2026.03.06

1年以上売れない家は値引きが必要?売れない家を売却する対策

少子高齢化による人口減少が進む日本では、家が売れない時代が来ていると言われています。実際にマイホームの売却を検討し売りに出したとしても、1年以上買い手が見つからない…という悩みを抱えてしまう人も少なくないのです。

家を売りに出しているのに、1年以上買い手が見つからないという状況に陥った場合、焦りから値引きの検討をする方が多いと思います。仲介を依頼している不動産会社からも、「値引きしないと買い手が見つからないかも…」などとアドバイスを受ける可能性が高いですし、多くの場合は販売価格を下げることによって買い手を探すという流れになると思います。

しかし、家の売却については、値引きをしないと絶対に売れないというわけではなく、物件によっては値引きをせずに他の工夫を施すことで買い手を見つけることも可能なのです。家が長期間売れない場合でも、その理由が価格ではなかった場合には、「値引き」という対策が全く意味をなさない可能性が高いため、値引きを実行する前に何が理由で売れないのかを正確に把握することが大切です。

そこでこの記事では、1年以上売れない家について、なぜ売れないのかというその理由や、売るための対策、値引きの必要性などについて解説します。

そもそも平均的な家の売却期間は?

「1年以上売れない家」と聞くと、売れ残っているという印象を持ってしまう方が多いと思います。ただ、そもそも家を売りに出してから買い手が見つかるまでに、どれぐらいの時間がかかるのかを知っているという方も少ないと思いますし、「1年以上売れていない」ということが異常なのかどうかの判断はなかなか難しいと感じるかもしれません。

そこでまず、前提条件として、家を売りに出してから買い手が見つかるまでの平均的な期間について簡単にご紹介しておきます。ここでは、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が毎年公表している「首都圏不動産流通市場の動向」から、直近の家の平均的な売却日数のデータをご紹介します。ちなみに、以下で紹介する平均日数は、中古住宅の売却期間のデータとなります。

  • 2021年・・・中古マンション:74.7日、中古戸建て:101.2日
  • 2022年・・・中古マンション:71.4日、中古戸建て:81.2日
  • 2023年・・・中古マンション:80.1日、中古戸建て:83.3日
  • 2024年・・・中古マンション:85.3日、中古戸建て:97.3日
  • 2025年・・・中古マンション:82.5日、中古戸建て:100.9日

建物の種類と年度によって平均的な売却期間は幅があります。ただ、上記のデータから分かるように、中古住宅の一般的な売却日数は、3ヶ月前後と考えて良いはずです。つまり、家を売りに出して1年以上も買い手が見つからないという状況は、何らかの理由があると言わざるを得ないのです。

データ参照:首都圏不動産流通市場の動向(2025年)

1年以上家が売れない場合、値下げが必要なのか?

前項でご紹介した通り、マンション、戸建て住宅に関わらず、中古不動産の売却にかかる平均日数は3カ月前後というデータがあります。そのため、売りに出してから1年以上が経過しても、買い手が見つかっていないという物件は、何らかの原因があると言え、買い手を見つけるためには「値下げをしなければならない」と考えてしまう人が多いはずです。

当然、買い手が見つからない家をそのまま放置していると、単に売れないということが問題になるのだけでなく、築年数が経過することで資産価値が目減りしていってしまいます。また、空き家状態の物件売却の場合は、売れない間の管理にコストがかかるなど、さまざまな問題点が生じてしまう訳です。もちろん、売却益を住み替えの資金にしたいと考えている方の場合は、その計画が大きく崩れてしまうことでしょう。

したがって、家を売りに出したのに1年以上も買い手が見つからない…という状況に陥った場合には、焦って値引きを検討する売主様が多いのです。しかし、不動産が売れない場合でも、安易な値引きという対策を選択するのは、むしろマイナスに働きかねないので、その点は注意しましょう。

売れない理由を正確に把握することが大切!

家を売りに出したのに、「1年以上売れない」という状況は、家の販売価格だけが原因ではありません。もちろん、物件価格を相場よりも高く設定している、物件の状態が悪いのに相場通りの価格をつけているなど、買い手が見つかっていない要因が「物件価格にある」と判断できる場合なら、値下げを行うという対策は有効に働く可能性が高いです。

例えば、相場よりも高い価格をつけているのであれば、相場通りの価格に見直すことで、すぐに買い手が見つかる可能性が考えられます。しかし、家が売れない時の対策として「値下げを行う」という手段は、最終手段となるため、安易に行うべきではないのです。販売価格を下げれば、確かに買い手が見つかる可能性は高くなりますが、売れたとしても売却による収益が少なくなってしまうため、住み替え資金が足りなくなるなど、別の問題が発生する可能性もあるのです。したがって、値下げという対策を検討した時でも、事前に不動産会社に相談し、売れない理由が本当に価格にあるのか、また価格にある場合、いくらぐらい値下げすれば良いのかを慎重に判断しなければいけません。

一方、不動産を売りに出しているのに、買い手が見つからないというケースでも、その理由は価格でないケースというのも少なくありません。この場合、買い手を見つけるための対策として「値下げ」を実行したとしても、売れる可能性は少ないと言えるでしょう。仮に売れたとしても、売却益は少なくなりますし、本来はもっと高い値段で売れている可能性があるため、売主にとっては損な取引を進めていることになるのです。

したがって、長期間家が売れないという状況に陥った際には、「値下げ」という対策に打って出る前に、「何が原因で売れないのか?」を正確に把握できるようにすることから始めましょう。当然、家が売れていない理由によって、必要な対策は異なるので、場合によっては、値下げなどを一切行わなくても買い手を見つけられる可能性もあるのです。

家が1年以上売れない時に考えられる理由

それでは、家を売りに出しても長期間売れ残ってしまう場合に考えられる主な理由についても解説します。上述しているように、家が売れないという場合でも、その理由は「価格」以外にあるケースも多いです。

①市場価格とかけ離れた価格をつけている

最もわかりやすい理由は、市場価格とはかけ離れた高い価格で売りに出しているという理由です。

家を購入するためには多額の費用がかかることは誰でも理解していますが、それでも買い手側は「理想の家をできるだけ安く買いたい」という希望を持っています。そのため、相場よりも高値がつけられている物件は避けられやすくなるのです。

家を購入する時には、ほとんどの方が不動産ポータルサイトを使い、住みたいエリア内で売りに出ている物件を探し、比較検討するという行動に出ます。この際には、類似物件の価格を比較するということも非常に重要な要素となっているのです。当然、同じエリア内にあり、条件が似通った物件であれば、買い手側は少しでも安い方を選ぶ傾向があるため、価格の高さは「選ばれない」理由になってしまいます。

したがって、価格付けに失敗しないためには、売主自身が周辺エリアの相場を調べ、売りに出そうとしている価格が相場に対して適切なのか、また相場と比較して自宅にマイナスとなる予想がないのかなどを慎重に検討しなければならないと考えましょう。例えば、設備条件などは似通っているけど、駅までの距離が類似物件よりも遠いというケースでは、マイナス要素を解消するためにも、少し価格を低めに設定するなど、早期売却には微調整も必要になるのです。

ちなみに、「価格が高いと売れない」と聞くと、早く売りたいなら低く設定すれば良いと考えてしまう人がいます。しかし、相場と比較して、極端に低い値付けをしてしまうと、これも売れない理由になります。この場合、事故物件などを疑われてしまい、候補から外されてしまう可能性があるのです。物件の売り出し価格は、相場に対して適切であることが何よりも重要と考えてください、

②建物の損傷や劣化が目立つ

建物の見た目は、購入の判断に大きな影響を与えます。内覧に足を運んだ際も、真っ先に目に入るのは建物の外観で、この部分で悪印象を与えてしまうと、物件全体の印象が悪くなってしまうのです。また、建物が劣化して見た目が悪くなっている場合、悪印象を与えるだけでなく、「購入後、修繕に多額の費用がかかるのではないか…」など、現実的な問題を連想させてしまうことも売れにくくなる要因となります。

例えば、以下のような問題が生じている場合、長期間売れ残ってしまう可能性が考えられます。

  • 外壁塗装の劣化
  • 基礎や外壁のひび割れ
  • 雨漏り
  • 金属部分のサビ
  • 住宅設備の老朽化
  • シロアリ被害

上記のような問題が生じている物件は、購入後も多額の修繕費用がかかる可能性があるため、相場通りの価格で売りに出している場合は、買い手側から敬遠される可能性が高いです。

③立地や土地、周辺環境に問題がある

売れ残ってしまう物件は、立地や土地、周辺環境が良くないということで敬遠されている可能性もあります。例えば、以下のような問題が考えられます。

  • 最寄駅から遠く、通勤・通学の利便性が悪い
  • 周辺に生活利便施設がない(スーパーや病院など)
  • 騒音リスクが高い(幹線道路や線路、工場が近くにあるなど)
  • ハザードマップ上、災害リスクが高いとされている
  • 嫌悪施設が近くにある

立地や周辺環境については、上記のような問題が考えられます。このような問題を抱えている物件の場合、築年数が浅く綺麗な状態の中古住宅でも、買い手側から敬遠されてしまう可能性があるでしょう。

また、土地に関する問題については、以下のような理由が考えられます。

  • 三角形や台形、旗竿地など、不整形地である
  • 再建築不可など、法的瑕疵が存在する

上記のような条件を満たしている場合、土地利用が難しくなるため、敬遠される可能性が高いです。

④内覧対応の失敗

内覧にまで足を運んでいただけているのに、最終的に買ってもらうことができないというケースも考えられます。この場合、内覧対応に何らかの問題があると考えられます。内覧までは足を運んでもらえるというケースでは、買主側は立地や間取り、価格に対してある程度の納得感を持っているはずです。それなのに、実際の物件を見て「買わない」という判断を長期間され続けているというケースでは、売主側の内覧対応が不十分であると考えられるのです。

例えば、以下のような問題があると考えられるでしょう。

  • 物件内の清掃が行き届いていない
  • 日常生活に追われて整理整頓ができていない
  • 物件内に異臭が残っている(タバコやペット臭など)
  • 内覧者からの質問に明確に答えられない

家の購入は、最終判断の場として「内覧」が必ず実施されます。内覧者は、価格に見合う物件なのか、また自分たち家族の生活スタイルに合う物件なのか、細部まで確認するために内覧に足を運んでいます。それなのに、掃除や整理整頓が行き届いていないという場合、「普段から家の扱いが悪いのではないか…」「ゴチャゴチャしていて良し悪しの判断ができない」など、購入を決断させることができない状況になってしまうのです。

家の売却における内覧は、購入希望者にできるだけ良い印象を与えることで、購買意欲を高めることが大切です。そのため、少しでも良い条件で購入してもらえるようにするには、しっかりと内覧者を迎え入れられる環境を整えておく必要があるのです。

⑤不動産会社の売却活動に問題がある

家が長期間売れないというケースでは、仲介を依頼している不動産会社に問題があるケースもあります。物件そのものや価格に問題がなくても、以下のような状況に陥ると、買い手が見つからず長期間売れ残ってしまうのです。

  • 広告が少ない
  • 広告の掲載内容が悪い
  • 営業活動をしていない(担当者が熱心でない)
  • 不動産会社が苦手とする物件タイプ

簡単に言うと、不動産を売るために必要な販売活動が、適切に行われていないという理由です。

なお、不動産会社の販売活動に問題があるケースでも、悪意のあるパターンと悪意のないパターンがあります。例えば、仲介を依頼した不動産会社が、苦手とする不動産タイプの場合、適切な販売活動を行っているつもりでも、対策がズレていることで売れ残ってしまうというケースがあるのです。不動産会社にも得意・不得意がるため、仲介を依頼する不動産会社を決める時には、過去の販売実績なども確認しながら、売却を考えている不動産の販売実績を豊富に持つ会社かきちんと調べる必要があると考えてください。

なお、不動産会社の中には、悪意を持って長期間売れない状況を作る会社があるので注意しましょう。これは、いわゆる「囲い込み」と呼ばれるもので、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取るため、他社の紹介を受け付けないようにする、また最終的に自社での買取に導くため、販売活動を一切行わないなどといった対応をされることを指します。この場合、条件が良い物件でも売れ残ってしまう可能性があるので、どのような販売活動を実施しているのか、定期的に確認しながら、怪しいと感じた時には不動産会社を変更することも検討しましょう。

⑥競合物件が多く埋もれている

最後は、同じ時期に売りに出されている物件が多すぎて、埋もれてしまっているという理由です。この場合は、状況が落ち着けば買い手が見つかる可能性があるので、そこまで心配する必要はないかもしれません。

例えば、大規模マンションの売却などでは、同じマンション内から複数の部屋が一度に売りに出されるケースがあります。この場合、物件の条件については、ほとんど同じな訳なので、より安い金額で売りに出されている物件が優先的に選ばれてしまいます。もちろん、物件ごとに、室内の劣化状況は異なると思うので、状態の良い物件が先に売れるというパターンもあるでしょう。

近隣エリアに、似たような条件の物件が多く売りに出されているというケースでは、どうしても価格競争のような状況に陥りやすいです。そのため、この場合は、少しタイミングをずらして売りに出すか、類似物件と差別化できるような販売戦略を適用する必要があります。

1年以上売れない家を売却するための対策とは?

前項でご紹介した通り、1年以上など、長期にわたって売れない家でも、買い手が見つからない理由はさまざまなことが考えられるのです。当然、長期間売れなかった家を売却するためには、売れなかった理由を解消してあげなければいけません。例えば、内覧準備が不十分であることが理由で売れていないのに、「価格を下げる」という対策を実施したとしても、内覧時の印象は良くならないため対策になり得ないという訳です。

つまり、1年以上売れ残っている物件を売却するためには、「なぜ売れなかったのか?」という理由を明確にして、その問題を解消できるような対策を施してあげる必要があるのです。原因ごとに、必要な対策は変わりますが、主な対策としては、以下のような事があげられるでしょう。

価格を下げる

一つ目の対策は販売価格を下げるという対策です。

例えば、周辺相場と比較して、割高な価格設定になっているというケースであれば、価格を見直しするだけで、すぐに買い手が見つかる可能性があるでしょう。販売価格については、不動産会社の意見だけで決めるのではなく、売主様自身が相場に近い金額になっているのかを確認する必要があります。不動産ポータルサイトで、近隣エリアの類似物件の価格を調べて比較検討する、国土交通省の不動産情報ライブラリで過去の成約価格を調べるなどといった方法で、適正価格になっているのかが分かると思います。

この他、建物の劣化が原因で売れていない、売りに出ている物件数が多いため埋もれているというケースでも、販売価格を下げるという対策が有効に働くことがあります。劣化が進行している物件は、購入後にリフォームが必要となります。そのため、買い手側はリフォーム費用のことを考慮して「予算オーバー」という判断をしている可能性が考えられるのです。そのため、リフォーム費用分を相場よりも下げておけば、買い手が見つけられる可能性があります。競合物件が多いという場合は、安いものから売れていく傾向にあるため、競合物件よりも販売価格を少し下げることで、売り抜ける可能性が高まります。ただ、急いで売らなければならない理由がないケースでは、売りに出すタイミングを変えることで値下げせずに売却できる可能性があるので、その辺りは慎重に判断しましょう。

物件の印象を高める

物件価格が原因で買い手が見つかっていないわけではないケースもあると紹介しましたが、この場合は値下げではなく、原因に沿った適切な対策を施すと良いです。例えば、以下のような対策が考えられます。

  • ハウスクリーニング
    物件内の汚れやニオイが原因の場合、それを取り除くため、プロの手によって物件内の清掃をしてもらうと良いです。ハウスクリーニング業者などに依頼すれば、長年蓄積した汚れなども綺麗に落としてくれますし、タバコなどの異臭もきちんと消臭してくれるため、内覧時の印象が良くなることで、値下げせずに売れる可能性があります。
  • リフォーム・修繕
    物件の劣化が原因の場合、売りに出す前にリフォームや修繕工事を施すことで、相場通りの価格で売却することができるでしょう。売主側の手間が増えてしまいますが、補助金などを利用することで、値下げするより安く抑えることができる可能性があるので、不動産会社とどちらの方法が良いのか相談してみると良いです。
  • ホームステージング
    ホームステージングは、物件内に家具やインテリア、照明などを配置することで、新築のモデルルームのような空間を作り出し、内覧者がそこでの生活を具体的にイメージできるようになることで、早期かつ高値での売却が期待できるという方法です。内覧にまでは足を運んでいただけているという物件の場合、価格に問題があるのではなく、内覧時に良い印象を与えられていないことが要因です。したがって、その部分の問題を解消するため、ホームステージング業者に相談して、必要な対策を施すと良いです。なお、ホームステージングは、単に家具などを配置するだけでなく、上で紹介したハウスクリーニングや軽微な修繕など、家を売却するための対策全般を請け負ってもらうことができます。

上記のような対策を実施し、物件そのものの魅力を高めることで売却を目指すという方法も有効です。販売価格は市場相場に合わせているというケースでは、物件そのものの魅力が伝わっていない可能性があるので、値下げをするのではなく、物件の魅力が最大限伝わるような対策を施すと良いです。

不動産会社の部分に手を加える

家が売れていない理由が、仲介を依頼している不動産会社にあるのではないかと考えられる場合、この部分に手を加える必要があります。例えば、囲い込みを目的に販売活動をまともに行っていないと判明した場合、その業者に仲介を依頼し続けたら、いつまでたっても家が売れることはないでしょう。

したがって、このようなケースでは、媒介契約の種類を変更する、もしくは仲介を依頼する不動産会社を変えるなどの対策を検討しましょう。

ホームステージングは早期かつ高値での売却が期待できる

ここまでは、家が1年以上売れないことに悩んでいる方に対し、なぜ買い手が見つけられないのか、また買い手を見つけるにはどうすれば良いのかについて解説しました。長期間売れ残っている家でも、買い手が見つからない理由はさまざまなことが考えられます。単純に、市場相場に対して高すぎる価格で売りに出しているという場合は、値下げをすることで買い手を見つけられる可能性があるでしょう。

しかし、売れない理由が価格ではなかった場合には、値下げという対策がそこまで有効に働かない可能性がありますし、何よりも「値下げしなくても売れる可能性がある」ことから、売主にとっては損になる取り引きと言えるのです。例えば、内覧にまではそこそこ足を運んでくれる人がいるという状況の場合、物件の立地や価格帯にそこまで大きな問題があるとは言えません。この場合、内覧時に良い印象を与えることができなかったことが要因なので、その部分の問題を解消するための対策が必要になるのです。

そして、中古住宅市場で昨今注目されている手法として、ホームステージングがあります。ホームステージングは、もともと中古住宅市場が活発なアメリカで誕生した販促手法で、内覧時の印象を大幅に高めることで、早期かつ高値での売却が目指せるとされているのです。そこでここでは、ホームステージングを採用することで、実際にどのような効果が出ているのかについて、そのデータをご紹介します。

中古住宅市場におけるホームステージングの効果

ホームステージングは、下の画像のように、物件内に家具などを配置し、新築のモデルルームのような空間を作り出すことで内覧者の印象を高め、早期かつ高値での成約を実現するという販促手法です。物件内に家具などが配置されていれば、内覧者はそこでの生活を具体的にイメージできるようになるため、自分たち家族の生活スタイルに合う物件なのかが判断しやすくなります。また、専門業者にホームステージングを依頼した場合、ハウスクリーニングなども併せて実行してくれるため、物件の魅力を最大限引き出すことができ、市場価格よりも高値で売却できたケースも少なくないとされています。

実際に、日本ホームステージング協会が毎年実施している、ホームステージングの実態調査を確認してみても、ホームステージングを実施せずに売りに出した物件と比較すると、以下のような効果が認められているのです。

■ホームステージング実施前との比較・成約までの期間(2024年度)

  • 大幅に短縮した(1カ月以上):18.6%
  • 少し短縮した(1週間~1カ月未満):51.3%

上記のように、売却期間については「短縮できた」という回答が約7割に達しています。

また、売却価格に対しても、日本国内における調査では「売却価格が平均で約0.5%アップした」という報告があり、米国での調査においては「6%以上高く売れた」という結果が報告されています。このように、ホームステージングは、早期かつ高値で売却できる可能性が高くなるという効果が期待できるため、1年以上売れなかった家の売却では、値下げせずに買い手を見つけるための方法として非常に有効だと考えられるのです。

参照:ホームステージング白書2024年

まとめ

今回は、1年以上売れなかった家について、買い手が見つからない主な理由やその解決策、値下げせずに売却するための方法などについて解説しました。

記事内でご紹介した通り、長期間売れ残っている不動産でも、買い手が見つけられていない理由はさまざまです。もともと、市場価格とかけ離れた値段で売りに出している場合は、それが理由と考えられるため、値下げするという対策が非常に有効と考えられるでしょう。

しかし、内覧数自体はあるのに買い手が見つけられないというケースでは、購入希望者は販売価格に納得感を持っているはずなので、安易に値下げするという対応を取ると、売主側が損をしてしまう可能性があるのです。この場合、内覧時に悪印象を与えていることが要因なので、内覧準備や対応部分に何らかの対策を施せば、値下げしなくても買い手を見つけられる可能性があるでしょう。

そして、内覧時の印象を高めるための方法としては、ホームステージングの効果が不動産業界で認められ始めています。2020年以降は、賃貸業界でも広く取り入れられ始めていて、毎年実施される実態調査にて、売買でも賃貸でも、非常に大きな効果を発揮していることが分かるデータが出揃ってきています。現在、家を売りに出してもなかなか買い手が見つからないことに悩んでいるという場合は、ホームステージングの実施を検討してみましょう。