スムーズに買い手が見つかる可能性があるでしょう。

ホームステージングを実施して物件そのものの魅力を高める

この方法は、物件そのものの魅力度を高め、嫌悪施設が存在するマイナスよりも「ここに住んでみたい」と思わせる手法です。嫌悪施設の存在については、ある施設が近くに存在することを理由に「そこには絶対に住みたくない!」と思わせるほどの問題になるケースは少なく、嫌悪施設はあるとないなら「ない方が良い」という程度のものなのです。

嫌悪施設が、ほとんどの方が「絶対に住みたくない」と感じるほどの致命的なデメリットになるのであれば、販売価格を多少下げたとしても買い手を見つけることはできないでしょう。先程も紹介した通り、不動産市場の常識としては「嫌悪施設が近くにあると、価格が2~3割下がる」とされていて、売れないわけではないのです。つまり、物件の魅力度に関して、嫌悪施設によるマイナスよりも、プラスに転じることができるような対策を打てば、市場相場から値下げしなくても売却できる可能性があるのです。

そして、昨今の不動産市場では、売りに出す物件の魅力を最大限まで引き出す方法としてホームステージングが注目されています。ホームステージングは、下の画像のように、売却や賃貸を予定している物件内に、家具やインテリア、照明などを配置することで、購入希望者が魅力的に感じるような空間を作り出す手法となります。購入希望者が内覧した時には、入居後の生活を具体的にイメージできるようになることから、「ここに住んでみたい」と思わせることができ、早期かつ高値での売却が期待できるとされているのです。

実際に、ホームステージングを実施するかどうかの判断については、以下のデータの通り、一般的に売却が難しいと考えられる物件や長期的に売れ残っている物件に実施され、価格を下げる前の最終手段として採用されています。

■ホームステージングを実施する基準
引用:ホームステージング白書2024年

このように、ホームステージングは、長期間売れ残っている物件や売却が難しいと考えられる物件に実施されています。嫌悪施設が近くに存在する物件の売却は、まさにこの条件に該当すると考えられるため、ホームステージングの採用によって物件そのものの魅力を高めて買い手を探すという方法が有効なのではないかと言えるのです。

ちなみに、売却が難しいとされる物件を中心にホームステージングが実施されている中、この対策に対して売主や貸主さんの満足度は、以下のデータのように非常に高かったという結果も出ています。

■ホームステージングに対する貸主・売主の満足度

  • 大変に満足度が上がった:35.7%
  • 少し満足度が上がった:48.5%

このように、売却や賃貸の集客に苦戦していた物件所有者のホームステージングへの満足度は8割以上が「満足度している」という結果になっています。これは、不動産の売却や賃貸において、ホームステージングが非常に大きな効果を発揮していることがよくわかるデータと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、家の売却を難しくする条件の一つである「近くに嫌悪施設がある」物件の売却について解説しました。

記事内でご紹介した通り、嫌悪施設は、人の生活環境に何らかの悪影響を及ぼす可能性があるため、家の購入を考えている方の多くは、その施設の存在に抵抗感や拒否感を抱き、購入を控えやすくなってしまうとされているのです。もちろん、近くに嫌悪施設が存在すると、絶対に家が売れないというほど致命的な問題にはならないのですが、売却方法を工夫しないと相場よりも安い価格でしか買い手が見つけられない可能性があるとされているのです。

この記事では、嫌悪施設が近くにある物件でも、相場通りの価格で売却するための工夫などについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。